タバサの日課は日を重ねていき、ゲマと子作りに励むこと、信者たちに祈られることを繰り返す日々が続いて、タバサの心はすっかり光の教団に染まりきってしまっていた。
自分こそが信者たちを救う存在であり、自分こそが導く存在なのだと、心の底から思うようになっていた。それはその実、あながち間違っていることではなかったが、今のタバサの中にあるのはゲマとの子供を作りたい欲求ばかりだ。
家族を殺された恨みなど、とうに影をすぼめてしまい、早く子供を生みたい、そしてこの教団を大きくしていきたいという気持ちがどんどん大きくなっていく。
「ああっ♡ げ、ゲマ様ぁぁっ♡」
今日もまた、地下のタバサだけの部屋の中で、ゲマとまぐわっていた。
室内には悦びに満ちた声しか聞こえない。
精液を注ぎ込んですぐ、ゲマは自身の肉棒を引き抜く。
「おっほっほっほっ……そろそろ今日のお祈りの時間ですね。タバサ、後処理をお願いしますよ」
「はい……♡ ゲマ様♡」
そういってタバサは自分の前に突きつけられるゲマの肉棒をいとおしそうに眺め、舌を這わせていく。自分の愛液とゲマの精液が混ざり合うその肉棒は、ぴちゃ、ぬちゃとタバサの舌先でキレイにされていった。
ほんの数ヶ月前のタバサなら考えられもしなかったことだろう。
タバサの心にはもうゲマに対する愛情のようなものも沸くようになっていた。
それはもう、ゲマが命令すれば何でも聞いてしまうほどに。
「よしよし……、それでは今日も行きましょうか。信者のみなさんにあなたの身体を見てもらいましょう」
ゲマが優しくタバサの頭をなでる。ふと見てみれば、タバサのお腹は大きくなっており、その中にはゲマとの子供ができていることが明白だ。
自分が妊娠していると自覚してからはタバサもますます多幸感に包まれていた。
何せ、信者たちからも盛大に祝福されるのだから。
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光の教団の本拠地地下。いつもとは違う儀式の祭壇の上に、タバサは仰向けに寝かされていた。今日もゲマとの営みをするものだと思っていたタバサは寂しさを覚えつつも、これからされることに期待をしていた。
「今日は、一体何をするの?」
祭壇の傍ら、ゲマは儀式の準備を進めながらも不敵な笑みを浮かべ、タバサを見下ろし答えを返す。
「おっほっほっほっ……今日はとある儀式を行おうと思いましてね。これは魔界にも伝わる古い古い儀式なのですよ」
何処か上機嫌な様子を見せるゲマはさらに話を続けた。
「かつて地獄の帝王とも呼ばれた魔族がいました。彼はとある禁断の秘術を作り出し、究極の力を得たとも言われています。しかしそんな彼も、マスタードラゴンや天空人たちに封印され、今も数百年、魔界の地下深くに眠っているそうですよ」
お伽噺か何かのように聞いていたタバサも、マスタードラゴンや天空人の名前が挙がり、それが史実なのだと確信する。
何故なら、タバサは実際に彼らに会ったことがあったから。
「その禁断の秘術の名は、進化の秘法。生物の進化の過程を無視し、人間や動物、魔物をも成長させるものだと聞いています。おっほっほっほっ……大変興味深いではないですか」
「進化……? 成長……?」
ゲマの話を聞いても、タバサにはまだ難しいことも多く、あまり理解するにまでは至らなかった。ただ、自分の身に何かを施される。それだけは確信していた。
「しかし、この秘術は未完成だったと伝えられているのですよ。とても残念なことです。ですが、有効活用しない手はないでしょう。おっほっほっほっ」
「でも、有効活用って、どうやって……?」
やがて、儀式の準備が一頻り済まされたのか、ゲマはその不気味な笑みを浮かべながらも祭壇の上で仰向けになるタバサを見下ろす。
まだ、タバサには自分が何をされるのかまでは理解に至らない。
「なぁに、複雑に考えることはありませんよ。私の目的はあなたの子供です。この進化の秘法によって生まれるまでの過程を早めることができれば――おっほっほ」
そんな高笑いをあげるゲマを見て、タバサはようやくして、気付かなければよかったのに、これから起こることを理解できるようになってしまう。
「――――始めますよ!」
祭壇の周囲に怪しげな魔力が渦巻いていく。儀式が始められたのだろう。それは祭壇の上にいるタバサを中心として集合していくかのようだった。
濃密な魔力が形成されていき、それらはタバサの肉体へと染み込んでいく。
「ひっぐ……っ♡」
その変化が起きたのは実に早かった。
タバサは一瞬にして絶頂し、潮を吹き、なんということだろう、破水までしてしまう。本来の出産予定よりも早すぎる。
「ぁ、が♡ あっぎぎぎぎぃぃ……♡♡ おなか、われちゃ……ぁ♡」
ぽっこりとしていたタバサのお腹も臨月――――いやそれ以上に大きく膨れあがっていき、その表面もぼこんぼこんと不規則に波を打っている。まるでタバサのお腹の中で何かが暴れ回っているかのような……。
「んぎぃぃぃっっ♡♡♡」
刹那、タバサの膣孔から、腕が飛び出る。赤子の腕だ。タバサは自分の内側から攻め立てられる不思議な感覚を味わう。
すかさず、ゲマは赤子の手をとり引っ張り出した。
「おぎゃああぁぁ……っ」
生まれ出でたのは、紛れもなく赤ん坊だった。タバサによく似た、男の子だ。
ほんのついさっきまで生まれる気配などなかったのに、過程がすっ飛んだよう。
「はぁ……♡ はぁぁ……♡ わ、わたしの……、あか、ちゃ……んぎぃ!?」
次の瞬間、タバサのお腹はまた膨れあがり出す。たった今、出産を終えたばかりだというのに、あらゆる過程を飛ばし、また臨月の腹にまで成長する。タバサは何が起こったのか理解が追いつかない。
そうして、二度目の破水。時間が巻き戻されたかのような気分だった。しかし、現実としてタバサの息子はそこにおり――――じゃあ、今自分のお腹の中にいるのは誰なんだ? と恐怖に駆られてしまう。
「あひぃ♡ お、おなか、ぼこってぇ♡ また、ぼこっていってりゅぅぅぅ♡」
お腹を蹴られているどころではない。タバサの臨月腹はぼこんぼこんに波を打っており、今にも破裂してしまいそうだった。
「さあ、引っ張り出しますよ」
「――――ぉぉぎゃあああぁぁぁ!!」
出てきたのは、元気な女の子。産声を上げて、タバサの中から誕生する。
だが、それで終わるはずなどなく、また次の瞬間には――――
「んおおおぉぉ♡♡ ま、まだあかちゃんがあぁぁぁ♡♡♡」
タバサのお腹はボコンと膨れ上がり、次の子供を孕む。
これが進化の秘法の力か。などと、そんなことを考える余裕もない。
出産に掛かるタバサの身体への負担は尋常なものではなく、ただでさえ脆くなっていた精神もゴリゴリに削り、ぶちぶちにちぎっていく。
自分がこの世に生まれてきたのはこうするためだったのだと心酔するほどに。
「おっほっほっほっ、次々に生まれていきますね。素晴らしい。実に素晴らしい。あなたはとても素晴らしい肉壺ですよ。おっほっほっほっ!」
もう何人目かも分からない赤ん坊を引きずり出し、ゲマはまた高らかに笑う。
念願であったタバサの子供――――いや、勇者の血筋を、手にしたのだから。
「あぁぁ♡ あかちゃん♡ あへへぇ♡ あたひのぉ、あかちゃぁぁん♡」
自分の赤子たちの鳴き声のコーラスを聞きながらも、タバサは祭壇の上で、出産の絶頂の中、ただただ幸せそうに笑い続ける。
かくして、光の教団地下施設は、その産声が延々と反響するのであった。
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