機械の話なのでエロシーンはありません。
裸ですが。
TS警報です!
「さてと。部屋に戻るかな」
まずはマスター登録しないと。そう呟いて優一郎は台に横たわった機体を両腕に大事に抱えた。そのまま自分の部屋に転移する。部屋の奥にあるメンテナンス台に優一郎は腕に抱いた機体をそっと下ろした。両足を開かせた格好で固定したところで機体が薄く目を開ける。
「水輝さん。おはようございます」
にっこりと笑って優一郎は言った。この機体に水輝は込められているのだ。水輝はだが寝惚けているのかしきりに瞼を擦っている。眉を寄せて眠そうに目を擦ってから水輝が優一郎を見つめる。
唇が動く。だが水輝の声はしなかった。優一郎は目を見張って水輝を見た。水輝も驚いたのか、喉を押さえて口を開き、何かを言っているようだ。なのに声だけが全くしない。
「水輝さん……?」
不安に顔を曇らせて優一郎は恐る恐る呼びかけた。水輝が顔をしかめて首を横に振る。それから水輝は首を伸ばして優一郎の背後を見てから、指を動かした。どうやら寄越せという意味らしい。そのことを理解して優一郎は慌てて机の上のキーボードを取り上げた。急いで端末を立ち上げてモニタの電源を入れる。真っ白なテキスト用の画面が表示されたことを確認して優一郎は水輝に頷いてみせた。
水輝が指でたどたどしくキーボードに触れる。
こえがでない
水輝が打ち込んだその文章を見つめ、優一郎は目を細めた。慣れていないのか、開いた膝にキーボードを乗せて水輝は顔をしかめながら指一本で打ち込んでいる。
なんでおんななんだ
どうやら多輝よりは冷静に自分の置かれた状況を把握しているらしい。水輝が顔をしかめて優一郎に顎をしゃくる。優一郎は机の上のモニタと水輝とを見比べてため息を吐いた。
「いえ。今度は水輝さんに女になってもらう番かなあとか」
困惑しつつも優一郎はそう答えた。すると水輝が苦笑してキーボードを打つ。
てのこんだまねしやがって
そう打ち込んだ水輝は苦笑しているだけで、怒っている素振りはない。
「人工声帯の故障かな? それとも他の要因が……。そうだ」
優一郎はふと思い出して水輝の股間に顔を寄せた。
「ヒューマノイドは股間部に通信機能を備えています。これを音声会話に用いる事が可能です」
怪訝そうな顔をした水輝のクリトリスを優一郎は回して押し込んだ。眉を寄せた水輝が息を飲む。
「股間部から発声できるように切り替えますから、ちょっとお待ちください」
そう言ってから優一郎は今度はクリトリスを軽く引っ張った。すると水輝の恥丘部分の蓋が開く。携帯電話のように開いた恥丘の様子に水輝はぎょっとしたように目を見張った。
「水輝さんとの直接通信もできますが、通常の通信機のように僕が他者との通信に用いることも可能になっています」
顔を上げた優一郎の頭を水輝がキーボードで小突く。優一郎は軽く突かれたところを苦笑して手で押さえた。
「緊急会話用に使うにはこのボタンを長押しすれば……」
開いた恥丘部分にあるボタンを優一郎は押した。それから目を上げて水輝に頷く。水輝は考えるように口許に手を当てて天井を見た。どうやら何か言おうとしてはいるらしい。が、やはり声は聞こえてこない。水輝も声が出ないことに気付いたのだろう。唇を動かして首を横に振る。
「声帯の故障じゃありませんね。何が原因なんだろう……」
考えつつ優一郎は水輝の恥丘部分を戻した。水輝も一緒に眉を寄せて首を捻っている。だが何か気付いたのか、水輝はぽん、と手を打ってキーボードを打ち始めた。一文字ずつゆっくりと画面に表示されていく。
どうやっておれをおんなにしたかせつめいしろ
どうやら水輝の記憶には殆ど先のことは残っていないらしい。意識を強引に飛ばすという方法を用いたのだから無理はないだろう。優一郎は仕方なく手順を説明した。水輝が腕組みをして優一郎の言葉に頷く。だが水輝は特に優一郎のやり方に怒りを覚えている風でもない。至極、平然としている。
続いて優一郎は記憶を回収したことも話した。すると水輝が考えるように口許に手を当てる。だが特に記憶の内容については問題を感じなかったのだろう。頷いて顎をしゃくる。先を話せという意味らしい。優一郎は記憶の内容をかいつまんで説明した。が、疑問を感じた部分については保留にする。水輝はそれで納得したらしく頷いている。最後に優一郎は水輝を連れてここに転移したのだと話した。水輝が腕組みをして首を捻りながら眉を寄せる。
「後は、元の身体を別次元に保管していることくらいでしょうか?」
そう優一郎が付け足した瞬間、水輝が唇を動かして優一郎を指差す。どうやらそれだ、と言ったらしい。困惑する優一郎を余所に水輝が懸命な面持ちでキーボードを打つ。
どこだそれ
表情の割には実に淡白な文章が画面に表示される。
「こうなったら仕方有りませんから、引き寄せます」
優一郎はそう言って立ち上がり、宙に腕を差し伸べた。引き寄せた男性の形をした水輝の身体が優一郎の腕に現れる。それを見た水輝がもの凄く嫌そうに顔をしかめた。無理もない。現れた水輝の身体は顔面に大量の愛液を被り、下半身を露出させたままなのだ。
メンテナンス台の上で身を捩った水輝が元の身体に向かって指を鳴らす。すると唐突に優一郎の腕から元の身体が消え失せた。驚愕に息を飲む優一郎の横で水輝があー、と声を出す。だがその声は水輝の股間から響いた。ぎょっとした水輝に苦笑して優一郎は水輝の恥丘部分を再び開いた。さっき押したボタンをもう一度長めに押す。そこで漸く水輝がごく普通に口を動かして喋った。
「ほら、返すぞ」
そう言って水輝が優一郎にキーボードを差し出す。優一郎はそれを受け取って机に乗せた。水輝がまじまじと自分の股間を覗きこむ。
「携帯電話か、おれは」
しかめっ面でそう言って水輝がじろりと優一郎を睨む。
「携帯電話としても使えますよ」
そう言って笑った優一郎にけっ、と喉の奥で言って水輝が開いていた恥丘部分を手で戻す。そこで水輝は元通りに台に背中を預けて言った。
ケータイが主流だった頃に書いたことがバレバレですね!w