「早く来すぎたかな?」
時計を見れば10時半。集合時間は11時。
今日はソラちゃんがデートに誘ってくれた。最近お互いに忙しい事もあって、久しぶりの二人きりの時間。浮かれてるのは私のほうだったりして。
「ふふっ」
なんか昨日デートに誘ってくれたソラちゃんの顔を思い出したら、嬉しくなっちゃうな。前々から計画してたみたいだし今日は満喫させてもらおうかな。
「まーしろさ〜ん!」
「ソラちゃん!」
小走りでやってきたソラちゃんは今日はいつもと違う普段着姿。向こうの制服と部屋着ばかり見てたから少し新鮮な感じ。
「ごめんなさい。遅れました!」
「ううん。私も今来た所だよ……っていうか、二人とも早かったね」
「ふぇ? あぁ本当だ、まだ早かったですね……えへへ」
ソラちゃんの笑顔を見ると私まで笑顔になってしまう。
「さぁ、行きましょう。ましろさん」
「うんっ」
…………*
「これとか似合うと思うの。どうかな? ソラちゃん」
「う〜ん……こんなにかわいい服、わたしに似合いますかね?」
少し苦笑しながら、ソラちゃんは手に取って鏡の前でかざしてくれた。確かにソラちゃんにはちょっと可愛すぎたかな。
「でも、気になるので試着してみますね」
「あ、試着室は向こうだよ。いこう」
「はいっ」
てこてこ歩いてソラちゃんは試着室へ入っていく。中で鼻歌交じりに服を脱いでいる音がする。
そういえば、お互いに忙しくてこうして会うのも久しぶりだなぁ。今日はソラちゃんから誘ってくれたのもあったし、ずっと楽しみだったのは私も同じかな。お洋服の後は、私が欲しかった化粧品を見て、それから食事をして、その後は……
『ましろ……っ……さんっ……』
『ソラ……ちゃん……っ』
「ぁ……」
思い出しちゃった。あ〜も〜……ちゃんと今日はそういうこと考えないようしてたのにぃ……どうして私はいつもこうなのかなぁ〜……。
今日は久しぶりに会えたからってすぐにそういう期待をしてしまう。さっき手を繋いでいた時だって実は内心普通じゃなかった。だって、ずっと触れてなかったソラちゃんにやっと触れられるんだもん。必然的にそうなるよ。
「……」
そうして気づいた時にはもう、私は試着室へ足が動いていた。
「え? あの、ましろさん?」
当然、私を見ながらまだ着替え途中のソラちゃんは頭にハテナを浮かべて首を傾げている。でも、そんなソラちゃんがどうでも良くなってしまう程に体が言うことを聞かなくなっている。
「ソラ……ちゃん」
「っ!? ……えと、ましろさん?」
なんの前触れも無く体を預けた私。今の私……どんな顔をしてるのかな。ソラちゃんはすっごく困ったような、分かってたような顔をしてる。そうして、そそくさと耳打ちしてくる。
『なんで、試着室に入ってきちゃったんですか!』
『ごめん……ソラちゃん……あの……ね?』
『はい、なんでしょ───』
ソラちゃんの肌を見た瞬間、私は我慢が出来ず唇を噛むように吸い付いた。そして、ゆったりと離れると熱くなった体を冷ますように息を吐いた。
『二人きりに……っ……なりたいっ……』
『っ!?』
ソラちゃんは私の表情を見るなり、大きく目を見開いた。
『なんて顔してるんですか……もう』
するり、と頬を撫でられてからはあんまり記憶がなかった。そのまますぐ着替えてお店を出て気づいたら、いつも使ってるホテルへ着いてたような気がする。
…………
「あうっ!」
ソラは部屋へ入るなり、投げ飛ばすようにましろをベッドで突き飛ばす。
「ソラ……ちゃ……」
「全く。いつからそんなに我慢が出来ない人になったんでしょうね」
「ぇ……っと……」
「今日のお店、中々予約取れないところだったんですがね」
「ごめん……ソラちゃん……」
「いいんですよ。もう。予定変更です。先にましろさんを頂きましょう」
組み伏せられて、ソラの片手がましろの胸を撫で下ろす。鋭い視線がどうにも心地よくて、ましろの体が暑くなる。氷が溶かされるように服が脱げていく。ましろの下着が顕になった頃、恥ずかしそうに身を寄せ胸を隠すように腕を組んだ。
「そんな隠さなくても。綺麗ですよ。ましろさん」
「またそんな事言って……ソラちゃんが悪いんだよ。私の事ばっかり気持ちよくするから」
「ましろさんが感じやすいのが悪いんですよ」
さっきとは違い優しく顔を擦り寄せて、頬へ軽く口付ける。ついでに舌を首筋へ這わせて感触を確かめる。
「ぁ……っ……ん……」
くすぐったいと気持ちいいの間。決まってソラは最初にこうしてくる。いつの間にかブラの中に手が入ってきてましろの胸がソラの手に掴まれる。片手に収まらない程の大きさになってしまったましろの胸はソラの良い興奮材料だ。
「ソラちゃ……んっ……!」
噛み付くようなキス。抉られるような舌のうねり。ましろはさっきから分かっていてやっているが、ソラはましろの誘いには全部乗ってくる。煽れば煽った分攻めてくれる。ましろはそれを知っている。だからずっと煽ってる。
「んんっ……! んぅ……っ、は……んぷぁ……はぁ……はぁ……」
酸欠になりかけてようやく体に空気が入ってきた。互いに酸欠になりかけながら、見つめ合う。垂れた瞳がソラを駆り立てる。なんだか少し必死に見えて可笑しいなとましろは微笑む。
「ふふっ……」
「え、な、なんですか?」
「ん〜ん。なんか可愛いな〜って」
困惑してるソラの頬を両手で包む。まるで犬を撫でるようにソラをあやす。
「今ですか?」
「うん。ソラちゃんって私の事好きだよね」
「そりゃあ、ましろさんですから……」
その笑顔が、その蕩けた顔が、閉じ込めておきたいほどに愛おしい。ベッドの上にいる時のましろ程フワフワで包容力のあるものは無い。ついそれに堕ちてしまいそうになるが、それを我慢し理性をある程度崩さず、欲望に忠実になるようソラはましろの体へキスを落とす。
「んっ……」
擦り付く肌と人の温度。それに当てられて、余計に昂るましろの膣が蜜を漏らす。少し恥ずかしそうに股を擦り寄せると、何かを察したようにソラはましろの足の間に自分の膝を入れる。
「あっ…………っ!」
つい声が出てしまった。とましろは口を抑えるが、わかっていたと言わんばかりにソラは妖しく笑っている。
「1人だけ気持ちよくなるなんでずるいですよ。ましろさん」
「ち……が……」
「違う? これが?」
「ひゃぁっ……!!」
押し込むように強く膝で膣を突かれてしまう。少し弄くり回すと快感がやってきて、ましろの体が反り返る。
「あぁ……それ。その声、その姿、凄い好きなんです。わたし」
ねぇ? ましろさん? と、ソラはましろの手を握り組み伏せていた手の力を余計に入れる。締め付けられる掌とずっと突き刺さる視線がましろを捉えて逃さない。そしてましろの視線はソラの懐へ向いている。
「見過ぎです。ましろさん」
「だっ……て。わかりやすいくらいにおっきくなってるんだもん。ソラちゃんのえっち……」
「それは……貴方がこんなに煽ってくるからでしょう」
繋がれていない方の手をソラの懐へ伸ばし、いきり立ったテントへ添える。布の上からでもわかるぐらいに大きく、硬く、強く、勃起しているテント。確かめるように撫で回すとソラは少し反応してしまう。
「ッ……ん……っ!」
ソラが感じている顔を見るとこちらまで息がアガってしまう。
「ソラちゃん……すごい顔、一旦ヌキヌキする?」
「いえ、ヌクなら、ましろさんの腟内がいいです」
ましろさんがいい。そう言われるだけで子宮がずっと熱くなる。ずくんずくん、と疼く下腹部を抑えて、ましろは体を起こす。
「ん……わかった。今日は私が上になる……ね?」
「いいんですか? 無理しなくても……」
「ん……今日はシテあげたい」
「そう……ですか、では───」
ソラの言葉を遮るようにましろはすぐさま唇を塞ぐ。聳え立つソラのテントを撫でながら、懸命に舌で口内を奉仕する。
こねくり回したり、互いの舌を撫であったり、少し吸い上げたり、いつもましろがされている事をやり返す。
「ん……ぷぁ……っ……んくっ」
口の周りが二人の涎でまみれた頃、ましろは口を離して唾液を飲み込む。妙に生々しいその仕草は余計にソラを昂らせる。ソラの視線に気づいたか。濡れてしまった自分の下着を見せつけるように手癖で視線を誘導する。
「見すぎだよソラちゃん。今日の下着、ダメになっちゃたよ。こんなに濡れちゃってさ」
くち、と下着に触ると愛液に塗れた手をソラの前へ出す。いやらしく粘っこい糸を引いて頭を溶かすような香りでソラのテントは痛いぐらいに腫れてきた。嘲笑うようにテントを撫で続けるましろはいつもの雰囲気とは違う。
「おっきくなってる……すごい苦しそう……」
ソラのズボンのチャックを開けると派手な効果音がなるようにソラのイチモツが飛び出してきた。
わっ、とましろは一瞬驚くもすぐさま目の色をピンクに変えてソラのイチモツを優しく撫でる。
「うっ……あっ……ましろさん、それっ……っっ……!」
「ん? こう?」
竿をゆっくり撫で上げるとソラの腰が連動して上がってきた。ゾワゾワと背筋に走る何かが分からない。嬉しそうにイチモツを撫でる下着姿のましろの顔が妙に艶やかでいやらしい。亀頭の首を指で撫でられカリカリと焦らすように弄られる。
「ましろさん……っ、そんなの何処で覚えて……ぅあっ!」
「いっぱい勉強したよ。ソラちゃんが喜んでくれるんじゃないかって」
片手で裏筋を指で押され、亀頭を指先で弄ばれ。
片手で竿を扱かれて。ソラのイチモツは既に限界に近い。
両手の刺激がそれぞれでやってくる。ソラはされた事の無い感覚にすぐさま白濁を吐き出した。
「っうぅ……!」
「わっ……」
二回三回と、脈打つイチモツが白濁を吐き出す。ましろの手を染める程の量を出したソラは自己嫌悪に陥った。
「いっぱい出たね。ソラちゃん」
「あの……まじまじ見るのやめてください。恥ずかしいっていうか、あの……なんとも言えない気持ちになりますので……」
「そう? 私は嬉しいけどなぁ〜」
そう言ってましろは自身の手を口へ運ぶ。
「っ!? ちょ! ましろさん!」
「んぁ……れろ……」
ましろは自身の手に着いたソラの白濁を舐めとる。拙い音をわざとらしく出して、妙に粘っこく舐めとる。夢中になるソラに気づいてか、またわざと音を出して啜りだす。
「じゅる……じゅるるる……っ」
「っ、っっ……」
「んくっ……んあ……」
全て飲み干すと、ご馳走様、と言わんばかりに口を大きく開けて見せた。
「全部飲んじゃった。えへへ。どう? 気持ち良かったかなソラちゃ───ひゃ」
言葉を遮るようにソラは顔色を変えて、ましろを押し倒した。
「そんなの見せられたらこっちのガマンが効かないんですよ。全く」
「わ……またおっきくなってる」
萎えるどころか逆に大きくなってしまったソラのイチモツをましろはまた撫でる。今にも飛びかかってきそうな勢いの顔でギリギリの理性を残しながらソラは踏みとどまっている。
「挿れたい?」
「もちろんです」
「ん……いいよ。奥までキて。ソラちゃん」
「ッ……!」
「あっ───!」
ましろの返事と同時にソラはましろの膣へ突っ込んだ。先程よりも少し大きくなったソレはましろの腟内を直ぐに満たした。亀頭が子宮口に着いた途端に子宮を潰さんとばかりに押し付けられる。
「っ、ましろさんっ……今のほんとに……っ!」
「あ、んっ……ソラちゃ……待っ……んぃっ……!」
出したいとか犯したいとか、もうそういうのではなくて。ひたすらにそこにいる『ましろ』という存在を汚したい一心でソラはましろを愛していく。
そんな風に必死に自分を犯す大切な人の余裕のない顔。ましろはそれが欲しかった。自分を愛してくれている証拠が欲しかった。いつも誠実で、真面目で、大切な。そんな人が自分の事を極限にまで求めてくれている。その感覚と実感が欲しかった。
「ふっ……ふふっ……ソラちゃんっ……あぅっ……!」
掌から笑って落ちていく体温と、腟内で暴れる欲望が、今のましろを満たしてる。
「ましろ、さんっ……!」
手綱を引いているのはどちらの方か。
愛し愛されているのはどちらの方か。
この時の二人には分からない。分からなくてもそこに居るだけでよいからそれでいい。温もりだけは感じられる。大切な人が『キて』と言うのだから底まで逝けばいい。
手と手を絡めて、言葉にせずとも。
ましろは感じて。
ソラは求めてる。
互いをずっと、互いをいつまでも。
「っあぁ……やぁぁっ……それ、そこ、やだぁ……!」
「なにがっ、ココですか? ん?」
「あぅっ……! ひゃぁっ……! お、おくぅ……きもちいいからァ……!」
嫌よ嫌よも好きのうち。とは言うが、ましろの場合は少し違う。嫌といったは場所が一番良いところ。ソラ自身もそれが行為中の常套句なのも理解している。実際今突いている所がぎゅうぎゅう、と締め付けてきているのは実感している。必死に締め付けてきて、射精を促してる。
「っ……!」
「あっ! ……やだっ……! こんなかっこ……あぁっ!」
ソラは耐えきれずましろの片足を広げ抱き上げさらにましろの奥までねじ込んでいく。
ましろの喘ぐ声。ましろの艶やかな身体がソラにとってどうしようもなく仕方がない。もう少し丁寧にスるつもりだったが、今のましろがどうしようもなく汚したい。汚く濡れて、汚く喘ぎ、自分の手で汚くする快感が欲しくなった。
「ましろさんっ……ましろ……っさんっ!」
名前以外言葉が出てこない。何度も何度も押し付けるようにましろの腟内へイチモツを擦り付ける。
「あっ、ソラ、ちゃ、んっ……!」
突くたびに腟内が締まって、ましろの声が大きく漏れる。この声も、今のましろも、今は全部ソラのもの。
「ソラちゃ……ソラちゃん……っ! きて……っ、奥まで来てぇぇ……っ!」
「っ……!」
奥まで来てとましろが誘い。
ソラは底へめがけて突き立てた。
「ごめんなさいっ……ましろさん、もう……っ……!」
「私もっ……わたしもぉっ……!」
「ぐっ……!」
「っ───っっ〜〜〜〜!!!!」
一際強くましろの腟内が締まると、ソラも耐えきれずにそのまま白濁を腟内へ吐き出した。
「ぁ……いっぱい、でてる……っ……」
「ごめ……なさ……ちょっと、止まんない……っ」
「うん……うんっ、出し切っていいよ。全部」
力が抜けたように被さるソラをましろはゆっくり抱きとめた。脈打つイチモツが落ち着いたのはもう少し先の事だった。
…………*
「えっと……ましろさん?」
就寝して目が覚めて、色々思い出した挙句我に返った私、虹ケ丘ましろはソラちゃんに向かって土下座で謝っていた。
「ごめん……ソラちゃん……ちょっと欲望に忠実になり過ぎた……」
「えぇ〜……」
なんとも言えないソラちゃんの返事。
何だか行為中の自分が自分じゃなかったみたいで後悔を手放せない。とんでもないって訳じゃないけど、さっきまでの自分はタガが外れてた気がする。多分ソラちゃんとシたのが久しぶりだったから……といえばそうはなるけど……。
「顔を上げてください。ましろさん」
「……怒ってる?」
「まさか。ありえません」
言われたとおりに顔を上げるとそこには普段のソラちゃんがいた。
「私も、ましろさんに惑わされてしまったようですね」
困ったような笑顔で私の頬に手を添える。ソラちゃんの暖かな手が少し気持ち良い。
「うぅ……そんな悪い女なんて私やだよ〜……」
「いえ、ましろさんになら惑わされてもいいかもしれませんね」
「むぅ……ちょっと揶揄ってるでしょ」
「そんなことありませんよ。その……わたしもましろさんと同じようになってしまった。って言いたいんです」
「え?」
そっとソラちゃんは私と一緒にベッドに倒れる。
「久しぶりに会えて、せっかくの二人きりの時間が出来たのをいい事にわたしもましろさんを独り占めしたかったんだと思います。だから、今日みたいなましろさんもわたしは大好きですよ」
「…………」
本当に。純粋で真っ直ぐな子。だから、私みたいなワガママになっちゃう人にすら光を当ててくれる。
「じゃ……じゃあさ。ソラちゃん」
「はい、なんでしょう?」
頬に添えられたソラちゃんの手を自分の胸へ運ぶ。なるべくぎゅう、と自分の胸に押し付けた。
「もっ、もっと……好きって伝えて欲しいって言ったら?」
ソラちゃんは少しキョトンと目を丸くすると、すぐさま笑顔に戻って私の上に被さった。
「もちろん。何度でも。好きだと言わせてください」
「うん……っ、いっぱい言って欲しい」
それから私達が帰ったのは次の日の夕方頃だった。
終わり。