※この作品はR-18です。

第3村讃歌 第一部(R-18限定)   作:だんきち文庫

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ご覧戴き有難う御座います。
第3村讃歌第1部も漸く10話になりました。

今回はいよいよアスカとケンスケの話しです。

果たしてどうなるやら・・

第1部はもう少し続きます。
勿論エロいところも盛り込んで行きます!

お気に入り登録やご感想、ご評価等頂けましたら幸いです。

宜しくお願いします。




<第10話> 続々・大人達の苦悩 ケンスケ・そしてアスカとシンジ(R-18制限)

[ご注意] 

 

 このお話は性的表現を含む部分がございますのでR-18とさせて戴きます。

 従いまして対象年齢以下の方は閲覧出来ません。

 また苦手な方や耐性の無い方はご遠慮下さいませ。

 

*作品毎のR-18制限が出来ませんのでシリーズを分けて掲載いたしました*

 

 

 

   ー それでは始まり始まり桜井まり ー

 

 

 

 

       第 1 部

 

 

<第10話> 

 

続々・大人達の苦悩 ケンスケ・そしてアスカとシンジ(R-18制限)

 

 

 それは彼等が再び訪れた村の日常に慣れ親しみ行く中のとある一日のことでした。

 

 

 

 

【駅舎ハウス 母屋】(夜間)

 

 駅舎ハウスでは久しぶりに3人が揃って夕食を摂ります。

 

 今夜の調理担当はアスカでした。

 

 彼女はレイが以前から「ヒカリママの雑炊が美味しい!」と言っていたを思い出し、昼間に立ち寄ったレイに大体の材料と調理方を聞き出し真似て作ってみました。

 

 ところが何故か汁気が少なくきのこリゾットみたいな仕上がりになってしまいました。

 

 今更作り直す訳にも行かないので白葡萄酒やハーブ類を足して風味を洋風に整えました。

 

 そして馬鈴薯と小魚の塩漬けを大蒜を効かせてソテーにしたものと、トマトと田舎豆腐をカプレーゼ風に盛り付けたものにバジルやイタリアンパセリの代わりに青紫蘇の微塵切りを散らしたものを添えて[なんちゃって南欧風料理]に仕立て上げ(デッチアゲ)ました。

 

 

 ケンスケとシンジは何時もと違う華やかな食卓に驚きます。

 

「なんかバカシンジの料理みたいに上手く出来なくて…」と恥ずかしそうに言うアスカに「いや、イイんじゃないか?コレは美味そうだ!」とケンスケは早速席に着きます。

 

 シンジも「凄いよ!アスカ!」と自分のレシピには無い料理に喜んでいます。

 

 アスカは「もう!食べてから言ってくれる?でも、味は保証しないからね!」と言いながら皿に取り分けると二人にサーブしました。

 

 目の前に置かれた皿にケンスケは「いや、匂いだけでも美味そうだ!なぁ、碇!」

 

「うん!じゃあアスカ、イタダキマ〜ス!」とシンジはディナーフォークで「なんちゃってリゾット」を口に運びます。

 

 ケンスケも薫りを楽しんでから口に運びました。

 

 

 しかし…口にした二人は暫く黙り込んでしまいます。

 

 

「やっぱり…?ダメだった?」目の前の二人の姿にアスカはガッカリした様に言います。

 

 

 ケンスケとシンジは互いに顔を見合わせます。そしてアスカに向き直ると同時に二人はアスカに親指を立てた手を突き出し「ニッコリ」します。

 

 その後は二人とも無言でガツガツと食べ続けました。

 

 

 二人の食べっぷりにアスカは満足気に微笑みました。

 

 

 

 

 夕食も済みシンジは今日の担当の後片付けの洗い物を終えます。

 

「ご馳走様!美味しいかったよアスカ!じゃあお休み!」と言うとシンジは鉄道車両の自分の部屋へと戻ります。

 

「ん!ご苦労様。お休み〜」とアスカもシンジに声を掛けて見送ります。

 

 ケンスケも「ご馳走様!式波、凄いじゃない?随分腕を上げたね!」と腕前を褒めました。

 

 アスカは「えへへ…」と照れ笑いしながら思います。

 

 

『アレ…失敗作のリカバリーで偶然出来ただけなんだけと…次作れって言われても出来やしないわよ…』

 

 

 

 

 

【駅舎ハウス 母屋】(続き)

 

 ケンスケは作業机で就寝までの時間に何かの電子部品を修理していました。

 

 アスカもガレージの自分の部屋へ一旦戻りましたが、暫くすると母屋に上がって来ました。

 

 

 そして何故かアスカはケンスケのベッドの上に寝転んで古い雑誌を捲り始めます。

 

 

 

 暫く雑誌を見ていたアスカは作業机で電子部品を弄っているケンスケの背中に痺れを切らした様に乱暴な物言いで言葉を投げ掛けます。

 

 

「ケンケン!ほら、さっさとシャワー浴びて来る!」

 

 

「えっ!?」とケンスケは今一つ要領を得ない返事をします。

 

 

「さぁ!ヌキヌキするわよ!!」

 

 

「えっ!?するって…い、今?」ケンスケはいきなりで戸惑っていました。

 

「今って…するなら普通この時間からでしょ?それとも朝イチか真っ昼間にブッ扱(こ)いて抜いてやろうか?」とアスカは右手を筒型に握ると上下に素早く動かして意地悪い笑みを浮かべて言い返します。

 

「いや…それはチョット…」ケンスケは苦笑いしながら言いました。

 

「はい!ならサッサと行く!」アスカは命令口調で言うとケンスケのベッドの上に胡座を掻いて簡易シャワーブースを指差した後に手首だけで「シッ!シッ!」と犬猫を追い払う様に振ります。

 

 

「う、うん…」とケンスケは覚悟した様にバスタオルを手に取るとシャワーブースに向かいました。

 

 

 

 アスカはケンスケがシャワーブースに入るのを認めると急いでカーゴパンツを脱ぎ、ジョギングパンツに穿き替えます。

 そして着ているチェリーピンクのリブニットタンクトップの胸下辺りを持ち上げて

「クンクン」すると今度は腕を上げて脇周りも「クンクン」して自身の芳香をチェックします。

 

 彼女は「ふぅ〜」と溜め息を吐くと「ヨシ!!」と強く頷きました。

 

 

 何が「ヨシ!!」なのでしょうか…

 

 

 

 暫くするとシャワーを浴びたケンスケがバスタオルで、髪の毛をワシャワシャと拭きながら出てきました。

 それから残った身体の水気を拭い切るとそのバスタオルを腰に巻き付けました。

 そしてベッドの上のアスカに振り返ります。

 

 アスカは黙って手招きだけでケンスケをベッドサイドに呼び付けます。

 

「しっかり洗って来た?」

 

 アスカはベッドの側までやって来たケンスケに確認するかの様に言いました。

 

「うん…」ケンスケは子供みたいに素直に頷きます。

 

 アスカは「よし!じゃあ、はい!サッサとココに寝る!」と言うとベッドを「ポンポン!」と叩きます。

 

「はは、乱暴だな」ケンスケはまた苦笑いしながらベッドに上がり仰向けに寝ました。

 

 アスカは躊躇なくケンスケの腰に巻かれたバスタオルを左右に開きます。

 

 ケンスケの男の部分は既に半興奮状態になっていました。

 またシンジのソレとは違い大人でした。

 

 

「ヤダ!もうこんなにして…ヤラシイんだから!」

 

 

 アスカは手にローション代わりの黄蜀葵(トロロアオイ)から作った潤滑剤を青い小瓶から片掌に流し取ります。

 

 これは彼女が日焼け等の肌荒れケアの為に文献や情報を基に色々と試作、試験した時に偶然出来た物でした。

 

 

「お兄さん、ココ初めて?お時間は45分コースね!延長は15分単位だからね!」と、まるで温泉街の風俗嬢の様に巫山戯ながら潤滑剤を付けた手をケンスケの男の部分に宛てがい頭部から小帯の括れ、茎部へと優しく塗り付けました。

 

 ケンスケは彼女の刺激で男の部分をピクンと動かします。

 

 アスカは塗り付けながらケンスケの目の前にグッと身を乗り出し、先程の巫山戯(ふざけ)ていた時とは違う真剣な顔を見せます。

 

 そして「これは食いしん坊初期ロットの為だからね!」と釘を刺す様に言いました。

 

 

 ケンスケは顔の近くにあるアスカの躰から匂い立つ香りにドキリとします。

 それは何時ものふわりとした柔らかな少女の香りの中に若い女性の官能的なそれを含んでいたのを感じたからでした。

 

 

「う、うん…解ってるよ…」と少し淋しげにケンスケは言いました。

 

 

 アスカはゆっくりとケンスケの男の部分を扱(しご)く様に刺激し始めます。そして扱きながら言います。

 

「はい!じゃあ目瞑ってぇ〜、妄想してぇ〜! さ〜て、オカズはナニかな〜?どんなコトするのかな〜?言って!ホラ言え!!」

 

「ハハ、全く乱暴だな。じゃあ、優しく手でして貰う…」

 

「な、なによ!?それって今そのままじゃない!もう!」

 

「じゃあ、お相手は誰かな〜?診療所の娘?長良っち?伊吹整備長?あっ!もしかして松方の奥さん!?んも〜、ヤラシイんだから!!」と、言うなり激しくケンスケを扱きました。

 

 ケンスケは「あうぅっ…!」と喘ぎます。

 

「あっ!もしかしてぇ〜?サクラ…とか?」アスカは少し揶揄いながら刺激を続行しました。

 

 

 ケンスケはアスカの刺激に抗(あらが)いながら言います。

 

 

「い、いや…式波…」

 

 

「…ん?」

 

 

「式波…じゃダメかい…?」

 

 

「はぁ!?」とアスカは呆れた感じで言います…が、心の中で『…ダメだよ…ケンケン…』と侘しく思うのでした。

 

 

「もう…バカ…」アスカは赤くなり呟いてしまいます。

 

 

 しかしそんな姿と内心を悟られ無い様に彼女はワザとニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて聞きます。

 

「イ、イイわよ!じゃあ、ケンケンの中のアタシはどんなコトするの?」

 

「優しく手でしてくれる…」ケンスケは微笑むとアスカ見詰めました。

 

「な、なによ!?それってまたそのままじゃない!」アスカは膨れっ面で呆れた様に言います。

 

「いや、充分だよ。とてもイイ…」ケンスケは優しく満足気に言いました。

 

 

 

 

「あっそう!じゃあコレは…?」

 

 

 

 

「あっ!!し、式波…!?」

 

 ケンスケは自身の中心に突如齎された生めかしい刺激に驚き声を上げました。

 そしてその部分に目を向けます。

 

 其処には自身の下腹部に赤みを帯びた金髪の頭が寄り添っており、緩やかに動いていました。

 

 

 

「ん、ん、ん・・・」

 

 

 

 ケンスケはその快感の中で混乱したのか今迄秘めていた思いを遂に口にしてしまいます。

 

「あ、あぁ…!だ、大好きなアスカに…こ、こんなコトして貰えるなんて…

ホント、食いしん坊さんに感謝だよ…」

 

 

『えっ!?な、なによ…!こんな時に…ドサクサに紛れて告(こく)るなんて…ズルいんだから…』

 

 アスカは困惑しました。

 

『それにアスカって…言ったし…』

 

 

 アスカはケンスケの混乱の上(ドサクサマギレ)での告白を冗談でも聞く様に軽く遇(あし)らう様に言います。

 

「あっそう!じゃあ、食いしん坊救済協力のご褒美に…」

 

 

 

「深〜くでしてあげる …」

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 アスカはベッドから下りてヘッドボード代わりのスチール書庫の上に置いた採取用のビーカーにケンスケから搾り取った体液を口から移していました。

 

 

 

「どう?ワタシをオカズにして逝った気分は?」

 

 

 

「うん…良かったよ…とても…」ケンスケは優しく静かに返事を返しました。

 

「2回とも?」

 

「うん。2回とも…」

 

「そう。なら良かったわね!」アスカは彼に見向きもせず白々しく返しました。

 

 

 

「ねぇ、式波…」

 

「なによ?」

 

「今度は式波の番だ…!」

 

「何が?」

 

「ボクが式波を良くしたい…」

 

 

「イヤよ!ワタシは自分のSEXに興味ない!」

 

 アスカは「ムッ!」として強く言いました。

 

「ケンケンはアタシの身体のコト知ってるよね?知ってて言ってるワケ?」

 

 そして怒った様に続けます。

 

 

 

「それに…アタシ良くならないし!」

 

 

 

 ケンスケは彼女を見詰めながら言います。

 

「そんな事ないよ…だったらプラグスーツがあんな風には…」

 

「な、なによ?」アスカは不穏な面持ちでケンスケを見ました。

 

「君のプラグスーツ…この間、調整メンテナンスした時に異変を感じたからチェックしたんだ。そしたら…」

 

「そしたら?」

 

「式波ので…濡れた跡があった…」

 

「いっ!言わないで!!」アスカは動揺します。

 

「ゴメン…」

 

「あ、あれは…その…そう!あ、アレよ!お、女の子の帯下(こしけ)よ!!バカ…!」

 

 アスカは苛立つ様に言い誤魔化そうとしました。

 

 

「式波…」

 

「もう!なによ!?」

 

 

 

「気付いてた…式波も忍んで寂しさを紛らわしてたのを…」

 

 

 

「な、な、ナニがよ!?知らないわよ!そんなコト!!そんなコト言うケンケンなんかホント嫌い!」

 

 アスカは怒りと羞恥の入り混じった真っ赤な顔で怒鳴ります。そして…

 

 

「大っキライ!!」

 

 

 そう言うや否や彼女は母屋奥の短い階段を飛び下りる様に駆け降るとガレージの自分の部屋へと逃げ帰ります。

 そして勢い良く扉を閉めました。

 

 

「バン!」

 

 

 どうやら森の精霊達の言う[風の噂]は本当だった様です…

 

 

 

「・・・・」ベッドに一人取り残されたケンスケは無言で思い詰めた様にじっと項垂れて座っていました…

 

 

 

 

 

 

【アスカの部屋】(続き)

 

 アスカは自分の部屋に籠もるとベッドの上で枕を抱き締めて俯せていました。

 

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 

 

 アスカは3号機の事故で身体を使徒に侵食され融合していた時には【人の三大欲求】を感じる事無く無縁の状況でした。

 

 

 しかし再びこの村に戻った時には眠る事は出来ましたし食事も摂れる様になりました。

 それに連れて性的な衝動も湧き上がる様になったのです。

 

 彼女の性的な積極性と呆れる程の大らかさは彼女の満たされる事の無い心の現れなのです。

 

 しかし彼女は自身に降り掛かり及ぼされる性的な接触には「アタシ良くならないし!」と、先程の様に興味が無いか嫌悪する振りをして断固拒否します。

 

 ただ、ケンスケや森の精霊達の[風の噂]では彼女は性的な衝動を自身で慰めて処理していると言います。

 

 彼女のこの矛盾した言動にはどんな理由(わけ)があるのでしょうか?

 

 

 そして彼女は何故?ケンスケにあの様な行動をとったのでしょうか?

 

 

 それは彼女がケンスケの密かな気持ちに気付いていたからです。  

 

 ただ、ケンスケがアスカへの気持ちを告白したとしても彼女は身体に抱えた物の為に恋愛感情が芽生えてもそれに応じる事は出来無いのでした。

 またケンスケもその事を知っていたのでアスカに下心が有ったにせよ決してそれを口にする事は無かったのです。

 

 

 彼女は参号機の事故後に長い眠りから目醒めた時、自身が使徒に侵食融合されている事を知ります。

 

 彼女は自身の使徒化で他者に危害が及ぶ事を恐れNERVの内紛時の混乱に乗じて逃走を図ったのでした。

 

 しかし行く当ても無くコア化された世界を長く彷徨い自暴自棄の中、漸くこの村外れの森に辿り着いたのです。

 

 そしてこの森の中でケンスケに出逢ったのでした。

 

 

 アスカはケンスケの下で暫く匿われていました。

 

 軈て、時間が経つに連れ落ち着きを取り戻した彼女は今、自分が成すべき事を徐々に理解しNERV殲滅を目的としたヴィレに自らの意思で志願参加を申し出たのです。

 

 このアスカの心境の変化はケンスケとの奇妙な同居生活を送る中で彼の考えや助言が彼女の心に大きく影響したからでした。

 

 

 アスカは最初にこの村を訪れてからずっとケンスケを頼って来ました。

 ケンスケの助けが無ければ今の自分は無いとさえ思う程でした。

 

 アスカにとって今、ケンスケは恩人で大切な人なのです。

 

 

 アスカはそんな彼の「心と身体が少しでも満たされ癒されるなら…」と恩返しのつもりだったのか、全くの独り善がりで浅薄な考えの末の行動だったのです。

 

 

「ケンケンなら大人だから解ってくれるだろう…喜んでくれるだろう」…と…。

 

 

 しかし彼女は身体は14歳のままでしたが実質28年の人生の中での恋愛経験はたったの一度だけだったのです。

 

 しかもその恋もお互いが幼かった故の行き違いの上にアスカは3号機の事故に遭ってしまいます。

 

 その後の怒りと悲しみを積み重ねて行った14年間とシンジの空白の14年間を経て彼らの恋は有耶無耶になり自然消滅の様になっていたのでした。

 

 

 しかしあのカオスの終焉で互いの気持を再確認出来る機会もあったのですが…またもや双方の一方的な思い違いと行き違いでその結果を得ずに再びこの地に戻って来たのでした。

 

 そして二人とも『夢の中の出来事』の様に過去の思い出として心の奥底に仕舞い込んでしまったのです。

 

 

 

 そしてその未熟な恋愛経験しか無い彼女が招いたのがこの醜状でした。

 

 

 

 結果、アスカはケンスケの気持ちを試して弄んだだけになってしまったのです…

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 

 

 

【アスカの部屋】(深夜)

 

 その日の夜遅くにアスカの部屋から寝返りのベッドの軋む音に混じり切なく喘ぐ様な小さな声がまたもや漏れ聞こえて来た…そうです。

 

 

 彼女はまた忍んで自身を慰めていたのでしょうか…?

 

 

 森の精霊達の言う[風の噂]によると…

 

 既に事を終えたのか…部屋の中では浅く荒い息遣いをさせた下着姿のアスカがベッドの上で両腕で顔を覆う様にして脱然(ぐったり)と仰向けになっていた…そうです。

 

 暫くすると彼女は上半身を起こしベッドの縁に腰掛けるとゆっくりと力無く立ち上がり汚れてしまったショーツを脱ぎ自身の濡(そぼ)った部分を拭き清めていた…そうです。

 

 そしてスツールの引き出しから替えのショーツを取り出し穿き替えると直ぐにまたベッドに倒れる様に突っ伏した…そうです。

 

 ベッドにうつ伏せ枕を抱き締めた彼女は肩を小さく震わせていた…そうです。

 

 

 

 アスカは静かに咽び泣いていたのでした…

 

 

 

 彼女は暫く泣いていたらしいのですが、泣き疲れたかの様に其のまま眠ってしまった…との事でした。

 

 

 

 

 

 

 

【駅舎ハウス ガレージ表】(翌朝)

 

 シンジは麹味噌を作る為に朝早くからガレージヤードの軒下の加工作業場で一晩水に晒した大豆を火に掛ける準備をしていました。

 

 そこにプラグスーツ姿のアスカがやって来ます。彼女は今日は朝からヴィレの任務で結界監視に向かうのでした。

 

 

「ハイ!コレ…」アスカは機嫌が悪いのか「ムスッ」として例の黒い保冷ケースをシンジに突き付ける様に差し出しました。

 

「何コレ?アスカ…」シンジはケースを受け取ると不審そうに眺め回しています。そしてケースを開けました。

 

「パカッ!」

 

 中には小さな蓋付きの透明樹脂製の試験管が2列に並んで入っていました。

 シンジは不思議そうな顔でアスカを見上げます。

 

 アスカは面倒くさそうに其々の列を指差して言いました。

 

「ケンケンの!自分で抜いたヤツ!コッチはアタシが昨晩搾り取ったヤツ!」

 

 そんな事は一々言わなくても良いのですが…

 多分、アスカはシンジの反応が知りたかったのでしょう…

 

 

「えっ?コレって…」シンジは内容物に気付きますが確認する様に尋ねました。

 

「そう!タンパク質。食いしん坊初期ロットにあげて!」アスカはシンジを横目で睨む様にして言いました。

 

 しかしシンジは鈍感でアスカの意図には気付かず「う、うん…」と呟く様に言うだけでした。

 

 アスカは呆れたと同時に「チッ!」と小さく舌打ちをして踵を返して任務に向かいます。

 

 

「あの…アスカ…」シンジは立ち去ろうとする彼女の後ろ姿に声を掛けました。

 

「もう!ナニよ?」アスカは振り返り面倒くさそうに言います。

 

「その…綾波の…コト…」シンジは言い難いのか彼女の様子を窺う様に言いました。

 

「な、何が!?アンタとはもう何でも無いんだから…!好きにすれば?」

 

 アスカは動揺しますがそれを悟られ無い様に平然と言いながら荒れた下りの山道へと向かいます。

 

 

『ふん!なによ今更…バカ…』

 

 

 実はアスカは以前にN109棟跡でシンジがレイに語った

 

 <彼女とは今は…今はもう…なんでも無いんだ…>

 

と言う言葉に怒り狂っていましたが、それ以上に心は傷ついていたのでした。

 

 アスカの言葉はそれに対しての応酬だったのです…

 

 

 

 シンジは立ち去るアスカの後ろ姿に「うん…」と呟く様に言いました。

 

 

 

 アスカは荒れた斜面を下りながらシンジの態度に侘しさを感じていました。

 

 

 そして心の中で寂しく呟くのでした。

 

 

 

『やっぱり…アイツにはアタシは過去(むかし)の女なんだ…』

 

 

 

 彼女はそれを頭の中で懸命に認め様とします…しかし心はそれを拒否するかの様に疼くのでした。

 

 

 

 彼女はこの思考と感情の乖離を「これは調整プログラムの所為!」だと思い込もうとします。

 

 

 

 しかしそう思い込む程に切なさが彼女の心に満ちて行きます…

 

 

 

 

 そしてその切なさは小さな雫となり彼女の頬を伝うのでした…

 

 

 

 

 

 

                                (つづく)

 

 

 

 

 

 

【 次回予告 】

 

 えっ!カヲル君と!?

 あ、綾波はカヲル君と…その…

 

 

<第11話>

 

 アヤナミ・レイ 魂の記憶(R-18制限)

 

 乞うご期待

 

 

*作品毎のR-18制限が出来ませんのでこのシリーズにて掲載いたしまします*

 

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