※この作品はR-18です。

エルデンリングって何だよ   作:ポチ&タマ

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第41話 ミニラニ様

 イジーさぁぁぁぁん! ラニ様が、ラニ様がぁぁぁぁあっ! 

 ドラ◯もんに泣きつく、の◯太くんのようにイジーさんに飛びついた俺。

 メリナの冷たい視線が背中に突き刺さるのを感じるが、そんなことよりもラニ様だ! 

 どこ行っちまったんだべかラニ様ぁ〜! 

 

「落ち着きなされ、雷斗殿。こうなることは時間の問題でした」

 

 ラニ様が失踪したというのに平常心を崩さないイジーさん。

 そんな彼に諭されるように言われ、俺も幾分か落ち着きを取り戻した。

 

「もうご存知でしょうが、ラニ様は遂に旅立たれました。レナ、あのお方がそう呼ぶ塔から、神人たる暗い道へと⋯⋯。貴公のおかげです。ラニ様の軍師──いえ、幼き彼女の爺やとして、深い感謝を申し上げます。貴公は、正にラニ様の英雄でした」

 

 そう言い、読みかけの本を閉じたイジーさんは小さく頭を下げる。

 過去形で語られ、もう俺の存在は不要なのだと言外に告げられたような気がして、憤りを感じた。

 

「でしたじゃなく、これからもそうなの! ラニ様征くところに雷斗あり。地獄の果てまで勝手にお供するんだ!」

 

「──ふふ⋯⋯っ、やはり貴方こそ、エルデの王に相応しい」

 

 我らが主を頼みますぞ。

 そう言葉を続けるイジーさんだが、言われるまでもない。

 俺の返答に大きく頷いたイジーさん、明後日の方角を指差した。

 

「あちらの方角に【レナの魔術師塔】があります。普段は強力な結界が張られておりますが、今は解かれています。ラニ様を追うならば【レナの魔術師塔】に足を運ばれよ」

 

 イジーさんが指差した方角には、遠めながら魔術師塔が見える。

 そういえば、ラニ様とセルブスの魔術師塔の他にも、もう一つあったんだっけ。今の今まですっかり忘れてたわ。

 イジーさんに礼を言い、【レナの魔術師塔】へ向かう。

 レナと言うと、ラニ様と初めて出会った時、ご自身のことを“魔女レナ”と呼んでいた。今思うと、単なる偽名以上の意味がありそうだ。

 

 俺は、ラニ様のことを何も知らない。

 何故、デミゴッドの肉体を捨てたのか。

 何故、陰謀の夜を起こしたのか。

 星見の女王とは誰のことなのか、レナとは誰なのか。

 何を成そうとしているのか。

 

 いつかその辺のことも教えてくれると嬉しいな。

 

「此処がレナの魔術師塔か」

 

 レナの魔術師塔はラニ様の所と比べると、レイアウトはやや異なっているが、基本的な構造は似ている。

 中に入ると大きな宝箱があり、そこにはなんと、ラニ様がお召しになられている【雪魔女シリーズ】が収まっていた! 

 

「ラニ様の衣装がここにあるってことは⋯⋯まさか、今のラニ様は裸!?」

 

「そんなわけないでしょう」

 

 何も考えず頭に浮かんだ言葉をそのまま口にすると、メリナにペシッと叩かれた。

 ですよねー、と流したいところだが、雪魔女のローブやスカートからラニ様の魔力が、まさに温もりのように感じられるのだけど⋯⋯。

 えっ? まさか予備の服とかじゃなくて、本当に直前まで着ていた可能性が? 

 

「⋯⋯何で脱いでるの?」

 

「えっ⋯⋯!? せ、折角だからラニ様とお揃いになろうかなと⋯⋯?」

 

「⋯⋯絵面が酷いことになるから止めなさい」

 

 反射的に魔力の温もりを肌で感じようとした俺に、呆れた目を向けてくるメリナ。

 そして、何だかんだこれまでの旅で俺の性根を知り、やや引き気味の顔でこちらを見ているラディナの目がとても痛かったです。

 

 

 

 1

 

 

 

「此処は⋯⋯地下水脈か」

 

 レナの魔術師塔の最上階にあった転移門。

 ラニ様は此処を通ったに違いないと悟った俺も、意気揚々と門を潜ると。

 その先にあったのは、一度だけ訪れたことがある地下水脈だった。

 結構広い。壁際には草木が生えており、所々に石棺が乱雑に散らばっている。

 遺体を入れて此処に流していたのだろうが、水脈を汚すとかヤバすぎ⋯⋯。

 

 狭間の地の地下には、そこそこの大きさの地下通路があり、そこを水脈が通っている。

 エインセルとノクステラの二カ所があるんだが、此処はどっちだろうか。

 

『此処はエインセル河の本流のようです』

 

 俺の疑問に影から現れたアレクトーが答える。

 エインセル河の本流っていうと、えーっと⋯⋯あ、此処か。

 マップで現在位置を確認。

 周囲を見回すと、少し離れた場所に祝福があるのが見えたが──。

 

「ん!?」

 

 祝福がある方角の反対側。何やら一つだけ目立つ位置に石棺があるんだけど、その上にちょこんと乗せられたある物が視界に入り、思わず二度見した。

 

「こ、これは⋯⋯!」

 

 手の平サイズの小さなラニ様人形が、そこに鎮座していたのだ。

 全体的にデフォルメされた可愛らしい人形。名付けるなら、ミニラニ様。

 あまりの可愛らしいさに胸キュン不可避。ブライヴに見せたら絶対羨ましがるだろうな。

 

「それにしても良く出来てるな⋯⋯ん?」

 

 ラニ様が憑依されている人形もご本人が制作されたっぽいし、手芸が得意なのだろう。家庭的な一面が見れて嬉しい。

 人形を手に取りしげしげと眺めると、あることに気が付いた。

 何気に、ミニラニ様に魔力の糸が繋がっているのだ。

 セレン師匠から教わったから分かる。糸電話のように話が聞こえているだろこれ。

 

「聞こえてますよね、ラニ様?」

 

「⋯⋯」

 

「おーい、ラニ様ー」

 

「⋯⋯」

 

 俺の言葉が届いたのは、魔力糸を伝ってミニラニ様に憑依したことから分かる。

 にもかかわらず、ラニ様は無言を貫いておられる。ちゃっかり憑依した霊体のラニ様は、なんか不満そうな顔でそっぽを向いてるし。それどういう感情っすか? 

 意地でも反応しない気だと悟った俺は、北風と太陽作戦を慣行した。

 北風と太陽作戦──または押して駄目なら引いてみよ作戦。それは、ミニラニ様のおパンツを覗くというものだ。

 一歩間違えればセルブスの同類と見做され、俺の忠誠心を疑われる事態に発展しかねる、大変危険を伴う作戦だが。

 これまでの俺に対するラニ様の反応を踏まえ、ギリセーフと判断した。

 

「ちょっと待て」

 

 下着を覗こうとした手をげしっと蹴るラニ様。作戦成功である。

 

「まったく、油断も隙もあったものじゃない⋯⋯」

 

 俺の手から肩へ身軽に飛び乗ったラニ様は膨れっ面のまま、げしげしっと頬を蹴ってくる。

 

「こんな姿は、誰に知られるつもりもなかったが、知られてしまったからには逃がしはしないぞ。地獄の果てまで供をすると言ったのだからな」

 

「もちろん。何処までもお供します。それで、これからどちらへ?」

 

「この地にいる災いの影を探し出し、消し去るのだ」

 

 少し昔話をするとしよう、と口にするラニ様。

 ラニ様に関する貴重なお話ということで、改めて祝福に腰を下ろす。

 実体化したメリナとボック、そして霊体のまま俺の背後に控えるアレクトーを囲い、ラニ様は懐かしむように語り始めた。

 

「かつて、私は神人だった。デミゴッドの中でミケラとマレニア、そして私だけが、それぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ次代の神の候補となったのだ。だから、私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな。⋯……そして私は、二本指を拒んだ。死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも私は、あんなものに操られたくはなかったのだ⋯⋯。それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている。災いの影とは、あやつの刺客なのだよ」

 

 ふむ? 今の話を頭の中でまとめると。

 神人というのは次の神様候補で、デミゴッドの中から選ばれる。

 んで、マリカ様の後継者争いとして選ばれたのか、ラニ様、ミケラ、マレニアの三人。各々の二本指が推薦していることから当時、二本指はもっといたのだろう。その際に賜ったのが、ブライヴであると。

 

 話を聞く限り、ブライヴは世話役や護衛の他にもラニ様の監視とかも担ってるっぽいな。

 そして、このままだと二本指の──というよりは、大いなる意志の傀儡になると考え、神人レースを棄権。死のルーンを盗んで自分の肉体を殺した、と。

 そこまでしないと逃れられないということは、それほど二本指の強制力が強いのだろう。もしかしたら運命や因果律にも干渉するレベルかも。

 で、未だラニ様と、彼女を推薦した二本指との間には深い蟠りがあり、バチバチに殺りあってる。

 だから、概念付与されたノクローンの秘宝を探していたのか。

 

「私が二本指を拒んだ時、それでもブライヴは、私の味方でいてくれた。フフッ、神人たる私の特別な従者であるというのに、二本指にしてみればとんだ出来損ないだったろうな。⋯……ブライヴも、イジーも、私には過ぎた者たちだよ。知っているはずなのにな。私の行く暗い路の先を。私がいつか、すべてを裏切り、棄てることを⋯……ああ、お前も加えるべきだったか? お人よしということでは、奴らとよい勝負だろうしな」

 

 ブライヴは本来、二本指側のヒトだが。それでもラニ様に付いていくことを選んだのか。

 これまで駄犬的要素が目立っていたが、少しだけ見直した。

 つまり、ラニ様の目的は、自身の命を狙うかつての推薦者を殺すこと。

 

 ようやく主人の目的が分かり、一人頷く俺。

 地獄の果てまでお付き合いすると誓ったのだ、微力ながらラニ様のお力になりたい。

 しかし、そうなると。ラニ様の命を狙う二本指が何処にいるのかって話だが。まさか円卓に座すアレじゃないよな? 

 

「アレは円卓の二本指だから、彼女のとは違う個体よ」

 

 俺の疑問に答えてくれるメリナ。

 もしそうなら、簡単に暗殺できたのに。非常に残念だ。

 えっ? 円卓勢なのに裏切っていいのかって? ローデリカやネフェリ・ルーに会いに行ってるだけで、別に円卓に属しているわけじゃないし。契約を交わすどころか二本指に仕えるような発言もしてないから。俺の主はラニ様ただ一人! 

 

「この姿だと、どうにも気が緩むな。余計なことを喋ってしまった……⋯忘れろ。いいな?」

 

 そう言うと、肩に座ったまま沈黙するミニラニ様。戦闘中もずっと肩に座るおつもりなのだろうか? 

 そんな疑問が浮かんだ途端、遠目に見えた全身に輝石を生やした地底人が【輝石のつぶて】を放ってきたので、問答無用でアズール砲をブッパしたのだった。

エルデンリングはどこまで知っている?

  • ストーリー考察含めて大体熟知している
  • 本編クリア済だが難しくてよく分からん
  • 本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
  • 大雑把な概要だけ知ってる
  • タイトルは聞いたことがある
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