エロシーンはありません。と書いてましたけど、一応、呉羽は裸です。
ここのエピソードには部品とか出てくるので、機械的にはエロ……なのかな?
「でも、そんな風に割り切れる人間が、そうそう居るわけないよね」
横たわる呉羽はまるで眠っているようにも見える。佑はぼんやりと呉羽の顔を見つめた。表面には決して出さなかったが、呉羽はずっと辛い思いをしてきたのだろう。だが呉羽は決して総一郎に嫉妬することはなかった。自分の人生は自分で切り開く。呉羽は誰にも頼らずに一人で懸命に生きようとしていた。
祖父が亡くなった時、財産は老人から幼い子供に至るまで平等に分配された。だが呉羽はそれを受け取ろうとしなかったという。自分はいいからその財産は優一郎に渡してくれ。そう言って笑っていたと後に優一郎は叔父から聞いた。言い出したら聞かないのは誰に似たのだろうか、と叔父が苦笑していたのを覚えている。呉羽は呉羽なりに吉良家との因縁を断とうとしていたのかも知れない。そして同時に家など関係なく、信頼出来る優一郎のパートナーとしての立場を確立したかったのではないだろうか。金で全てが量れる訳ではないが、呉羽を見ているとそんな気がする。
「でも、安心して。僕も、割り切れない人間だから」
呉羽にそう囁きかけて佑は静かに振り返った。傍の空いた台には女性器のパーツが三種類並んでいる。佑はそれぞれのパーツを見つめ、その中から一番機械的なパーツを取り上げた。電子回路の基板の多いそのパーツを手にして佑は呉羽に向き直った。気分が高揚して自然と口許に嗤いが浮かぶ。
佑は呉羽の機体の骨盤内の空間に電子回路を組み入れ始めた。大小、様々のモーターのついた機械仕掛けの膣を嵌める。これは呉羽のために特別にあつらえたものだ。呉羽の女性器部分を組み立てるうちに佑の目は次第に熱を帯び始めた。昂奮に潤んだ目で呉羽の股間を覗きこみ、膣の部品の留め金をかけていく。ピンク色をした丸い膣口の少し上にクリトリスの部品をはめ込む。これはスイッチとして操作し易いよう、少し大きめに作ってある。赤い待ち針の頭にも似たクリトリスをはめ込んだところで佑は満足の笑みを浮かべた。
「目覚めて直ぐにヒューマノイドになったってことを、きっちり自覚してもらわないとね」
くすりと嗤って佑は手にしていた膣の粘膜の役割をする部品を台に置いた。人とはまるでかけ離れたこの部品もやはり特別にあつらえたものだ。最初は由梨佳の予備の機体をそのまま流用すれば十分だろうと考えていたのだが、機体に納まっている呉羽のことを考えるとどうしてもそれでは足りない気がしたのだ。佑は振り返って別の部品を取ってから呉羽に向き直った。見た目だけは人のものと大差なかった乳首を外す。それから佑は機体の胸部に別の乳首をはめ込んだ。新しく嵌めた部品は乳輪部分が多角形になっており、機械のダイアルスイッチを思わせる形にデザインされている。
呉羽はヒューマノイドだけは嫌だと言っていたと順は言った。だが裏返せばそれは、ヒューマノイドになってしまえば本心が隠せなくなるからなのではないだろうか。人とは異なり、ヒューマノイドの感情ははっきりと数値として表示される。呉羽は恐らくそれを危惧していたのだ。
呉羽の機械仕掛けの股間を覗き込んで佑はそっと息を吐いた。とろりとしたものが内腿を伝う。昂奮に自身の膣内から愛液が漏れたことに気付いて佑は苦笑した。身体は正直とはよく言ったものだ。意識すると下腹部に熱が溜まって疼いていることがはっきりと判る。
「僕のものになるってことがどういうことか、選択の余地を与える必要があるからね」
だから、とにかく趣味に走って本性を曝け出してしまおう。僕のものになる前に拒絶できるように選択肢を与えないと。そう呟きながら佑はふと渚のことを思い出した。ヒューマノイドになっていた渚の機体を改造した時、渚は生き恥を晒すくらいなら死にたいと魂で叫んだ。だがあの時の状況では渚が生身の身体を持つことは出来なかった。結局、渚はヒューマノイドの器を散らされて金龍神として力で器を構成することとなった。
あの時の叫びは今も佑の心に深く刻まれている。思い出すと時折、とても酷く胸が痛む。渚に全身全霊で拒絶されたような気がするのだ。
「拒絶されるのは怖いけど、歪めてまで手に入れるのは嫌だから」
真剣な表情で呟いて佑は呉羽を見つめながらへそに手を伸ばした。そこで佑は驚きに目を見張って顔を上げた。静まり返っていた部屋に柔らかな歌声が響いている。それが順の歌う歌だと気付いた佑はしばしその声に耳を傾けた。それから改めて呉羽に向き直る。
メカがもっとちゃんと書けないといかんなー、と今の作者は思ってるわけです……。
とほほです。