※この作品はR-18です。

狩りの終焉 二部   作:伊駒辰葉

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作者のためのエピタイです!w
エロシーンはありません。


人数が多いと色々同時進行になってややこしい!

「よし。佑、別に我を忘れていいから抱かれろ。そろそろ翠が来そうだ」

 

 ぽん、と膝を叩いて水輝は言った。その途端に多輝が唖然となり、その横で佑が慌てたように首を振る。

 

「わかったわ。でも、何が起こるかわからないから、水輝さんも傍に詰めててね」

「お取り込み中のトコ、悪いんだけどさあ」

 

 間延びした声が急に背後から響く。水輝はやれやれ、とため息を吐いて振り返った。水輝の結界を越えて唐突に現れた順があはは、と気軽に笑う。だが笑っている割に順は全身が傷だらけだ。その片腕に抱えられている女性をちらりと見てから水輝は肩を竦めた。

 

「茜さん! おひさしぶりです」

 

 佑が笑顔で順に挨拶する。すると慌てたように隣に腰掛けていた多輝も会釈をしてみせた。こうして見ると行儀のいいただの高校生に見える。苦笑してから水輝は順に顎をしゃくった。

 

「相変わらず痛いのが好きな奴め。いいかげん、避けるってことを覚えろ」

 

 そう言ってから水輝は身軽にソファを飛び越えた。順が抱えた女性は失神してしまっている。何故か裸の女性を腕に引き取ってから水輝は佑を呼んだ。慌てて駆け寄った佑に女性を渡す。

 

「いや、これでも避けてるんだよぉ。でも、割と容赦がないんでね。カノジョ守ってたらこんな風に」

 

 あはは、と笑う順の片方の瞼は窪んだままだ。全く、と呟いて水輝は順に手のひらを向けた。出血大サービスだぞ、と呟いて水輝は癒しの力を寄せて順に注いだ。うわお、と歓声を上げた順の傷が見る間に癒える。

 

「それで茜さん、いったいなんで、わたしの叔母が得体の知れない半龍神になってるわけ?」

 

 女性を抱えた佑がうろんな目で順を見ながらそう問い掛ける。多輝が仰天してまじまじと女性を見つめ、順があははと笑う。こら、と呟いて水輝は順の頭にげんこつを見舞った。

 

「いたぁい! もう、何すんのさ!」

「お前、人の好意を何ちゅーことに使いやがる」

 

 低い声で言ってから水輝はため息を吐いた。順の窪んだ瞼には水輝の力で作った眼球がはめ込まれていたのだ。だがその力は今、佑の抱える女性の中にこもっている。その力が作用して女性は人間ではなくなってしまっているのだ。

 

「いや、だってさあ。呉羽ちゃんがさあ。ながーく生きたいってゆうんだもん。しかも若いままで」

 

 水輝に打たれたところをさすりながら順がけろりとした顔で言う。お前は、と呟いて水輝は疲れたため息を吐いた。

 

「そんなことに興味がある女性だとは思えなかったんだけど……。しかし、この襲撃者はかなり戦闘慣れしてるわね。茜さんの庇護下にある相手にここまで攻撃を叩き込むなんて……」

 

 しみじみと言いながら佑がそっと呉羽を抱え上げる。部屋を横切って佑がベッドに呉羽を横たえるのを見てから水輝は順に目を戻した。相変わらずの漆黒の鎌を肩に乗せて順は呑気に煙草を引っ張り出している。

 

「気をつけろ。あれは本当に容赦がないぞ。何しろ冗談が一つも通じないんだ」

 

 小声で言った水輝に苦笑して順がそだね、と呟く。指を鳴らして生んだ炎で煙草に火を点けてから順はだらしない笑みを浮かべて言った。

 

「ねえねえ。んだからさあ。オレ、ちょっとしばらくの間ここに匿ってくんない? ここは水輝ちゃんの結界があるから安全だしさあ」

 

 馴れ馴れしく水輝の肩に手を回して順が佑に笑みかける。呉羽の身体にそっと薄い毛布をかけたところで佑は呆れたような顔をした。

 

「撃退したのではないの? いくら呉羽さんを庇いながらとはいえ、茜さん相手に戦って、まだ戦闘力残してるの?」

 

 それとも、反撃しなかった、あるいはできない相手だったとか? 矢継ぎ早な佑の問いかけに順が困ったなあ、と笑う。水輝はちらりと窓の外を見つめてからため息を吐いた。

 

「まあ、部屋はたくさんあるしお前一人が増えたところで特に問題はないだろうが」

 

 どうだ、と水輝は佑に言葉を向けた。すると思案顔をしていた佑が首を傾げてみせる。水輝はちらりとソファに目をやって眉間に皺を寄せた。どうやら多輝は順の力の影響を受けているらしい。力なくぐったりとソファにもたれて青い顔をしている。口許を押さえて懸命に何かを堪える多輝の姿に深々とため息を吐いてから水輝は佑に目を戻した。

 

「呉羽さんの治療はわたしがするわ。結構厄介な事になってるから。斎姫!」

 

 佑の呼び声に答えてその場に現れた斎姫を見て水輝は苦笑した。寝るつもりだったのか、斎姫はパジャマに身を包んで歯ブラシを片手に握っている。

 

「こんな時間に呼んでごめんなさい。ちょっと返してもらうわ。声、が聞こえなくなると思うけど、焦らないでね」

 

 そう言ってから佑が斎姫に手を伸ばす。漸く事態を把握したのか、慌てたように斎姫が頷く。その後、斎姫の中にこもっていた闇に似たものがゆらりと現れ、佑に漂い始める。それを見た順が嬉しげに口笛を吹く。

 

「器用だねえ。あれで透明度最高値だよ。信じられる?」

 

 茶化すように言ってから順は右手に握っていた鎌を消した。宝珠を器に戻してから嬉しそうに笑って多輝の正面に腰掛ける。うっ、と呻いて横を向いた多輝に順がひらひらと手を振って呼びかける。わざとだな、と呟いて水輝は部屋を横切った。机にある内線電話を取り上げる。

 

『はい』

 

 殆ど待たずに相手が出る。水輝は夜中に悪いが部屋に来てくれと言い置いて電話を置いた。




順登場→気を失ってる呉羽と一緒
佑→斎姫を呼び出して話とか色々する
多輝→気分不良で沈み中
水輝→電話で誰か呼び出す

途中で誰かと誰かが会話しながら同時にやってくれてるので、ややこしいです……。
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