セントベレス山の頂上、光の教団の本拠地は、一度は壊滅の危機に陥ったが、幹部であるゲマの手により復興を果たし、信者もまた順調に増え始めていた。
神に愛される。光の国に行ける。そんな甘い言葉を信じ、教団は大きくなる。
そんな信者たちが祈りを捧げる祭壇の地下――――教団の幹部しか立ち入れないその場所に、勇者の子孫――――タバサだけのために用意された部屋があった。
そこは生活に困らない程度のものは揃っていたが、お世辞にも居心地の良い場所とは言えなかった。何故ならこの部屋にいる限り、四六時中、上の階層にある祭壇で信者たちの祈る声が嫌でも耳に入ってくるからだ。
そして何より辟易としていたのは、タバサがこうして生かされている事にあった。
ただ一人の父も、そして兄のレックスも、自分の目の前で殺されて、ずっと探していた母親も助けられずじまい。
生きる希望も、生きる理由も何もないまま、ただ生かされ続けているのはタバサにとっては生殺しと変わらない。いっそ殺してくれた方がよかったとさえ思うほど。
「おっほっほっほ……、気分はいかがですかな、タバサ」
耳障りな声とともに地下のこの部屋まで姿を現したのは、今や光の教団の新たなる教祖へと成り上がったゲマだった。
その耳障りな笑い声を聞き、タバサも顔をしかめる。
「おやおや、かわいい顔が台無しではないですか」
「……」
わざとらしいくらいに優しい声を掛けるゲマだったが、聞く耳を持たない様子でタバサもそっぽ向くばかりだ。この後に何をするつもりなのかを分かっていることもあるのだろう。
「それでは今日もよろしくお願いしますよ」
それだけ言うとゲマは法衣を脱ぎ去り、タバサへと近寄る。
タバサの目にはまだ反抗的な色が明瞭だったが、反撃の動作をする隙もなく、焼け付くあの息を吹きかける。
「ぐっ……」
そのままなすすべなく全身が麻痺してしまったタバサは、ベッドの上に押し倒され、服も脱がされ、その秘部をゲマの前に晒すこととなった。
まだ幼さの見える密かな割れ目は、まだまだ開発途中といったところだろうか。
ヒクヒクと痺れて動けないタバサへとゲマが不気味に微笑みにじり寄る。
どんなに睨みつけたところでその歩みが遅くなることはない。
抵抗もできないことをいいことに、ゲマの肉棒はタバサの秘部へと突き立てられる。麻痺によって筋肉が弛緩していることもあってか、意外にもスムーズにタバサの秘部はソレを飲み込んでしまう。
「くぅぅ……いやあぁぁ……、もういやだぁ……」
それは単なる苦痛ではなかった。
タバサにとって、様々な感情があふれ出す苦痛だった。
家族を葬った憎き仇に、身体を許してしまうこの行為は、あまりにも耐えがたいものだった。堪えることも我慢することも、このときばかりはできるはずもない。
心まで犯されているようなもの。タバサは涙が溢れて止まらなくなる。
「ほっほっほっほっ……相変わらず小さくて具合の良い穴ですね」
「やめてぇ……っ、もう、やめてぇ……」
泣きじゃくるタバサに対し、ゲマには慈悲もない。己の肉棒を奥まで差し込み、抜き出しを繰り返してはタバサの秘部を責め立てる。
ゲマが何故、勇者の子孫であるタバサとこのような行為に及んでいるか。
その理由は至極単純なことだ。勇者の血筋を持つ子を産ませ、魔族勢力の強化に充てるためだ。魔族の血で穢されればその子供も脅威ではないだろう。
何より、ただ殺してしまうよりもタバサの心を粉微塵に砕いた方が楽しいから、という意図もあった。ゲマという男は、そうやって苦しむ姿を楽しむ下劣極まりない男なのだ。
それ故に、リュカを殺せる機会をわざと逃したり、妻の石像を破壊せずわざわざ教団の祭壇に置いてみせたりと、加虐心によって余計なことをしでかすことも多い。
それによるリスクも顧みないことがより一層下衆さを際立たせる。
「さあ、イキなさい……っ」
「あああぁぁぁぁぁあああぁぁ……っ!」
ゲマが激しく腰を押し込むようにタバサの膣奥にまでその肉棒で突く。
ベッドの上、タバサは背を仰け反らせ絶頂してしまう。
それと同時に、膣内へとゲマの精液がドプドプと吐き出される。ほんの一瞬の快感とともに、吐き気を催すほどの嫌悪の両方がタバサの中で入り交じる。
これほどまでに最悪な気分になったことはなかった。
死にたい。殺してほしい。そんな願いがタバサの頭にこびりついてくる。
「さて、もう一戦といきましょう」
「ひぃぃっ!」
顔面蒼白の引きつったタバサのその絶望顔は、ゲマを大層喜ばせる。この瞬間のためにタバサを生かしてやっているといってもいいくらい。
こうしてタバサにとっての奴隷生活は、ゲマから与えられる絶望によって延々と塗りつぶされるばかりだった。
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決して誰も助けに来ることのない幽閉された空間の中で、タバサは来る日も来る日もゲマに犯され続け、心は摩耗し続けていた。
この地下にいる限り、光の教団の信者たちの祈る声が聞こえ続けることもまた、タバサの心を蝕んでいった。
何せいつの間にか、神に愛されたい、光の国に行きたいなどという嘘にまみれた言葉に混じり、その中にタバサ様万歳といった祈りの声も聞こえるようになっていた。
光の教団の中では、とうにタバサが伝説の勇者の子孫であることも明かされており、それどころか、伝説の勇者が身につけていたという天空の装備と呼ばれるものが一式、祭壇の上に飾られているのだから信憑性も信仰心も増していく。
神聖なる輝きを放つ天空の装備一式は、信者たちの心の拠りどころにもなる。
それ自体が神の存在の証明にも匹敵しているのだから。
日に日に信者も増えていき、その称える声も大きくなっていく一方だ。
苦痛や絶望に苛まれ続けるこの生活の中で、信者たちに崇められる存在となっているのは、皮肉なことにタバサのすり減った心に染み渡るようだった。
そんな力なんてないと自分に言い聞かせても、信者たちの熱心な祈りの声を遮る手段などないのだから。
紛れもなく、タバサは勇者の血筋のもの。
そして紛れもなく、タバサは今、地上の人々に崇められている。
この歪みきっている事実は、タバサの中で都合のいいように塗り固められる。
自分が日頃行っていることは、光の教団を大きくすることであり、それによって地上の人々は自分のことを神のように思ってくれている。
そう思い始めるようになり、タバサの思考回路は徐々に狂いだしていくのだった。
「おや、タバサ。今日は大人しいですね」
いつものようにベッドの上でタバサはゲマに身体を許す。
抵抗をしないのはいつもと変わることはなかったが、それでも今までは反抗的な態度をとり続けていた。
「んっ……♡ ふぅ……♡ んん……っ♡ そんな、こと……♡ ない♡」
しかし、今日のタバサはまるで快楽に身を任せるかのように素直だった。
その証拠に喘ぎ声には色味がつき、いつもよりも淫らに見えた。
「おっほっほっ……そうやって身を委ねればよいのです。いつしかあなたが子供を宿したとき、教団の信者たちはさぞかし喜ぶことでしょう」
以前までなら、そんなことはどうだっていいと思っていた言葉だっただろう。
しかし、今のタバサには、自分を崇めてくれる信者を喜ばすことができることに、強い関心を抱くようになっていた。
自分は希望の光なのだから、ここにいることが存在理由なのだと。
無論、そのように仕向けたのも、ゲマの策略によるものだったのだが……。
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