百合警報! グロ警報! です。
ここで15章は終わりです。
「祐様、……止めて、止めてください……」
か細い声が聞こえ、祐ははっと我に返った。間近に倒れていたメイドタイプの機体が一体、いつの間にか動いている。自慰を続けながらその機体は懸命な面持ちで祐の名を呼ぶ。
「いじっても痛くて、苦しいだけで……こんなことは初めてで、おねがい……しますっ……止めてくださいっ」
泣きじゃくりながら訴えるその機体を唖然として見つめ、祐は慌てて腰を屈めた。ヒューマノイドの電源スイッチはへその奥に設えられている。
「眞子ちゃん! 今、スイッチ切ってあげるから」
眞子という名の機体に呼びかけながら祐は電源を切るためにへその中に指を入れてスイッチを押した。だが電源が切れないどころか、部屋の中に呻きは徐々に広がっていく。それまで恍惚の表情で倒れていたヒューマノイドたちのうちの何体かが、やはり眞子と同様に苦しげな表情で自慰を始めている。
祐はふと目を上げて画面を見て絶句した。ベッドに横たわり二人に血を啜られている渚は放心した顔をして完全に脱力している。そんな渚のペニスから水輝が手を離す。水輝は唇を舐めておもむろに渚の服を引き裂いた。乱暴に乳房をつかんで渚の首筋に顔を埋める。その瞬間、渚は悲鳴のような声を上げて身体を硬直させた。放り出されていたペニスが白いものを噴き上げる。
「あんな行為、渚さんが、望むわけ無いわ!」
そう叫んで祐は慌ただしく周囲を見回した。やはり間違いない。渚の苦悶がここにいるヒューマノイドたちに悪影響を与えているのだ。渚は断続的に白いものを噴き上げてはいるが、決して快楽の声は上げてはいない。口から響くのは苦痛の叫びだけだ。
渚の首筋に噛みついた水輝の喉が上下する。水輝は処女血を二人に譲り、替わりに自分は渚の首から血を啜っているのだ。やがて顔を上げた佑が血だらけの唇を舐めて精液を噴いている渚のペニスに舌を這わせる。
「止めなきゃっ!」
祐は勢いよく立ち上がって倒れたヒューマノイドたちの間を縫って歩いた。踏まないように気をつけながら部屋の出入り口に辿り着く。会議室を慌てて駆け出した祐は真っ直ぐに渚の部屋に向かった。
水輝さんも渚さんのことを好きなはずなのに、どうして? 走りながら祐は胸のうちでそう呟いた。あれでは野生動物の食事の光景だ。決して快楽を伴う交わりではない。慌ただしく階段を駆け上がって祐は足音を立てて廊下を曲がった。たどり着いた渚の部屋のドアを力任せに開く。その瞬間、祐はがくん、とその場に崩れ落ちた。部屋にこもっていた気が勢いよく廊下に流れてきたのだ。
「……何だ。いいところなのに」
不機嫌に言って水輝が顔を上げる。それを合図にしたかのように他の二人ものろのろと顔を上げた。
「渚さんは……嫌がってるわ……」
機体内の回路が狂いそうなほどの力の奔流と、水輝が発する凄まじい威圧感に気圧されながらも祐は懸命に口を開いた。身軽にベッドを飛び降りた水輝が祐に近づく。水輝が身を屈めて祐の顎に手を伸ばす。顎を持ち上げられた祐は苦しさに小さく呻いた。
とろんとした面持ちで身体についた渚の精液を舐め取っていた佑がくすりと笑う。そうかと思うと多輝は口許についた血を指ですくっては舐め取っている。
「水輝さん……。あなたは、渚さんの事を、愛しているのでは、ないの?」
「あー?」
間延びした声を返した水輝が祐から手を離してベッドを振り返る。そこで水輝は肩を揺らして嗤った。
「だから抱いてやっただろ?」
ベッドに放り出された渚は放心した顔で横たわっている。首には水輝が牙で穿った傷が、そして膣口は異常に太いペニスで裂かれている。蹂躙された衝撃からか、渚の目は完全に生気をなくしている。
「……ペニスを太くして膣を裂いたり、吸血鬼のように血を啜るのも、抱く、行為のうちに、入るわけ?」
「なあ、もうないのか? おれ、まだ足りねえよ」
震えながら問い掛けた祐の声を遮るように多輝がとろんとした顔をして言う。のんびりと振り返った水輝は嗤いを浮かべて言い放った。
「あー? 指突っ込んでかき回してみな。まだ出るぜ」
促された多輝がのろのろと渚の股間に手を近づける。次の瞬間、多輝は渚の膣に指を突っ込んだ。反射的なものだろう。渚の身体がびくん、とひきつる。
「やめなさいっ!」
そう叫んで祐は必死で立ち上がってベッドに向かって駆け出そうとした。だがその寸前に水輝が祐の行く手に回り込む。
「飯時に邪魔するなって躾は受けてないのか」
機嫌悪く言って水輝が祐を見下げる。その目はこれまでに見たどんなものよりも冷ややかだった。
「……血は、力の象徴であって、力そのものではないはずよ。無理矢理流した血によって、力を得る……食事をすることはできないはずだわ」
「へえ」
薄笑いでそう答えて水輝は首を傾げてみせた。だがその笑いは酷く冷たく、温かみはまるでない。それどころか目の前に立つ祐を完全に見下げ果てているという気もする。祐は緊張した面持ちで水輝を見上げた。
「血は力だ。いや、逆だな。力が血となるんだ。……ま、これは実際に食ったことがある奴にしか判らないだろうがな」
そう言って水輝がのんびりと振り返る。出てきた、と嬉しそうな声を漏らした多輝が再び渚の陰部に顔を埋める。その一方で佑は蕩けそうな顔でひたすらに渚の精液を舐め取っているのだ。
「……それは、歪みを孕んだ外道の理論よ。優一郎! あなたもわかるでしょう?」
必死の思いを込めて祐はベッドに座る佑に訴えかけた。その瞬間、水輝が鋭く腕を振る。
「うるせえよ」
祐は一瞬の出来事に目を見張ることしか出来なかった。水輝が素手で祐の胸を貫いたのだ。舌打ちをした水輝がまるでごみのように祐を振り捨てる。
「祐さん。渚さんは贖罪のために、力を血に変えて水輝さんに与えたのよ。本人が納得している以上、わたしたちがとやかく言う問題ではないでしょう?」
佑が語る声が遠い。機体が壊れる音を聞きながら祐は懸命に口を利こうとした。だがどうしても言葉が出ない。恐らく食らったダメージが大きすぎるのだ。
「これ以上おれの邪魔をしてみろ。お前ら二人まとめて冥界に放り込んでやる」
低い声で言って水輝がベッドの二人を促す。夢中で渚にしゃぶりついていた多輝の襟首を捕まえた水輝は倒れた祐を見もせずにその場から転移した。渚の施した結界を強引に力で引き裂いて三人が消える。
祐は壊れた機体を引きずるようにして渚に近づいた。股間に手をあてがい、恥丘の蓋を開いてスイッチを操作する。恥ずかしさに情けない気分になりながら祐は手早く操作を終えた。
「渚さんっ!」
スピーカーの設えられた祐の股間から声が響く。するとほんの僅かにだけ渚が反応を示した。ぴくりと指が動く。それを見た祐はほっとして息を吐いた。渚はまだ完全に壊れてしまった訳ではない。少なくとも自分の声は届いている。そう確信して祐はさらにベッドに這い寄った。
「渚さん! 声帯が壊れちゃったみたいで、こんなところからごめんなさい。あたしよ、祐よ、わかる?」
祐は恥ずかしさを余所に懸命に股間を渚の頭の方に向けた。呼びかけた祐の声に答えるように、微かに渚の指が震える。だが渚はそれ以上の反応をしない。どうやら心と身体に食らった衝撃が強すぎたようだ。
もう、だめ、これ以上は、あたし、保たない……。自慰を始めつつ祐はぼんやりと考えた。龍神にとって性行為が食事なら、ヒューマノイドにとっての性行為は呼吸に等しいのではないか。そんなことを考えつつ祐の意識は闇に飲まれた。
あ、機械的には超エロなのですが……これ……。
まだ難しいですね(汗)