ここにはあんましありません。
TS警報です!
「巴、例のメカペニス装着してこっち来い」
そろそろ疲れた。そう笑って透が指を振る。呼びつけられた巴が慌てたように返事して傍のダンボール箱を探る。
「やっぱ、俺にはこっちの気はねーわ。萎えてきちまった」
透の言う通り、水輝の腸内でペニスは次第に力をなくしていった。水輝は嫌がって首を振り、震える手を額に伸ばした。残っていた力をかき集めて一気に放つ。青い光を放った水輝の身体は緩やかに組み変わっていった。股間にそそり立っていたペニスが消え失せる。平らだった胸に膨らみが現れ、短かった髪が肩の下辺りまで伸びる。女性体に変質したところで水輝は完全に脱力してベッドに崩れ落ちた。
「おーお。そこまでして俺に抱いて欲しいってか」
水輝は乱れた息を吐きながら弱々しく頷いた。透に言われるままに機械仕掛けのペニスを股間にあてがおうとしていた巴が唖然とした顔でベッドを見る。紅茶をいれて戻ってきたちなりも驚いたように部屋の入り口で足を止めた。
「なんだこの身体? 機体じゃねーかよ」
もしかして優一郎の趣味か? 水輝の身体に触れた途端に透が笑って言う。水輝はぼんやりとした目で自身の体を見つめた。強い欲求を堪えて頬や肩に触れてみる。確かに透に言われた通り、この身体は機械らしい。
「き、機械? もしかしてわたしと同じですか?」
機械仕掛けのペニスを片手に握って巴がおずおずと訊く。かと思うとちなりはトレイごと紅茶をテーブルに乗せて物珍しそうにベッドに近づいた。
「もしかしてぇ。この人、ヒューマノイドなの?」
くすくすと笑ってちなりがベッドに横たわる水輝の肩をつつく。
「おまえ達とはちょっと違うな。わざわざ龍神としての力を使って構成してるんだよ」
笑いながら言って透が軽く水輝の腰を叩く。水輝は出来るだけ深い息を吸って静かに吐き出した。次第に妙な感覚が消えて意識がはっきりとし始める。水輝は歯を食いしばって震える腕で身体を支えて起き上がった。
「で? 用は、済んだのか」
乱れた息を吐きながら水輝は透を見やった。どうやら透がわざわざここに連れて来たのは犯したかったかららしい。そのことに気付いて水輝はため息を吐いた。
「せっかく女になったんだから、もう少し楽しませろよ」
そう言いながら透が足で水輝の股間をつつく。水輝は何とか身を捩って透の足を避けた。
「用がないならおれは行くぞ。女寄りの性質が薄いから、この格好は実はけっこう辛いんだ」
次第に呼吸が落ち着いてくる。水輝は何度か深呼吸してから額に指を当てた。すると何故か透が素早くその手を払う。
「嘘つくな。けっこう安定してるじゃねーかよ」
水輝の手を引いて透がそう告げる。いきなり抱き寄せられて水輝は焦って身を捩った。
「この格好は余計に力を消耗するんだよ。いいから離せ」
不機嫌な顔で言って水輝はもがいた。ただでさえだるくて辛いのに、この格好を維持するのは力を消耗してしまう。用がないならここにいる必要もない。水輝はそう説明して透を押しのけようと手を動かした。だが相当疲れているからなのか、透の腕はびくとも動かない。
「足らないなら、やるってば」
そう言っていきなり透が顔を寄せる。唐突に口づけられて水輝は目を見張って動きを止めた。心地のいい感覚に身体の力が抜ける。水輝は目をかたく閉じて必死で抵抗しようとした。顔を背けて口づけから逃れてから身体を竦めて屈む。透の腕を下から抜けて水輝はじりじりと後ろに下がった。
「だから用がないなら居る必要もないって言ってるだろ」
異様なほどの情欲は今は鎮まっている。水輝は唇を腕で拭って不機嫌な顔で言った。だが透はまるで面白いものでも見るかのような目で水輝を眺めている。
「用ならあるってばさ。また勃ってきちまったから、責任とってもらわないとな」
「だから男に戻れば問題は解決だろ?」
額を押さえて疲れたため息を吐いて水輝はそう言った。透の家ということは、ここは木村の本邸だろう。屋敷までは少し距離があるが、跳べない訳ではない。早く戻らなければ克人がどう動くか判らない。苛々としつつ水輝は睨むように透を見た。
「俺に抱かれるために女になったくせに」
不意に透が腕を伸ばして水輝の腕を捕らえる。抵抗する間もなく水輝は抱き寄せられた。もがこうとした水輝の左胸に透が手を突き立てる。驚きと痛みに目を見張った水輝は震えながら歯を食いしばった。
「これであんた、当分女のままだ」
ま、力が回復すりゃあこんな術すぐに解けるだろうけどな。そう言って笑ってから透が水輝の胸から手を抜く。激しい痛みの余韻に水輝は思わず咳き込んだ。口許を手で覆って咳き込みながら片腕で透を退ける。ベッドに放られていた自分の服を引っ張り寄せて水輝はシャツをつかんで口許を押さえた。衝動のままに咳き込むと赤いものが口から飛び散る。どうやらまだ器の方がついてこないようだ。身体を丸めてしばらく咳き込んでから水輝はのろのろと顔を上げた。
「女が、抱きたいなら、他にいるだろ。悪いが、おれは、忙しいんだ」
赤い液体に汚れた口許を乱暴に拭って水輝は身を起こした。
「どこに行く気だ?」
「絵美佳ちゃんに、関係あるのか?」
だるさで動かしにくい身体を無理に動かして水輝はベッドを降りた。唖然とした顔をしているちなりの脇を過ぎ、テーブルに乗せてあったティカップをさらう。ぬるくなった紅茶に口をつけようとしたところで水輝はぴたりと動きを止めた。確か以前は出された茶を飲んで酷い目にあったのだ。そのことを思い出して水輝はため息を吐いてカップをテーブルに戻した。
クリスマスイブにこんな話ですよ!w
夢も何もないですね!w