少しの寄り道のつもりだったが、一時間も掛かってしまった。
当然、ノクローンに戻ると出迎えてくれるのは激怒プンプン状態のメリナ。後でご馳走を約束することで矛を収めてくれるも、ヒロインが増えるのは別らしく。
綺麗な夜空を見上げながら騎乗位で絞り取られました。
そして勝ち誇ったような顔で見せつけるメリナに何を感じたのか、まさかのアレクトーも参戦。暗殺者は閨の技も仕込んでおり一流娼婦もかくやという絶技にあっと言う間に果ててしまう。
その様子を恥ずかしそうにチラ見するラティナの純情っぷりが可愛いく、またオッキ。結果、五回戦もする羽目になるというね。
何してんだろうな、俺ら。
その後のノクローン探索だが、思いの外順調に事が進んだ。
少し進んだ先にいた水銀スライムこと銀の雫だが、一体だけこちらの姿を完全に模す【写し身の雫】がいて。ある程度こちらの動きもコピーしているが、それでも地力に決定的差があるためアッサリと撃破したら何故か爆発四散したり。
【祖霊の森】というエリアにはミノタウロスのような亜人の霊たちがシャーマンチックに踊っていたため。大和魂を刺激された俺は茄子の代わりに【勇者の肉塊】に千本をぶっ刺して作った、狭間の地産“精霊馬”を頭に乗せながらソーラン節を踊り。
踊りを通してスピリチュアル的な何かが結ばれたのか、角笛で優美な音楽を奏でていたミノタウロスたちもソーラン節を奏で。自然と集まった他のミノタウロスたちと一緒にソーラン節を踊ったら、何だか盟友判定を受けて彼らが崇める祖霊に紹介されたり。
さらにその先のエリア【夜の神域】には、此処ノクローンに住まう民たちと思わしき、のっぺりとした顔の人型の何かが大量に石化していたり。その奥の神殿のような場所には超大型巨人のミイラ(高層ビルに匹敵する高さ)が座していたり。色々と考察のし甲斐があるエリアで。
その超大型巨人のミイラが座す神殿に、ラニ様が求めるお宝が眠っていた。
ノクローンの秘宝、それは禍々しい短剣。黒き刃に仕込まれた“死のルーン”とはまた違った“絶対的な滅び”の概念が付与された刃だった。
このようなものをラニ様が望まれてるとは、一体何を成そうというのか。
そんな素朴な疑問が生まれた時、背後に控えたアレクトーが静かに口を開く。
「それは指殺しの刃。かつて、大いなる意思を傷つけたとされる禁忌の呪物です」
「大いなる意思を?」
「はい。此処ノクローンが生まれる前の時代。名もなき都と呼ばれる場所が地上にありました。しかし、彼らは大いなる意思の怒りを買い、滅亡。その跡地が地中深くに埋没されました。そして、生き残った名もなき都の民たちが、かつての祖国を模したのが此処ノクローンです」
彼らは自分たちの祖国を滅ぼした大いなる意思に反逆するため、今や失われた秘法を使って最上の呪物を作り出しました。そして、その呪物で以て、大いなる意思の代弁者たる、二本指を殺めたと言われています。
ノクローンの秘宝──指殺しの刃の背景を教えてくれるアレクトー。破砕戦争の前から生きているだけあって、生き字引の商人のおっちゃんに引けを取らない知識量だ。
って、二本指を仕留めたって?
「ちょっと待て、二本指はまだ居るぞ。円卓に」
「はい。二本指、そして三本指は一体だけではありません。正確な数は把握しておりませんが、少なくともそれぞれ二体は存在しています」
「マジか。っていうか、三本指なんてのもいるの?」
二本指に続いて三本指、そのうち五本指や手首とか出てくるんじゃないだろうな……。
「……三本指。奴らも元は大いなる意思の遣いだったけど、二本指とは違って今は狂った存在よ。狂気と絶望を齎す元凶……狂い火の親玉……」
「メリナ?」
憎悪を滾らせてそう言うメリナ。
鋭い目は怨嗟の色で満ちており、ギリッと音が聞こえてきそうなほど強く歯噛みしている。
なにやら因縁がありそうだが、今はそれを訊ねる空気ではない。
メリナの様子を気に掛けながらも、解説してくれたアレクトーにお礼を言う。
「勿体なきお言葉」
恭しく片膝をついて頭を下げ、そのまま遺灰の中へと消えていったアレクトー。
俺もラニ様へ報告するため、祝福へ向かうのだった。
1
ラニ様の魔術師塔に飛ぶと、珍しくセルブスが顔を出していた。
俺の姿に気付いたセルブスは「例のモノが仕上がった」と告げ、俺を自身の地下工房に案内する。先にラニ様に報告したかったんだが、まあいいか。
「ご希望のセレンの人形だ。確かめたまえ」
生まれた時の姿で椅子に腰掛け項垂れているのは、まさにセレン師匠その人。
解析眼で視るとその八割りが人工物であり、生身は子宮と産道、そして脳のみだった。
魂を抜かれている状態のため、仮死状態となっているセレン師匠の人形。触れてみると仄かに温かく、思わずおっぱいに手を伸ばす。
ふにゅん、と手の中で柔らかく形を変えるその様は、まさに水風船。触感も素晴らしく人工物とは思えないクオリティの高さだ。
「⋯⋯ていうか、これダッチワイフじゃねーか!」
いや、別にそういう用途で注文したわけじゃないけど!
ここまで高クオリティな上に女性器が生身なんて、そういう用途しか思いつかんわ!
「何を言うんだね? 君もそういうことがしたいから、私を頼ったのだろう? 安心したまえ、ソコは当人のものではないが、生娘のそれだ。ちゃんと膜があることも検品済みだ」
「⋯⋯」
って、一瞬想像しちゃったじゃねーか!
いかんいかん、このセレン師匠人形は、来るフラグを圧し折るための大事なキーアイテム。邪な想いをぶつけたら後で地獄を見るぞ俺!
「⋯⋯一応礼は言っておく」
セレン師匠人形にレアルカリア学院の学生服を着せて、ポーチに収納する。生き物でないからすんなり収まったな。
「君のそのカバンも中々使い勝手が良さそうだ」
「あげねーよ」
お前のことだから、きっと人形コレクションの最適な保管場所にするだろ絶対。
「まあいい。ところで君、秘め事に興味はあるかね? 最上の傀儡、それをこの手で愛でるための⋯……ラニをも欺く、秘め事だ。どうかね? きっと君なら、興味があるだろう?」
「ラニ様を欺く? どういうことだ」
唐突に怪しい相談事を持ち掛けて来るセルブス。
見逃せないワードに思わず目が鋭くなる。
「君には、あるものを調達して欲しいのさ。琥珀色に輝く、特別な星光の欠片をね。それがあれば、我が精薬は甘く艶めき⋯……デミゴッドすらもきっと虜にするだろう」
「おい、まさか⋯⋯」
「それさえあれば、我が精薬はこれ以上ないほどに甘く艶めくのだ」
「ラニ様を裏切るってのか!?」
「裏切る? 勘違いされては困る。元よりラニに仕えていたのは、あの至極のデミゴッドを我が手に収めるため。予定調和というのだよ。分かるだろう? 君が精薬を、ラニに飲ませてくれさえすれば、秘め事は成就する。私たちは最上の傀儡を手に入れ、愛でることができるのだ。想像してみたまえ。それがどれほどの愉悦かを……⋯」
恍惚とした声で悦に浸るセルブスに、俺の中にあった何かが冷めていくのを感じた。
どうしようもない人形フェチの変態で、人間性も終わってるクソ野郎だけど、どこか憎めない奴だと思っていたが。
「⋯⋯ラニ様は気付くぞ」
「心配することはない。あの冷たい人形は何ゆえか、君に興味を抱いている。それに、如何に罪を纏い孤高を気取ろうとも、あれは弱く愛しい娘なのだよ」
「⋯⋯あぁ、そうかよ」
もうコイツはラニ様の従者じゃねぇ。
ただの敵だ。
「──! 私を殺すというのかね? 君如きが?」
「もう喋るな」
ただただ死ね。
そう告げ、抜き放った刀で奴の体を三枚に卸す。
糸が切れたマリオネットのように崩れ落ちるセルブス。視た通りその体は人形のため、鉄骨や歯車が断面から覗き、血の代わりにオイルが流れ出た。
納刀せず、刀身に纏わせた風を斬撃とともに放つ。
狙いは、壁際の一角。魔術で偽装していた壁を通り抜け、その先に居る人物を斬り裂いた。
「⋯⋯よぉ、初めましてだな」
「ひぃぃぃっ! な、なん、なん⋯⋯っ!?」
こじんまりとした部屋には、レアルカリアの学生服を着た老人が一人。それと、セルブスが前もって用意していたというセレン師匠の人形が眠っていた。
老人の肩に少し切れ目が入っただけで、致命傷にはほど遠い。浅かったようだ。
「テメェだろ? 趣味の悪い人形を操っていた本人は。えぇ、セルブスさんよぉ⋯⋯」
「ひいっ! き、きみ──いえ、貴方様は一体⋯⋯っ! 私はピディ! カーリア家の、召使いです!」
こ、この気色悪い人形たちの、世話を任されていただけで、セルブスなんて知りません!
そう弁明するセルブスことピティだが、その魔力反応はついさっき会話してた人形と同じものだ。
問答するつもりはないため、さっさと三枚に卸して処す。
「ぎゃああああああ!」
まったく、胸糞悪いものを斬っちまったぜ。だけどスッキリしたのは確か。
ジェスチャーで黄金樹の恵みを頼まれたため、ピティが死んでいるのを確認してから祈祷を発動。
メリナも相当恨みを抱えていたのだろう「ザマァみなさい、この! この!」と死体蹴りするためにわざわざ実体化したほどだ。
「さて、じゃあラニ様の元に行くぞー」
任務完了の旨と今回の一件を報告するため、改めてラニ様の魔術師塔に向かうのだった。
エルデンリングはどこまで知っている?
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ストーリー考察含めて大体熟知している
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本編クリア済だが難しくてよく分からん
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本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
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大雑把な概要だけ知ってる
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タイトルは聞いたことがある