※この作品はR-18です。

プリキュア SS   作:扇 漱真

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ソラちゃんの彼氏を作りました。
たのちい、以下、設定です。


蒼華 颯真 (あおしろ そうま ♂)

 背丈はましろやソラと同じくらい。黒髪の短髪の少年。一人称は『俺』。ソラを呼び捨てにしてましろをさん付けで呼ぶ。しかし、敬語はヨヨとあげはにしか使わない。エルだけは『エル姫』と呼ぶ。
 性格は少し拗れていて、たまに吹っ飛んだ話をする時がある。しかし普通に話す分には何も問題は無い。
 自己犠牲を厭わず、むしろ自分から死にに行く程に自分への執着がない。本人曰く『俺以外の人間は俺より上』と言っており、自分の事より他人の事を優先する別ベクトルの人間。個人的にバッタモンダーが1番嫌い。

 とある条件下でしかプリキュアに変身できない特殊な人間。しかし、その正体はシャララの隠し子。現代人とスカイランド人の血が半分ずつ。しかし生まれて暫くはスカイランドで生活していたが、シャララが行方不明になったことによりましろの世界にやってきた。現代人である父親は他界して一人暮らし。父親の親戚からの仕送りで生活している。ましろ達と同じ学校に通っていて、学生生活はそれなりに普通。ソラやましろ達を戦っていく中でスカイランド人失踪事件を起こしたアンダーク帝国の残党との戦いに巻き込まれていく。
 その中で築いてきたソラとましろとの信頼は厚く、今はソラとましろ二人とも関係を持っている。

 ランボーグに襲われた時に赤ん坊の姿のエルを身を呈して守ろうとした時、スカイミラージュが現れた。
『自分を犠牲にしてでも誰かを守りたい』と願った時、それは颯真が戦士になる合図。そして、変身が解けるとスカイミラージュが消えてしまうため、ソラ達のようにスカイミラージュは普段持ち歩くことができない。
 しかしバッタモンダーとの決着をつけた時、ソラから貰ったプレゼントがスカイストーンに変化。本物の戦士として認められ、スカイミラージュも手に入れた。

 変身した後の名は『ルプス』。
『キュアルプス』とは一度も名乗らないが、便宜上は『キュアルプス』。
『全てを凪ぐ戦烈の風。キュアルプス』。
 琥珀色の瞳と灰色と白が合わさった戦士となる。
 牙と爪の力を駆使して戦う。基本的に肉弾戦が得意。しかし、浄化の力を高めると鋭い爪から斬撃を飛ばすことが可能。
 スカイミラージュを使ってエネルギー状の剣を生成する事も出来る。
 スカイミラージュを使って無数の狼の形をしたプリズムショットに似た性質の攻撃を放つ事が可能。狼達そのものがスカイミラージュであり、全ての狼の弾丸を当てると浄化できる。

 ソラ達を呼応する事でその姿を変えることが出来る。

 スカイと呼応した時は、青に変わり片翼のマントが現れる。
 スカイミラージュから一刀の力を得てそれを使い浄化する。

 プリズムと呼応した時は、白に変わり白装束に姿も変わる。
 スカイミラージュから一刀。プリズムの力を借りてもう一太刀の力を使い二刀で戦う。

 バタフライと呼応した時は、赤に変わり赤のマントを羽織る。
 バタフライと一緒に蹴り技を繰り出して浄化する。

 ウィングと呼応した時は、橙に変わり腰にローブのようなマントが現れる。
 ライダーキック。

 マジェスティと呼応した時は、紫に変わり燕尾服のような姿にもなる。
 堅牢な盾の力を得てマジェスティの前に立つ。



ソラ 散々なデート ヘテロ

「颯真! おはようございます!」

「おぉ、おはようソラ。お前休みの日だってのによく頑張るな。ここまで走ってきたのか?」

「はい! ヒーローたるもの、鍛錬は休みません!」

 

 曇りない青空が広がるソラシド市。ソラ・ハレワタールのランニングコースである彼氏の颯真の家。

 ソラは颯真の家へたどり着くなり挨拶に来てくれた。

 

「ましろさんの家からここまで結構あるだろ。体力ほんとよく持つよな」

「このぐらいならいつもと変わりませんよ。それに今日はエルちゃんのお散歩を兼ねてるんです」

「えるっ!」

 

 くるりと体を反転させると、背負われているエルが手を上げた。

 

「お、エル姫。おはよう」

「える!」

「つか、なんでうちに来たんだ? 散歩なら……」

「あ、そうでした! 近くでお祭りやってるみたいなので一緒に行きませんか? 今日はわたし達以外皆用事で居ないんです」

「あぁ、そういう事ね。わかった。準備してくる」

「はい!」

「えるっ!」

 

 …………

 

「ごめんなさい。突然押しかけてしまって。先に連絡するべきでしたね」

「いいよいいよ。どうせ土日は暇でやることないし。つか、今日はジャージじゃないんだな」

「そ、そりゃあそうですよ! 今日は颯真と出かけるために来たんですから!」

「っはは、そりゃそうか……お? あれか?」

 

 チラシを見ながらその場所まで歩くと、着いたのは商店街。今日は商店街全面を使ったお祭りが再開されていた。道行く人々の多さが商店街の盛り上がりを物語っている。

 

「そっか、今日だったか商店街のお祭り」

「はい。チラシを見て颯真の家の近くだってすぐに分かりました。さぁ行きましょう!」

「える〜!」

 

 ソラの号令と共にエルも小さな拳を空に掲げた。

 

「さぁ、まずは何から食べますか?」

「いきなり食べ物かよ。あぁ、でも確かに腹減ったな。たこ焼き行こうぜたこ焼き」

「いいですね! 行きましょう!」

 

 …………

 

『きゃぁぁ!!』

『にげろ!!!』

 

 颯真達が屋台で買ったたこ焼きなどで食事をしていると商店街の奥の方が段々と騒がしくなってきた。不思議に思い、二人は一緒に視線をそちらへ向ける。

 

「なんか催し物あったっけ?」

「いえ、チラシにはそのような事は……っ!?」

『ランボォォォォグ!』

 

 商店街の奥の方から、何故かランボーグが現れていた。次々と屋台と商店街を破壊している。

 

「ランボーグ!? なんで!?」

「ダークエナジーの残骸から……? 颯真っ! エルちゃんを頼みます! わたしが片付けます!」

「気をつけろよ!」

「はい! ───スカイミラージュ!」

 

 …………

 

「リア充なんて爆発するの〜ねん!」

 

 暴れ回っているランボーグの肩に乗っているのカバトンは執拗にカップルを攻撃していた。

 

「カバトン! 馬鹿な事やってないでお家に帰ってください!」

「出たなプリキュア! お前達も爆破するのねん!」

「うわわわっ!」

 

 …………

 

「えるっ!」

「なんだ? どうしたエル姫っ……っ!」

 

 颯真が避難する一方、エルが指を指す方を見ると、スカイがランボーグとカバトンに挟み撃ちされているのが見える。表情を見ると、二対一でかなり苦戦を強いられている。

 

「っ……俺にも出来ることがあれば……でも……」

「えるっ!」

「あっ! おい、エル姫っ!」

 

 エルが颯真の手から離れると少女へ姿を変えスカイの元へ走り出す。

 

「私も行く! 颯真は逃げてて!」

「え、ちょ……あ〜……もうっ!」

 

 …………

 

「リア充は爆発するのねん!!」

 

 カバトンは相変わらず意味のわからないことを言いながら商店街を破壊していく。そのランボーグの猛攻にスカイは防戦一方だった。

 

「スカイッ!」

「マ、マジェスティ!? どうして!」

「見てられなくて! 一緒に戦うよ!」

「お願いします!」

「増えたな、プリキュア! ランボーグ!」

『ランボォォォグ!』

 

 ランボーグが一際大きな雄叫びをあげると、体を生成しているダークエナジーから何かが四散した。それらが地面に落ちると、ダークエナジーで出来た人型の小さいランボーグが現れた。

 

「増えた!?」

「こンのっ!」

 

 スカイが握りしめた拳を振るうと、小さいランボーグは直ぐに浄化された。だが、一体消しただけでは状況は変わらない。しかもまだ逃げ遅れた人もいる。小型のランボーグは二人では処理しきれない量へ増えていき、完全に囲まれてしまった。

 

「くっ……」

「どうしようスカイっ……」

「どうしようと言われても……」

 

 四方を囲む小型のランボーグとその向こうでは暴走を続けるランボーグ。そのランボーグの手前には泣いている小さい女の子。

 

「っしまった!」

「危ない! 逃げて!」

 

 声をかけても当然女の子は恐怖で体が動かない。本気で踏み込んだとしても、スカイもマジェスティも届かない距離。助ける体勢にはなっているものの、間に合わないのは確実。そうして、スカイが手を伸ばした先には怯える女の子とそれを庇う颯真だった。

 

「颯真!?」

『ランボォォォォグ!』

「やっべ! 無理かっ!」

 

 庇ったのは良いが抱えて走る隙がなかった。目の前にまで来ていたランボーグの攻撃に颯真は女の子の盾になるしかなった。

 

「颯真! 逃げて!」

(俺は死んでもいい! でもこの子だけは……っ!)

 

 そう思った時。それは、颯真も戦士として戦う合図。

 

「っ!?」

 

 体が、心臓が、大きく跳ねて目を見開いた。

 

『ランボぉぉぉグ!』

「颯真ぁっ!」

 

 スカイの救援も虚しく、ランボーグの一撃は確かに颯真と少女がいた所を叩きつけていた。しかし、そこに居たのは潰れた残骸ではなく、ランボーグの一撃を受け止め、少女を守る一人の戦士の姿だった。

 

「っ!?」

「あ、あれって……」

 

 それは戦士へと姿を変えた、颯真だった。

 

「またこれか……よしっ! ───っおら!」

 

 受け止めたランボーグの拳を放り投げ、蹴りで突き飛ばした後、少女を立ち上げる。

 

「大丈夫かぃ? 怪我はない?」

「うんっ」

「あっちに隠れてて。出てきちゃダメだよ? 危ないからね」

「わかった!」

 

 少女は近くの人達が避難している建物へ走り去る。

 

「颯真!」

「ソラ、俺は大丈夫だ」

「颯真、その姿は……」

「あぁ、また使えるようになったみたいだな。なんでかは分かんないけど」

 

 琥珀色の瞳に灰色の髪。灰色の装飾。その腰に不完全な状態で具現化しているスカイミラージュ。これが颯真の戦士としての姿『ルプス』。颯真は特定の条件でしか変身できない。庇っていた少女を守ろうとした時、それが変身の合図になったようだ。

 

「とっとと片付けるぞ。ソ───んっ?」

 

 と、ソラの名を呼ぶと颯真の唇に人差し指を突き立てられた。

 

「この姿の時はちゃんと『スカイ』と呼んでくださいっ」

「え? あぁ、そうだったな。行くぞ。スカイ」

「はいっ!」

「ちっちゃいのは私に任せて!」

「頼むぞ、エル姫!」

 

 二人は同時に踏み込んで、ランボーグへ攻め出す。それぞれ別れて、ランボーグを挟み込む。

 

『────!!』

「っ!」

「はっ!」

 

 踏み込んだ二人は一気にランボーグへ間合いを詰めた。スカイは得意のパンチを繰り出し、颯真は回し蹴りを食らわせる。

 

『──!! 、!』

「なにやってるのねん! こんなヤツらに手こずるんじゃない!!」

『──ー!!!!』

 

 カバトンが号令を掛けると、ランボーグは再び小型のランボーグを増殖させ、スカイと颯真の前に壁を作る。これでは、ランボーグへ近づくことが出来ない。一体一体消していても埒が明かない。

 

「またっ……!」

「任せろ!」

 

 颯真が自身の腰に着けているスカイミラージュを握る。それを空へ掲げると颯真の姿がスカイと同じ衣装の色へ変わる。それと同時にスカイミラージュから、巨大な大剣が出現する。スカイミラージュを柄にしてその大剣を両手で握る。

 

『スカイッ……ソードッ!』

 

 袈裟斬りの動作で凪ぎ払う。

 蒼き一閃が邪気を払う。目の前に現れた小型のランボーグの壁はたちまち消え去った。目の前に開いた道を見て颯真はスカイへ呼びかけた。

 

「行け! スカイ!」

「はいっ!」

『──ー!!!!』

 

 ランボーグは腕を何本か生やし、鞭のようにしならせて振るってきた。二人はそれを避けながら着実にランボーグへの再度、距離を詰めていく。くぐり抜けた腕が最後の一本になった時、颯真はそれを受け止めて、逆に引っ張った。

 

「っおら! こっち来い!!」

『──ー!!??』

 

 ランボーグも突然の事で困惑していると、目の前にはもう既にスカイが構えていた。

 

「はぁっ!」

 

 構えていたスカイは渾身の拳を叩きつける。衝撃波と殴りつけた轟音が轟くとランボーグは勢いよく吹き飛ばされる。が、颯真はまだその伸ばした触手を持っている。吹き飛ばされたのを見るとニヤリと笑って再びスカイの方へ引っ張った。

 

「おらもう一発っ!」

「はいっ!」

 

 まるでけん玉の要領でランボーグを殴りつけ、引き戻す。そうして、ランボーグがボロボロになった頃に、颯真はスカイを呼び戻した。

 

「打ち上げるぞ!」

「了解です!」

 

 スカイと颯真は並び立ち、拳を構える。

 スカイは右手、颯真は左手を、渾身の力で握る。それと同時に颯真の姿が青色へ変わる。

 

『『スカイ───パンチッ!!』』

『──ー!!!』

 

 ニ撃のスカイパンチで打ち上げられたランボーグの目の前には既にマジェスティが手刀を作り構えていた。

 

「「マジェスティ!」」

『ひろがるマジックアワーズエンドッ!』

 

 煌めく紫線の横一閃がランボーグを浄化した。

 澄み切ったランボーグを見届け、颯真達がカバトンへ向き直るとその眼光にやられて向こうはすぐさま逃げ去った。

 

「覚えてろリア充共が〜!!」

 

 スタコラサッサと逃げてくその背中を見送ると、颯真はそのあっさり具合に首を傾げた。

 

「……なんだ? あっさり帰ったな。何しに来たんだよアイツ」

「なんか『リア充爆発しろ〜!』って言ってましたね」

「……っと! ねぇ、さっきから言ってたリア充って何?」

「あ、それわたしも気になりました。知ってますか? 颯真」

「えっ」

 

 二人に視線を合わせられて、颯真は苦笑した。

 

「あぁまぁ、帰ったら説明するよ」

 

 …………

 

「あぁ〜! 美味しかった! いっぱい食べた!」

「良かったですね、エルちゃん。わたしも楽しかったです。カバトンさえ来なければ……」

「あはは……まぁな」

 

 カバトンを撃退してすぐ、颯真達は元に戻った商店街を再び一周して帰宅していた。背伸びをするエルを見ながら、颯真とソラはカバトンのせいで苦笑した。満腹でご機嫌なエルの手には沢山の出店の商品がぶら下がっている。どれもこれも、ランボーグを倒したお礼として貰ったものだ。

 

「いっぱい貰ったし帰っても食べる!」

「温め直してからな。エル姫」

「うんっ!」

「エルちゃんはいっぱい食べてすくすく育って欲しいですからね」

 

 元気いっぱいなエルの笑顔を見ると、ソラも安心したのかお腹から随分と長い空腹の音が鳴った。

 

「ソラ……?」

「ま、待ってください! 今のは違うんです! 今のはえっとあのそのえっと……!」

「コンビニ寄ってくか?」

 

 颯真が笑いかけると、恥ずかしさのあまりソラは顔を赤くして伏せてしまった。

 

「……はい」

 

 …………

 

「よく食べて、よく寝ますね。エルちゃんは」

「あぁ」

 

 家に帰ってきてからは、直ぐに貰った食材で晩御飯。颯真とソラがひと工夫加えるだけのシンプルな味付けにエルは終始笑顔で平らげてしまった。その後にエルは直ぐに就寝。まるで電池が切れたように眠りについている。

 

「寝室に運んでくる」

「はい分かりました、後片付けしておきますね」

「ありがとう」

 

 エルをお姫様抱っこで抱えて、リビングの隣にある客室の寝室へそっと寝かせる。布団を掛けてやると、『んぅ……』と愛らしい声を出してゆっくり眠りについた。

 

「おやすみ。エル姫」

 

 再びリビングへ戻ると、ソラは食後のティータイムだった。

 

「はい。颯真の分も入れましたよ」

「ありがとう。ソラ。いただきます」

 

 

 

 

「ソラ……それ」

「はい?」

「怪我、治ってないな」

「え? あ……そうですね。いつもは変身を解いたら治っているはずなんですが……」

「全く……あのランボーグ。女の子を傷つけるなよってな」

「あはは……ランボーグはそんな事考えませんよ」

 

 そう言って颯真は忌まわし気に傷口を睨む。さっきの戦闘で出来た傷。太ももの外側。先程の無数に線となって飛んできた触手が掠れて出来た傷だろう。そんな傷を負わせてしまった自分の甘さに颯真は少し憤りを感じていた。

 

「まぁ、いいさ。手当するから、動くなよ」

「えや、いいですよ、これぐらい……」

「ダメだ。女の子なんだからもう少し自分の体を大切にしろ。ココだけだよな? 傷」

「そんな大袈裟な……ひゃぅ! ♡」

「えっ」

 

 太ももに触れた瞬間、ソラからはあまり出てこない女の子の声が出てきた。突然の出来事に二人は固まってしまった。

 

「お前……」

「だ、だって、場所が場所ですし……」

 

 ソラは恥ずかしそうに顔を逸らして口を隠す。

 颯真は行き場所が無くなった手をその場で留めている。 エルが寝ているから良いものの、今そういう雰囲気になりかけている。確かに傷の場所は足の太もも。ソラがあまり触りなれていない場所。恥ずかしそうにモジモジと足を擦り合わせているのを見ると、颯真も気が気じゃなくなってきた。

 

「お前、人がせっかく善意で言ってるのにな」

「なっ……そ、その言い方だとわたしの方がアレみたいじゃないですか!」

「アレって何?」

「いや……っ……それは……その……」

 

 口篭るソラを他所に、颯真の手はまた太ももに触れる。

 

「怪我した所触られて、興奮してるとか?」

「っっ!!」

 

 その悪戯な颯真の笑みにソラはますます顔を赤くする。

 

「ちょ、ちょっとほんとにやめ……」

「はい。残念」

 

 ソラが颯真を抑えようとして手を伸ばすが虚しくもそれは止められてしまった。

 

「やめるわけないだろ。これはお前が悪い」

「ひゃっ……」

 

 ドン、とそのまま床に押し倒される。颯真の表情は完全にソラにイタズラをしようとしている顔だった。押さえつけられた手はいつの間にか繋がれていて、ソラも抵抗できるがその態度は示さない。

 

「いやなら、押し退けてもいいんだぞ?」

「っ……わかってるくせに……」

「どうだか」

「ん……」

 

 軽くキスで仕掛けてみる。舌を入れないただ触れるだけのキス。唇を離して顔を見ると、ソラはまだ物足りないと視線を熱く向けてくる。さっきまであんなに男勝りなイケメン顔を晒していたのに、今はこんなにも女の顔をしている。そのギャップに颯真は悶えそうになるがそれを堪えて、再びソラへキスをする。

 

「んっ……んん……」

 

 繋いでいた手を離して二人はお互いの体へ腕を巻き付けた。啄む位程度のキスがいつの間にか溶け合うような深さまで堕ちていた。舌を入れて、口を舐り、体を押付け、抱きしめ合う。ソラはこれをするだけでいつもフニャフニャになってしまう。

 

「んぷァっ……はぁ……はぁ……」

「お前……ほんとにエロすぎ……」

「……もう少しデリカシーってものがないんですかあなたは。このケダモノ」

「それでいいんだよ。俺はお前にドキドキしてる。ずっと」

「ほんとに?」

「ほんと」

 

 鼓動の高鳴りを証明するかのように、颯真は再びソラへ口付ける。口内を舐りながら、ソラの服に手をかけ捲っていく。全く抵抗せずに服を捲られたソラはまた恥ずかしそうに顔を逸らした。その理由はソラの下着が何ともまた気合いの入ったものだったからだ。

 

「っ……あんまり見ないで欲しいです……」

「なんで? 綺麗だし、似合ってるよ。勝負下着ってやつ?」

「だっ! ……からぁ、言わないでって言ってるじゃないですかぁ……」

「当たりだな」

 

 ちょっと泣きそうな顔になっているソラを他所に、颯真は少し興奮気味に鼻息を荒くして、適度な大きさのソラの胸に触れ、キスを落とす。

 

「んっ……」

「綺麗な水色。ソラの色だな」

「皆で買い物に行った時に……ちょっと気に入ってしまって、それで……」

「てことは下も?」

「まぁ……はい……」

「いいじゃん、似合ってる。すげー興奮する」

 

 颯真の言葉にソラはふにゃりと笑顔に溶けた。

 

「えへへ……さいてーです。ひどいですっ」

「なんで嬉しそうなんだよ」

「だって、わたしで興奮してくれたんですよね? なんかちょっと恥ずかしいのに嬉しくて」

 

 そこにあった布団を抱き寄せて口元を隠して少しひけらかす。その表情は颯真の欲を駆り立てるのには充分な材料だった。

 

「ホントに……お前は……」

「え、ちょ、颯真……?」

 

 颯真は幸せなため息を吐くとソラにゆっくりと抱き着いた。確かめるように、馴染ませるように。壊れ物を抱くように。

 こんなにも強く、こんなにも美しく、こんなにも愛おしい。目の前にいる手で触れられる太陽は、女神のように美しく少女のような無垢な笑顔。自分にはもったいないと感じずにはいられない。それでも、颯真にとっては憧れであり、恋人。手を繋いで、共に歩み続けていく存在。

 ソラへ気持ちを伝えた時、ソラは笑顔で受け入れてくれた。アンダークの残党に捕らえられた時も死にものぐるいで助け出した。黒く染った時も本気で対峙した。

 

「ホントに好き。どうにかなりそうなぐらい」

「はい。わたしも、好きです」

 

 颯真は言葉はあまり好きじゃない。いくら伝えた所で伝わらない可能性もあるからだ。自分のボキャブラリーの少なさもあるが。だからこうして、態度で示すことが多い。相手に直接触れる事で伝わっているかどうかが分かる。でも、ソラは言葉だけでも反応してくれる。ありがとうも好きも全部受け入れて、応えてくれる。

 

「ホント……俺には勿体ないよ」

「え……?」

 

 颯真がポソリと呟くと、ソラは首を傾げた。なんでもないと促すようにソラの髪止めを外して靡き下りる髪を撫でる。指で絡めとって確かめるように口付ける。

 

「ホントにわたしの髪……んっ……好きですよね、颯真」

「嫌?」

「嫌では無いですけど……」

 

 と、見つめてくるその手はまだどこか違う場所を求めている。

 

「まぁ、そうだな……」

「そ───んぅっ」

 

 セリフすらも曖昧で、ただそこにいるものを求めるようにソラへ被さる颯真の顔には少し余裕がなくなっていた。啄むように唇を重ねて、確かめるように口内を舌で舐る。ソラの体温のせいか、少し瞼が落ちてきた。それは、ソラも同じことだった。

 

「そう……ま……」

 

 涙目で名前を呼ぶ。それはソラが限界になった時の合図。喉を鳴らすだけの返事をして颯真は引き出しからゴムを取り出す。

 

「ぁ……それ、わたしが付けます」

「え? いいよ別に」

「んぅ……やらせてください」

 

 そう言って、ソラは開けたゴムを口にくわえて、颯真のイチモツへ口付た。

 

「ん……」

 

 口にくわえる時と同じ要領で、ゆっくりとイチモツを飲み込むと綺麗にゴムが付けられてしまった。颯真はこんな事いつ覚えたんだと言いたくなったがそれ以上に興奮してしまった自分を少しだけ嫌悪した。がしかし、ソラはそんな颯真も知らずにイチモツを頬ずりしている。こうなったソラはとことん乱れてしまう。

 

「そんな欲しい?」

 

 イタズラな顔をしてソラを見下ろすと、なんとも言えない恍惚とした表情でソラは頷いた。

 

「ん……」

「っ……わかった」

 

 ソラの表情に引っ張られ颯真の口角も上がってしまった。こういう時のソラは颯真が思ってる以上に甘え上手でしおらしい。颯真はソラのそのギャップに惹かれているのも事実だった。

 

「入れるぞ?」

「……はい」

 

 颯真はイチモツをソラの入口にあてがって、押し込んだ。

 

「んっ……っ……あっ入っ……てぇっ……」

(相変わらず……狭っ……)

 

 少しでも気を緩めたら、押し返されそうな程に締まる膣。腰を押し付け、膣の中へ入れば入るほど背筋に快感が走る。まだ二人が性行為自体あまりしてはいないせいで、ソラの膣はまだ完全に解れていない。

 

「はぁ……っ……あぁっ、全部……入った……ぁ?」

「あぁ、全部入った。辛くない?」

「はい。大丈夫です……えへへ」

 

 もう少しこのまま、と颯真はソラの頬を撫でるがその温もりに蕩けたソラの顔が引き金となり、颯真の理性は吹き飛んでしまった。

 

「ごめん……ソラ」

「はい? なんの───ひぃぁっ!?」

 

 ズン! 、とソラを突き上げる。

 

「あっ! ま、まって、そうまっ……! そんないきなりはだめぇっ……!!」

 

 大きくソラの膣を突き上げるとそこからタガが外れたように腰を打ち付けた。ゆっくりなんてどこへやら、獣のように腰を振り、ソラの膣へ自分の欲望を叩き付ける。

 

「ソラ……っ、ソラ……!」

「あっ……! ま、やだっ……颯……まっ……! そんなっ、いきなりぃ……っ!」

 

 ソラの声は颯真に届いていない。大きく揺れ動くソラの体、弾むように揺れるソラの胸。いっぱいいっぱいで涙目で見つめてくるソラ。それらは全て颯真の性欲を掻き立てる。自分の物だと刻むように、ソラへ打ち付ける。

 

「そぉ……まぁ……っ!」

「ッ───!」

「は……ァ、ンッ!」

 

 堪えられず噛み付くようなキス。ソラは颯真の首に腕を回して受け入れる。ぐにぃ、と胸を揉みしだかれ口の中を舐られる。顔を見るために一度口を離すと、二人の涎でソラの顔は穢れている。だらしなく喘ぐソラの表情は颯真の性欲を強く刺激した。

 

「そ、ら……!」

「はぁ、っ……あぁっ!」

 

 堪らず、抱きしめるように組み敷いて、ラストスパートをかけていく。ソラも快感の強い波に耐えられそうになく颯真に爪を立てるように抱きついた。

 

「颯真っ! ……そぅ……まっ! ……ィ、くっ! ……っっ〜〜〜〜ッッ!!!」

「っ……あっ……!」

 

 颯真が一際強く腰を打ち付けたかと思うと、二人は同時に果てた。脈打つイチモツを奥の奥まで押し付けて、ソラを離さない。ゴム越しでも分かるほどに腟内が満たされていく。その感覚にソラは心地良さを覚えてきたのも最近の話。

 

「ぁ……で……てる。いっぱい……」

「ごめん、ソラ……とまんな……いっ……」

 

 しばらく抱きついたまま、二人は射精が終わるまで離れなかった。

 

「すごい……いっぱいですね。颯真」

「過去最高記録かもな……」

「これが本当にナカに出されてたら……デキちゃってましたかね?」

「やめろよ……余計にシたくなるだろ……」

「ケダモノっ……んっ」

「うるせっ」

 

 決まって終わりはいつもキス。

 それをすれば、二人の時間が一段落する。

 

 

 …………

 

 

『そうか、順調ならいいんだ』

「お母さん……そんなあからさまにニコニコしないで欲しいんだけど……」

 

 所変わって颯真の自室。ミラーパッドを使いシャララへの定期報告。ルプスの力を手に入れた颯真はスカイランドへの定期報告が義務となっていた。ソラから借りたミラーパッドに映るスカイランドのシャララは颯真の顔を見るなり、笑顔が止まらない。

 

『何を言うんだ。大事な息子の恋事情なんて親には大好物だろう?』

「だからって、そんなにニコニコされるとこっちもこっちなの。普通に恥ずいんだよ」

『そうか。で? そこで横たわっているソラからは何かないのか?』

「はひっ!?」

「バッ……お前出てくるなよ! せっかく隠してたのに!」

「ごごご、ごめんなさい! 流石にシャララ隊長のお話は無視できないといいますか……」

「今はプライベートなんだからいいんだよ! 仕事の時は別だろうけど!」

『っはははは! 楽しそうでなによりだ。私も嬉しい、元気な声が聞けて良かったよ。颯真』

「その微笑ましそうな顔がちょっとアレだけど、まぁお母さんも元気そうでよかったよ。そっちは忙しくないの?」

『ん? あぁ、私も復帰しているよ。暫くは机仕事だがな』

「こっちにはいつか来るの?」

『暫くしたら休暇が取れる。その時にそちらへ行くつもりだ。あの人にも会いに行きたいからな』

「うん。わかった。ならまた連絡してよ」

『あぁ、おやすみ。颯真』

「うん。おやすみ、お母さん」

『ソラもな』

「は、はいっ!」

 

 そう言って、ミラーパッドは普通の鏡に戻った。

 

「緊張しました……」

「そうか? 普通の人だぞ?」

「颯真にとっては母親ですから。でも、わたしにとっては憧れの人です」

「憧れ……か。確かにそうだな。俺とは違う。俺は他の人よりも───んっ」

 

 颯真がいつもの癖で自分を否定しようとするとソラが颯真の口に人差し指を当てる。

 

「はい。そのセリフは無しです」

「むぅ……」

 

 颯真は少々納得がいかない様子で口を紡ぐ。

 

「颯真はわたしに憧れてくれたんです。だから、マイナスなセリフはなるべく吐かないように」

 

 ちっちっち、と指を振り颯真へ教え込む。ソラのまるで自分が師匠にでもなったかのような振る舞いに颯真は少し呆れたように笑った。

 

「ホントにポジティブヒーローだな。お前は」

「悪いですか?」

「いや、そういう所が好きなんだなって思った」

「はい。わたしも素直な颯真が大好きです」

 

 そう言って、二人は抱き合い、ベッドへ落ちていく。

 

「それにしても散々なデートでした……」

「ん? 今日か?」

「はい。まさかランボーグが出るなんて……」

 

 しょんぼりしたかと思えば、颯真にぎゅう、と体を押し付けてきた。颯真は何ともなしにソラの受け止め頭を撫でる。どうやら、今日はソラ自身が楽しみにしていた予定だったらしい。エルを連れてきたのはたまたまだったが、今日のお祭りのことはチラシで見てからずっと颯真を誘って行くつもりだったようだ。

 

「まぁ、いいじゃんよ。色々貰ったしさ」

「そうですけどぉ……もっと普通のデートがしたかったんです」

 

 と、ソラの言葉に颯真は小さく吹き出した。

 

「ぷっ……エル姫連れてきたのにそれ言うか?」

「エルちゃんは良いんですよ! 別枠です!」

「まぁ、家族みたいなもんだしな。その考えは同感」

「ん〜!」

 

 それでも納得いっていないのかグリグリと颯真の体に頭を押し付けるソラ。はいはいと少し呆れたように受け止めながら、颯真はなにか思い出したように小さく声を漏らした。

 

「あ、ならお主にチャンスをやろう」

「なんですか急に?」

「ちょっち待ってな」

「?」

 

 と、ベッドの横の引き出しを漁ると、なにかのチケットを3枚取りだした。

 

「これな〜んだ?」

「これ……ま、まさか! ソラシド市に新しくできたって言うあの超人気水族館のチケットですか!?」

「そ、せーかい。またまた当選してさ。今度ましろさんも誘って3人で行こう」

「ほんとにですか! 行きたいです! やった! やった!」

 

 チケットを受け取り、子供のように喜ぶソラを顔を見て颯真もふっと頬を緩めた。さっきまでの色っぽい表情はどこへやら、今はまるでおもちゃを買ってもらった子供のよう。戦士としての顔は凛々しく、女のしての顔も颯真の目に焼き付いている。颯真はソラの髪を撫でると小さく呟いた。

 

「なんですか?」

「ん? 好きだな〜って」

 

 ソラはそれを聞くと少し目を見開いて、また赤くなった顔を布団で隠し笑顔になる。

 

「えへへ……わたしも、大好きですっ」

 

 




「おかえり。ソラちゃん(圧のある笑顔)」
「ま、ましろさん……」
「エルちゃん連れて朝帰りはダメだって、何回も言ったよね?しかも私に黙って二人で楽しんだんだ…(プリズム、マキシマムドライブ)」
「ま、待ってください!これをッ!これを見てください!颯真から今度3人で水族館に行こうって誘われました!その時に…!!」
「ほんと?」
「ほんとです!絶対です!神に誓います!」
「………わかった」
「ほっ…」
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