何処ぞの富豪が買い取った山奥の屋敷にあるコレクションルーム。そこには金銀財宝や世界の美術品から骨董品までが並んでいた。
その中で一際目立っていたのは、巨大な金魚鉢のような水槽だった。球体の硬質ガラスでできたソレは水こそ入っていないが、中には一人の一糸まとわぬ裸体の少女があたかも泳ぐようにして宙に浮かんでいた。
彼女はタチアナ。不可触の否定者であり、他者に触れられることを否定する能力を持つ。彼女の肌や髪の表面には不可触エリアが発生し、彼女には二メートルよりも先に近づくことはできない。
ゆえに、汚れもつくことのないタチアナは洗う必要もなく、老廃物すらも不可触エリアの外に弾かれるため、常に綺麗を保てる鑑賞用の美術品として重宝されていた。
倫理観のない、非人道的な扱いではあったが、彼女はもう気にしていなかった。
むしろ、彼女自身に倫理観などなかった。
発情したメスのように、恍惚とした笑みを浮かべ、タチアナはガラスの檻の中、扇情的に舞う。観賞用としての自覚、愛玩動物としての自覚を持ち、主に見られることに一つの悦びを覚えていた。
「ほら、ご主人様、見てよ。触ってよ」
せがむように、無邪気な顔でタチアナは自らの秘部をくぱぁと見せつける。
かなり使い込まれているのか、膣内はガバガバに拡張されており、その奥の子宮口まで見えてしまう。
眺めていた富豪の男は醜悪で下劣な笑みを浮かべ、棒状のソレを手に構える。先端に男性器を模したバイブが装着されたタチアナ専用の性処理玩具だ。
それを見ただけでもう、ガラスの檻は雨の中のようにビチャビチャに濡れた。タチアナの不可触エリアに弾かれた愛液だ。
タチアナの触れることを否定する不可触には、いくつか例外の条件がある。
それは彼女自身が開いた箇所の一部に、不可触エリアの穴が空くということ。
口を開けば呼吸もできるし、そこへ食べ物を送り込めば食事もできる。
同様に秘部を自ら押し開けば、そこもまた外から触れることができるようになる。
「よしよし、今くれてやろうじゃないか」
富豪の男は、棒状のソレをタチアナの秘部に向かって突き立てた。
不可触エリアによって否定されることなく、それは受け入れられる。
男性器を模した先端が、タチアナの膣内へズブズブと容易く挿入されていった。
「はぁぁぁん♡ おまんこの奥に触ってるよぉぉ♡」
それだけで軽く絶頂したのか、タチアナの全身から汗が飛び散り、拡散される。愛液が風雨のようにびちゃびちゃと降り注いでくる始末だ。
大きく仰け反りながらも、もっと奥へ奥へと欲しがるように腰を振る。
押し寄せる快楽の波によがり狂いながらも、タチアナは触れられることを何処までも求める。
彼女は――タチアナ自身は、自分では食事をすることもできないし、自分で秘部の中に指を突っ込んでオナニーすることさえもできない。全ては他者に――主である富豪の男に管理されていた。
富豪の男がいなければ、タチアナは自分では何もすることのできない身体なのだ。
だからこそ、貪欲に求めるしかない。
そして、タチアナ自身、倫理観もない。彼女自身の欲求にも留め金がない。求めたいと思ったら遠慮なく求めてしまう。そんな浅ましい心に調教されてしまっていた。
タガがなくなれば、欲望に従うのが人間というものだ。
「いいよ、いいよぉぉ♡ ご主人様、もっと、もっと奥まで触ってぇぇ♡」
じゅっぶじゅっぶ、と容赦なく男の持つ棒がタチアナの秘部に突き立てられ、愛液を飛び散らせながらも膣道をえぐる。それでもまだ足らないと言わんばかりに、タチアナはしゃぶるようにして刺激を求める。
「そら、お前の好きな奴をくれてやる」
富豪の男が棒のスイッチを入れると、その先端にある男性器を模したソレから熱い液体がドプドプと放たれていき、タチアナの膣内へと一気に注がれる。その量は尋常ではなく、あっという間にタチアナの膣内を満タンにしてしまうほど。
その液体の正体は男の精液だった。わざわざタチアナのためにため込んでおいたものを男性器を模したバイブの中に仕込んでおいたのだ。
悪趣味な男の醜悪な執念が込められていたといってもいいだろう。それはその量が示していた。
「ふわぁぁぁんっ♡ でてるぅぅ♡ でてるよぉぉ♡ あついのがいっぱいナカにぃぃ♡ これしゅきぃぃぃ♡♡」
タチアナの膣内にドプドプと注がれては、あふれかえった分がビチャビチャと周囲に弾かれ、飛び散る。
ズンズンと子宮口を突かれ、絶頂も極まったのか、彼女は失禁してしまう。
そうなるとまた不可触エリアによって押し出され、拡散されていき、壊れたシャワーのようにまた飛び散っていく。
そんな光景を見て、男はますます愉快な気分になり、タチアナを責め立てる。
彼女も度重なる容赦ない責め立てに、すっかり快楽の虜になってしまった様子だ。
最初こそ、反抗的な態度を見せていたこともあったが、じわじわと倫理観を削られ、しまいには男の盛った媚薬によってタチアナの倫理観は瓦解。
食事をもらえるから仕方なく程度に男の要望に付き合ってきたタチアナも今や従順そのもの。男が求めるならそれを否定することはない。
触れられることへの圧倒的な快感を覚えたタチアナは底なしに男を求めるばかり。
その様は、あまりに浅ましく、無様で、非人道的を極めているのだが、彼女は不可触の否定者。
服を着ることも、ぬいぐるみを抱くことさえもできず、誰かに触れられることもない彼女にとって、これ以上の幸せはない。
いずれはあの調子では富豪の子供のを孕むだろうが、おそらくタチアナもそれほど関心を持たないだろう。
今そこにある、触れられるという快楽だけのために生きるだけだ。もう彼女には、普通に生きていく倫理観などカケラも残っていないのだから。
「ひひゃあぁぁっ♡ もっと、もっとさわってぇ♡ おまんこさわってぇ♡ ちんぽちょうだい♡ ちんぽでおまんこの奥いっぱいさわってぇ♡ んにゃああぁぁぁ♡」
気が触れても、彼女は誰かに触れられることを求め続けるだろう。
終わらない絶頂の中、タチアナは笑みに顔を歪ませた。
こうして、世界の終わりまでタチアナの人生は、何処かの誰か――何処かの組織に触れられることなく幕を閉じた。