半年ぶりです。色々と浮気してすまぬ。
ナイトレインも好評発売中なので、ぼちぼちこっちも更新しますよ、というお知らせ。
脳をエルデンに切り替えてる最中だから短いけど許して。
味わい深い色合いの小壺を頭に被り、白のブリーフだけを履いたパン一男。
その体は無駄な贅肉を削ぎ落としかつ、実戦で使用する筋肉のみを鍛え上げた、ある種の機能美を感じさせる美しい細マッチョ。
ムキムキのアメリカンボディビルダー体型の俺とは真逆の、スマートなボディだ。ふ、ふつくしい⋯⋯。
そいつは俺の姿を認めると、組んでいた腕を解いて手紙を渡してくる。
宛先は、セルブスだった。
【君に頼みたいことが出来た。私の元まで来たまえ】
簡潔な内容の文章。って、よく見るとこのパン一男、セルブスの人形やん。
そう、よくよく視てみると男の五体に魔力の糸が繋がっているのだ。魔力反応もセルブスのものだし間違いない。
どうやら仮死状態となっており、抜け殻となった肉体を魔力糸で操っているのだろう。
ここまで精密に動かせるのは純粋に凄いと思うけど、これって間違いなく過去にネフェリ・ルーに飲ませようとさせた秘薬の効果だよな。危うくネフェリ・ルーもこうなるところだったのか⋯⋯。
やはり奴の所業は許すマジ。ということで、良い機会だからセルブスを処すことに決めました。
このパン一男と繋がってる魔力糸を逆探知すれば、本体の居場所もチョチョイのチョイさ。
「んじゃあ、ちょっとあのクソ野郎のところに行ってくるわ。すぐに帰ってくると思うから」
「分かったわ」
近くにあった祝福から一旦ラニ様の魔術師塔へ跳ぶ。面倒なことにセルブスの魔術師塔には祝福がないんだよな。
「我が主の寝顔、かわゆす」
未だ夢の世界へ旅立っているラニ様に投げキスをプレゼントし、門番をしているアデューラには挨拶代わりの口付けを渡し、いざセルブスの元へ。
1
魔力の逆探知によると、奴は魔術師塔から少し離れた場所に位置する地下工房に潜んでいるようだ。
入り口は隠蔽の幻術が掛かっていたが、すべてを見通す解析眼の前では無意味。
石畳の階段を降りると、そこそこの広さのある大部屋にたどり着いた。部屋のいたるところに水晶のような輝石が生えており、机や書棚には乱雑に置かれた書籍やスクロールが散らばっている。
そして、一際目に映るのが、力なく項垂れる数人の人影。
セルブスが使用する人形たちだろう。
この場で確認できるのは五人。いずれも例の秘薬で仮死状態となっており、人種や性別もまちまちだ。
「さて、セルブスのクソ野郎は……と」
いた。奥の方で一体の人形を愛でている。
コイツも此処にいる人たちと同じ人形なのだが、魔力反応はこの部屋から感じる。恐らく、近くで隠れ潜んでいるのだろう。
自分しかいない秘密の工房でも常に身を潜めるとか、凄腕のヒットマンかな?
「しなやかであり無駄を省いた筋肉はまさに黄金律⋯⋯殺戮のために生まれたと言っても過言ではない、この造形美⋯⋯素晴らしい⋯⋯」
うっとりとした声で無骨な筋肉の男を愛でるその姿は控えめに言ってキショい。
足元に落ちてた輝石を投げつけ、何の用か尋ねた。
「──まったく、浅ましさここに極まれりだ。他人様の私室に無断で立ち入るとは。だが、まあいい。ネフェリにアレを飲ませたのかね?」
テメェが呼んだんだろうが! という怒声をグッと堪え、飲ませたぞと何でもないように言う。
その言葉に、それまで人形の頬に指を這わせていたセルブスは立ち上がると振り向いた。
当然、秘薬は今も俺のポーチの中にあるが、それを知らないセルブスは仮面越しに喜色の声を上げる。
「……ほう、そうか。よくやってくれた。存外、役に立つようだ」
オラ、結構綱渡りだったんたから報酬寄越せや。
ネフェリに秘薬を飲ませることを条件にセレン師匠を紹介してもらったが、別にアレが報酬だなんて一言も言ってない。
貰えるものは貰い、毟り取れそうならケツの毛まで毟りとることを信条としている俺は、はよはよと報酬を急かした。
「浅ましいな君は⋯⋯しかし、ふむ……ネフェリを騙し、あの薬を飲ませた。考えてみれば、既に共犯と言える。ひどく身のほど知らずの望みには違いないが、報酬として君に傀儡を与えよう。君も自分好みの傀儡が欲しいのだろう? 特別に、望みを叶えてあげようじゃないか」
その言葉を、待っていたぜ!
報酬として人形を寄越さなかったら、例の秘薬をラニ様に渡して「貴女様を傀儡にしようと画策しておりました」と濡れ衣を着させる予定だったが、その必要はないようだ。
「此処にある傀儡はいらん。が、代わりにセレン師匠の傀儡を用意しろ」
俺が要求したのはセレン師匠の傀儡。
別にこの変態のように傀儡のセレン師匠を愛でるのではない。来る未来のために、とでも言っておこう。
かつて俺の視た未来が訪れるのであれば、セレン師匠の傀儡が必要となる。
それは、自他ともに認める最高位の人形師であるセルブスにしか叶えられないのだ。
「セレンの傀儡を? そういえば、君は彼女に師事しているのだったな。なるほど、師の傀儡が欲しいと。クックック……意外や意外、君とは有意義な時間を共有できそうだ」
何を想像したのか分からないが、急に馴れ馴れしくなったセルブス。
後で君にはとっておきのコレクションを紹介しよう、なんて言ってきやがるし。本当キメぇ⋯⋯。
「セレンの傀儡はすでに用意してある。なに、彼女本人からの依頼でね。だが君の、師の人形を愛でたいという気持ちも分からなくはない。特別に、もう一体傀儡を用意しようではないか。だが、彼女の顔は私でも見たことがないため、そちらは完全にオリジナルとなるが……」
「問題ない」
そう言って渡したのは数枚のスクロール。
これまでセレン師匠の素顔を透視してスケッチしたものだ。
目に焼き付いた光景をそのままトレースしたから、プロの画家にも引けを取らない仕上がりになっている。
「ほう、見たことがあるのかね。どうやら余程、セレンは君に信を置いているようだ」
スクロールを懐に仕舞ったセルブスは「では約束通り、私のコレクションを披露しよう」と頼んでもいないお披露目会をおっ始めた。
保管庫から取り出したのは十枚を超えるスクロール。
それを広げると、スクロールに刻まれた術式が起動し魔法陣が展開される。
「私のコレクションには人形と傀儡の二種類があってね。前者は主に肉体の半分が無機物で出来ているのを指す。これらは殆ど素体となる人物に左右されるものだが、中には欠陥同士を掛け合わせて新たな人形を作ることもある。この中で言うと丁度この人形がそれに該当するね。元々優れた暗殺者だったのだが任務に失敗して下半身が生き別れてしまってね。ならばと既存の二足歩行から外れた新たな足を四本にしてみたのだ。蜘蛛のように六本でも良かったのだが造形美が少し欠けてしまうのがネックなのだよ。骨子の素材は隕鉄と銀、あえて外部装甲はつけていない。この四つ足で動く際のピストン運動や蠕動運動のなんと素晴らしいことか⋯⋯! 特にこの金属音が最高だね! 他にもこのシロガネ人は数多のシロガネ人を素材にすることで一つの──」
まるで同じ趣味を持つ人を見かけた時のオタクのように、息もつかないマシンガントーク。
セレン師匠の傀儡を用意してもらわないといけないから、少しだけヨイショすると水を得た魚のように活き活きするのマジで草。
いつの間にか俺への呼び方が同志になってるし。用が済んだら処すつもりだったけど、なんか憎めなくなって来たぞオイ⋯⋯。
当人に自覚はないだろうが、自力で死亡フラグを圧し折った褒美に見逃してやろうと思うのだった。
今月中には更新したい。
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある