TS警報は……どうなのでしょうか。今のところは女性の佑で固定なんですけども。
「まだ、足りねえ、だろ」
乾ききった唇を舐めて多輝は一気に腰を引いた。粘ついた音を立ててペニスが肛門から抜ける。透明な液体に塗れてはいるが、不思議なことに多輝のペニスには精液の名残すらない。だがそれを気に留めることもなく、多輝は指で佑の陰唇を強く左右に押し広げた。苦しそうな息を吐いていた佑がはっとしたように目を見張る。慌てたように伸ばされた佑の腕を避け、多輝はペニスを開いた膣口にあてがった。射精した直後だというのにペニスは衰えていない。それどころかいっぱいに勃起したままだ。
「もう、やめて……、おねがい……」
多輝を上目遣いに見ながら佑が目に涙を浮かべる。だが多輝は嘲笑を浮かべてペニスの先端を膣口に挿入した。
「ここまで来てやめられるかよ!」
荒い声で吐き捨ててから多輝は勢いよく腰を押し出した。膣内にペニスを挿入した途端に佑が悲鳴じみた声を上げて身を震わせる。
「ああんっ! くっ、ああああんっ!」
溶けそうな感覚に吐息をついて多輝は膣奥にペニスをねじ込んだ。快楽の声を上げる佑を両腕に抱いてゆっくりと腰を動かす。肛門とはまるで異なりきつい締め付けはない。佑の膣はペニスの根元から先端までを優しく包み込んでいる。潤んだ膣壁が佑の感じるままにペニスを舐めるように波打つ。多輝はその感触にうっとりとした面持ちをして佑の肩に頭を乗せた。
不意に全ての感覚が消える。驚きに息を飲んだ多輝の耳に懐かしい声が聞こえてきた。
しようのない子だね。
苦笑のようなイメージと共に声が頭の中に響いた瞬間、多輝は慌てて身体を起こした。
「うあ!」
消えていた感覚が戻ってきた途端、強烈な衝動に襲われて多輝は声を上げて射精した。大量に射出された精液が佑の膣内に噴きつける。それと同時に佑の膣壁が締まり、多輝は堪らず腰を反射的に動かした。
「多輝……。だいじょう、ぶ?」
苦しげに息を吐きつつも佑が小声で訊ねる。だが、多輝はそれに答えることも出来ずに続けざまに何度も射精した。その度に身体の力が抜け、佑の身に折り重なるようにして倒れてしまう。射精後の虚脱感などではなく、身体の力そのものが少しずつ外に出てしまっているような感覚がある。
「ち、から、はいらねえ……」
乱れた呼吸をしつつ多輝は何とかそれだけ答えた。だがその間にも佑の膣壁がうねり、多輝は喘ぎを漏らして射精した。回を重ねて減るどころか、大量の精液が佑の膣内に流れ込む。
「だめっ! 離れて……はやくっ!」
緊張した面持ちで佑が鋭く叫ぶ。だがこの時既に多輝は自分の意志で身動き一つすることが出来なくなっていた。膣壁に擦られると反射的に腰が動くが、それは意識してしている訳ではない。
「ま、た……出るっ!」
絶大な快感を得て多輝は熱い息を吐きながら射精した。何もかもが判らなくなりそうな不思議な感覚がこみ上げ、自分が何をしているのかすら判らなくなる。虚ろな眼差しで射精し続ける多輝を佑が懸命に揺する。
脱力した多輝の身体の下から佑が何とか逃れる。多輝はその拍子にベッドに仰向けに転がった。ぼんやりとした眼差しをした多輝に佑が静かに口づける。口移しに力を注がれた多輝は瞬きをして目を擦った。口づけをしている佑の肩をそっと押し戻す。
「ごめん」
力ない声で詫びて多輝はのろのろと身を起こした。まだ身体はかなりだるいが動かせない程ではない。どうやら佑が治してくれたようだ。
「無茶、しないで……」
小声で言って佑が目元を拭う。多輝はばつの悪さに俯いてはみ出したままになっていたペニスを服の中にしまいこんだ。きっと嫌がっていたのに無理やりしたからばちが当たったに違いない。そう思いながら多輝は恐る恐る目を上げた。無残に破れた服もそのままに、佑はぺたんとベッドに座り込んでいる。
「ごめん、もうしないから」
既に無理やりしてしまった後に言っても仕方ないとは思ったが、多輝はぼそぼそとそう告げた。佑はよほど嫌だったのだろう。泣き続けている。
「ううん。わたしが悪いの。避けていても、何も解決しないのに……」
涙を拭いながら佑が首を横に振る。多輝はもう一度詫びようとしてぎょっとした。慌てて股間を押さえて佑から目を逸らす。何故、身体がこんなに疲れているのに股間だけがやたらと元気になるのだろう。
「よっ、よく判んねえけど、何かやたらとやりたくなって」
別に佑が水輝に抱かれることに嫉妬している訳ではない。以前からそれは知っていたことだし、今も別に佑を独占したいと考えている訳でもない。だが、佑を見ていると何故か無性に抱きたくなってしまうのだ。多輝は佑から目を逸らしたままでそう説明した。
「だって、あなたはわたしのこと好きなんでしょう? 自然なことだと思うわ」
涙を拭った佑が微笑みを浮かべて言う。多輝はちらりと佑を見てからため息を吐いて股間から手を離した。
「まあ、そうなんだけど……でも何かすげえ気持ちよくて……」
由梨佳を抱く時にも勿論気持ちはいい。だが佑を抱いていた時のあの感覚は他の誰と交わった時にも味わったことのないものだった。まるでペニスが溶けてしまいそうなくらいに心地良く、それでいて快楽だけがやけに強いのだ。
「そんな風に言われると、恥ずかしいけど、ちょっと嬉しいかな……」
うっすらと頬を染めて佑が微笑む。その表情を見止めた多輝は慌てて自分のシャツのボタンを外し始めた。何事かと思ったのだろう。目を見張った佑を余所に多輝は慌ただしくシャツを脱ぎ、佑の肩に羽織らせた。
ただでは出来ない(お約束