「ご主人様見てないけど、いいわよね……?」
誰に聞かせるわけでもなく、タチアナは自らの秘部に手を伸ばす。
今までは富豪の男に言われて嫌々やっていたつもりだったが、堪えきれずとうとう自分の意志でオナニーに走る。
指先が割れ目のふちをなぞると、愛液はすぐさましたたり、不可触エリアの外に弾かれていく。まるで勢いよく放尿しているかのようにも見えた。
次第に膨れ上がる情欲は加速していき、タチアナの指は止められなくなっていく。
「はぁぁ……♡ はぅぅん♡ こ、ここに、ここに触れたら……♡」
タチアナのたどたどしいオナニーはいつも、秘部の上をなぞるだけ。
それ以上触れてしまえば自分がどうなるのか分からなくて、怖かったから。
絶頂も知らない少女は、熱に浮かされるまま、そこに触れようとする。
その細い指先が、自分の秘部の内側に挿入されようとしていた。
「ふぇ……っ?」
だが、奇妙なことに、指はソレ以上進むことはなかった。
タチアナの指先は膣口で止まり、その上を優しくなぞるばかりで侵入できない。
自分の指なのに、その先を触れることが叶わなかった。
「な、なんで……? どうして指が入らないの……?」
快感の波は上り詰めていくのに、もどかしさだけが増していく一方で、タチアナは一番気持ちいい箇所に指を届かせることができなかった。
ふちをなぞる程度では、到底今の火照る身体は満足できないというのに。
無論、触れることができないのは不可触の否定能力によるもの。
ただ、これまではそのような能力ではなかった。否定者の能力にはいくつかのルールが存在しているが、その実、能力は否定者の解釈によっても変化する性質がある。
例えば、停止することを否定する不停止なんてものがあったとして、停止の条件は何になるか。腕や足が骨折などで変形し動かせない状態なのか、それとも命そのものが稼働していない状態なのか。否定者自身の認識で変わる。
前者であれば怪我を負えば停止できる。後者であれば死ぬまで停止できない。
それと同様のことがタチアナにも起きていた。
不可触における「触れることのできない」という認識が変化していたのだ。
タチアナは長いこと富豪の男に言われるがまま、オナニーを自主的にやらされていた。その際、絶頂という未知の感覚を恐れて、自分にとって一番大事なところ、敏感なところに触れることを否定し続けていた。
知らず知らずのうちにその解釈が否定能力にも反映され、「タチアナは自分の秘部に触れることができない」という能力へと変貌していたのだ。
「意味が分からないわよ……なんで、なんで私の指なのにぃ♡」
スリスリスリとなぞるが、肝心なところは素通りしてしまう。
不可触エリアがそこに発生しているせいで、生殺し状態だった。
ほんの指一本、触れることができたら、今まで経験したことのない領域に達することができるという確信があるのに、タチアナの指は決して到達することができない。
「もう少し、もう少しなのに……届いてよぉ♡」
タチアナ自身が「触れることができない」と認識してしまっている今、どう足掻いても触れることは否定される。それでも、発情しきった肉体は快楽を求めてしまう。
触れたいのに触れることのできない。その悪循環は、タチアナの認識を一層強固なものにしてしまう。
秘部の周囲までなら触れられるし、指も届くのに、そこから先は意思を持って拒んでいるかのよう。タチアナに許されたのは割れ目のふちをなぞることだけ。
何度も何度も繰り返し指先で弄ったところで、絶頂までは遠い。
「ここ、ここ……、ああ♡ なんで、なんで触れないのよっ!」
タチアナは両手を使って自分の秘部を端から引っ張り、くぱぁと開いて見せる。
膣道が外気に晒され、熱を帯びたソコが空気に触れる。
あとは指を伸ばして挿入れるだけ。だが、やはり指は入らない。
「もうちょっと……、なんで私の指が……、もう♡ おかしくなっちゃう♡」
ブツブツと何かを呟きながらも、タチアナは悶え、体をくねらせる。
ぐいぐいぐいと秘部をどうにか引っ張って、色々と試してみるも、開くことまではできても、結局は指を入れることができない。
しかし、タチアナはふと気付いたことがあった。開かれた膣口は空気に触れることができている。不可触エリアが発生していない。
それは口を開けたときに不可触エリアに穴が空くのと同じ理屈だった。
つまりは、タチアナの解釈による変化とも言えた。
秘部を開いている間だけ、その周辺に不可触エリアの穴が空くのだ。自分だけ触れられない制約つきで。
「うぅぅ……♡ うっ、うっ、うっ……」
自らの両手で秘部を思いっきり全開にくぱぁと開いた状態で、タチアナはすすり泣く。あまりに無様な恰好だが、一秒でも触れていたいという欲求が勝り、そうせざるを得ない。ただでさえずっと疼きっぱなしなのだ。
弄るのをやめてしまうこともできない。
自分の指は触れることを否定されている。だが、ひょっとすると――。
その結論に思い至ったとき、その部屋に誰かが現れる。
「どうしたのかね、タチアナちゃん」
あの富豪の男だ。何もかもを分かっているかのような下品な目でタチアナの閉じ込められている球体ガラスの檻の前にやってくる。
「お願い、挿入れて♡ ここに、挿入れてほしいの!」
くぱぁと開いたソレを見せつけるように体勢を変え、自然と腰を震わせる。
あたかもおもらしを我慢しているかのようにも見える悶えっぷり。
そこにはいつものような恥じらいはない。
こうしている間にもタチアナの理性がゴリゴリに削られていくのが分かった。
「そこは、おまんこだね。ちんぽを挿入れる穴だ。何処に、何を、どうしてほしいのかちゃあんと言えたなら考えてやってもいい」
「おまんこ……? ちんぽ……?」
あまり言いなれていない言葉を口にして、その意味を頭で反芻する。
ただでさえ興奮して紅潮しているタチアナの顔がますます赤く染まっていく。
それと同時に、今自分がどれだけ恥ずかしい恰好をしているのかを理解する。
「……っ!」
一握り程度の羞恥心が戻ってくる。
だが、それは吹けば飛ぶほどに小さく、脆い。
最後の一押しがあれば、もうタチアナは吹っ切れてしまうだろう。
「もう自分の感情を否定するのはやめなさい」
富豪の男がニヤリと笑って見せる。
そのとき、道徳を否定する不倫を、発動させていた。
タチアナの中から倫理観というものが消失していく。人として守るべき貞操観念がなくなっていき、あとに残るのは途方もなく発情した肉体に、もどかしい疼き。
刹那、タチアナの顔が豹変する。
「おまんこしてっ♡ ちんぽいれてっ♡ おねがい! 私のおまんこに触れて! おまんこ、おまんこ、おまんこぉ♡ ほら、今なら触れるからぁ♡」
声が裏返るほどの懇願。
か細い理性の糸が、とうとう千切れた瞬間だった。
ぐいぐいぐいとタチアナは必死になって自分の秘部を押し広げる。
そこからでも膣道がヒクヒクとしている様もよく見えた。
「ご主人様お願いします。私のおまんこに入れて♡ もうダメになっちゃうから、ちんぽほしいから、おまんこどうにかしてぇ♡」
顔からは涙とよだれが飛び散り、下からは愛液が飛び散り。
タチアナの水槽の中はどしゃ降り状態だ。
ただ、口の部分と、秘部の部分だけがキレイに不可触エリアから外れる。
富豪の男としてはこの瞬間を待ち望んでいた。
そして嬉しい誤算だったのは、秘部だけ不可触エリアに穴が空いたという事実。
元より、触れることのできない観賞用の愛玩動物として闇オークションで買った少女だ。実用する予定はなかったが、さしもの男もしたくなかったわけでもない。
「そうかい。タチアナちゃん、そんなに欲しいのか」
醜悪にして邪悪な笑みをたくわえた男は部屋の隅に向かい、何やら物色を始める。この部屋はこの屋敷のコレクションルーム。富豪の男にとっての宝部屋でもあり、タチアナを置くことを決めたときから準備していたものがあった。
長い棒状のものの先端に張り型が取り付けられた奇妙な器具。一見すると槍のようにも見えた卑猥なソレは、いずれタチアナの心を陥落させたとき、フェラチオでもさせて遊ぼうと思っていた玩具だ。
「ぁぁぁー……、ちんぽ♡ それぇ、ちょうだい♡」
おあつらえむきに、タチアナがご所望するものが先端についている。
それに気付くと、待ちきれないといった様子で、ヒクヒクさせた膣口を男へと差し出すように向ける。
男も張り型をタチアナへと突き出す。それまでは不可触エリアによって拒まれていたはずの領域に伸ばしても弾かれない。
あたかも吸い寄せられていくかのように、それは秘部まで到達する。
「ふあぁぁぁん♡ とどい、た……」
タチアナの秘部に張り型の先端がぴったりとくっつく。食事以外で自分にものが触れるという感覚は久しかった。加えて、そこは今、最も敏感で、最も貪欲に刺激を求めている箇所でもある。
ついさっきまではどんなことをしても指一本触れることのできなかったソコに、今その張り型は挿入目前まで来ている。タチアナの脳内にドーパミンが充ち溢れかえっていたかもしれない。
「くっくっく……いくぞ、タチアナちゃん」
「さ、触わってるぅぅ……私に、触れてるよぉぉぉ♡」
タチアナは両手の指で自身の秘部を押し広げる。
富豪の男はその棒をタチアナの秘部に向かって押し込む。
くちゅくちゅ、にちゅ。
もうすでに愛撫の必要がないくらい濡れそぼっていたソレは、何の抵抗もないに等しかった。押し込めば押し込んだだけ、ズブズブとタチアナの膣内へと挿入される。
「ぁぁぁ♡ おまんこきてるよぉぉ♡ ちんぽ入ってきたぁぁ♡」
じゅぶじゅぶ、……ぷちゅ。
何かに当たったような気がする。そして何かがあっさりと破れた気がする。
タチアナが仰け反った、その次の瞬間、プシャアアァという水音とともに、勢いよく富豪の男に向かってソレが飛び散る。
愛液や潮、少しの血液も入り混じった液体が花火のように噴射されているようだった。それは不可触エリアによるものでもあったが、間違いなくタチアナは初めての挿入、そして破瓜によってプチ絶頂を味わっていた。
傍から見れば、球体水槽の中、ふわふわと宙に浮かぶ少女の秘部を目掛けて一本の長い棒が突き刺さり、あたかも人間の串刺し状態だった。
タチアナから分泌される体液という体液は不可触エリアに弾かれて散っていくので、壊れたシャワーヘッドのようにも見えたかもしれない。
「キちゃった……、ついに、キちゃったよ……♡」
白目をむき出しにしかねないくらい目をスパークさせ、張り型を秘部に挿入した状態で仰け反った体勢のまま、タチアナの全身に快感の波が上り詰める。
ずっと避けてきた、ずっと寸止め状態だった、ソレの到達点。生まれて初めての絶頂がタチアナの脳天を貫く勢い。
「おめでとう、タチアナちゃん。存分に――イキ狂うといい」
意地の悪い笑みを浮かべ、男は棒のスイッチを入れる。
すると張り型はヴヴヴヴヴと微動し始め、タチアナの膣内をかき混ぜる。
それだけに飽き足らず、男はさらに棒を押し込んだ。
「ぴぎぃっ!? お、くぅぅぅ♡」
槍のように長くした器具だ。タチアナの体格を厳密に考慮しているわけじゃない。容赦なく挿入れられたその棒は奥の奥、子宮口とぶつかり、激しく振動する。
生まれて初めての絶頂は、あまりにも強烈で、未だ降りることができない。男から与えられる刺激は何処までもタチアナの身体をぶち上げる。
ぐちゅぐちゅにちゅぐちゅにちゅにちゅ、ヴヴヴヴヴヴ――……
途方もないバイブレーションに串刺しにされたタチアナは、不可触エリアの影響によって宙に浮かんでいる。それはとどのつまり、その刺激を何処にも逃がせないということ。ダイレクトな振動がそのままタチアナを絶頂から帰さない。
「ぁぁぁぁああああああああぁぁああっっ♡ 触ってる♡ 触れてる♡ 私のおまんこの一番奥の奥ぅぅ♡ ぶるぶるって、ぶるぶるってしてるの♡ 頭の先まで、脳みその中までぐちゃぐちゃになっちゃうぅぅぅ♡」
ゴリゴリと膣壁をえぐり、ゴンゴンと子宮口が責められる。
床の上に踏ん張るとか、壁や何か掴まって受け流すとか、通常ならそのように堪えることもできた。だが、タチアナに限ってはそうはならない。
彼女は、指一本たりとも「触れる」という事象を否定するのだから。
男の方も、自分の肉体ならいざ知らず、棒つきのバイブでは加減も難しい。
いたずらにタチアナを突いては玩具のように絶頂させるだけ。
男にとってはそれも愉快な遊びではあったのだろう。
「おまんこ触ってっ♡ ちんぽ触ってっ♡ もっともっと奥に、奥に触って♡」
倫理観の消された彼女にとって、プライドとか羞恥心なんてものもないに等しい。むしろ、長いこと誰にも触れられることのできなかった疎外感にも似た彼女の寂しいという感情を埋められ、心の底から歓喜していた。
やっと触れる。やっと誰かに触ってもらえる。
それはタチアナには至上の幸福だ。
服も着れない、ぬいぐるみも抱けない、不可触の否定者にとって最高の幸せ。
棒きれで秘部を突っつかれるなんてあまりにも倫理観のない扱いではあったが、不倫によって道徳を否定された彼女には気にすることのほどでもない。
元より、彼女は愛玩動物として競り落とされた身。最初から彼女に倫理観が与えられてなどいなかった。男にとっても、タチアナはただの玩具に過ぎないのだ。
「うれしいよぉ♡ おまんこさわってるぅ♡ さわれてるよぉ♡ 奥まで、ズンズンきてる♡ あはぁぁぁ♡ すごい、すごいわぁ♡」
棒切れでどんなに乱暴に突かれても、彼女は心の底から悦ぶ。
体を震わせその絶頂に身を任せる。その快楽に溺れる様は何処までも淫らだった。
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