転生悪魔の義務。 作:メタルビースト
「これからどうしましょう……」
これまで尽くしてきた教会を追い出されたアーシア・アルジェントという名の少女は途方に暮れていた。
孤児から聖女として担ぎ出され、悪魔を癒やした事で教会を追い出された少女。
聖女という肩書に未練はないが、今まで教会の中でしか生きてこなかった彼女は突然外の世界に放り出されて困惑している。
暮らしていた孤児院に事情を説明して戻る事も考えたが、アーシアが聖女に選ばれた時の院長達の喜びようや、あの孤児院自体が教会の傘下にあるので受け入れてくれるか分からない。
「……」
小さく息を吐いてアテもなく彷徨い歩いていると彼女の横に一台の車が停止する。
そして車の中から現れた老人はアーシアの進路を塞ぐように話しかけてきた。
「失礼。貴女がアーシア・アルジェント嬢で?」
「あ、はい……」
とっさに肯定してしまったが、思わず後退る。
彼女とて知らない者に突然名前を呼ばれて不審に思うくらいの警戒心はある。
「おっと、名乗りもせずにレディの名を呼ぶのは失礼でしたな。私は────」
老人が名を名乗るも、アーシアには聞き覚えのない名だった。
「実は私の雇い主である旦那様が是非貴女をお招きしたいと」
「あの……それは何故でしょうか?」
もう聖女ではない自分に価値はない。
そう考えるアーシアは首を傾げた。
「旦那様は以前貴女のお陰で友人が救われたと仰られておりました。そのお礼がしたいと。旦那様はとある事情で家を離れられず、こうして私を遣わしたしだいです、はい」
つまり、アーシアが以前神器で癒した誰かがこの老人の雇い主の友人だったという事か。
「今回、旦那様はアーシア嬢が教会から受けた仕打ちに大変お怒りになっておられます。叶う事ならお力になりたいと」
「あ、あの! その件に関しては私が悪くて……」
「何を仰いますか! 悪魔とはいえ、傷付いた者に手を差し伸べる行為をどうして一方的に非難出来ましょう」
アーシアに下された処分に憤る老人。
「もしも行く宛が無いのなら、どうかこの手を取ってください。私の主が必ずや貴女を救ってくれるでしょう」
しわくちゃな手を差し伸べてくる。
悪魔を癒してから、彼女は自身の存在を否定され続けてきた。
一方的に責められ、罵倒され、言い訳の一つも許されなかった。
まだ少女と言える年齢の子供が罪を犯してから初めて触れた温かな言葉にどうして心を揺らさずに居られるのか。
どうせ行く宛の無い身なら、この老人の主を信じてみるのも良いかもしれない。
(主よ……これが貴方が私に与えてくれる最後の慈悲なのですか?)
アーシアは老人の手を取る。
「よろしく、お願いします……」
「オォオオオオォオッ!?」
アーシアの口から獣のような声が部屋の中で響き渡る。
それを聴きながら彼女の下にいる男は愉快そうに笑う。
「クッ……アーシアも好い声で哭くようになったではないか。耳が心地良いぞ」
アーシアは連れられた屋敷の主に背と尻を見せるように跨り、逃げるように腰を浮かせるが、男が手綱のようにアーシアの両手を引っ張ってくる。
「お前の処女を奪った時は指を入れるだけで痛い痛いと泣き叫んでいたが……この短期間に随分と俺のが馴染んだなぁ。肉体の方は余程男に抱かれる才能があったと見える」
「そんな、こと……あぐぅ!?」
口答えは許さんとばかりにマンコを占領しているチンポが子宮まで潰すかのように突き上げてくる。
しかし、男の言うように、最初は身が引き裂かれるような痛みが伴っていたこの行為だが、今でも辛い事は変わりなくとも、徐々に甘い快感が強くなっていた。
まるで飲み始めた頃は不味いと感じた酒が、飲み続ける内にその美味しさが解るように。
「ど、うして……こんなことを……?」
この屋敷に連れてこられた際に男が眷属を探している事は説明された。
悪魔の駒の実物も見せられた。
しかし男はアーシアをこの屋敷に軟禁はしていても、未だに悪魔の駒を使う様子はない。
実際にアーシアを抱きに来るが、衣食住は保証され、欲しい物も望めばいくらでも買い与えられる。
屋敷を出られない事を除けばありえない高待遇と言えた。
「なぁに。ちょっとした実験だ」
「じ……けん……?」
「そうだ。近年では人間と悪魔や堕天使。その他のハーフに神器が発現するケースが増えているらしい。それでも大半は純粋な人間が多い事には変わりないが、稀少だったり強力な神器はハーフの者に与えられる例が増えている。現に今代の白龍皇の主は悪魔と人間のハーフと聞く」
そこまで聞けばアーシアにも男がやろうとしている事が理解出来る。
「だから、わたしを……?」
「そうだ。追放されたとはいえ、聖女と呼ばれたお前ならただの人間よりは可能性が高いかもしれん。それなりの年齢になるまで、悪魔の駒は使わないつもりだ。仮に生まれてきたのがただのハーフ悪魔でも構わんし、”聖母の微笑み”を持つお前を神器狩りをしている堕天使に渡すのもつまらん」
「……」
男の言葉をアーシアは悲しくなった。
結局この人も神器を持つ聖女アーシアにしか興味がないのだ。
突然男は上半身を起こして後ろから抱いてくる。その手がアーシアの乳房を揉む。
「アンッ。いや……」
「だが……クッ! アーシア。お前は予想以上の名器だな。まるで男に抱かれる為に生まれてきたような身体だ」
「そんなこと、ありません……っ!」
「謙遜するな。俺も多くの女を喰い物にしてきたが、これ程のマンコは
褒められているのだろうが素直に喜んで良いのかアーシアには判らない。
ネチっこく胸を弄びつつも激しく腰を動かしてチンポを突いてくる。
敏感に反応し出したアーシアの肌や膣が男が動く度にチリチリと思考が飛び、息が止まる。
そして。
「あ、やぁ……っ!? これ……! おほぉおおぉおおおおっ!?」
予告無くザーメンがアーシアのマンコを染め、子宮を満たしてくる。
射精の勢いにアーシアは白眼を剥く。
チンポが脈動する度にマンコが悲鳴を上げた。
「あ……あぁ……っ」
射精が終わろうとする頃に全身の力が抜けるアーシア。
男がチンポを抜くと互いの液で濡れたそれをアーシアの頭を掴んで無理やり近づけさせる。
「キチンと後始末をするまでがお前の役目だと言っただろう。勝手に休むな」
荒い呼吸を繰り返していたアーシアだが、いつも通りに男のチンポを舐めて綺麗にし始める。
羞恥と屈辱。そして自身に対する哀れみから涙を流すがそんなことは男の知った事ではない。
だが────。
「そう悲観的になる事もあるまい。所属と役割が変わっただけでお前の在り方は何も変わっておるまいに?」
「え?」
呆れるように呟く男にアーシアは不思議そうに男を見る。
「所詮お前は誰かが用意した籠の中でしか生きられん。流される事しか出来ぬお前は、籠の中のルールに順応する事だけ考えていれば良い」
「そんなこと、は……」
自立心の乏しさを指摘されてアーシアは反射的に反論しようとするが言葉が出なかった。
男の言う事にアーシア自身がどこか納得してしまったから。
「ここを出るのかは好きにしろ。俺も誰もお前を引き留めたりせん」
僧侶の駒を男は手の中で転がしながらそう言った。
それから、男は気まぐれにアーシアの下に訪れ、セックスを強要してくる日々が続く。
それ以外のアーシアの私生活に関してはたまに世間話をするくらいで干渉してこなかった。
そんな日々が一年程続いたある日。
アーシアはトイレの中で緊張した様子でいた。
最近生理がこない。
それが意味する事はアーシアにも理解している。
間違いであってほしいと思いつつ、御丁寧に部屋に常備されている妊娠検査薬を持ち出したのだ。
悪魔は子供が出来づらい筈だし、別の理由で生理がこない事もあると聞いた事がある。
だからきっと勘違いだと頭の中で言い訳しつつ妊娠検査薬を使用する。
反応は────―陽性だった。
「は……あはは……」
やっぱり、と言う気持ちから意無意識に笑っていた。
────もう逃げられない。
あの男が言ったように、自分は誰かの都合に流されて籠の中から出ようとしない人間なのだ。
ポタポタとアーシアの目から雫が落ちる。
笑いながら涙を流していた。
それが子を成した事への嬉しさからか。それとも諦めからなのかは、アーシアにも分からなかった。