不敵な笑みを浮かべ、アズリアがねっとりとした手付きでミルトンのおちんちんに手を触れる。ビクン、ビクンと跳ね、あっさりと精液が噴き出す。
まさに調教の成果といえるだろう。
「あひぃぃぃ♡ いやだぁ♡ おちんちんやらぁぁ♡」
泣き崩れるも、抵抗する以前に身動きすらできない。
今のミルトンはもはや、壁から生えたおちんちんだけのようなもの。
「男の子でしょ? もっと景気よくドピュドピュ射精しなさい」
アズリアがミルトンのおちんちんを握りしめ、上下にシコっと一往復。またそれだけでピュッピュと精液が出る。シコシコ、と二往復すればまたビュウゥと出る。
このためだけに重点的に責めていたのだと、今更になってミルトンは気付く。
「あはぁ、クソザコおちんちん最高だわぁ。いくらでも絞り出せる」
ミルトンは稽古と称してアズリアに嬲られていたとき、精液の供給が追い付かず、一滴すら出なくなるくらいにおちんちんを責められていた。それはそのときのミルトンの肉体がまだ生身の人間に近い状態だったからだ。
今のミルトンの肉体はスライムに近く、人間だったとき以上に水分の量が多くなっていた。言い換えれば体に水分が供給されれば、精液を生産するのに支障がない身体といえる。
ここは洞窟の奥底。壁に張り付いた今の状態であれば、ミルトンの体は勝手に地面から水分を吸い上げてしまう。つまり、ほぼ無尽蔵に精液を常時生成できてしまえる状態が完成していた。
「ほぅら、ほぅら、どう? まだまだ出る?」
「いやぁぁっ♡ お、おちんちん、止ま、なんで、ひっきゅぅぅぅぅ♡」
アズリアがどれだけ乱暴にしても、どれだけ雑に扱っても、ミルトンのおちんちんは容易くあっさり射精し続ける。今度はもう枯れることがない。
湧き水のように精液を漏らし続けるただのおちんちんと化したのだ。
「あはは、もう触ってないのにビクビクしてるの」
「ひぃぃ♡ あひぃぃ♡ おちんちんがぁぁ♡」
度重なるアズリアの調教によって感度が天井までぶち上げられていることもあるが、何よりスライム化の弊害により、半液状の肉体は皮膚もなく、神経が完全にむき出しの状態となってしまっていた。
一度刺激を与えられてしまえば、快感に震え、その震えがまた刺激になる。絶頂の永久機関のようなものが組みあがっていた。
「いやぁぁ♡ おちん、ずっと、ひぎぃ♡ と、止ま……っ♡」
あまりに滑稽で、無様だった。
壁に生えたおちんちんが、勝手に震えて、勝手に精液を垂れ流す。
ドプドプドプと、途切れることがなく、地面に精液の川のようなものまでできてしまっている始末だ。
もちろんアズリアもただ眺めているだけでは終わらない。
地面を流れていくミルトンの精液をすくいとるように、両手をべちゃっと地面に叩きつける。不定形の両手は広範囲に渡り、カバーし、一滴残らず精液を吸い取る。
「あ~あ、さすがにこの辺はちょっと水っぽくなっちゃったかな」
手から摂取した精液を取り込んで、不満げな顔を浮かべる。
ミルトンは肉体の大部分がスライム化しているとはいえ、大量の水分から精液を生成しているのだから希釈もされてしまっているのだろう。
「じゃあ、ちょっと溜めこみなさい」
そういうと、アズリアは精液の川の根本、湧き水のごとく精液を垂れ流すミルトンのおちんちんに手を添えて、キュッと握りこむ。するとどうしたことか、唐突にミルトンのおちんちんから精液が止まってしまう。
見ると、おちんちんの先端、鈴口が塞がっていた。より厳密にいえば穴そのものが消失していた。半分スライム化しているからこそできた芸当だろう。
「んぐぅぅぅぅ!?」
穴がなければ当然塞き止められる。
だが、奇妙なことに事はそれだけでは留まらなかった。
行き場をなくした大量の精液はその場に溜まりほうけ、あろうことかミルトンのおちんちんがぶくぶくと膨らんでいっていた。勃起などという生易しい次元ではない。
「ひ、ひぃぃ、は、はれつ、んひぃぃぃ!」
ミルトンの股間から腕が生えてきているのかというくらいのサイズ。ただでさえ、敏感でどうしようもなかった神経むき出しのおちんちんは、面積を増やしていく一方で、何をしようとしまいと、そうしているだけで刺激され続けていた。
半分スライム状態であるがゆえに、伸縮率も抜群に高まっていたからこそ、大きくどんどん膨らむようになってしまっていた。おちんちんも、その下の金玉もバンバンに張り詰め、ほぼ半透明な水の玉と化していく。
中が透けて見え、金玉から精液ができていく様も、それがおちんちんの先に向かっていく様も、よく見えてしまう。だが、その先に行き場などない。
「いやだぁ、し、しにたくなぃぃ……おちんちんでしんじゃうぅぅ」
情けないほど泣き顔で喚くミルトンだったが、逃げようにも足はないし、膨らむおちんちんを抑えようにも腕だって落ちている。それに何より背中が壁に張り付いているのだからその場から動けもしない。
自分の目の前で何処までも膨らんでいく自分のおちんちんを眺める以外に何もできなかった。もちろんのこと、そんな状態であっても神経は麻痺などしていないし、放っておけば天井に届きそうなほどムクムクと膨らむおちんちんの感覚はあった。
「あはは、あっはっはっはははは! クソザコおちんちんで死んじゃう? それってどんだけザコザコなのよ、ミルトンくん。あっはははは! ウケるって!」
思いのほか他人事のように大声で笑い飛ばすアズリア。
実際のところ、特大の半透明おちんちんがプクゥゥーっと膨らんでいく様はあまりに滑稽で笑いを堪えるのも大変なくらいだ。
「せっかくだし、スライムの体の使い方を覚えるといいわ。そぉれ!」
そのとき何を思ったのか、アズリアはミルトンの風船おちんちんを蹴り倒し、そのまま地面に向かって踏み込んだ。アズリアは自身の足を固くしていたのか、それともミルトンのおちんちんがよほど固くなっていたのかは定かではないが、スライム同士の肉体でくっつくようなことはなく、ミルトンは悲痛の雄叫びを挙げる。
「んぎぎぃぃぃあああぁぁぁああああっっ♡」
地面の踏みつけられたミルトンのおちんちんは、アズリアの足蹴によって文字通りぺしゃんこに潰れる。ただ潰れただけで終わらない。潰れた分の質量はミルトンの肉体の方へと移動する。
ボコン、ボコボコ、ブクゥゥ。
ミルトンは全身が逆流するという奇妙な感覚に襲われる。自分のおちんちんから何もかも全部が身体に流し込まれる異常な感覚。
普通の生身の人間では決して味わうことのできない強烈な快感に襲われた。
体の半分がスライムのせいだからだろう。ミルトンの股間から腹部、胸部へと膨らみが伝播していき、体の形がおかしなことになっていく。
「はへぇ……!? な、なにこれぇぇ♡ ぼ、ボク、女の子になっちゃったぁ?」
「うぷぷ、なぁにそれ? 面白いことになっちゃったわね」
ミルトンが舌足らずに寝ぼけたようなことを口走る。おちんちんから逆流していったミルトンの体内の水分は上半身まで届き、どういうわけか今度はミルトンの胸部がぷくぷくに膨らんで、まるで女体の乳房のような形になっていた。
規格外のそのサイズは、もう既にミルトンの頭よりずっとデカい。
一方おちんちんは大分萎み、いっそ元の大きさよりもずっと小さくなってしまったが、一応残っているので決してミルトンの言うように女の子になったわけではない。
ただ、余計な水分が乳房に溜まってしまっただけに過ぎない。
奇怪だったのは、体を形成している水分の大体は洞窟の壁から滲み出した水だが、それを元にミルトンの体内で作られた精液が大部分を占めていたせいで、半透明となった肉体の中を、白い液体が動き回っているのがよく見えたことだろう。
とどのつまり、ミルトンの大きく膨らんだ乳房の中には白い渦が発生していた。
そして、ここで小さな誤算が起きる。アズリアはミルトンのおちんちんの穴は塞いだが、乳首の穴――乳腺までは塞いでいなかった。
するとどうなるかなど分かりきっていた。
「んんんっ!? んぎぃぃ!! うわあぁぁぁぁああああ♡」
ぷしゅっ、ぴゅぅぅぅ、ビュル、ビュルビュル……ッ。
母乳のようにミルトンの乳首から液体が噴射される。たまり呆けていた分、その勢いは先ほどの射精よりもずっと増している。
「なんでなんでなんでなんでえええぇ!! おっぱいでちゃったああぁぁぁ♡」
そのせいもあって、あっという間にミルトンの乳房は縮んでいき、元の男の胸板へと戻る。それでも、体内で生成される精液は行き場がないこともあって、ちょろちょろと乳首から漏れ続けていたのだが。
ミルトンの乳房が膨らむ段階までは面白がっていたアズリアだったが、せっかく溜め込もうとした精液が丸ごと台無しになったのはあまり気分が良くなかったらしい。
地面に飛び散った分を半液状させた自分の手をかき集めて吸収するが、やはり先ほどと変わらず薄味だったのか、泥をすすったようなしかめ面をする。
「まったく……下からも上からも漏らしちゃうなんて、どうしようもないザコね」
アズリアは心底面倒くさそうな表情で、呆けた顔のミルトンを見下ろし、いかにも仕方なさげな調子で壁に張り付いたミルトンの体をひっぺがす。
ベリベリと結構な体積が壁に持っていかれたが、特に気にしている様子もない。
「手のかかる子ほど可愛いっていうらしいし、じっくりと面倒見てあげるわよ」
諦めの境地だったのか何だったのかは分からないが、アズリアは半分スライムのミルトンを前にして溜息をつきつつ、ひょいと抱きかかえた。
※ ※ ※
※ ※
※
「うわぁっ……!? はぁ、ふぅ……、あ、あれ……、ここ、は……?」
息を切らせてミルトンが起き上がる。
そこはひんやりとした空気に満ちた洞窟の中だった。
苔むした地べたに寝そべっていたようで、思いのほか寝心地は悪くなかった様子。
ミルトンは血相を変えた表情できょろきょろと辺りを見回すが、静まりかえった洞窟内は孤独を煽る以外に何もない。頭の中はふわふわしていて、何処から何処までが現実で夢だったのかの境界線が曖昧な状態だ。
「確か、ボク、スライムに……」
アズリアによって肉体がスライムのものとなり、何もかもがおかしくされたような気がしていた。腹の奥に精液が溜まったり、胸が膨らんだり、はたまた乳首から精液が飛び出していたりと、しっちゃかめっちゃかな記憶が残っている。
本当にそうだったのだろうか、とミルトンは自分の体を確認する。
まず服を着ていないことについては驚きはしなかった。
手や足はちゃんとくっついているし、半透明にもなっていない。見た感じでは普通の人間の姿そのもののようにしか思えない。
記憶の端で、剣を振りかざそうとしたときに腕がボトリと落ちた感触を思い出す。
ゾクリとしてしまい、思わずミルトンは自分の手首を撫でる。また千切れてしまうのではないかと不安を覚えたからだ。
さらに指先の関節を強く折り曲げてみる。
「ひっ……!」
指は千切れはしなかった。その代わり、ぐにゃりと関節がなくなったかのように変形した。強い弾力を持っているので、放したら簡単に元の形に戻る。
痛みもなく、自分の指じゃないみたいだった。ただ、その感触は確かにあり、それを否定することはできなかった。
「ああ、ミルトンくん、やっと起きたのね。調子はどう?」
意表を突かれて飛び上がりそうなくらい驚く。
声の方角に視線を向けるとピンク色の人型スライム――アズリアが立っていた。
「あ、あ、あ、あの……、ぼ、ボクの、ボクの身体は……」
動揺して舌もまともに回らなくなったミルトンに対し、アズリアはからかうような笑みを浮かべ、言葉を選ぶ。どんなことを言ったらより驚いてくれるだろうか、というイタズラ心が剥き出しだ。
「ミルトンくんの身体ね。ちょっととろとろにしすぎちゃってまともに使えないからちょっとでも丈夫に使えるように弾力を調整しておいてあげたのよ。前よりかは人間っぽく動かせるでしょ?」
スライムはスライムのままだった。人間ではなくなったという事実に、またミルトンは絶望がぶり返してくる。全部が夢であってほしかったのに、全部が現実だった。
「そんな、じゃあ、ボクはやっぱりスライムに……」
「アッハハ。心配しないでよ。ミルトンくんのことはちゃんと面倒見てあげるから」
まるで論点の嚙み合わないアズリアの返しに、ミルトンは色々な言葉を頭に過ぎるが、どれもまとまらなかった。