あ、グロもあるような!?
「っつ、くそ、良すぎて……やば」
独り言のように呟いて順はシーツを握りしめた。快楽に落ちるのを何とか堪える順の全身に汗が噴き出す。だがそんな順の腰をつかみ、水輝は夢中でペニスを突き入れている。とても加減などしてくれそうにない。
「水輝さん!!」
そう叫んで奈月が水輝に駆け寄る。だが水輝はうっとうしいものを払うように奈月の伸ばした手を振り払った。驚きに息を飲んだ奈月が一歩、下がる。順は苦笑して途切れがちに告げた。
「だ、いじょぶ、だから。全部、抜いて、から」
そこまで言って順は目を見張った。それまで中ほどを出入りしていた水輝のペニスが急に腸内の奥に潜り込んだのだ。自制しようとしていたものが、快楽に微塵に粉砕される。順は目を見開いてシーツをつかみ寄せた。
「くあっ! んっ! はぁああんっ!」
声を上げながら順は腰をひくつかせた。奥に潜り込んだ水輝のペニスが大きく脈打って熱い精液を順の体内に撒き散らす。順は激しい快楽に首を振った。望んでいないものが次々に引き出される。順は途切れ途切れの声を上げながら助けを求めるようにシーツをかき寄せた。一度の射精では到底、満足しなかったのだろう。水輝が乱暴に順の腸内を突く。
「相変わらず、無茶な奴だな」
苦笑混じりの声に順ははっと目を見張った。慌てて見た奈月の髪はいつの間にか群青色に染まっている。だが順はそんな奈月に声をかける余裕はなかった。与え続けられる快楽に狂ったように頭を振り、自分の胸や腹に爪を立てる。鋭い刃と化した順の爪が肌を引き裂いていく。
「くああっ! んっ! あはああんっ!」
絶頂に到達した順の腸内に熱いものが飛び込んでくる。順は水輝の特性を根こそぎ吸い上げていた。繋がった部分から次々に夢魔の力が入り込んでくる。口を開けて喘ぎを漏らす順に水輝が圧し掛かる。
犯される順の頭には懐かしい情景が次々に蘇っていた。かつて愛した人々が脳裏に浮かぶ。彼らはだが、順が伸ばした手を決して取ってはくれなかった。一人、また一人と彼らは命を散らした。
一際強い快楽が襲ってくる。順は激しい声を上げて仰け反った。跳ねるようにして身を起こした順の身体に腕を回し、水輝が容赦のない抽迭を続ける。
「おまえさ、損な性分だよな」
おれは見ているだけでいいってことか。自嘲気味に言われた言葉が順の耳に届く。順は薄目を開けて声の主を見た。奈月が静かに自分達を見つめている。腕組みをした奈月に順は辛うじて笑ってみせた。
「光……の、道、は……オレには、まぶし、すぎてね」
それだけ告げて順は声を殺して背を反らした。水輝の背から徐々に羽根が消えていく。その代わりに順の背に透明な羽根が現れた。
何度目かの射精の後、水輝が糸の切れた人形のようにベッドに沈む。順は荒い息を吐きながら身体を起こした。傷だらけの身体を引きずってベッドを降りる。抜け殻と化した水輝に奈月が寄り添う。
順はふらつく足取りで地下を出た。使用人の行き来する屋敷の廊下を抜けて真っ直ぐに克人のいる部屋を目指す。裸で傷だらけの順を気遣ったのか、何人もの使用人が途中で順を呼び止める。だが、順は彼らに笑って大丈夫だと告げた。
斜めに傾いだ身体を壁に預けて克人の部屋の扉を開く。順は頼りない足取りで克人の眠るベッドに近づいた。毛布を剥いでベッドに上がる。
ごめんね。そう呟いて順は克人をうつ伏せに転がした。よほど体力を消耗したのか、克人が気付く様子はない。順は荒い息を吐きながら克人の肛門にペニスをあてがった。馴れた肛門はすぐに緩み、難なく順のペニスを受け入れる。そこで克人が漸く気付いて小さな声を上げた。
「悪いね、断るヒマなかったよ」
苦しい息の下でそう告げて順は一気に腰を押し進めた。悲鳴にも似た声を上げて克人が仰け反る。順は手早くペニスの根元に嵌っていた拘束具を外した。赤い力に乗せて一気に夢魔の属性を克人の中に叩き込む。精液の形で流れ込んだ夢魔の力は克人の器に一滴残らず吸い上げられた。
虹色の羽根の生えた克人の背を撫ぜる。順は気を失った克人に元通りに布団をかけて部屋を出た。ふらつく足取りで何とか部屋に戻り、手早く身支度を整える。身体の傷は治す余裕がないが仕方がないだろう。全身で苦しい息を吐きながら順は歯を食いしばってその場から跳んだ。
凍りついた清陵にたどり着いたところで地面に倒れる。順はくそ、と歯軋りしつつ何とか身を起こした。許容量をオーバーしていることは判っている。順はよろけつつも清陵中央病院の中に入った。病人、医師、その他の人間は全て凍りついている。順は氷の床を歩いて目的の部屋に向かった。
階段を上がって大きな扉を開ける。執務机についたまま凍りついている呉羽の姿に順は苦笑した。手の中に火の力を呼んでその部屋の氷だけを溶かす。するとそれまで凍り付いていた呉羽が不思議そうに周囲を見回した。やっほー、と笑った順を嫌そうな顔で見る。
「悪いねえ、急に」
「悪いわよ!」
いつものようにはねっかえりの反応をする呉羽に順は苦笑した。嫌そうに順を見ていた呉羽の目が徐々に見開かれる。順はよろけつつ呉羽に近づいた。慌てたように立ち上がった呉羽の腕を取り、体重をいきなり移動する。急に順に寄りかかられた格好になった呉羽は慌てた声を上げてその場に倒れた。
「約束、果たしに来た」
それだけ言って順は呉羽に跨った。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! 何なの、一体!?」
「だーから、約束を」
そこまで言って順は唇を引き結んだ。ちょっと、と眉を潜める呉羽を無視して右の瞼に触れる。怪訝そうな顔をした呉羽を余所に、順は目を見開いて、自分の右の目に指を突き立てた。眼球を抉り始めた順を見た呉羽が悲鳴を上げる。
「何してるの! やめなさい!」
必死の面持ちで言って呉羽が順の腕を握る。だがそれでも順は手を止めなかった。器とほぼ繋がりかけていた右目を一気にくりぬく。指で強引に眼球をかき出した順に呉羽が息を飲む。血まみれの顔で順は呉羽に笑みかけた。
「ほら、ダイジョブだから」
そう言って順は片手で呉羽の肩を押した。身を起こしていた呉羽が順に押されるままに床に横たわる。順は右手につかんだ眼球に細い息を吹きかけた。赤と白に分かれていた眼球が青白い光を帯びる。
かつて水輝にはめ込まれた眼球はまだ力を残している。順は呉羽の服を引き裂いて右手に握った力の珠を見つめた。恐慌状態に陥っているのか、呉羽は悲鳴一つ上げない。愕然と目を見張ったままだ。
「オレの力じゃキミを使い魔にするのはムリだ。でも、水輝ちゃんならいける筈だから」
そう告げて順は呉羽の左の胸に眼球を握った手を突き立てた。
無茶苦茶してるように見えますが、順は効率重視しただけです。