※この作品はR-18です。

狩りの終焉 二部   作:伊駒辰葉

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エピタイがそのままです!
エロシーンがあります。

地の文で優一郎と書いてありますが、TSしてますので身体は女性になってます。


水輝を見ながらオナニーしてみる 1

 道代に頼んでベッドを操作してもらい、狭い部屋に一人きりになったところで祐は声を殺して泣き始めた。仕込んでいた張り型を膣から抜き、自慰動作に入っているために手は股間を弄っている。祐は自慰を続けつつこれまで水輝と過ごした時間のことを思い出した。

 

 水輝はいつも優しく祐の名を呼んでいた。腕に抱かれて一緒に眠りに落ちるのが好きだった。温もりを傍に感じていられるだけで幸せだった。だがもう、その時間は帰ってはこない。

 

 優一郎のヘンタイ! 優一郎の優柔不断! 優一郎の馬鹿ぁ! 祐は泣きながら心の中で優一郎を罵倒した。結局、水輝の心の大部分を占めていたのは自分ではなく優一郎だった。そのことを深く思い知らされた祐は水輝の記憶から自分の存在が消えることを望んだ。少しでも水輝が覚えていればまた危ない目に合うかも知れないからだ。

 

 狭い部屋に祐のすすり泣きの声が小さく響く。優一郎はあの夢の通りに水輝の傍に居られるのだ。そのことを思うととても悔しい。どうして自分ではなかったのかと考えない訳ではない。が、祐は優一郎を恨む気にはならなかった。優一郎がいなければ例え短い間でも水輝との時間を過ごすことは出来なかっただろう。

 

「うまくやってるようね……。良かった」

 

 祐は涙に濡れた目でベッドの上の画面を見つめた。ベッドに横たわったものが無理なく見ることが出来るように、モニタが下向きにセットされているのだ。吉良瀬トータルソリューションの技術力と渚の協力を得て、祐は優一郎がいる吉良瀬の屋敷の内部を見ることが出来た。奈月も水輝の手元に戻ってきたらしい。画面に映った水輝の姿に祐は思わず顔を歪めた。奈月を抱える水輝はどことなく以前とは少し異なっている。だがそのことに奈月は気付いていないらしい。

 

「波乱の種にならなければいいけど……」

 

 渚さんには相談できないし。っていうか、渚さんを抑えないと大変なことになるかも。口の中でそう呟いて祐はため息を吐いた。恐らく優一郎は水輝の態度が変わっていることには気づいているだろう。判っていないのは今のところは当の奈月だけだ。

 

 奈月の先の宿体は座位に耐え切れずに壊れてしまった。いま奈月が纏っているのは新しい器だ。祐は画面に映り込む奈月をまじまじと見つめた。水輝が手早く服をはがして奈月の裸体が画面に映る。見たところ、奈月の身体は生身ではないようだ。以前と同じように機械仕掛けの器を奈月が無意識に形成しているのだろう。

 

 標の構造上、宿ることのできる身体は限られているのね。あたしもそうだけど……。心の中で祐は呟いた。

 

 多輝を始めとする宣託の標は一様に機械仕掛けの身体を有している。空っぽの器でなければ降りてくるものを正しく読めないからだ。雷の裁きの力を有している多輝がその長……なのだが、本人にはまだ自覚はないらしい。そして宣託の標は基本的には群れない。必要のある者の傍で宣託を続けるのが役割だ。

 

 そして奈月にも当然、その力はある。祐はため息を吐いて画面をちらりと見た。祐の思考のままにカメラの視点が動く。どうやら渚の仕掛けてくれた術は祐の思考によってかなり融通が利くようだ。そのことに感謝しつつ祐はベッドで戯れる二人の姿を画面に大きく映し出した。

 

 奈月に圧し掛かっている水輝の表情に時折、影が射す。だがそれはほんのささやかな影でしかなく、奈月も気づいてはいないらしい。

 

「けっこう、甲斐性無しだものね。だから優一郎なんだろうけど」

 

 そしてあたしは……。そう続けて祐は鼻を啜った。

 

 本来の座位についた奈月は恐らく水輝の手には負えないだろう。あれは天に輝く月だ。宵の時代は太陽は隠れ、月が世界の中心となる。宣託の標は月読み、水鏡に映りこむ月の形を読むのだ。

 

 かくん、と奈月が動きを止める。するとそこで水輝が慌てたように身を起こした。どうやら熱中して奈月を早速壊してしまったらしい。ため息を吐いてうなだれた水輝が何事かを言う。だが画面には映像があるだけで、音声はない。それでも祐は水輝が何を言ったのかはっきりと理解出来た。

 

 またやっちまった。そうぼやいて水輝が優一郎を呼びつける。戸惑いの表情で水輝の部屋に現れた優一郎が深々とため息を吐く。

 

「でも、やっぱり、結局、奈月さんはあのひとのものだしっ! 世界の摂理に逆らっていても、そう、定められてるし!」

 

 ああっもう、羨ましいったらありゃしない! ぎりぎりと歯を食いしばって祐は呻くように続けた。画面の中では優一郎がやれやれとでも言いたそうな呆れた顔をしている。そんな優一郎に水輝がごめん、と詫びる。

 

 奈月の修理を始めた優一郎の傍に立って水輝が懸命に言い訳を試みている。だが奈月と少しでも交わったお陰で水輝の体力はかなり復活しているようだ。少なくとも画面上では水輝の様子はいつもの状態に戻っている気がする。ほっとした息を吐いた祐はふと、眉を寄せて画面をじっと見た。

 

 優一郎は奈月の機体の修復作業を続けている。水輝はそんな優一郎と何かを話している。……のだが、水輝が時折、少しだけ顔を傾けるのだ。その動きから祐はもしかして、と呟いた。水輝は優一郎をやけにじっと見つめている。時折、優一郎が顔を上げるとさりげなく戻すのだが、水輝は時々、左に顔を少し傾けているのだ。

 

 それはまるで小さな音を何とか拾おうとしているように見えた。




地の文で優一郎と書いているのがややこしいのですが……。
佑のことです。
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