でも長いので、もしかしたら途中でタイトルだけ変えるかも……(汗)
呉羽が裸なのでエロいといえばいえるかもですが、エロシーンはありません。
(機械だしw)
そっとへそに指を入れて電源スイッチを押し込む。すると呉羽が睫毛を震わせて薄目を開けた。それからゆっくりと目を開いた呉羽が驚きの表情になる。
「呉羽さん。僕がわかりますか?」
佑はじっと呉羽を見つめながら囁くように言った。しばし呆然とした顔で佑を見つめていた呉羽が息を飲む。
「ゆ、ういちろう……? 何で……」
掠れた声で言ってから呉羽が顔を歪めて額を押さえる。それから呉羽は慌てたように起き上がろうとした。だが佑は呉羽の肩を押さえてやんわりとそれを止めた。
「呉羽さん。意識を失う前のことを、覚えていますか?」
「確か、あの馬鹿が私を抱えて跳んで」
そこまで言ってから呉羽が嫌そうにため息を吐く。だが嫌そうにしつつも呉羽は言葉を継いだ。
「理由は判らないけど、あの女の子は私を狙っていたらしいね。あの馬鹿は私を庇ってくれてたみたいだけど、だから反撃しなかったのかな」
いつもの蓮っ葉な言葉遣いで言ってから呉羽は軽く肩を竦めてみせた。どうやらあの馬鹿、というのが順のことらしい。
「それにしても、良く一目で僕がわかりましたね?」
そう告げて佑はにっこりと笑った。すると呉羽が何でもないことのように微かな笑みを浮かべて頷く。不思議に思った佑が訊ねる前に呉羽はすらりと答えてみせた。
「私のことをそう呼ぶ人間は限られているし、一人称が僕となると優一郎しかいないからね。まあ、雰囲気とか顔の形とか面影がしっかり残っているから、それがなくても判ったと思うけど」
淡々と告げてから呉羽は物珍しそうに周囲を見回した。しばし周辺を見てからへえ、と感心したように声を漏らす。
「呉羽さんは、茜さんとどういう関係なんですか?」
「腐れ縁ってやつかねえ。私は願い下げなんだけどさ」
佑の問いかけにそう答えてから呉羽がふと天井を見上げる。佑もつられて天井を仰いだ。聴こえていた順の歌声が止まったのだ。やれやれ、とため息を吐いて呉羽が苦笑する。
「どうやらあいつも生きてるみたいだね」
まさか自分を庇って死んでしまうとも思えないけど。そう続けて呉羽が笑う。まるで何事もなかったかのような以前と変わらぬ態度に佑はほっと息を吐いた。
「呉羽さん。今、自分がどういう状況下にあるか、把握してます?」
伺うように訊ねた佑をじっと見つめてから呉羽は考えるように視線を彷徨わせた。
「詳しいことは判らないね。あの馬鹿が私に何かしたのは判るし、人じゃないってことも判るけど」
まあでも、今さらだしね。そう呟いて呉羽が頭をかく。そこで呉羽は怪訝そうな顔をして自分の手を顔の前にかざした。しげしげと自分の手を見つめてから呉羽が眉を寄せる。
「どうかされましたか?」
笑顔で告げた佑と自分の手を見比べてから呉羽がぎこちなく首を動かす。頭を起こしたところで呉羽は真っ青になった。
「……股をおっ広げてて変だとは思ったんだけどね……」
引きつりながら呉羽が平静を装った声で言う。だがごく僅かにその声は揺れていた。
「桜さんは……あなたと茜さんを襲撃した女の子は予想以上に手練だったみたいで、呉羽さんの身体に致命的な打撃を与えたんです」
悲壮な顔で自身の身体を見つめてから呉羽が深々とため息を吐く。
「そのようだね」
間を置いて答えてから呉羽は起こしていた頭を台に戻した。それから目許を手で覆って苦笑する。困ったねえ、という呟きを耳にして佑は首を傾げた。
「身体の状況を説明させていただいていいですか?」
「まあ、聞かない訳にはいかないか」
苦笑しつつ手を下ろして呉羽は小さく頷いてみせた。どうやら呉羽は呉羽なりにヒューマノイドになったということは自覚したらしい。
「呉羽さんは今、仮にヒューマノイドの身体に宿っています。ヒューマノイドがどういう存在かは、説明の必要はありませんよね?」
にっこりと笑みかけた佑に呉羽が頷いてみせる。呉羽はそれから困ったように笑って天井を見つめた。しばしぼんやりと天井を見てから佑に目を戻す。
「呉羽さんは、ヒューマノイドである以前に龍神と成られています。もともと、微小ではあるけれども龍神たるべき素質を備えていたところに、水輝さんの力を用いて茜さんが不完全な使い魔作成術を行使したため、完全に覚醒したと考えられます」
「あー……」
間延びした声を漏らしてから呉羽が舌打ちをする。あの男は、とぼやいてから呉羽は深々とため息を吐いた。だが不思議とその顔に後悔の念は浮かんでいない。
「龍神に成ったばかりで力が最小限の状態だったところに、あなたは桜さんから襲撃を受けました」
だが桜が呉羽を攻撃しようとした理由は判らない。佑はふと顔を曇らせてそっと息を吐いた。呉羽はふうん、と呟いて自分の手を掲げて見つめている。順に何かをされたということは判っていたらしいが、詳しい事情については知らなかったのだろう。しきりに頷いてはなるほどねえ、と呟いている。
呉羽の喋り方が、読み方によってはおばあちゃんに見える件。
悩んだんですよね(汗)