※この作品はR-18です。

狩りの終焉 二部   作:伊駒辰葉

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久しぶりに斎姫が出てきます。
サブヒロインのはずだったのに……。

あ! TS警報です!


優くんのっ、ばかぁっ! 1

 佑はドアの向こうに消えた桜を呆然と見送ってからため息を吐いた。床には結界に空しく弾かれた八つの宝珠が転がっている。佑は諦めの息を吐いて仕方なく宝珠を一つずつ拾い上げていった。

 

 腕に八つの宝珠を抱えたところで佑はぎくりと首を竦めた。いつの間にか水輝が廊下の向こうで顔を覗かせている。

 

「なに騒いでるんだ?」

 

 訝りの顔をした水輝に問われて佑は返答に窮した。眉を寄せたまま水輝が廊下に出てくる。シャツにジーンズというラフな格好で水輝は佑に歩み寄った。

 

「なっ、なんでもないわ。斎姫!」

 

 佑がそう声を張ると斎姫がその場に現れる。どうやら本を読んでいる最中だったらしい。斎姫は握っていた雑誌を慌てたように身体の後ろに回した。

 

「ちょっとこれ、また入れといて!」

 

 そう言いながら佑は斎姫に胸に腕に抱えた宝珠を押し付けた。斎姫の機体に触れた瞬間に宝珠が次々に胸に沈んでいく。佑は八つの宝珠を斎姫の器に納め終えたところでほっと息をついた。

 

「なになに。『男を上手に口説くには』? 斎姫ちゃん、変わった雑誌読んでるんだな」

 

 いつの間にか斎姫の後ろにしゃがみ込んでいた水輝が感心したように言う。すると斎姫は真っ赤になって身体を捻った。

 

「へえっ、他に好きな男でも出来たの?」

 

 怒りを覚えつつ佑はそう斎姫に訊ねた。すると途端に斎姫が泣きそうな顔で慌てて首を横に何度も振る。

 

「わたしには優くんだけです。だから、だから……」

 

 そこで我慢の限界が訪れたのだろう。斎姫がしゃくりあげ始める。あーあ、と笑った水輝が掛け声をかけて腰を上げる。

 

「水輝さん、ちょっと、斎姫慰めるから席外してもらえるかしら?」

 

 佑が言うと水輝は苦笑して肩を竦めてから片手を上げた。どうやら風呂に行くついでに佑に声をかけただけらしい。じゃあな、と笑って水輝が廊下の向こうに歩いて行く。それを見送ってから佑は斎姫に向き直った。

 

「いらっしゃい」

 

 にっこりと笑って佑が告げると斎姫がぱっと明るい顔になる。

 

「祐とわたしの違いをきちんと見抜いたご褒美をあげていなかったでしょう?」

 

 にこやかに告げて佑は斎姫を自分の部屋に案内した。雑誌を後ろ手に丸めた斎姫が大人しく佑についてくる。佑は斎姫をベッドに導いたところでその手から雑誌を取り上げた。どうやらクラスの誰かに借りたものらしい。雑誌に残っていた思念を読んで佑は小さく笑った。

 

「今のわたしには参考になるかな」

 

 そう言って佑は手にした雑誌をサイドテーブルに乗せた。いつものようにいそいそと服を脱いだ斎姫が標準ポーズをとる。

 

「優くん、その、ちょっとあそこの調子がおかしいの……」

 

 ベッドに座って膝を折り、腿を左右に大きく開いた格好のままで斎姫が頬を染める。佑は微笑みを浮かべて斎姫の傍に腰を下ろした。

 

「わたしはこの身体のままでいいの? 男に戻らなくていの?」

 

 にこやかに問い掛けた佑とサイドテーブルの雑誌を交互に見てから斎姫が真っ赤になる。

 

「えっと、あのっ!」

 

 耳まで赤くなりながら斎姫が口ごもる。

 

「斎姫って、実はバイだものね。保美さんだとかカレンとかともよろしくやってるものね」

 

 佑は深い微笑を浮かべて斎姫に顔を寄せた。真っ赤になった斎姫が所在なげに視線を泳がせる。

 

「わ、わたしは……」

 

 真っ赤になったまま、斎姫が泣きそうに顔を歪める。佑はそこで我慢が出来なくなって思わず吹き出した。笑い出した佑を斎姫が不安そうに見つめる。

 

「ごめん、苛めるのはこれくらいにしておくわ」

 

 そう言いながら佑は自分の左の胸に手を突き立てた。宝珠に指を入れて器の構成を変える。ついでに着ている服の構成も同時に変える。この方法だと女装のような恥ずかしい目に合わなくて済むのだ。

 

 男性に変質した優一郎は息を吐いて胸から手を抜いた。どうも男の身体の時は白衣を着ているイメージが自分自身にあるらしい。シャツにズボン、それに白衣という格好で優一郎は斎姫に笑みかけた。

 

「斎姫、久しぶり」

「優くんっ……」

 

 ほっとしたように斎姫が表情を緩める。優一郎は微笑みを返して斎姫の股間に目をやった。

 

「女性器ユニットの調子がおかしいんだっけ? すぐに診てあげるね」

 

 そう言って優一郎は斎姫の肩を軽く押し、その場に倒した。小さな声を上げて仰向けになった斎姫の股間に顔を寄せる。機械で出来ているとすぐに判るほど、斎姫の女性器は見るからに玩具のような格好をしている。金属パネルやランプが剥き出しになっているのだ。クリトリスはランプ、膣口は丸く柔らかな素材で出来ておりそれも剥き身になっている。

 

「あのっ! わたし、あれからは優くん以外のひととしたことも、ここを見せたことも無いから!」

 

 真剣な面持ちで斎姫が言う。それを聞いた優一郎は少し笑って顔を上げた。

 

「ごめんごめん。ちょっと不謹慎な冗談だったかな」

 

 そう言ってから優一郎はまた斎姫の陰部に目を落とした。ランプの色は如実に斎姫の心境を表している。それを読みつつ、優一郎は指で点滅しているランプに触れた。

 

「ログを見てるから、君の行動は全て把握しているよ」

 

 小さなランプは目まぐるしく色を変えて明かりを点滅させている。

 

「見ててくれたんだ、わたし……」

 

 呟くように言って斎姫が涙ぐむ。優一郎は苦笑して斎姫の陰部を手で撫でた。斎姫の膣内は操作なしに勝手に濡れることはない。人工愛液は操作しなければ分泌されないのだ。

 

「僕が君を放置してると思ってた? 君に組み込んだ判断制御ユニットをテストするには、あまり君と接触したら意味がないからね」

 

 優しく陰部を撫でながら優一郎は説明した。うっとりとした面持ちで斎姫が頷く。判断制御ユニットは機体保持者、つまりこの場合は斎姫だ。その保持者の変わりにデータベースに入力された判断基準に従って、動作命令を自動的にインプットする装置だ。

 

 本来なら自律的に動く事が出来ない斎姫が生徒会長を務めていられるのは、その装置が備え付けられているからだ。清陵高校の生徒会長として判断を下していたのは優一郎の入力したデータベースシステムなのだ。

 

「生徒会長の役目をきっちり果たしているみたいだね」

「ううん、わたしは何もしていないわ」

 

 すべて、システムの命令どおりに動いてるだけだもの。そう続けて斎姫は少し悲しそうな顔になる。優一郎は指先でくすぐるように斎姫の膣口を撫でた。

 

 清陵高校は生徒会が中心となって運営される、学校という名の組織だ。多くの企業が投資しているため、在籍する生徒たちはたくさんの学習方法からベストの道を選択することが出来る。選択肢の幅が他の学校に比べて異様に広いのが清陵高校の特徴だ。

 

 そんな清陵高校の文化祭はだが遅れに遅れている。それは斎姫個人の責任ではない。先の事故が関係しているのだ。順は何故か優一郎を助ける折、派手に校舎を破壊した。今現在はその修復作業中だ。




メカ的には若干エロでしょうか。
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