年内最後の投稿です。
穴の中は巨大な建物に通じている。
雰囲気的に礼拝堂のような場所なのだが、フロアの床が崩落し、ほぼ吹き抜け状態となっていた。
下を見るとかなりの高さがあり、現代で言う高層ビルに相当するんじゃないだろうか。
足場として利用できる床を辿り下へ下っていくと、ゾンビが徘徊している。
ただ、これまで見かけたゾンビと違いどことなくシ〇イガイを彷彿とさせる色白さだ。
「流石に顔を見ても発狂しないか」
本家本元は顔を見た奴絶対殺すマンだけど、普通のエネミーと同じような反応を見せるだけで戦闘力も見た目相応。
ただ弓矢を使ってくるゾンビは白炎を纏わせていたけど、これはこの地域限定の能力だろうか。
ていうか、この色白ゾンビがノクローンの民なのかな?
「おぉぉ……こりゃすげぇ……」
壁に開いた穴から建物の外に出ると、そこはまさに地下都市といった様相を呈した街並みが広がっていた。
民家らしき建物はなく、塔のような建築物や何らかの施設的な大型建造物しか確認できないが、地下にこんな場所があるなんて驚きだ。
しかも、今立っている場所は建物の屋根の上なのだが、下を覗いてみるとガチで底が見えない。ていうか、底がない。
数キロ先までは建物が続いているのは見えるのだが、それ以降は闇が広がっていて視認できないなんて、どんだけだよ。
「ここが、永遠の都ノクローン……」
「狭間の地にこんなところがあったんですね……」
同じく初ノクローンのメリナたちも驚いているようだ。
「んで、なんか居るし」
そんな神秘的な街並みを眺めていると、建物の屋根上に妙なものを見つけた。
巨大な水銀の塊だ。なんかスライムのようにのっぺりとしているのだが、なんか微妙に動いてね……?
屋根伝いに進み近づくと、水銀の塊は一瞬体を弾ませ、ドラ〇エのスライムのように立体的な形になった。
「まさか、月霊〇液……!」
かの自立兵器である月霊〇液を彷彿とさせる水銀スライムは、ゆっくりとこちらに近づいてきた。
かと思えばキュッと体を圧縮すると、ぶっとい針のようなものを生やして突いてきたり、あるいはそれを飛ばしてきたりと敵対行動を取ってくる。
文字通り話が通じるタイプではないため、いつものように刀でぶった切るんだが、体が液体金属で出来ているからか物理攻撃が全く効かない!
「物理に強いとか、こういうところも月霊〇液だなぁ!」
だけど、攻撃に合わせてカウンターを叩き込むと流石にダメージを負うようだ。針だけ硬化させて伸ばしてくる、といった高度な戦法はコイツらの辞書にはないらしい。
あと、普通に魔術は有効だ。この辺はテンプレだな。
「……これがノクローンの民が作った、銀の雫。意外と堅かったわね」
随分とお洒落な名前が付いていたスライムこと銀の雫。メリナの言う通り、物理攻撃に強い水銀スライムだ。
「しっかし、奇妙な生き物だな。生命力が宿った水銀は初めて見たぞ」
倒した銀の雫は粒子となり消えたのだが、そこには硬化した水銀スライムの一部が残されていた。
【銀雫の殻】と呼ばれるそれは調香素材の一つで、気分を昂らせる【高揚の香り】を作ることが出来るのだが、よくよく視てみると僅かながら生命力の残滓があるのだ。
そう、あの水銀スライム。水銀という液体金属の塊なのに何故か生命力が宿っているのである。
「動植物と違って生命力もなんていうか、かなり薄いんだよな。気配もないし、死角とかに居たら普通に気付かないぞこれ」
「クララ姉さんや、一郎先輩たちに助けてもらうのはどうでしょう? ラティナさんも加わったことですし」
「それ採用」
ボックの案に大きく頷いた俺は、鈴を鳴らして遺灰組を召喚する。ちなみに一郎というのは、はぐれ狼の一匹で、他に次郎と三朗がいる。安直だって? 前世で飼ってた愛犬の名前やぞ……?
喚ばれた霊クラゲのクララはふわふわ浮きながら、何だか嬉しそうに触手をフリフリしており、一郎たちも俺の足元をグルグル回って楽しそうにキャンキャン吠えている。久々の登場に張り切っているみたいだ。
「そうだよな……ずっと遺灰の中で待機って、つまんないよな」
ボス戦くらいしか見せ場ないもんね。ここ最近はとんと出番が無くてホント申し訳なく思う。
「今回は秘宝探しだから、ここノクローンの隅々まで探索するぞ! お前たちの活躍にも期待してるからな!」
「――!」
『ワォーン!』
俺の腕に触手を絡ませて喜びをアピールしてくるクララと、歓喜の遠吠えをする一郎たち。
こらこら、はしゃぎ回るのはいいけどここ屋根の上だからな。へまして落ちるなよ。
そんな先輩たちの後ろでは愛犬の狼に乗ったラティナが、慈愛の眼差しを向けている。アニマルセラピーを感じてますね?
「早速、君の力になれそうだな」
「ああ。ラティナたちは主に索敵を頼みたい。もちろん、倒せるならそのまま倒してもらって構わないが……ちなみにラティナはどれ程の腕前で?」
ラティナと出会った時には、矢筒こそあるものの肝心の弓を持っていなかったのだが、今彼女の手には長弓が握られている。どこから調達してきたんですかソレ……。
繊細な銀細工が施されており、視てみると、ラティナのようなしろがね人の射手が好んで使用する得物のようだ。
「私の腕前? そうだな、実際に見てもらった方が早いだろう」
そう言い周囲を見回したラティナはある方角に向けて弓を構えた。
そちらに視線を向けてみると、水銀スライムが一体確認できたのだが。距離にしてざっと五百メートルはある。
俺の目は望遠鏡レベルだから問題ないけど、普通の視力だとスポイトから垂らした水滴くらいの大きさだと思うんだけと……えっ、アレ狙えるの?
しかも、この距離で中てられるだけでも凄いのだが、ラティナは更なる試練を己に課した……!
「……流石の貴女もそれは無茶では?」
なんと愛狼に命じてその場で反復横跳びをさせたのだ……! 女性には少し辛口なあのメリナも口を挟むほどだ!
生半可な鍛え方では振り落とされるのは間違いなしの、ロデオもビックリな躍動を見せる大狼ロボ。そんな状態だというのにラティナの体幹は揺らぎなく、しっかりと大狼の動きにフィットしている!
そんな状況下で冷静に矢をつがえるラティナ。狙いを定めた鏃は常に一方向へと照準が合わさり、まったくぶれる様子がない。
「射った! バカな、この距離で速度が落ちないだと……!?」
彼女が使っている【しろがねの弓】の有効射程距離は五十。これは、メートル換算すると凡そ五〇〇メートルだ。
当然ながら飛道具は山なりの軌道を描き、後半になると失速する。
なのに、ラティナが放った矢は大した速度低下を見せることなく、水銀スライムを見事撃ち抜いてみせたのだ。
「凄いな、正直予想以上だ……」
「期待に応えられたなら良かった」
「そうだ。ラティナの弓はあまり強化されていないようだし、良かったらこれ使ってみてよ」
ポーチから取り出したのは限界まで強化した【しろがねの弓】。
自分と同じ得物が出てきて驚いたのか、目を丸くするラティナ。
「これは、私たちの……」
「あ、言っておくけど殺して奪ったやつじゃないから」
「そうか……貴方がそう言うなら信じよう」
ラティナが使っている弓は攻撃力は八十二なのに対し、こちらは二〇〇。単純に倍以上の攻撃力だ。
手にとって軽く弦に触れたり構えてみたラティナは、驚いた顔で強化済みの弓を見下ろした。
「不思議と手に馴染む……。長年使ってきた弓とまったく変わらない。ありがたく頂戴しよう」
先ほどの矢はスライムの半ばまで埋まる結果になったが、限界まで強化された【しろがねの弓】で再度射ると、今度は完全に貫通して壁に深々と刺さったのが見えた。
物理攻撃なためそこまでスライムにダメージはないようだが、それでも威力は段違いであるのが見て取れる。
これはいいな、と機嫌良さげに水銀スライムを針ネズミにしていくラティナ。
気に入ってくれてなによりだ。
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「あ……ありのまま、今、起こっている事を話すぜ……! 俺は、狭間の地の底に向かっているはずなのに……いつの間にか地上に出てたんだ。な、何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何を見てるのか、わからない……。
頭がどうにかなりそうだ……転移門だとか魔術なんて、そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ……。もっと恐ろしいものの片鱗を味わっているところだぜ……!」
「……本当に何を言ってるの?」
ポルポル構文を使ってしまうほど、目の前の光景が信じられない。メリナの冷たい言葉にも反応を返さないことから、その衝撃の程を察してほしい。
地下深くに眠っていた古代都市ノクローン。それ自体は良いんだ。古代遺跡が発掘されたなんて現代にもあったし、風化した様子もあまり見られないのも、まあ良しとしよう。
だけど、地下に夜空が広がってるのは無しだろ。プラネタリウムばりの綺麗な星々が地底の空を彩るとか、訳わからねぇ。
これが本当にプラネタリウム的なものだったら良いよ。むしろそうあって欲しいと願うわ。理解が追いつくから。
でも、視た限り魔術による投影じゃないんだよね。
現在地から地上まで、少なくても十キロ圏内の筈なのに、適当にピントを合わせた星との距離が一三七キロってどういうこと??
「……なんでメリナさんとボックくんは、あまり驚いていないんです?」
「何でって言われても……。シーフラ河やエインセルもそうだから、今更としか言いようがないわね」
「考えたこともなかったです……」
この光景が常識なのか。異世界恐るべし……。
そんな神秘溢れるノクローンを進んでいく。此処は予想以上の広さを誇り、小さな街どころか市レベルだ。下手したら前世の地元より広いかもしれない。
建物の殆どは倒壊していたり、思いっきり傾いていたりするが、一応侵入出来そうなら中に入ってみる。
まあ、生きている人なんて一人もいないし、道中見かける生き物は水銀スライムか色白ゾンビのみ。
お宝らしきものも見つからず、大体は骨折り損のくたびれ儲けに終わるけど、たまに装備品や武器などが見つかるから気が抜けない。
「――! ワォーン!」
「お。またなんか見つけたか」
迷子にならないようにマッピングをしながら進んでいくと、はぐれ狼の一頭である次郎の遠吠えが聞こえた。これは何かを発見した合図だ。
建物の入り口か、宝箱でも見つけたか。遠吠えが聞こえたその場所に向かってみると、知らせてくれた次郎はなんだか困惑したような顔でこちらを見上げてくる。
……なんか見つけたんだよな?
「わふっ」
小さく鳴き声を上げた次郎は顔を通路の先に向ける。
俺もそちらを見て――。
……。
「えっと、どちら様……?」
そこには、小壺を被ったパン一の男が腕を組んで佇んでいた。
皆さんよいお年を、オタッシャデー!
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある