この頃が由梨佳が一番マシだった時期かも知れません。
あ、機械相手のエロです。
「これからは多輝くんは、私一筋なんでしょう?」
言い訳をする前に由梨佳が先にそう言ってくすくすと笑う。多輝はあう、と言葉を飲み込んで頭をかいた。だがすぐに由梨佳は真面目な顔になった。
「私以外に好きな人ができたら、遠慮せずに言ってね」
「いやまあ……おれの過去のことは否定しないし、好きな女が出来たらアレだが……それは置いといて、だ」
咳払いをして多輝は由梨佳をそっと押し戻した。多輝は戸惑った表情になった由梨佳の下腹部に指先で触れた。
「膣口の部分からペニスの先の当たる奥までバイブって仕掛けられてるじゃん?」
そう言いながら多輝は指先でクリトリスからへその下までをなぞった。ぶるりと身を震わせた由梨佳が天井を仰いで吐息を吐いてから顔を戻す。
「ええ。そうね。私の場合は二個のモーターで左右から挟み込むように振動するようになっているわ」
頷いて言いながら今度は由梨佳が右手の人差し指と中指でモーターの位置を下腹部をなぞって指し示す。そうだよな、と頷いて多輝は目を上げた。
「変じゃないか? それだと均一の振動がペニスの付け根から先端までにかかるわけだよな? 一定の速度で」
膣壁のうねりを生むバイブレーターの動きは決して単純ではない。時には速く、時には緩やかにと言った緩急がつけられてはいる。だが、振動の移動速度はペニスの付け根から先端まで一定なのだ。
「わかったわ。設定の前提が対人のセックスだから。人間のペニスはそれほど敏感なものじゃないわ。だからそれで十分なのよ」
……だけど、と呟いて由梨佳が口を噤む。そうなんだよな、と頷いて多輝は二人の繋がっている部分に目をやった。
「生身だとどうも鈍いんだよな。けど、おれの場合、生身じゃないっぽいし」
あれは自分の命を絶とうとした後だった。優一郎の尽力で多輝は命を取り留めたわけだが、その後に交わった時にいつもと様子が違っていたのだ。どうやらあの時に自分が生身でなくなったことは後でわかった。それ以来、男性女性、どちらの身体をまとった時にもまるで感じ方が変わってしまったのだ。まるで鋭敏なセンサーを別に埋め込まれた気分というのだろうか。それまで鈍かった部分ですら触感が鋭くなってしまい、酷い時などは挿入直後に射精してしまったりもした。
「判るんだよ。動きの単純さが。確かに気持ちいいし射精も出来るんだけど……こう、何か違うというか」
「それを、研究すればいいじゃない? そして、少しづつ改良していけば」
にっこりと笑って由梨佳が首を傾げる。多輝はそうだな、と頷いて由梨佳の下腹部に手を伸ばした。
「だからこう……同時に三箇所とか出来ないかなって思って」
根元部分と中間と先端の部分。そう言いながら多輝は由梨佳の下腹を指で三箇所軽く押さえてみた。
「もっと高性能のサーボモーターを使えば十分可能だと思うわ。その代わり、コストは高くなるけど」
「あ、そっか。金がかかるのか」
複雑な表情で多輝は呻いた。よく考えたら由梨佳の機体は高級素材で出来ているのだ。前は研究施設にいたから気にしていなかったが、部品一つとっても金がかかるものなのだ。うーん、と呻いて多輝は腕組みをした。
「……働こうかな。おれ」
だがそうなると由梨佳と一緒に大学に通うことは出来なくなる。
「あるいは、最初から全く防音を考慮しない設計にするのもいいかもしれないわ。それなら、廉価なモーターを使ってもギミックに凝ることが可能よ」
「あ、由梨佳の音は好きだから」
さらりと言ってしまってから多輝は慌てて口を押さえた。恐る恐る由梨佳を伺い見る。だが由梨佳は多輝が思ったのとは裏腹に優しい笑みを浮かべていた。
「だってああやって音がするの凄く恥ずかしいもの。多輝くん以外の人に聞かれるのは絶対に嫌だけど……」
多輝くんになら構わないから。そう続けて由梨佳が真っ赤になる。多輝はつられて赤くなりながらうん、と頷いた。由梨佳を他の誰にも抱かせる気はないし、音を聞かせるつもりもない。ぼそぼそと小声で言ってから多輝は照れ隠しに腰を跳ね上げた。何事かを答えようとしていた由梨佳が声を上げて仰け反る。揺れる豊かな乳房を下からつかんで多輝は何度か腰を跳ね上げた。
「でも、三点攻めとかされたら、速攻で出ちまうかもなあ」
手で乳房をわしづかみにしながら人差し指の腹で乳首を捏ねる。そうしつつ多輝は腰を小刻みに揺らした。
「んっ! 試してみて駄目なら、戻せば良いんだし……。さっき言ったでしょ? 機械なんだから便利に使えばいいって」
「そっか」
笑みを浮かべて頷いてから多輝は乳房から手を離した。急に動きを止めた多輝に戸惑ったのか、由梨佳が不安そうな顔になる。多輝は頭の後ろで手を組んでのんびりと由梨佳の肢体を眺めた。
「腰動かして膣で擦っていかせて」
由梨佳にねだられる前に命令して多輝はほら、と顎をしゃくった。
「わかったわ」
笑顔で頷いて由梨佳が腰を動かし始める。小刻みに前後に腰を揺すりながら由梨佳は喘ぎ始めた。由梨佳が動くたびに豊かな乳房が揺れる。多輝はのんびりと由梨佳の動く様を見つめた。
「あっ! んっ、くぅん! あはぁんっ!」
次第に由梨佳の嬌声が激しくなる。それと共に由梨佳の腰の動きは前後から上下に切り替わった。時折、腰をくねらせて横に回転させる。ペニスを擦られる感覚に多輝の息も徐々に荒くなっていった。
「もっと、乱れてみせて」
多輝はうわ言のように呟いて由梨佳の股間に手を伸ばした。包皮を押し上げてせり出したクリトリスを指の腹で撫でる。その瞬間、由梨佳は弾かれたように背を反らした。ペニスを包んでいた膣壁が収縮する。全身を緊張させて声を途切れさせた由梨佳の腕を無造作につかみ寄せ、多輝はほら、と促した。
「あっ、んっ、ああんっ! 多輝、くぅうん! 好き、好きなのぉ!」
激しい声を上げて由梨佳が腰を揺する。堪らないものを感じて多輝は夢中で腰をつき上げた。腕をつかまれた由梨佳が多輝に突かれて身体を反らす。無意識のうちに喘ぎ声を上げながら多輝は一際強く腰を押し出した。射精と同時に膣壁に柔らかく締められ、多輝は荒い息を吐きながら由梨佳の腰をつかんだ。絶頂に至って脱力しかけた由梨佳を乱暴に揺する。
思う存分に交わった果てに由梨佳は失神してしまった。多輝は汚れた由梨佳の身体を丁寧に拭いてベッドに寝かせた後、シャワーを浴びに部屋を出た。昼近いからだろうか。屋敷の中には食事のいい香りがしている。今日の昼はパスタかな、と呟いて多輝は足早にバスムールに向かった。
満足した感じの多輝は多分、鼻歌でもうたってますw