一目惚れってやつだった。
だけどそれは、遠い星を眺めて見惚れるような、ささやかにして遠すぎる恋。
通っている高校の、通学に使う電車の中に、その女性は乗っていた。ルーチンを大事にするタイプなのか、いつも同じ車両に、同じ時間帯に乗る。
茶色のロングヘアの、色っぽくて、だけど可愛らしい印象のお姉さんだ。上品に言えば、とてもスタイルがいい。ストレートに評してしまえば、とてもエロい体をしている。出るとところが、とても出ている。特に胸。爆乳と評してもいいくらいの二つの膨らみは、いつもお姉さんの上着やシャツをこれでもかと押し上げている。だけど太っているわけではなく、故に妖艶とした雰囲気もあるのだが、顔立ちは案外幼く可愛いものだから、そのギャップがかえってそそられる。
僕はお姉さんが気になってしょうがなかった。というか、好きになっていた。
お姉さんのことを考えながら、オナニーをしたことは、一回や二回ではない。
毎日エロくて可愛いお姉さんを見られるだけで幸せだった。まあ、意図して同じ電車に乗るのはちょっとストーカーじみて自己嫌悪に陥いたけれど。向こうは気づいている様子もないから、継続していた。
お姉さんと僕は赤の他人同士。接点はない。
だから、憧れは憧れのままで終わる。そう思っていた。
★
転換期は唐突に訪れる。その日、僕は野郎友達とゲームして、徹夜をしていた。偶然電車の中で座れたこともあり、僕は眠気に委ねて眠った。
最初、妙に柔らかい感触が、もたれていた右側にあるなと思った。ふにゃりと、それでいて温かい感触。心なしか良い匂いもしたような気がして。そして何故か、僕の下半身はそれに反応していたのだ。
「っ」
気がついて、僕は動転した。袖仕切(尻もたれ、電車の端のアレです)にもたれたお姉さんのお尻を枕に、僕は眠っていたのだ。慌てて体を起こす。まずいまずい。これじゃあ痴漢じゃないか――と、思ったが。冷静に考えると、少しおかしいことに気がついた。たしかに僕は端の座席でもたれるようにウトウトしていた。だけど、袖仕切に寄りかからなければ、頭はお姉さんのお尻を枕にすることはないのだ。それなのに、何故わざわざ寄りかかったのだろう。しかも元々寄りかかっていたのは、僕の方なのに。
「……」
お姉さんが降りる駅になって、その背中を見送る。一瞬、目が合ったような気がして、僕の心臓は大きく高鳴った。お尻の感触の余韻はまだあって、ズボンの中でペニスが苦しそうに勃起していた。
その日の夜、僕は二回オナニーをした。お姉さんのことが、頭から離れなかった。
★
次の日もお姉さんと同じ電車になった。僕は開かない方の扉の前に立っていて、お姉さんはその前の吊革を使って立っていた。
「「……」」
いや、この近いポジションって偶然? それとも……なんて、期待をしてしまう。
携帯を見ているフリをしながら、意識はお姉さんばかりにいく。だけど、昨日の出来事もあって、いつものように無遠慮な視線を向けることが出来ない。逃げるように周りを観察する。よく見ると、お姉さんを見ているのは僕だけではなかった。チラチラと、野郎共が無粋で下品な視線を向けているのがよくわかる。可愛らしい顔や良好なスタイルというよりは、胸ばかりを見ているのだ。だが、気持ちはわかる。僕も同類だ。
電車が少し急停車した。車内が揺れる。お姉さんはバランスを崩して――僕の胸に飛び込んだ。甘い香りと、柔らかな体の感触。そして大きな胸の感触が体に当たって、頭の中が真っ白になりそうだった。
「ぁ、ごめんなさい」
お姉さんがか細い声でそんなことを言って。その顔は、ひどく真っ赤であった。僕は勇気を振り絞った。受け止めるどさくさに紛れて、手をぎゅっと握ったのだ。お姉さんはその手を離さず――握り返して、くれた。
「っ!」
夢みたいな出来事だった。そんな奇跡みたいなこと、起きるのかって。僕は唾を飲み込んで、お姉さんと一緒に駅を降りた。
胸の鼓動がうるさかった。お姉さんは手を引かれるままにされている。だけど、途中で我に返って、雑多としたホームで僕は手を離した。
「わわ! というか、すいません!」
「あはは。いいんだよ。それに、なんだか可愛いなって」
「え?」
「必死になってくれて。わたしね、ずっと、君のことが気になっていたの。だけど、赤の他人同士の、遠い存在だったから。中々、きっかけがなくて……」
お姉さんが照れ笑いを浮かべる。可愛らしい笑顔だった。お尻の件も飛び込んできた件も、彼女の計算だったのだろう。
「でもね、わたし、痴女じゃないからね。これだけは念を押しておく」
むん、と頬を膨らませてそんなことを言われて。頭が混乱した。まさか憧れの人が、僕を気にかけてくれていたなんて。
「わ、わかりました」
「あ。降りる駅、違うよね。学校、遅れちゃうね。高校生でしょ?」
「いいですよ、今日はサボる予定なので」
「イケないんだー。君、悪い子なの?」
「どちらかというと真面目ですよ」
「ふふふ。でも、わたしも人のこと言えないかなー。今日、大学サボっちゃおうかなって。そういうことを、考えている」
「……一緒に、サボりますか?」
僕が言うと、お姉さんはこくりと頷いた。
「うん。一緒に、ね」
★
宮倉 麗、というのが彼女の名前ならしい。二十一歳で、大学三年生。僕より四つ上だ。大学へ通うために一人暮らしをしているらしいが、こんな可愛くてエッチな体つきの女の子の一人暮らしだなんて、親はよく許可したものである。
僕の方は平凡だから語るべきことは大してないけれど。あえて言うなら、今アルバイトでやっているライターの仕事を職業にすることが、将来の夢なのだ、ということぐらいだろうか。あと名前は鈴野 亮だ。
街を歩きながら、お互いのことをそんな感じで話しながら……流れで、ラブホテルにチェックインした。
いや、僕としては目を丸くしたけれど。宮倉さんが自然な流れで連れて行くから、それに倣っただけである。
受付で鍵を受け取り、エレベーターで上へ上がる。三階の部屋に入ると、ラブホテルというわりには、どこか落ち着いた、ビジネスホテルのような一室が待っていた。イメージと違う。あまり広くはない。だけどベッドはしっかりダブルで、枕元に置かれているティッシュの横には、剥き出しのコンドームが置かれている。
落ち着かない。というか、ラブホテルなんて入るのは初めてだ。だけどダサいところを見せたくなくて、僕は極力落ち着くようにした。
バッグとか荷物を置いていると、宮倉さんは言った。
「先、シャワー浴びてきちゃって。わたしが後から入るから」
★
どこか脳内が茹だったまま、シャワーを浴びる。僕は今、憧れのお姉さんとラブホテルにいる。これは現実なのだろうか。制服を着て、浴室を出る。
「裸で出てきてもよかったのに」
「え!?」
「うふふ。冗談、いってくるね」
宮倉さんは無邪気な笑みを浮かべながら、浴室へ入る。
同じ部屋で、宮倉さんが裸になってシャワーを浴びている。エロいのに、緊張と混乱のせいか僕のペニスは反応していなかった。ただただ、心臓が高鳴っている。深呼吸をして、自分を落ち着かせた。
「おまたせ」
宮倉さんがそう言って出てきた時、彼女はバスタオル姿だった。シミ一つないきれいな肌。タオル一枚で大事な部分をかくしているが、肩と胸元、足は剥き出しになっている。タオルからこぼれんばかりの爆乳が見えて、僕の中のなにかが弾けた。
「宮倉さん!」
「きゃっ。ん……♡」
僕はタオル越しに、胸に顔をうずめた。その爆乳はとろけるほど柔らかくて、気持ちいい感触だった。夢中になって顔を動かしていると、タオルがずれて、ぽろん、とそのおっぱいの全容が明らかになる。
思わず息を飲んだ。妄想していたよりも、ずっと綺麗でエロかった。はちきれんばかりに実ったメロンのような、二つの膨らみ。大きいけれど、とても綺麗で可愛らしい乳首。夢じゃない、現実だ。現実で、あの憧れのお姉さんの生おっぱいが、目の前にある。
「あ……なんか、じっと見られるの、恥ずかしい」
「ご、ごめんなさい。見惚れちゃいまして」
「ん。よく、見ていたもんね」
バレていた! まあでも、そりゃそうか……。
「すいません」
「謝らなくていいの。他の人もよく見ているし。けど、ね」
「けど……?」
「そんな視線の中で。好きにしていいのは、君かなって、思ったの」
僕は唾を飲み込み、そのおっぱいを両手ですくうように揉んだ。すごい。揉んだら弾き返して来るような弾力。それでいて、力を入れたぶんだけ受け入れてくれる柔らかさ。そして宮倉さんの温もり。あまりに気持ちい感触に、僕のペニスはパンツの中できつそうに勃起していた。もう我慢汁とかも出ている。興奮しすぎているのだ。
「あ、ん♡ 慌てなくて、いいよ♡ ゆっくり、好きにして、いいから♡」
僕は夢中になって乳首を舐めた。すると宮倉さんは「あ、あ♡」と小さく喘いだ。僕らは絡み合いながら、ベッドの上に転がり込む。爆乳に溺れていると、ズボンの上を撫でられる感触に気づいた。宮倉さんが手でペニスを愛撫しようとしているのだ。
「ここ、出してよ♡ 君も脱いで」
服を脱いで、パンツを降ろす。強い興奮でギンギンに勃起したペニスが、そそり立つ。宮倉さんは目を丸くした。
「あ……君の、すごいね」
その一言で喜びそうになったが、すぐに冷静になった。それって、誰と比べての発言なのだろうなのか。
「あの、宮倉さんって……っ!」
疑問を口にする前に、宮倉さんは僕のペニスをフェラチオしていた。可愛らしい顔で、口でクチュクチュ! と舐め回してくれる。そうしてペニスを唾液で濡らすと、口のマンコのようにして、上下に動かしながら吸い込んでくれる。ジュボジュボ、といやらしい音が鳴る。温かな感触と、奥に吸い込まれる感触に僕は甘く痺れた。
「宮倉さん、胸、で」
「ん、う♡ わかった……♡」
ベッドの上。宮倉さんが、横になる僕の上に乗り、大きなおっぱいでペニスを包み込んだ。角度によっては、ペニスはすっぽりと隠れてしまうくらいの大きさ。宮倉さんはぽよん、ぽよんと僕の股の上でおっぱいを揺らしながら、両腕でしっかりとホールドし、上下にこすりつけてきた。柔らかで温かい感触が僕のペニスをしごく。ビクビクさせても、おっぱいは柔らかく受け入れてくれる。温かくて、ひどく気持ち良い感触は、もうオカズなんてものじゃなくて、オナニーとは比べ物にならない快感と興奮を与えられた。
「っ、ああ。宮倉、さん」
「気持ち良い? ちゃんと、出来ている?」
「は、はい。ヤバいです」
「君のチンチン、すごいビクビクしている。このまま、出してもいいんだよ?」
「っああ」
宮倉さんがパイズリを強くして、こする速度を上げる。僕は悶えて体を震わせた。宮倉さんは逃がさないとばかりにパイズリをしながら、さらにペニスの先端を口で吸い上げる。口とおっぱいの感触に、未知なる甘い快感が脳を蕩けさせる。しかも可愛らしくて、エロいお姉さんが、僕のペニスでこんなことをしている。エッチな妄想でしか描けなかったことが、目の前で広がっている。僕は腰を仰け反らせた。
「っっ、はああ、ヤバい、これ、出る」
「いい、よ♡ このまま、熱いの、出して♡」
「っ、ああああああ」
「ん、ううううううううううううう♡」
ペニスは長い迸りと共に、宮倉さんのおっぱいと口の中で射精した。ドクン! ドクン! と、オナニー時よりも暴走して、大きく弾む。だけどその全てを、宮倉さんは飲み込んでくれた。こんな可愛くてきれいな人の中に、俺の精液が……憧れのものを汚した快楽が、さらにペニスを硬くさせる。
ようやくコンドームの存在が蘇る。
このまま……中に、入りたい。宮倉さんと一つになりたい。そう思ったから。
「いい、よ……♡」
宮倉さんは僕に抱き着いて、甘えるように言った。
「今度は、もっと気持ち良いこと、しよ?」
★
宮倉さんは上に乗って、避妊具をつけた僕のペニスを握った。
「それじゃあ、いくね」
「は、はい」
ついに。僕は、宮倉さんと一つになる。憧れのお姉さんと……セックス、する。
ずぶずぶ、と。
柔らかく、艶めかしい感触と共に、僕達は一つになった。まるでペニスを甘く溶かし、飲み込むような感触。
「っあ」
「んん♡」
僕達は同時に、思わず声を漏らした。恥ずかしいから声なんて我慢したかったが、快感がそうさせてくれない。
「すご、い。入れただけで、こんなの。君とわたし、相性、いいのかな」
「宮倉、さん」
「動かすね? ――あ、あああ♡」
グチュグチュ、という音と共に宮倉さんは騎乗位で腰を振る。彼女のマンコはひどく濡れて、温かい。ペニスにこれでもかと絡みついて、愛液で濡らしてくる。根っこから優しく締めつけられて、すぐに射精してしまいそうになる。
それでいて、可愛い宮倉さんが目の前で腰を振る、煽情的な光景が広がっている。何度も妄想してきた光景。だけど、本物は比べ物にならないくらいにエロい。爆乳がぽよんぽよんと豪快に揺れて、濡れた瞳でじっと見て来る顔がさらにそそられた。ペニスが快感に震え、中でビクつく。どこかいいところこすったのか、宮倉さんは仰け反り、「ん、ああああああああ♡」と淫らに喘いだ。爆乳がさらに強調される。僕はおっぱいを揉みながら、宮倉さんの騎乗位に震えた。
「はあ、はあ。すごいです、宮倉さん」
「わたし、も♡ もう、ダメ♡」
「下から、突き上げますね」
「え? あ、ひゃあああああ♡ だ、ダメ、おかしく、なる♡ ま、待って♡」
パンパン! と本能のままに突き上げる。マンコの奥をこれでもかとイジメぬく。宮倉さんは「ああああ、あ、あ、あ、あ、あ、あ♡ ダメ、ダメダメ♡♡♡」と狂ったように喘ぐ。こんな宮倉さんが乱れるなんて。
「わたし、おかしく、なる♡ こんなの、こんなの♡」
もっと乱れてしまえ。狂ってしまえ。僕はさらに早く、強くペニスを突き上げる。ギシギシ、とベッドが軋む。宮倉さんは僕の両手をぎゅっと恋人繋ぎをして、快楽に耐えた。だけど耐えきれず、マンコはビクビクと震える。それでも僕は容赦なく突き上げた。愛液がどんどん溢れていく。
「鈴野、くん♡ 気持ち良い、すごく、気持ち良い……♡」
「宮倉、さん。ぁ、また、そうやって、締めつけて」
「んんん♡ だって、君ので、わたしのマンコが、喜んでいるから……♡ あ、あああ♡」
ペニスが制御出来なくなり、射精感が高まった。僕は宮倉さんを抱き寄せ、腰を夢中に振った。パンパン! と肌がぶつかり合う音と、ベッドがギシギシ、と激しく軋む音が交じり合う。
「出す、出すよ!」
「出して、いっぱい、君のを……♡」
「ああああああ」
「ん、いやぁ、ああああああああああん♡」
ペニスは先ほどよりもさらに大きく弾み、宮倉さんの中で射精した。それでも彼女のマンコは優しく受け止めてくれて、射精が止んでもぎゅっと包み込んでくれる。宮倉さんは僕の上に覆いかぶさって、力を抜いた。
「すご、かったね……♡」
★
僕達はベットの上で重なり合いながら、無言でじっとしていた。互いの体温を感じながら、気になっていることを口にする。
「もしかして。彼氏います?」
宮倉さんはどこか、複雑そうな声を出した。
「どうしてそう思うの?」
「ペニスの大きさ、なんだか、誰かと比べられているような気がして」
「……うん。いるよ」
甘く幸福な世界が、壁にぶつかったような気がした。今日みたいなことを、他の男ともしているのか。その事実が、僕を暗鬱たる気持ちにさせた。
「じゃあ、どうして僕を……」
「倦怠期ってやつかな。あまり会うこともなくて」
そんな。どんな男なんだ。こんなに魅力的な女性なのに……。
「ごめんね。気持ち悪いよね」
「え?」
「彼氏いるのに。男を引っかけて。ビッチな女だって、そう思った?」
僕は少しだけ考える。そんなことないって言おうとしたけど、なんだか安っぽい気がした。たしかに正常なことではないし、なによりも、僕は純愛を裏切られたのだ。宮倉さんにとっては、セフレみたいなものなのかもしれないけど、僕にとっては憧れの、大好きな人なんだから。だから、肯定するのも、優しい言葉をかけるのは違う気がした。
「彼氏いなかったら。僕は、嬉しかったです」
「そう、なんだ。ごめんね……でも、嬉しい」
「本当にそう思っています?」
「思っているよ。だって……」
宮倉さんは体を起こし、僕の顔をじっと見た。そうして唇と唇を重ねる。宮倉さんは舌を入れてきて、クチュクチュと深いキスを交わした。僕のペニスはまた硬くなる。悲しい気分もあるのに、快楽の前に本能は素直であった。
「なら、もう一度やらせてください」
「いいわよ。一度じゃなくても……何度、だって」
「っ、宮倉さん!」
宮倉さんを押し倒した。部屋の中はまたいやらしい音と、喘ぎ声で満たされていく。