セックスは気持ちの良いものではないのかもしれない。そんな疑念が宮倉 麗の脳裏にこびりついていた。付き合っていた男との相性がよくないのか、下手なのか、原因はわからないが、セックスで感じたことがないのだ。自分は不感症なのかもしれない。そんな不安にも苛まれた。
そうして、悪循環に陥っていく。セックスに対して不安になるから、余計に感じなくなる。
この日もそうだった。場所はいつも通り、男の部屋。両親が不在の間に、与えられた個室に入って、セックスするのが定番だった。
男は宮倉の上にのしかかり、正常位で突き上げていた。パンパンパン! と、いやらしい音を立てながら激しいセックスをする。だけど宮倉は内心不安で――この日も、快感を得ることがなかった。物足りないような、なにか致命的なものが欠けている、そんな違和感が拭えない。それでも感じていると男に伝えるため、宮倉は必死に演技した。
「ん、あ♡ ああ♡」
だけどどこか白々しさが拭えなかったのか、演技が上手じゃないのか――男にもそれが伝わり、射精することはなかった。
いつかは変わるものだと思い、二人は肌を合わせた。だけど、それは長く続かない。お互いに快感を得られない故に、性に対して暗鬱としていたのだ。
お互いに服を着ながら、男は言う。
「なんかさ、面白くないよな」
「え?」
「俺達。お前、胸は大きいけど、セックスは淡泊だし」
「……ごめんなさい」
宮倉は罪悪感故につい謝ってしまう。
しかし男にはなにも伝わらず、返事の代わりに大きな欠伸をした。
……それ以降。男とも自然と会わなくなった。明確に別れ話をしたわけでもないが、ほぼ破局状態だ。
セックスは苦手。どこか、そんな思いがあったのに――。
「っ!」
はっとして、宮倉は顔を横に振った。
大学の講義中。だというのに、ひどくやましいことを考えてしまっていた。この間の、鈴野とのセックス。あれは今までの認識が変わるほどに、すごいものだったから……。
鈴野がタイプというか、ずっと気になっていた男の子だったとはいえ。まさか初対面で、あんなに激しく、燃え上がるセックスになるなんて、思いもしなかった。
中を突き上げられるたびに、頭が真っ白になって、どこまでも欲しくなってしまって……。
(って、考えちゃダメ)
宮倉は顔を赤くした。股の間がじんわりと熱くなっているのを感じる。講義中になにをしているのだ自分は、と己を窘めた。
だけどそう考えれば考えるほどに、この間のセックスを思い出してしまう。
――また、会いたい。
――また、気持ちよくして、くれないかな……。
――だって、あんな夢中になれたし。鈴野くんだって、あんな……。
などと、いやらしい考えが堂々巡りしてしまう。宮倉は内心で悶えた。
(ううう、もう、集中出来ない。鈴野くん、生意気)
相手は結構年下なのに、翻弄されている自分が情けなくなった。それに押すと照れるのが見ていて可愛いから、鈴野にはしっかりしたお姉さんとして見てほしいのだ。
(鈴野くんの前では、お姉さんにならないと)
★
学校の授業中。集中なんて、出来るはずもなかった。
いやいや、だって、普通は電車の中で見かけた可愛い女の子なんて、お近づきになれないでしょ。それなのに、まさかあんなことになるなんて……。
夢のような時間だった。
だけど、憧れの人には彼氏がいて。
……まあでも、あんまりうまくいっているわけじゃないみたいだし。会っていないどころか、連絡もとっていないらしい。
自然消滅。だけど、僕の脳裏にはあの可愛くて、胸が大きくて、喘ぎ乱れる宮倉さんがよぎった。
あんな魅力的な人、そう簡単に男が諦めるとも思えない。
だから油断は出来ない。
略奪してやる、くらいの気概じゃないと、とられてしまうだろう。
(にしても、この間の。初対面だったけど、すごく、気持ち良かったよな……)
ラブホテルでのセックスは、もう頭が溶けてしまうほどの快感だった。
一応、僕には一度だけ付き合った彼女がいて、セックス自体は経験あったのだが。あの時のセックスは、あんなじゃなかった。
宮倉さんとのセックスはとても激しくて、気持ち良くて、だけど愛おしさというか、温かさがあって……。
思い出すだけで、股間が勃起してしまう。
ああ、また会いたいな……。それにヤリまくりたい。
(って、それは不埒すぎるか)
僕は宮倉さんに恋している。セックスのことばかり考えていないで、どうやったら自分の女に出来るか、考えないと。
★
――今度の土曜日、部屋に来ない?
帰りの電車の中。宮倉さんからそんなメッセージが送られて、僕はもちろん行きます、と返信した。
――わたしのこと、忘れられなくなっちゃった?
からかわれているのだとわかっていながら、文字を打った。ムキになって背伸びするのはバカバカしい。
――そうですよ。宮倉さんのこと、忘れられないです。
返信はすぐに来た。
――わたしも君のこと、忘れられないよ。
そんなことを言われて、僕は電車内で一人、顔を赤くした。
★
メッセージで書いてあった最寄り駅までたどり着き、改札を抜ける。駅前は結構栄えている街並みで、買い物には困らなそうなところだった。
「あ、鈴野くん」
先に来て待ってくれていたのか、宮倉さんが駆け寄ってきた。
中々に、肌の露出が多い恰好だ。肩だしのトップスに、黒いショートパンツ。トップスから見える大きな爆乳の谷間がどうにも艶めかしい。肌も綺麗だし、ちらちらと男の視線を感じた。肌を見せているから、いつもより目立っている。
しかも宮倉さんが僕の胸へ向かって飛び込んでくるから、なおさらだ。抱きつかれることによって、むにゅうう、とおっぱいが押し付けられることになった。ふわりと甘い匂いもするし、なんというか、宮倉さんは大人の女性だ。色々な意味で。
「うふふ、会いたかった」
「そ、そうですか」
どういう風に返すのが正解かわからなくて、ただ動揺した。
宮倉さんは僕の腕に抱きつきながら、言った。
「行こっか」
「は、はい」
どぎまぎしながら、引っ張られるようにして歩き出す。
すっかりペースを握られている。
「この辺りって、結構色々あるんですか」
「うん。駅前だけは、ね。映画館とかもあるよ」
「へえ」
「けど、私の部屋のあるところまで行くと、なにもないけどね」
宮倉さんの言う通り、彼女のアパート前まで行くと、その辺りは閑散としていた。しかも結構歩くもので、十五分は時間がかかっている。
階段で二階に上がり、部屋へと上がる。よくあるアパートの部屋だが、二部屋あるのでそこそこ広い。玄関に入り――僕はすぐに、宮倉さんを抱き寄せて、唇を奪った。
「あ――ん、くちゅ♡」
温かくて、柔らかい。舌と舌を絡ませ合って、ねっとりとした快楽に浸る。冷静に考えれば今日はデートのはずなんだけど。宮倉さんだってすぐに部屋へ連れ込んだわけなのだから、間違っていない。
「ん、ちゅ♡ もう、鈴野くん、すぐ襲いかかってきて……♡」
「僕、宮倉さんのこと、考えていて。我慢出来ませんでした」
「わたしも、君のここ。ずっと、欲しかった……♡」
宮倉さんが僕のペニスを撫でる。ゾクゾクした快感が背中を走った。
僕は宮倉さんのトップスを脱がす。爆乳が大きく揺れながら、その全貌を見せる。手では絶対に収まりきらない大きさ。僕はそれを揉みしだきながら、乳首を舐め回した。
「は、あ♡ ん、ん♡」
宮倉さんは喘ぎながら、僕のパンツに手を入れて、ペニスを撫で回す。少しひんやりとした手だった。互いの息が荒くなる。体温が上がっていく。僕はズボンを脱いで、ペニスを出した。
「君の、やっぱり、素敵だね……♡」
宮倉さんがしゃがみ、おっぱいでペニスを挟んだ。すっぽりペニスが入り込み、上下に動かす。ふにゃん、と柔らかくて暖かい感触に包まれ、こすりつけられた。宮倉さんが両手で大きなおっぱいをすくい上げ、すりすり、とパイズリする光景はあまりにもエロティックだった。乳首が弾み、とろけそうなほど柔らかい快感がペニスから腰の辺りにまで痺れ渡る。
「宮倉、さん、すごい、です」
「うふふ。もっとすごくなるよ……♡」
宮倉さんは艶美に笑ったあと、僕のペニスの先端を舌で舐め始めた。唾液がからみつき、おっぱいの谷間がいやらしく濡れる。ぬるぬるとなった谷間は、さらにペニスを淫靡に刺激する。まるでマンコの中のように、柔らかく、温かく刺激した。
「ん、ん♡ 君の、いやらしくビクビクしているね」
「き、気持ち良くて」
パイズリをしながら、宮倉さんはペニスを口でくわえる。口のぬるっとした感触が、硬くなった僕を包んだ。
「ん、ちゅ♡ くちゅ、くちゅ♡」
いやらしく舌で舐め回し、上下する。さらにそこから、宮倉さんは激しくペニスを吸い込み始めた。「じゅぼ、じゅぼ♡」とエッチな音がして、思わず仰け反った。情けない声が出そうになった。僕は震えながら、その快感に酔いしれていく。
「あ、く。宮倉、さん」
「ん、ちゅ♡ じゅぼ♡ じゅぼ♡ くちゅ♡」
「す、すごい……」
ペニスがおっぱいと口の中でビクビクし始める。それを優しく、けれど激しく吸い込みパイズリもする。果てしない快感が脳を溶かす。僕は我慢出来なくなって、腰を振った。プルプル、とおっぱいがペニスの形で歪む。宮倉さんは口でくわえたまま、腰振りを受けとめてくれる。
「あ、あ、もう出る」
「ん、ちゅ♡ この、まま♡ わたしのおっぱいと口の、中で……♡」
腰の振りを早くする。おっぱいと口の中をマンコにするかのように、突き上げる。
「い、イク!」
「んん、んんん♡」
快感が絶頂へ登り――射精した。ドクン! ドクン!と大きくペニスが脈打ち、宮倉さんの口の中を精子まみれにする。彼女はそれをごくん、と飲み込み、僕のペニスをさらに舐め回した。
「ん……♡ 君の、やっぱり素敵……♡」
爆乳のパイズリは、最高の快楽であった。