※この作品はR-18です。

魔晄に侵蝕されたティファ   作:松本まつすけ

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後編

「とりあえず魔晄炉に入ろう。みんなが先に行って私を探しているかも……ぁん♥」

 

 色々と考えようとしたが、自身の指先が一番気持ちいいところにツンと触れて思わず潮を吹いてしまったので、考えもまとまらなかった。とりあえずもう片方の手で乳房を揉みながらもどうするべきかを考える。

 

 ぐにぐにとティファの乳房が乱暴に形を変えられるものだから、どれだけ集中しようとしても気持ちよすぎて、やはり思考がまとまらない。

 無意識で動いているとは思えない。

 

 何の確証もなく、深い考えがあるわけでもなく、ティファは魔晄炉の中へと入ることを決意する。もう少し冷静ならば単独で入るのは危険だと分かりきっていたのに。

 

 案の定、魔晄炉の入り口まで来ると、当然のように神羅カンパニーの警備兵や戦闘員たちがうようよしていた。ティファは咄嗟に物陰に隠れるも、時折くちゅくちゅ音や喘ぎ声を漏らし、居場所はバレバレだった。

 

「そこにいるのは誰だ!?」

 

 銃器を構える兵士を前に、観念したティファは自慰を続けたまま、姿を現す。

 片手は秘部に指を突っ込み、もう片手は乳房を揉みしだき、あられもない姿ではあったが、ティファは尚も自慰を続けたまま気にした様子もなく、神羅兵たちを睨み付け、強行突破を試みる。

 

 ぴちゃぴちゃと、動く度に愛液を床にこぼしながらも、自慰を続け、目の前にいる兵士に蹴り掛かる。それと同時に丁度乳首の先端が引っ張られたのか、潮をまき散らしながら兵士をぶっ飛ばす。

 

 自慰のしすぎてあまり力のこもった蹴りではなかったが、兵士は思ったよりも飛んでいき、そのまま動かなくなる。当たり所が悪かったのだろうか。考えても考えのまとまらないティファは時間を惜しんで先へと急ぐ。

 

 どのくらい進んだだろうか。自慰をしながら走るという無茶な格好で移動していたせいもあって、ティファは直ぐに息が上がっていた。

 呼吸を整えて、周囲に気を配るところだったが、ティファは何を思ったのか、また物陰に隠れて、今度は思う存分に自慰に没頭することを選ぶ。

 

 そこいらに腰を下ろして、自らスカートも脱ぎさり、両手の指先を巧みに動かしながらも快楽を貪る。息づかいも荒く、興奮気味ではあったが、それでも止めようとする様子はなかった。

 

「はぁ……♥ はぁ……♥ 警備兵もいないから……いいよね♥」

 

 確かに周囲には神羅カンパニーの兵士たちは見当たらなかった。

 不自然なくらいに。

 

 ここはとっくに魔晄炉の中であり、少し奥にまで進めばもうそこは心臓部。一番警備が強い場所のはずだったが、ティファはそんな違和感にも気付かない。

 本来爆弾を設置する予定の地点まで近付いていて『アバランチ』のメンバーの誰とも接触できていないことにも当然気付いていない。

 

 今はただ、どうしてか高ぶってしまった身体を鎮めるために、と自慰の方に集中しようと必死だ。既に何度か絶頂していたが、それでも収まる気配はなく、息を整えるので精一杯だった。

 

 辺りを覆い尽くすような仰々しい機械が轟々と稼働していたが、それでもティファの喘ぎ声は反響してしまうほど大きかった。

 

「ふぅー……♥ ふぅー……♥ えっと何をするんだっけ……? ああ、そうだ、魔晄炉を壊さなきゃいけない……んだったっけ? ぁん♥」

 

 ティファの秘部はドロリとした愛液が滴り、酷い有様ではあったが、やはりそれでも自分の指を引き抜こうとはせず、ゆっくりと立ち上がる。

 確か目的があったはずだ、というもはやあやふやな理由だけで動く。

 

 既にティファの足取りはよれよれでおぼつかない。

 それを見計らったかのように、何処からともなく武装をした戦闘員たちがティファの前に立ちはだかる。相手は複数。腕に光線銃も装備している。

 

「ま、また出たわね……、じゃ、邪魔しないで、よ……」

 

 乳房を揉んでいた方の手を億劫ながらに離し、固めた拳でボディブローを狙う。

 その明らかにヘナヘナなパンチは当然空振る。

 ただ、ティファにはどうして避けられたのかも分からない。

 

 今度は蹴りを入れようと脚を上げるも、自分の愛液で足を滑らせてバランスを崩し、情けないことに転倒してしまう。

 体勢を整えてまた攻撃するのかと思えば、倒れ込んだティファはその体勢のまま自慰を続けており、転倒した姿で潮を吹く。

 

「く……、ど、どうして……? アンタなんて、私の拳でイチコロのはず……」

 

 ここまで間抜けな姿を晒しておきながらティファはまだ戦意喪失していなかった。

 にも関わらず、やはり自慰だけは止める様子もなかった。

 

 ここまでくると、戦闘員たちも笑いをこらえる方が難しかったのか、肩をふるわせているのがよく分かった。そして、もうさすがに潮時だと判断したのか、その腕に付けた光線銃でティファにトドメを刺す。

 

「きゃああああぁぁっ!!?」

 

 ビビビビと放たれた光の弾丸はティファに直撃し、そのショックでティファも悲鳴を挙げて気を失ってしまう。

 

 意識のないままでもティファの片手は秘部から離れることがなく、ヒクヒクと動いているのが見えてしまい、戦闘員たちも鼻で笑ってしまう。

 もうしばらく眺めていたいと思う気持ちを抑えつつも、戦闘員たちはティファのもとに集まり、担ぎ上げて何処かへと運んでいくのだった……。

 

 ※ ※ ※

 

 ※ ※

 

 ※

 

「む……サンプルは回収できたかね」

「はっ! 宝条博士の指示通り、例の侵入者はポッドの中へ戻しました」

 

 怪しげな機材にまみれた、何処とも分からない研究室の中、白衣を羽織る、眉間にしわを寄せた気難しそうな男が低く笑う。

 彼は神羅カンパニー科学部門の総括、宝条だった。

 

 何を考えているのか今ひとつ分からない彼は、神羅カンパニーでも変わり者として扱われ、狂気のマッドサイエンティストとの声も多い。

 

「君たちの記録も見させてもらったが、実に滑稽だったよ。くっくっく……」

 

 宝条が手元の端末を操作すると、近くにあった巨大モニターに映像が出力される。

 そこには液体に満たされたガラスケースの中、静かに眠るティファの姿があった。

 

 どうやら生きているようではあったが、一糸まとわぬ裸体を晒すティファは、まるでホルマリン漬けの死体のようにも見えた。

 

「魔晄エネルギーに記憶が蓄積される性質があるのは分かっていたが、結晶化させないギリギリの状態で調整すると認知機能をある程度操作できるというのは新発見だ」

 

 宝条はブツブツと誰に聞かせるわけでもない言葉を無作為に吐き散らす。

 

「以前は魔晄中毒で廃人と化すだけのことかと思っていたがね。魔晄ジュースにもこんな使い方があったとは……くっくっく、興味深い」

 

 ガラスケースの中のティファは、時折ピクンピクンと身体を震わせ、どうやら絶頂を覚えているようだった。

 

「見たまえ。分かるか? このサンプルの脳内には記憶が圧縮され形成されている。君たちに分かりやすくいえば、体感時間が引き延ばされ、数十倍、いや数百倍以上の体験を夢に見ているのだよ」

 

 いきなりそんなことを言われても、一般神羅兵には何を言っているのか理解はできなかったし、容易に想像もつかなかった。

 

「てっきり他の奴らのように異形となって朽ちていくものかと思ったが、興味深いサンプルが残ってくれたものだ。ええと何といったかな。アバランチだったか。まあ、そんなことはどうでもよい」

 

 興奮気味に、宝条は端末を叩くように操作する。

 すると、ティファのガラスケース内に違う液体が流れ込んでいったのか、半透明だったソレが少し濁っていく。それと同時に、ティファの表情も何処か悩ましげなものへと変わっていった。

 

「人間には三大欲求というものがある。食欲に性欲に睡眠欲だ。この魔晄ジュースは欲求を引き上げる効果がある。古代種の生存本能による記憶の結晶だろう。この魔晄エネルギーに侵蝕されてしまえば、脳は欲望に支配される」

 

 にたぁ、と不気味な笑みを浮かべながら宝条は続ける。

 

「何が滑稽か分かるかね? このサンプルは性欲に支配されたのだ。それでありながら繁殖という単純且つ明快な生存本能を無視して、性処理を優先した。あれだけ精神汚染させてやったというのにも関わらずだ。これを笑わずにいられるか」

 

 高笑いする宝条を横目に、さしもの一般神羅兵は血の気が引いた。

 

「あれだけ雄を目の前に用意したら、てっきり性欲に流されて交尾を試みると思うではないか。理性が止めたのか? いや、違う。性処理の快楽こそが欲求を上書きし、その状態を自然体であると認識をも書き換えたのだ」

 

 しきりに宝条は、興味深い興味深いと呪詛のように呟く。

 

 得体の知れない液体の中に浮遊するティファが、次第にその身体をくねらせ、まるで何かに操られるかのように両腕を動かし、不格好な海洋生物の如く、自身の身体に絡ませていく。

 

 意識は戻っていない。ただ本能的にその快楽を求めているだけ。

 気付いたときには、ティファは無意識のまま、指先を秘部に突き立て、乳房を揉み上げて、液体の中で自慰を始めていた。

 奇妙という言葉では言い表せないほど、不可解な光景だ。

 

 ガラスケースの中で踊り狂うティファの淫らな姿を眺め、宝条はまた笑う。

 

「自慰に溺れる、とは読んで字の如くまさにこのことを言うのだろうな」

 

 宝条は、くっくっく……、と小さく笑い、端末に手を掛ける。

 天井から違うモニターが降りてきて、今度は全く違う映像を流し始める。

 

『んあぁぁぁ……♥ おっぱい♥ おまんこ♥ おっぱいぃぃ♥』

 

 喘ぎ声をもらしながら床の上でのたうち回るティファの姿が映し出されていた。

 もう一つのガラスケース内のティファの映像をいくらか被るところがある。

 

「夢の中でもこのザマかね。いや、少しずつ変質しているか?」

 

 その映像の中のティファは現実のものでなく、精神世界を投影したものだった。

 いわば、ティファの見ている夢の映像といっても過言ではない。

 

 夢の中のティファも自慰に狂い、身体中をまさぐり続けていた。

 

『あはぁ♥ おまんこくちゅくちゅしてぇ、しんらたおしゅのぉぉ♥』

 

 おかしいといえば何処もかしこもおかしいところだらけではあったが、先ほど戦闘員と対峙したとき以上に理性が失われているように見えた。

 

『おっぱいでぇ、びゅーってして、まこーろ、ばくはつらぁぁ♥』

 

 自慰をすることが常態化しつつあるのは夢の中の映像の通り。ただ、それでも自分の中にある記憶と理性までがブレていないことが異常といえた。

 

「ふむ? この状態になってもなおアバなんとかとしての意志は残っているのか?」

 

 ここまで精神に異常を来してくると正常な判断など下せるはずがない。少なくとも宝条はそのように思っていたが、自慰に没頭するティファは何も考えがまとまるような状態ではないにも関わらず、敵対心を保持したままでいられた。

 

 宝条の言う理屈がそのまま正しいのであれば、ティファの脳は魔晄に侵蝕され、欲求に支配された状態が自然であると認識に上書きされているのは確かだろう。

 その結果として、自慰することが普通だと認識が書き換えられているのだから。

 

 だが、それでもそれまで持っていた記憶や認識までは書き換わっていない。

 自分が反神羅組織『アバランチ』の一味であることも、神羅カンパニーに敵意を持ち、魔晄炉を破壊しようとしていることも、残ったままだった。

 

 それはつまり、彼女の持つ常識の一部が変質しただけに過ぎないということ。

 神羅カンパニーと敵対する反神羅組織『アバランチ』でありながら、自慰に溺れることを当たり前だと認識する変態女と化したのだ。

 

「くっくっく……、面白い。面白いではないか。狂ってくれるとは思ったが、これは私の想像を遙かに上回る。貴様は何処まで狂ってくれるというのだ!」

 

 淫靡に踊るティファの痴態を眺めながらも、宝条は冷めようのない興奮にまた大きく高笑いした。

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