異世界『TS出産』レビュワーズ ~産んでたらなぜか『聖女扱い』されてくんだが~ 作:馬路まんじ……?
「それにしてもレーテさんは本当に献身的ですよね。わたくしも見ましたよ、チラシ。息子ゴブリンさんとの子宮おかえり性教育セックス」
「う゛ぇッ!?」
エルダーさんもあのチラシ見たのか!? ていうか、尊敬の眼差しをしてる!?
「あ、あの行為のどこに褒められる要素が……!」
「あらあらご謙遜なさらないでください。キャシー博士曰く、〝ハーフの魔物が人の社会で生きていくために必要な行為〟だったのでしょう? 強力な彼らが人類の味方となってくれれば、未来はどこまでも明るく開けるはずだと」
それは、まぁ。俺は頷いた。
「ハーフの魔物が狂暴になる原因。それは母への愛が強すぎるゆえ、精神が不安定になるからなんですよね? そこでレーテさんは『初めての相手』になるという形で、永遠の愛を与えて見せた。息子ゴブリンさんもずいぶんと落ち着かれたのでは?」
それは、まぁ。俺は頷いた。
「魔物の子供を愛する母など、当然ながらこれまではいませんでした……! そんな中レーテさんは、子を全力で愛しッ、愛されッ、人魔の母子でも想い合えるという絆の前例を作ったのですよね!?」
それは、まぁ。俺は頷いた。
「すッ――ばらしいぃいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーッッッ!」
「うわうるさっ!?」
「レーテさんッッッ! まさにアナタこそ慈愛の聖女っっっ! わたくしの目に狂いはありませんでしたッ!」
って、いやいやいやいやいや狂ってるからっ!?
たたたっ、たしかにエルダーさんみたいな見方もあるかもしれんが、やってることは近親異種姦セックスだぞ!? 褒めちゃ駄目だろ色々な意味で!
「り、倫理観の問題がだなッ!」
「未来で助かる命があるなら倫理観など何も問題ありませんッッッ!」
えぇッ!?
「実際、レーテさんはとても大きな偉業をなされました。まず、魔物に孕まされたことを一生の恥辱と悩み苦しむ女性に、希望を与えたこと。あえてオープンにすることで、『みんなも無理に隠し続けなくていいんだよ』と社会に訴えたこと!」
「は、はい(そんなつもりなかったけどな!)」
「そして、魔物の息子にとびきりの愛情を示したこと……!」
エルダーさんは語る。〝いま各地で暴れまわる魔物集団のボスは、ほとんどが人から産まれたハーフとされます〟と。
「レーテさん。アナタは偉大なる前例となってくださいました。凌辱を受けたとて『一生を日陰者として過ごさなくてもいい』と示し、なおかつ、『産まれてしまった異形の子供を愛してもいい』と……全ての被害女性に道を開いて見せたのですッ!」
「は、はい!?(そうなるのか!?)」
「ヒトは未踏を恐れる生き物。されど逆に、誰かの背中さえあれば、そこに続く勇気が湧き上がるものなのです」
エルダーさんは俺の手を取り、じっと視線を合わせてきた。
糸目から崇拝度マックスの眼光が放たれる……!
「これで将来、絶望する女性は減ることでしょう。加えて産まれた子供を愛せるようになれば、母を求めて暴れまわる不幸な魔物も少なくなります。結果、多くの命が救われることになるのです……ッ!」
「い、いやいやいやいや全ては偶然っていうか流された感じで……っ!」
「またまたご謙遜を~!」
いやご謙遜じゃねえからッ!?
「以上の功績を称え、レーテさん」
はい?
「レーテさんを、王都の『ゼヒレーテ教』本部にて表彰したいと思います!」
って、はいぃいいいいいいいーーーーーーーーーーッ!?
◆ ◇ ◆
と、いうわけでトゥルーデよ。
「魔物に孕まされまくった結果、なんか国教本部で称えられることになりました」
「ギャハハハハハハハハハハハハッッッッッ!!!」
「笑うなっ!」
その日の夜。魔女屋敷にて俺、トゥルーデ、引っ越してきたエリカ、そして俺の子三匹は、仲良くすき焼きをつっついていた。
この世界は明らかに日本メニューが多い。コメもあるし箸も使うしな。神話曰く『女神ゼヒレーテ』が広めたんだと。んで特にすき焼きは大好物だったんだとか。変なの。
まぁ俺も大好物だからいいけど……ってそれはともかく、
「はぁ~あ。結局、性別変更の魔宝具は手に入りそうにないしなぁ……」
十億ゴールドなんていつになったら稼げるんだっつの。そもそもここ百年は見つかってないらしいし。
あ、ちなみにエリカには、俺が性別変更の魔宝具を求める理由は〝男性の苦悩も理解したいから〟と例の女神コピペ回答しておいた。訝しまれるかと思ったら『流石は優しいですね』と言われた。俺優しくはないだろ……。
「性別変更の魔宝具ですか。たしか以前、【ニトクリスの魔鏡】というものがあったと聞きます」
「知ってるのかエリカ?」
「はい。これでも王都の騎士家の者ですから」
誇らしげに胸を張った。うんおっきい。
「二百年ほど前、ニトクリス地方のダンジョンで見つかったことから名前が付けられたそうです。なんでも鏡に映った者の性別を変えてしまうそうで」
「ってマジかよ!? その【ニトクリスの魔鏡】ってのは今でもあるのか!?」
「いえ。魔宝具とは『願いの結晶』……何度か使用されると消えてしまうのですよ。発見した男性冒険者パーティを全員女性に変えた後、オークションにて十億で落札した王を女王に変えたのを最後に、マナの粒子になってしまったそうです」
「マジか~……」
てか当時の王様は何をやってるんだよ。
「ちなみに十億ゴールドというのは当時の落札価格ですからね。貨幣価値の変動により、現代はもっとするかと……」
「重ねてマジかよ……」
チクショウへこむわぁ~……。と、とりあえずすき焼き食べよ。ってあぁトゥルーデっ、俺が育ててた肉取るな!?
「くっくっく。十億以上稼ぐのは至難よなぁレーテよ。ま、わらわは最強じゃし長命種だからなんとでもなるけど~!」
「うるせー!」
「あぁ可愛いっ♡ さてさてとなると、今回の王都行きは天啓かもしれぬな」
「?」
なんだよ天啓ってと思う俺に、魔女は肉を美味そうに食いながら答えた。
「王都周辺には巨大なダンジョンが多い。危険、と思うじゃろ? しかしダンジョンは魔物の住処となる反面、ときおり魔宝具が発生することがある」
「ぬぬ!?」
つ、つまりっ、
「『金で手に入れるのが難しいなら、ダンジョンで直接ゲットすればいい』ってことか!?」
「正解じゃ~!」
トゥルーデは箸をつきつけて嬉しそうに笑った。
マナーはゴミだが、俺の新たな道の発見を祝福してくれてるみたいだ。
「王都のダンジョンには強い魔物も多い! そして強い魔物はきっと性欲も強いッッッ! めちゃくちゃ妊娠できるぞやったのぉ!」
「ははは」
中身もゴミだったみたいだ。
◇↓皆様からのご感想&評価まっておるぞ~~!、活動報告にて『相手役になってほしい魔物』『理想のシチュエーション』もぜひ!(トゥルーデ)
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=314698&uid=151111