通路を抜けて、正門方角目掛けて武装包囲した兵士たち一団をサイレントキルして回り、なんか一人だけ毛色の違うマルギットの配下的な巨漢をクララたち遺灰霊と協力して倒し、着実に城主の元へと進撃していると。
先行して偵察をしているメリナが妙なアクションをしてきた。
人が居るけど敵かどうか分からない、そんな困り顔で脇の小部屋を指差す。
そっと入り口を覗いてみると、確かに。
なんかアマゾネスチックな褐色肌の女性がいた。足元には血を流して倒れている男がいるが、その人もここの兵士ではなさそうだ。
「ほう、褪せ人か。お前たちはゴドリックの一味ではないようだな」
あら、見つかっちゃった。索敵能力が高いなこの人。
城の兵士たちの索敵能力はザルだったから、感覚が麻痺していたかもしれない。
見つかったものは仕方ない、と警戒しながら部屋に入る。
「この者は戦士として戦い、散った。ただ主を誤っただけの、良き戦士だった」
足元で倒れている兵士を見ながらそう言う女性。ということは、この男はここの兵士だったのか。格好が普通の兵士のそれではないから、もしかしたら上級騎士とかなのかも。
そして、女性の発言から彼女がこの人を倒したのだと分かる。
「私はネフェリ・ルー。お前たちと同じ褪せ人──いや、戦士だ。義父の命によりここにいる」
ていうことは、この人も侵入者なのか。
(それにしても、なんつー格好を……ていうか、腹筋やべぇ)
アマゾネス風の褐色肌の女性は、軽装備という範疇に収まらないほど身軽な格好をしている。
上はチューブトップのような服に肩当て、下は腰布のみといった格好で肌の露出度が半端ない。
特に俺が着目したのは、そのバッキバキな腹筋だ。
チョコ板の如き見事なシックスパック。それでいて女性的な柔らかさも失われていないという完璧な腹筋をしている。褐色肌というのもポイントが高いな。まさにアマゾネス界のミ〇サ・アッ〇ーマン。
筋肉フェチではない俺だが、彼女の腹筋には素直に唆るわ。
「酷いものだ。接ぎなどと、君主の所業じゃない。風が汚れてしまっている」
俺の無垢な魂も汚れてしまっている。主に性的に。
防具を着けているからバレないが、今の俺は半勃ち状態。
此処が敵の本拠地でなく連れがメリナだけだったら、恥も外聞も捨てて性処理をお願いしていることだろう。
「もしお前たちがゴドリックに挑むなら、私を喚べ。あれは風を汚し過ぎている」
助力くらいなら義父も許してくれるだろう。
そう言うと、いつぞやのブライヴの時のように【白い秘文字の指輪】を渡してきた。
風か……。確かに風が泣いているな……。
「少し話過ぎたな。お互い褪せ人、己が信じる道を行くとしよう。そしていつか、エルデの玉座に」
そう言い視線を切ったネフェリ・ルーは、「もう行け」という空気を全身から醸し出す。
空気が読める俺は、後でまた会おうと言い残し、その場を去るのだった。
しかし、タイプの違うクール系美女のラニ様とメリナ、幸薄系美女のローデリカ。そして、褐色筋肉系美女のネフェリ・ルーか。
この世界が原作をベースとした二次元なのか分からないが、一つだけ言えるのは、タイプ別の美女たちと絆を深めてベッドシーンを回収しながら王を目指す、ソウルライク系ダークファンタジーであるのは確かだ。
ローデリカやネフェリ・ルーとも親睦を深めれば、ベッドシーンに突入出来るかもしれない。
そして、我が麗しの主ラニ様とも……。
「──行こう」
俺は熱いケツイを胸に、部屋を後にするのだった。
1
時に隠れてやり過ごし、時にサイレントキルして先へと進み、ついに城主が居ると思わしき場所に辿り着いた。
一本道の脇の部屋には祝福があり、その先には開けた空間。その中央に俺がぶっ殺したカニ野郎の親玉的な大男がいる。
竜の剥製のような像に向かって、祈るような声で語り掛けていた。
「ともに末裔たる竜よ……お主の力、きっと我を高めようぞ」
恐らくあれが城主、接ぎ木のゴドリック。あのカニ野郎とは違ってオーラのようなものを感じる。
装備の最終点検を終えた俺はローデリカに、セーフティーポイントである祝福で待っているように伝えたのだが。
「私も行きます! 足手まといなのは重々承知の上ですが、皆の仇を私も討ちたいのです!」
お願いします! と頭を下げられては仕方ない。本当は此処で待っていてほしいけど、ローデリカの気持ちも分からなくはないし。
マルギット戦の時のように後方に下がっていることを条件に参戦を許した。
「行くぞ、ネフェリ・ルー」
「あぁ。戦士として恥じぬ戦いを約束しよう」
そして、ネフェリ・ルーから渡された指輪を使い彼女を召喚。
いざ行かんと広場に出た俺は、まずは名乗りを上げた。敵とはいえ相手は城の主。問答無用で斬りかかっては蛮族と変わらないからな。
城の兵士たち? あれは完全に見敵必殺の精神で殺しにかかって来るから、殺られる前に殺るだけです。
「俺は褪せ人の雷斗! 城主、接ぎ木のゴドリックとお見受けする! 人を接ぎ木の素材にする非道、そしてローデリカを悲しませたその罪、己が身で報いてもらう!」
「私はネフェリ・ルー! 円卓の戦士が一人! 貴様を討つ者だ!」
「わ、私は、えっと……」
「──褪せ人風情が、不遜であろう」
俺たちの言葉にゆっくりと振り返った接ぎ木のゴドリックは、その身に纏ったマントを脱ぐ。
背中や肩から生えた数々の腕。カニ野郎の腕が細木だとしたらこっちは大木だ。一本一本が分厚く筋肉質で、様々な武器を手にしている。
「我は黄金の君主なるぞ! 地に伏し、頭を垂れよ!」
そして、黄金の戦斧を両手で持った領主は地に突き刺すと、凄まじい揺れとともに衝撃で地面が吹き飛んだ。
なんつー馬鹿力だ! 下手したら忌み鬼のマルギットより上かもしれない!
巨体に見合わない素早さで戦斧を振り回しながら突っ込んでくる城主──いや、ゴドリック。
流石は見敵必殺を徹底させているだけある。問答無用ってか!
「行くぞ二人とも!」
「応!」
「はいっ」
事前に打ち合わせをしていた通り、直ぐに後方へ下がったローデリカはクララとはぐれ狼たちを召喚し、自身は標的にならないように事前に渡していた【擬態のヴェール】で周囲の木々と同化する。
【擬態のヴェール】は城の中で発見した装備アイテムの一つ。その名の通り周囲の景色と同化するように装着者を擬態することが出来る優れものだ。
唯一の欠点は少しでも動くと擬態が解けてしまう点。
長時間しゃがんだ姿勢でいるのは厳しいだろうが、頑張って耐えてくれ!
「所詮は褪せ人、新なる王には敵わぬ! 貴様らも接ぎ木の素材となれぃ!」
目の前の空間を削るかのように戦斧を豪快に振るうゴドリック。生半可な防ぎ方では武器諸とも折られるだろう。
しかし、先のカニ野郎との戦いで見聞色的な未来視を体験した俺なら出来る。
集中力が増せば増すほどゴドリックの動きが視えてくる。
そして、俺は完璧なタイミング、完璧な角度で刀をぶつけることで戦斧を弾くことに成功した! まさにジャストガード!
「戦斧の振り回しが来るぞ! 下がれ!」
唯一、ゴドリックの動きを先読み出来る俺は、声に出して仲間に知らせた。
「お主、未来が視えているのか……!?」
宣言通りの攻撃を余裕で避けるネフェリ・ルーは、驚きの視線をこちらに向けてくる。今は戦いに集中してくれ!
表情を引き締めたネフェリ・ルーはゴドリックの横に回り込むと、その脚目掛けて斧を振るう。
俺はなるべく奴の攻撃を完封しないといけないから、正面に張り付き刀で斬りつけていく。
「褪せ人風情が、調子に乗るな!」
「──地面に叩きつけての全体攻撃! 距離を取れ!」
俺が指示を出すと仲間たちは素早く後退する。その直後、戦斧を床に叩き付けて全方位への衝撃波を放つゴドリック。
直前に跳躍して躱していた俺は、至近距離から奴の顔目掛けてジャンプ攻撃を見舞う。
刀がゴドリックの右目を切り裂いた。これは大きい!
息を大きく乱したまま後退るゴドリックは、何をとち狂ったのか自分の左腕を戦斧で切り落とした。
「ぐぅううう……ッ! おお、強き竜よ……その力を我に……っ!」
竜の剥製のような像に近づいたゴドリックは傷口を首筋に押し付け、そのまま強引に埋めていくと、力づくでその首を引き千切った。
肘から先が竜の頭となったゴドリック。どういう原理か分からないが、力無く開いていた竜の顎が動き、鋭い牙を鳴らす。完全に神経が繋がっている……。
これが接き木ってやつか……!
「父祖よ、ご照覧あれぃ!」
そして竜の頭を天に掲げたゴドリックは、その口から轟々と炎を放出するのだった。
いつも誤字報告ありがとうございます。
感想や評価お待ちしております。
エルデンリングはどこまで知っている?
-
ストーリー考察含めて大体熟知している
-
本編クリア済だが難しくてよく分からん
-
本編未プレイだが、考察動画で大体履修済み
-
大雑把な概要だけ知ってる
-
タイトルは聞いたことがある