エロシーン……そもそも自動オナニーベッドに寝てるので、エロといえばエロですけど……それっぽいシーンはありません。
しかめっ面で身じろぎしつつ祐はじりじりと専用のベッドを降りようとしていた。が、自慰がどうしてもやめられない。祐は泣きそうな顔でドアに向かって声を張った。
「誰か、誰か来て! 水輝さんがっ!」
不意にドアがけたたましい音を立てて開く。祐は見知った渚の顔を見止めて目を輝かせた。渚が慌ただしく部屋に駆け込んでくる。
「渚さんっ! お願い、みずきさんを、助けて!」
涙声で訴えた祐に渚が落ち着きなさい、と告げる。渚は涙を流していた祐の頬をハンカチで拭った。ずれていた祐の身体を優しく台に乗せなおす。専用台の正しい位置に乗せられた祐は息を吐いて身体の力を抜いた。自動的に祐の股間の洗浄が開始される。
「水輝は大丈夫。必ず助けるから」
そう言って渚が祐の手を握り締める。祐は懸命な面持ちで渚の手を握り返した。
「観えたの。水輝さんが、紅い虚無に捕われて」
切羽詰った声で言った祐に渚が判ったわ、と頷く。だが渚の顔はどことなく曇っている。祐は渚の手を握って水輝を助けるようにともう一度、訴えかけた。
「堕ちた先もわかるわ! 天空の城から、行ったほうが近いかもしれない。ああんっ!」
「断罪の」
呟くように告げた渚の言葉に祐は息を飲んだ。渚がぽんぽん、と祐の手を叩く。
「出来るだけのことはするわ」
そう言って渚が屈めていた腰を伸ばす。祐は真っ青になって首を横に何度も振った。
「あたしも行く! おねがい、渚さん、あたしも、連れていって!」
「駄目。あなたは水輝のものだもの。命令が持続している以上、自慰はやめられないでしょう?」
穏やかな笑みを浮かべて渚が言う。祐は唇を噛んで俯いた。洗浄が終了したと同時に手が意志に反して勝手に動き、股間を弄り始める。
「ディルドを入れておけばいいわ! あそこを弄りながらでも、歩くことはできるわ! 渚さんお願い! このベッドから解放して!」
泣きながら訴えた祐に辛そうな目を向けてから渚が無言で首を横に振る。
「ごめんなさい。連れて行けないわ。危険すぎるもの」
渚はもう一度、ごめんなさいと詫びるとベッドを離れた。背を向けた渚に祐は必死で声を張った。
「渚さん、おねがい! ここに置いていかれても、あたしは壊れるわ。足手まといにはならないと約束するから、お願い!」
ドアに向かって歩いていた渚がぴたりと止まる。振り返った渚の顔には苦笑が浮かんでいた。仕方ないわね、と呟いて渚が祐の身体を抱き上げる。台から降ろされた祐はふらつきつつもしっかりと自分の足で立った。
「渚さん、ありがとう」
片手で股間を探りつつ祐は器具等の詰められたダンボールを片手で引っくり返した。床に放り出された器具の中から張り型を探し出して膣内に挿入する。落ちてこないようにベルトで腿に固定してから祐は膣側のバイブレーターを駆動させた。
「どうなっても知らないわよ」
困ったように笑って渚が言う。
「渚さん、天空の城の裏手に直行できるショートカットルートがあるの。いきましょう」
そう言って祐は部屋を駆け出した。渚がぴったりと後からついてくる。走っていた祐の身体が唐突に浮く。何事かと焦った祐はふわりと宙を浮いて渚の腕の中に納まった。
「この方が楽でしょう?」
にっこりと笑みかけて渚がいきなりその場から転移する。急な移動に祐は思わず悲鳴を上げた。反射的に渚の首筋にしがみつく。渚は空間の狭間で鋭い声を発した。
「白銀の翼!」
呼び声に応えて渚の背に銀色の翼が現れる。虹色の不思議な空間の中で祐は目を丸くした。狭間に浮いた渚が小さく笑って片目を閉じる。
「その翼を使いこなせるんですか?」
「内緒だけどね。私とは相性がいいの」
そう言ってから渚が正面を向く。
「さあ、飛ばすわよ。しっかり捕まっててね」
渚に言われるままに祐は腕に力をこめた。虹色の空間を渚が高速で飛ぶ。空間から空間に跳躍しつつ渚は高度を一切落とさず狭間を駆けた。ジェットコースターのような勢いで飛ぶ渚に祐は必死で捕まっていた。
1,000字いかないかと思って焦りました(汗)