※この作品はR-18です。

プリキュア SS   作:扇 漱真

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ソラちゃんは雨の日に性格変わる人だったらいいな〜って


ソラまし 『あめのせい』

「ただいま〜」

「うぅ……急に降ってきましたね〜」

 

 学校帰り。急な夕立に降られてしまい私とソラちゃんはずぶ濡れになって帰ってきた。玄関の靴を見るとおばあちゃんの靴がない。エルちゃんの靴もない。あげはちゃんの靴もない。皆でお出かけでもしてるのかな……? 今日は何も言ってなかったような気がしたけど皆が居ないことはわかった。

 

「全部ビショビショです……」

「今タオル持ってくるからね」

「ありがとうごさいます」

 

 何気にソラちゃんに雨から守られていた私はお風呂場からタオルを持ってきてそらちゃんに手渡した。ずぶ濡れになってしまっていつも晴れてる君の顔はまるで子犬のように弱々しい。きっとこれは『あめのせい』。

 

「夕立って言うんですよね。こう、急に降ってくる雨のこと」

「うん。通り雨っていう表現もあるよ。でも今は夏だから夕立の方が正しいのかな?」

 

 そこは私も曖昧でよく分からない。髪留めを外した濡れているソラちゃんはまた違った雰囲気に見える。思わず吸い込まれそうな程に。

 

「? ……ましろさん?」

「え! あぁっ! ごめんね! お風呂沸かしてくるからちょっと待っててね」

 

 思わず見惚れてしまっていた。ソラちゃん普段から普段から顔がイケメンなのに、水に濡れると余計それが際立ってしまう。水も滴るいい女。とは言うけれどソラちゃんの場合はただ単にイケメン度にバフがかかるだけだ。

 赤くなった顔を隠すようにお風呂場へ向かい、お風呂の温度設定をしていると、体を拭き終わったソラちゃんが入ってきた。

 

「ましろさん、タオルはここで良いですか?」

「あ、うん。カゴに入れておいて、洗濯するから」

「…………はい」

「ソラちゃん?」

 

 元気の無い返事に反応した瞬間。

 突然私は後ろに引き寄せられた。

 

「ソラ……ちゃん?」

「あ……その……ゴメンなさい……」

 

 いきなり抱き寄せられた私は何をされているのか分からずに停止してしまった。申し訳ないと思っているなら普通は退くのだけど、ソラちゃんの目の色がそうじゃなかった。多分もっと違くて、多分もっと浅いこと。私が感じてた視線の原因。それもきっと『あめのせい』。

 

「ましろさんの匂い……」

 

 項に鼻を当てて息を吸い込むソラちゃん。ちょっと恥ずかしいとかそういうのじゃなくて少し変態っぽい。それをされて嬉しいと思ってる私も大概だけどね。

 ソラちゃんは『雨』の日に良くこうなる。スカイランドでは雨なんて見なかったのか、雨の日は多分いつも違う雰囲気に飲まれてしまうんだと思う。

 

「あんしんします……」

 

 縋り付くように私を閉じ込める腕に力が入る。でも痛くはない。かと言って弱くもない。離さないように、潰さないように、壊れ物を抱いているように、私を抱き留める。

 

「ソラちゃん……濡れてるから後で……ね?」

「やです……今がいい……」

「ひゃっ」

 

 モゾ、と私の胸にソラちゃんの手が上がってきた。洗濯機の前でなんてことしてるんだって思うけど、上手に抵抗出来ない。体から力が抜けて前にもたれてしまう。電源の入っていない洗濯機に手を乗せて雨に飲まれたソラちゃんの手を受け入れるしかなかった。

 

「ましろさん……あったかい」

「ま、って……ソラちゃっ……んっ」

 

 ソラちゃんのよく言う『暖かい』。私に触れる度に言われてる。ソラちゃんにとって温度とはどういうものなのだろうか。後ろから抱かれている私は正面から来ない陽だまりの生ぬるさに喘いでいる。背中からくる体重と首筋に当たる吐息。溶けた氷のような生温さ。逃がそうにも逃がして貰えない拘束。服の中をまさぐられるのはよくある事だけど、制服となれば別。これがもし学校だったらと考えるだけで、私の体は勝手に昂ってしまう。これもきっと、『あめのせい』。

 

「ちょ……んっ……!」

 

 少し強引に顔を捕まれ唇を塞がれる。ソラちゃんて雨の日って毎回と言っていいほどこうなる。タイミングは違えど、その日のうちに何度かこうして求めてくる。雨の日になると弱っちゃうのかな? それはソラちゃん自身にしか分からない。濡れてる君の髪が私の髪と混ざり合う。

 着いて離れず銀の糸。触れる柔らかな君の肌。

 

「んっ……! んんっ……!」

 

 ゆっくり舌が入ってきて私の口を求めてくる。唾液を取り込むかのように。蛇のようにうねる舌。抵抗する手は咎められ、濡れてる私も『あめのせい』。

 

「濡れてるましろさん。すごく綺麗です」

「なんで、そんな……あっ!」

「ふふ、こちら(・・・)も、濡れてますね。雨で濡れてる訳じゃ無いみたいですが?」

 

 くち、と粘着質なぬめりがソラちゃんの手にあった。今すぐにでも引っぱたいてやりたかったけど、触られた興奮と嬉しさ。それと、好きな人が私のそばに居るという事実がいつも私を狂わせる。

 

「これも、『あめのせい』ですか?」

「そんなのっ……ソラちゃんが分かってるくせに。誰もいないって分かったから、すぐ触ってくるんだもん」

「抵抗してもいいんですよ?」

 

 勝てないのを分かっていて力を緩める。調子に乗っている顔に少しムッとなる。それとも、言われてる事は事実だし、誰もいないのも事実だし。私も狂ってるのも分かってる。

 

「返事は宜しいということで?」

「最後までする?」

「はい。最後まで」

 

 これも、きっと、『あめのせい』。

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