※この作品はR-18です。

狩りの終焉 二部   作:伊駒辰葉

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まあ、大体全部ですw
毎回、警報を出すのもなんだったのでエピタイにしました。
まだエロシーンはありません。


BLなのかTSなのかftnrなのか 1

「最初のころはともかく、最近は書類を見るどころか、事後報告で何時の間にか数増えてたりするし」

「おいおい、それ大丈夫なのか?」

 

 まあ、お前のことだから計算づくだろうが。そう付け足して水輝は優しく佑の髪を撫でた。今日は外が暗いからなのか、佑の髪は黒に紫がかかって見える。人の姿を完全に模していても水輝の目には佑のまとう色が透けて見えるのだ。

 

「斎姫はほぼ完璧にわたしの代役をこなしてくれているわ。そのようにふるまえるような装置を組み込んだから」

「あー……そうか。あれも居たか」

 

 水輝は考えを巡らせて口許に手を当てた。しばし考えてから顔を上げる。

 

「実は多輝と由梨佳さんを呼んだんだが、まずかったか? ついでに彼女も呼べば楽だろ?」

 

 何の気なしに水輝はそう告げた。するとぱっと佑の顔が明るくなる。

 

「多輝が来るの!?」

 

 喜びに顔をほころばせてから佑がふと気まずそうに押し黙る。水輝は苦笑して佑の髪を撫でた。長い髪は柔らかく真っ直ぐに佑の腰近くまで伸びている。

 

「変に気を遣わなくていいぞ。お前があれを好いていることくらい、承知の上だからな」

 

 小さく笑って水輝は佑の髪にそっと唇を寄せた。佑が目を落として自分の腹に手をあてがう。愛しそうに腹を撫でながら佑は告げた。

 

「好きだと言っても抱かせる気はないわ。今はこの子が大切だし」

 

 腹を見下ろすその目はとても優しい。水輝はそうか、と微笑んで佑の手に手を重ねた。佑の中に息づいている小さな珠の鼓動が手に伝わってくる。水輝と交わるたびに佑の胎の珠は少しずつ大きくなり、力を増していくのだ。

 

「そろそろ、女に戻ってもらわなければならないと思っていたし。多輝も当分の間、女性に固定してやるかな」

 

 そう言って佑が楽しそうに笑う。ふと水輝は真顔になって訊ねた。

 

「じゃあ、男になるのか?」

 

 多輝は恐らく黙っていても佑に襲い掛かるような真似はしないだろう。蒼から聞いた話では、由梨佳と一緒にいることでかなり安定しているらしい。由梨佳の巫女としての属性が覚醒しつつあるのだ。

 

「いいえ。わたしはこの子を産むまで戻れないわ」

「えっ」

 

 水輝は驚きに思わず声を上げた。すると不思議そうに佑が水輝を見る。水輝は慌てて何でもない、と呟くように応えた。

 

「どうしたの? もしかして、まずかった?」

 

 戸惑いの表情で佑が水輝の方に身体を傾ける。水輝はうろたえて視線を泳がせてから何でもないって、と無理に笑ってみせた。だが手が無意識のうちに佑の肩を押さえてしまう。

 

「あの時、気がついたの。わたしの我が侭で、水輝さんを玩具にしちゃいけないって。本当にごめんなさい」

 

 押し戻された佑はしょんぼりとした面持ちでそう言った。水輝は焦って違う、と首を横に振った。だが否定したら正直に言わなければ佑は納得しないだろう。そのことに遅れて気付いて水輝はうわ、と一人で呟いた。

 

「いや、あの、別に何でもないぞ」

 

 不思議そうな顔をした佑が何かを言う前に水輝は慌ただしくそう言った。

 

「だから、この子にわたしの力を注いだの。当分の間、男性を捨てることで、この子により多くの力を注ぐことができるのよ」

 

 にっこりと佑が微笑む。水輝はうわあ、と情けない声を漏らしてうなだれた。額を押さえて呻く。道理で珠の成長が妙に早いと思ったのだ。

 

「水輝さんがわたしに逆らえない状況なのを良い事に、本当にひどいことをしたと思ってる。ごめんなさい」

 

 真面目な顔で言って佑が頭を下げる。水輝はそこで嘘を吐くことを諦めた。深々とため息を吐いて顔を上げる。

 

「あのな、もの凄く気持ち悪いだろうと思うんだが正直に言っていいか?」

 

 出来れば黙っていたかったんだが。そう思いつつ水輝はぼそぼそと告げた。それまで生真面目な面持ちをしていた佑が不思議そうに首を傾げる。

 

「あの……なにかしら?」

 

 不安そうな顔になった佑に水輝は真っ先にごめん、と詫びた。ついでに頭を下げてから勢いよく顔を上げる。

 

「多分、かなり誤解してるっていうか、いや、おれが悪いんだが」

 

 焦っているために水輝は言っていることがとっちらかっていると自覚していた。が、酷く鼓動が速いし、顔も火照るしで妙に落ち着かない。

 

「水輝……さん?」

 

 ほんのりと佑の頬が染まる。どうやら照れている水輝につられているらしい。だが水輝はそれどころではなかった。佑が頬を染めたのはきっと見抜かれているに違いない。そう誤解した水輝は更に慌てた。

 

「あ、あの、いや、別に酷いとか、思ってなかったんだが、でも言ってくれれば機体の構造の真似くらい、まあ、試したことないから確実じゃないけど、出来なくないというか」

 

 水輝は無意識のうちに真っ赤になっていた。血が昇って耳まで熱い。

 

「あの、無理しなくていいの! 思考は閉ざしてしまうし、凄く不機嫌そうだったし、水輝さんが不快だったの、よくわかってるから!」

 

 何を誤解したのか、佑が懸命な面持ちで言いながら水輝の手を取る。水輝は余計に慌てて違う、と首を横に振った。

 

「いや、あの、違う! わざわざ女にしなくても、いや待て、なに言ってるんだおれは! とにかくだな、不快とか不機嫌じゃないから!」

 

 早口でまくし立てて水輝は唇を引き結んだ。恥ずかしさと情けなさに思わず俯いてしまう。




まあ、大体、水輝は弄られる側なのでw
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