エロとはいっても機械なので、生身を期待された方はすみません。
それではわたくしはこれで、と蒼がそそくさとその場から消え失せる。多輝は半泣きの顔で由梨佳に駆け寄った。蒼が苛める、と言いながら多輝は由梨佳に抱きついた。由梨佳がよしよしと多輝の背を撫でる。
「でも、きちんと出来ないほうがかっこ悪くて、恥ずかしいのは確かよ。この姿でしか力を揮えないのだから、開き直ったほうがいいと思うわ」
くすりと笑って由梨佳が宥めるように多輝の背を何度も撫ぜる。気分が落ち着いたところで多輝は顔を上げた。
「判ってる、判ってるんだよ、おれも。だけど、やっぱり……そりゃあ、この格好で色々した方が実は不自然じゃないの、判るんだけど」
口の中で呟くように言いながら多輝はその場に座り込んだ。多輝と由梨佳にあてがわれた部屋には今は空調が効いていて、窓は閉まっている。誰かが外から覗いているということもない。勿論、ドアも閉じている。なのにこの格好をしているとどうしても恥ずかしいのだ。
「とても似合ってるし、可愛いと思うけど」
微笑みを浮かべて言って由梨佳が多輝の顔を覗きこむ。途端に多輝は赤くなって唇を引き結んだ。この格好は恥ずかしいし、出来れば早く戻りたいと思うが、由梨佳がそう言うなら。多輝は恥ずかしさに赤くなったまま、途切れ途切れにそう告げた。
「多輝くん、今日の特訓は終わったんでしょう? これからどうする?」
「あ、うん」
慌てて顔を上げて多輝は立ち上がった。ええと、と呟いて杖を握る。すると多輝の着ていた服が消え、替わりに元の服が現れた。水輝の術は魔法だけでなく、多輝の格好を含めて変えてしまうのだ。
「買い物でも行こうか。……でも暑いかな」
窓の外を見つめて多輝は呟いた。由梨佳だけでなく、ヒューマノイドは一様に熱には弱い。夏の日差しはもしかしたら辛いのではないだろうか。そんなことを考えつつ多輝はちらりと由梨佳に目をやった。
「出かけるなら、夜半でないと無理そうね。今日は35度あるっていうし……」
ため息を吐いて由梨佳が窓の方を見る。そうか、と呟いて多輝は頭をかいた。そこではたと気付く。
「そうだ! 丁度いいからバイブの設定とか、変えねえか? こないださあ、実はちょっと新しい発見が」
話しているうちに胸が躍る。多輝は満面に笑みを浮かべて由梨佳の手を取った。立ち上がった由梨佳を連れて部屋を出る。今日はよほど外は暑いのだろう。屋敷の中の全体に空調がかけられている。適度な気温を保っている廊下を歩いて多輝はとあるドアの前で立ち止まった。注意深く周囲を伺ってからこっそりとドアを開ける。滑るようにして部屋に入ったところで多輝は蒸し暑さに顔をしかめた。ちょっと待ってろ、と由梨佳に言い置いて空調のスイッチを入れる。しばらくして部屋の気温が丁度いいところまで下がったところで多輝は由梨佳に手招きをした。
そこは多輝や由梨佳のいる部屋より一回り以上狭い部屋だった。だが違うのは広さだけではない。この部屋には端末が幾つも置かれているのだ。
「ショーツは穿いていないから、このまま台に座って開脚していいかしら? それとも、全裸になったほうがいい?」
「裸になられるとおれが耐えられねえよ」
苦笑して言いながら多輝は次々と端末の電源を入れた。この部屋は地下にある専用の実験室とは異なり、細かいヒューマノイドの部品などは置かれていない。二階の隅に位置するこの部屋は今は誰も使っていないらしく、多輝もこの間初めて見つけたのだ。
由梨佳が部屋の中央にある台に上がる。この台は多輝がこっそりと自分で入れたものだ。
「スティックを繋いで……と。で、この画面を」
多輝は手早くキーボードを打ち込んで画面に目的のものを表示させた。多輝の持っていた端末からこの端末にヒューマノイドの検査用のツールをコピーしておいたのだ。端末を忙しなく操る多輝を見る由梨佳の目は優しい。
「開脚完了しました。続いて人工乳房を露出します」
台に仰向けに横たわった由梨佳が服のボタンを外し始める。それを横目に伺ってから多輝はコードの繋がったスティックを片手にキーボードを弾いた。可愛らしい電子音が鳴って準備が整ったことを報せてくれる。よし、と頷いて多輝は由梨佳に向き直った。
はだけた由梨佳の胸を見た瞬間に多輝は赤くなった。どうも由梨佳の身体を見ていると女性になっているというのに欲情してしまう。多輝は懸命に情欲を抑えて由梨佳の足元に回った。
「おれの手づくりだからちょっと不恰好だけど、我慢してくれよな」
そう言いながら多輝は由梨佳のクリトリスを軽く撫でた。すると由梨佳がにっこりと笑う。
「ううん。凄く感じるし、とても気に入ってるから」
笑みを浮かべつつも由梨佳の吐息は乱れ、艶がかっている。多輝は思わず生唾を飲み込んでから慌てて首を振った。いかん、と自制して静かに由梨佳の陰唇を割り開く。専用のスティックをそっと膣口にあてがったところで多輝は目を上げた。
「挿入するから愛液量を増やすぞ。あと、まだバイブは切っといてくれな」
静かに右手を動かして多輝は由梨佳のクリトリスを指先で弄った。特有の強弱をつけて触れると膣口の隙間からとろりとした透明なものが漏れてくる。
「乳首のスイッチ操作が必要な場合は指示してね」
由梨佳は乳輪に手を添えて慎重に多輝を見守っている。顔を上げてああ、と微笑んで多輝は手元に意識を戻した。由梨佳を傷つけないようにゆっくりとスティックを挿入する。他のヒューマノイドに使用されるものと異なり、このスティックは多輝が自分で作ったものだ。ただの検査ならいつもの検査用スティックでいいのだが、由梨佳をよりよくカスタマイズしようとすると、それではどうしても知りたいことが判らないのだ。
機械的にはエロなんですけどね……。