「あ、あれ……? ここは……?」
ふとティファが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。窓もなく、扉もない、ただひたすらに無機質で静寂だけが占める奇妙な空間。
どうして自分がこんなところにいるのかを思い出そうとするが、何故か記憶が切り取られてしまったかのように上手く思い出せない。
ティファの最後の記憶では、自分の所属する反神羅組織『アバランチ』がいよいよ本格的に動き出し、これからミッドガルにある魔晄炉の爆破計画を進めようとしていた、はずだ。そこから先が曖昧になっている。
「私、ドジっちゃったのかしら?」
魔晄炉を管理している巨大企業である神羅カンパニーに捕まってしまった。おそらくそれが一番考えられる状況といえるだろう。
どういう経緯があったのかは分からないが、こうしてよく分からない部屋に閉じ込められているのだからいずれにせよ、窮地には変わりない。
「はぁ……これからってときに出鼻をくじかれちゃったわね」
ティファは額に手を当て、溜め息をつく。仲間と立てた計画がいきなりおじゃんだなんて笑えない。それどころか、今その仲間がどうなっているのかも分からない。
こんなところでのんびりしている暇などなかった。
「それにしても、不用心なのね。手錠も何もつけないだなんて」
出口のない部屋に閉じ込められているということ以外では、ティファには何の拘束具も身につけられてはいなかった。普通の人間ならいざ知らず、ティファにとっては一つの好機ではあった。
「ふぅー、はぁぁぁ……」
ティファが壁を正面に立つ。
そして深く呼吸し、脇を締め、その拳に気を集中させた。
「ええいっ!!」
バチィィン!
そんな破裂音を立てるが、壁はどうやら何ともなっていなかった。
少しでも亀裂が入ってくれたら希望もあったのだが。
「痛てて……、まあそりゃそうよね」
見た感じではそれほど丈夫そうには見えなかったが、かなり頑丈な作りになっているらしい。鍛え抜かれたティファの拳でも破壊できないのだから。
人一人を監禁しようというのに、安い素材で閉じ込める方が間違っている。
「これも神羅の新技術かしら。まるで手応えを感じられなかった。衝撃吸収素材なのね。あーあ、さすが神羅カンパニー」
神羅カンパニーといえば世界で知らない者はいないほどの巨大企業だ。元々は兵器メーカーだったが、魔晄エネルギーと呼ばれるものを発見し、これを利用した発電所、魔晄炉によって神羅カンパニーは発展を遂げていった。
しかし、魔晄エネルギーは星のエネルギーそのもの。ガンガン吸い上げていけば、いずれ星の命は尽きてしまう。これをどうにかしなければならないと立ち上がった組織こそがティファの所属している反神羅組織『アバランチ』である。
予定では、神羅カンパニー本社のあるミッドガルに点在する魔晄炉を爆破する予定だったが、現状はこの通りである。
「このまま助けを待つしかないか」
そう思った途端、ティファの中に心細さが沸き上がってきた。何もない閉塞的な空間の中、何をすることもできない。
一体いつまでここにいなければならないのだろう。そんなことを考えていたときのことだった。
「……え? な、何?」
何かが起きた、とは違う。ただ、あまりにも不自然なことを自然と行っていた。
ティファは徐に自身の服を脱ぎ始めていたのだ。あまりに突拍子もなく、自分の意思とは思えない。だが、間違いなくティファ自身の手でやっていた。
手を止めようとすると、体はその意思には反する。理解が追い付かない。どうしてこんなところで服を脱ごうとしているのか。
「これは……まさか、マテリア?」
マテリアとは魔晄エネルギーの結晶であり、自然界でも生成されることもあるが、神羅カンパニーでは人工的に生成させたものを兵器に利用したり、扱いやすく改良したものを販売したりと一般的に普及させている。
魔晄エネルギーの中には知識が蓄積されていて、マテリアを使えば一般人でも魔法や戦闘技術を会得することができる代物。今も尚、神羅カンパニーでは最新のマテリア開発が進められているという話はティファも耳にしたことはあった。
「これは『まどわす』マテリア? それとも『あやつる』マテリア?」
その正体は分からないが、何かしらの方法によってティファの身体が操られていることだけは明白だった。だが、それが分かったところで今のティファには抵抗もしようがなかった。
「こんなことをして辱めて、何が目的なのよ!」
ティファの怒りのこもった叫びも空しく、ティファは自らの手で服を脱ぎさって、とうとう裸体を晒す羽目になる。何処かで監視されているのかもしれないと踏んで、周囲に監視カメラか何かないかを探るが、何も見当たらない。
警戒しようにも周囲に何の気配も感じないのだから、どうもしようもなかった。
「ひっ!? な、何?」
突然の下腹部からの刺激に、ティファは飛び退きそうになる。
何かと思えば、ティファの右手が秘部に伸び、たどたどしくまさぐっていたのだ。
傍から見れば、ティファが自分の意思で立ちながら自慰しているようにしか見えなかったことだろう。
「ふ、ふざけたことを……っ!」
どれだけ怒りを露わにしたところで、その手はティファの秘部にぴったりとくっついたように離れず、くちゅくちゅと弄くり倒すばかり。
状況はまるで理解できない。誰が何の目的があってこんなことをしているのか、皆目見当も付かない。止まれ止まれと念じても、ティファの自慰は続けられる。
くちゅ、にちゅぅ、ぴちゅ。次第に、その指先の動きは激しくなっていき、それにともなってティファも顔を紅潮させていく。まるで少しずつ感じやすいところを記憶していっているかのように、的確に狙い初めてきた。
やがて、ティファの秘部からあられもない水音が聞こえてくるようになると、ティファは息づかいも荒くなり、だんだん頭の中もぼやけてきてしまう。
「くぅ……、止めてよ。なんで止まらないのよ」
自分の指だというのに、依然として言うことを聞かない。
延々と気持ちいいところをピンポイントで狙ってくるばかりで、快感の波が次から次へと押し寄せてきては思考も押し流されていく。
自分でも知らなかったような気持ちいいポイントも勝手に覚えたのか、指が根元までずぶりと挿入され、集中的に責め立ててくる。そこに誰かがいたのならまだ抵抗のしようもあったが、秘部を弄っているのは他ならぬ自分の指だ。
ひょっとすると、自分の意思なのかもしれない。自然とそう思えてきてしまう。
何故なら周囲には誰もいないし、その気配もない。監視カメラだって目に付かないし、自分しかいないこの状況で開放的な気分になっているのかもしれない。
あまりにも強引で無理やりな解釈ではあったが、今のティファにはそれくらいしか考えられないくらいに余裕もなかった。
くちゅ、にちゅ、ぴちゅ、ぬちゅぅ。
自慰にしたって激しすぎる。覚え立ての猿みたいに乱暴で無様な自慰がティファから冷静な判断をどんどん奪っていく。すると、それが訪れるのは早かった。
ぷしっ、ぷしゃああぁぁぁ。
放尿のような勢いで、ティファは潮を吹き、いよいよ立っていられなくなる。
ペチャンと水浸しにしたばかりの床に尻餅をついてしまうが、それでもなお自慰の手が止まることはなく、とうにふやけきったティファの秘部を責める。
「も、もう……いやぁ……」
絶頂を迎えても、自慰は激しくなっていくばかり。止めようという意思がまるでない。ティファは両手で自分の秘部を弄くり倒しては、軽い絶頂と潮吹きを繰り返す。
いい加減、飽きないものかと思っても、身体は慣れていくどころか、開発されていっているのか、感度が増していく一方。
「あ……、あ……、ああぁぁっ……♥」
ティファの視界が明滅し、電気の切れた玩具のようにガクッと落ちる。
だが、プチ絶頂で強制的に覚醒させられ、快楽地獄が継続されていった。
何度イキ続けたのかは分からない。いつ気を失って、いつ目を覚ましたのかも分からない。夢の中でも自慰を続けていたような気さえもする。
「ぁー……♥ い、イクぅ―……♥」
この空間に閉じ込められてどれくらい経ったのかも認識できない。
早くこんなところを抜け出して、仲間たちと合流して神羅カンパニーに報復を。
そんなことを考えていたのも何時間前のことだったか。もう何日前、何週間前のことかもしれない。
今のティファは意味も分からず自慰に溺れているだけ。
理性などという歯止めもなく、ただそうしているだけでティファは自分自身を快楽の波に委ねようとしてしまう。
いつの間にか、そうして自慰をしていることが自然体になってきてしまっていた。
何故って、自分の意思とは関係なく、延々と自慰し続けていることが当たり前になっているのだから。認識がぼやけて壊れる。
ふと、ティファは何かに気付く。
自分の指が、自分の意思で動かせることに。
それに気付いた途端、ティファは自分の中に疑問が浮かんでいた。
どうして今までこうしようとは考えなかったのだろうか、と。
気付いてからは早く、秘部を延々と責め立てていた指は引き抜かれ、ティファの腕はティファの意思の通りに動いた。
「あ……、あぁ……♥ こ、ここぉ……♥」
動かした腕は身体の上の方、ティファの乳房にあてがわれた。そしてそのまま揉みしだくようにふにゅっと指先で形を変えさせる。
片手では持てあます豊満な乳房を、ティファは自分の意思で揉みしだく。
「あはぁ♥」
こっちも気持ちいい。それに気付いたティファは片手は秘部に、もう片手は乳房を乱暴に弄くり倒しては、さらなる快感を募る。
身動きがとれないなんてことはなかった。こうやって自分の腕で自慰ができるのだから。それを知ってからはティファは身体をくねらせ、自ら気持ちいい箇所を、より気持ちいい体勢を模索していく。
そこに、どうして、などという理由はない。ティファにとって、もう自慰など当然のことで、それを拒むことがおかしなことなのだから。
白く泡立った愛液がドロリとティファの秘部から垂れ落ち、それをまたかき混ぜるように指先がぐちゅぐちゅにしていく。
何百回目、何千回目の絶頂かはもう分かりようもなかったが、快感を求めようという本心に抗うことができず、際限なく自慰に溺れてしまう。
そんなティファの耳に、何処からともなく機械じみた声が響く。
『フェーズ進行――……精神改造、良好』
誰の声なのかは定かではない。どんな意味があったのかもティファには理解することもできなかった。ただ、スイッチを落としたかのように急速的にティファの意識は遠のいていき、世界が暗転していった。
深い深い――深淵の闇の中に、ティファは堕ちていった……。
※ ※ ※
※ ※
※
「あれ……、ここは……?」
ティファが気がつくと、そこは倉庫のような小部屋だった。前後の記憶がハッキリしていない。確か『アバランチ』の仲間たちと魔晄炉を爆破する計画の途中だったはず。列車に乗り込んでからの記憶がティファにはなかった。
「早く……みんなと合流しなきゃ」
重い頭を持ち上げ、ティファは片手を自分の股間に伸ばし、そのままスカートをまくりあげるようにして秘部に突っ込みながら立ち上がる。
周囲の様子を伺うように息を潜めながら自慰し、音を立てないように忍び足で移動しながら秘部ではくちゅくちゅと水音を立てる。
「魔晄炉の……んっ♥ 入り口付近みたいね。いつの間に気を失ったのかしら」
特に意識することもなく、ティファは自慰を続けたまま、周囲を警戒する。
様子を伺った限りでは、爆破予定だった魔晄炉の付近らしく、警報も鳴っていない辺り、まだ『アバランチ』の仲間たちも襲撃していない様子だった。