箒と俺の始めての初夜の翌日。昨日と同じように俺達二人は食卓を囲んで朝食を食べていた。今日の献立はサバの切り身に大根おろし、玉子焼き、リンゴの切り身、豚汁だった。相変わらず美味だったが今日の俺の箸は止まり気味だった。何故かと言うと箒の姿が目に映る度に昨日の事が脳内に浮かび上がり、恥ずかしいやら嬉しいやらで脳内が混乱してしまうのだ。当の箒はというと可愛らしいニコニコ顔でご飯をほおばっていた。
「どうしたんだ一夏♪私の顔に何かついているのか?」
どうやら俺は知らずのうちに箒の顔をじっと見つめていたみたいだ。よほど昨日の事が頭に残っているらしい。
「いや、すまない。昨日の事が頭から離れなくてつい、、。」
「ふふ、そうか♪そうだな、私は一夏に初めてを捧げられたんだな、、。」
箒は感慨深げに呟いた。思わずこっちまで感動に似た気持ちになる。
「一夏♪」
「お、おう。」
「いつまでも一緒だからな♪」
美少女の幼馴染から一生宣言をされて、俺の頬は赤くなった。
「さあ、手早く食ってしまおう。今日から高校生活が本格的にはじまるからな。」
「そ、そうだな、、。」
俺は前世の経験を思い出して暗い顔になった。何しろ俺の高校生活は本当に暗澹としていたのだ。鮮明に思い出すことを頭が拒否するぐらいに。
「どうしたんだ一夏、急に暗くなって。」
「いや、これからの高校生活を想像したら吐き気が、、。」
「まだそんなことを言っているのか?気にするな。お前ならきっと友達ができるだろう。」
「、、なんでそんな断言できるんだよ、、。」
「それぐらい分かる。お前は私が好きになった男だからな。」
やだこの幼馴染イケメン。俺が女なら抱かれていた。抱いたけど。
俺達は朝食を済ませて学校に向かった。さっきまでは暗い気持ちになっていたのだが、今は別の感情が俺の頭を支配していた。
「、、、(汗)」
「♪」
なんと箒が俺の腕に抱き着いてきたのだ。俺の腕を抱く箒の顔はもうニッコニコだった。俺の頭の中は羞恥心や幸福感でごっちゃになってキチゲしそうだった。
「箒、、。」
「なんだ♪」
「腕を離してほしいんだけど。あと離れてほしい。」
「や♪」
俺は女子に勝てそうにない。そう思った。
箒に腕を抱かれたまま、俺達は教室に着いた。着いてしまった。クラスメイト達はひそひそ声で話し合い、何人かは嫉妬の感情を向けていた。あ、この学園は共学だ。
「あら、一夏。朝からいいご身分じゃない(怒)」
「っっ!?」
怒気をはらんだ聞き覚えのある声が聞こえ、思わずバッと声の方向を向くと、頭に青筋をたてたセカンド幼馴染が立っていた。
「違うんだ鳳鈴音!これは誤解だ!」
「へえ、この状況でそんなセリフが吐けるなんてお笑いね(怒)(怒)」
俺の必死の弁明に鳳鈴音の青筋はさらに長くなった。なんで!?
「諦めろ鳳鈴音。一夏の初めては私が貰った。この優位は覆ることはない!」
「むきぃぃぃぃぃぃ!!!」
「何煽っているんだ箒ぃぃ!?」
箒のマウントに鳳鈴音は地団駄を踏んだ。、、床とは抜けたりしないよな?
(もうやだ、、こんなん子供の喧嘩じゃねえか、、。)
俺が涙目になっていると鳳鈴音がビシッと箒に人差し指を突きつけた。
「箒!どうせあんた幼馴染にかこつけて一夏に迫ったんでしょ!」
「、、、それは。」
鳳鈴音の指摘に篠ノ之箒が暗くなる。
「、、鳳鈴音。」
「な、なによ。」
「確かに箒の方から迫ってきたけど、俺は自分の意志で箒を抱いたんだ。そこだけは分かってほしい。」
「、、一夏。」
箒がうるんだ目でこちらを見てきた。俺はあの時、箒の純情に心打たれて箒を抱いた。確かに箒は抜け駆けしようとしていたが俺は箒を悪者にしたくなかった。
「一夏、あんたは箒を愛しているのね?」
「、、ああ、俺は篠ノ之箒を世界で一番愛してる。」
鳳鈴音の迫力に気圧されたが、俺ははっきりと言った。
「、、はぁ~。わかったわ。その目は噓をついていないわね。」
鳳鈴音は頭をかきながらため息を吐いた。
「、、ちゃんと幸せにしなさいよ。」
「ああ、もちろんだ。」
せっかく純情を捧げてくれたのだ。俺は箒と共に歩む覚悟は出来ていた。それはそうと俺はさっきから気になっていたことがあったのだ。
「鳳鈴音、その格好、、。」
「ああこれ?制服の着こなしは自由って聞いたから履いてみたの。こっちの方が動きやすいしね♪」
鳳鈴音の下の制服は黒いブルマだったのだ。こんなファッション、前世の高校では絶対に見れなかっただろう。この高校でも見れるとは思わなかったが。
「一夏どうして、じ、じっと見てるのよ?もしかして変だった?」
「いや、とても似合ってるぞ、いいと思う。」
俺は心の中でグッジョブサインを出していた。ブレザーブルマ、いいと思います。
「そ、それなら良かった、」
鳳鈴音がテレテレしていると箒がすっと前に出てきた。「この泥棒猫がっ!」というかと思ったがどうやら違ったらしい。
「、、すまないな。鳳鈴音。お前も一夏の初めてを狙っていただろうに、、。」
箒はしおらしく鳳鈴音に謝罪をした。
「大丈夫よ。スタートダッシュが遅れたけど私にもチャンスはまだあるから♪」
「、、そうか。お前はまだ諦めてないんだな。」
「ええ、もちろんよ。改めてこれからよろしくね恋敵さん♪」
「ああ、望むところだ、!」
、、どうしてこの二人はバチバチと火花を散らしているのだろう?俺の愛は箒に売約済みなのだが。
「なぜだかわからないという顔ですわね?」
「うおおお!?」
いきなり話しかけられて俺は後ずさりした。
「なんですの、人をお化けみたいに驚いて。相変わらず変な方ですわね。」
俺に話しかけてきたのは金髪ドリルお嬢様のセシリア・オルコットだった。
「お嬢様。お言葉ですがいきなり挨拶もなしに話しかけては誰でも驚かれるかと。」
すぐそばに仕えていたメイド、チェルシー・ブランケットが苦言をした。
「いたのかオルコットさん、、。」
「あなたたちが教室に入って来た時からいましたわ。相変わらず騒がしい方達ですわね。」
「いや、俺じゃなくてあの二人が騒がしいんだが、、。」
「何言ってますの。この騒動の原因はあなたではないですか。」
セシリア・オルコットのド正論におれはぐうの音も出なかった。
「と、ところで小耳にはさんだのですが箒さんと、そ、そういう関係になったんですの?」
セシリア・オルコットが俺の耳に近づいて囁いてきたので俺はぞくぞくした。
「ふふ、聞いて驚け!一夏は私で童貞を卒業したのだ!」
「あんためちゃくちゃ自慢するじゃない!さっきのしおらしい態度はどこ行ったのよ!?」
どうやらいつの間にかバチバチは終わったらしい。箒がドヤ顔でそう宣言した。鳳鈴音が突っ込みたくなるのもわかる。
「そ、そうなんですの?」
「そうだけど、なにかあるのか?」
「いえ、なんでもありませんわ。だいじょうぶですわよ、おほほ。、、まずいですわ、わたくしの完璧な計画が、、」
「?」
セシリア・オルコットが急にブツブツと何かをつぶやき始めた。ちょっと怖い。
「あのーチェルシーさん?セシリアさんは何を、、?」
「申し訳ありません織斑様。お嬢様は少しつづ距離をつめていき、充分に親密になったときにあなたの童貞をいただこうとしていたので、それがいきなり頓挫して動揺していたのでしょう。」
「ちょっとチェルシー!?あなた色々と喋りすぎですわよ!?」
いきなりブツブツとつぶやき始めたり、従者にツッコんだり、色々と忙しいお嬢様である。まあ、原作から大分おもしれー女だったのだが。(作者の個人的な意見です。)
(というか大体なんで昨日会ったばかりの男に惚れているんだこのお嬢様、、)
「ちょっとそれほんとなの!?セシリア、あんた私の一夏を狙っていたのね!」
「そ、それは誤解ですわ!大体鳳鈴音さん、あなたのではありませんわよ!?」
「そうだぞ二人共。一夏の女は私しかいないだろう。」
「それはあんた(あなた)の感想でしょ(ですわよ)!?」
箒たち3人はギャーギャーと言い合う。女三人集まればかしましいというが、これではまるで暴風雨だ。
(もうやだ(2回目)、、俺がなにしたって言うんだ、、?)
俺が再び涙目になっていた時だった。
「あ、あのー、、。」
「なんだ!」
「なによ!」
「なんですの!」
「ご、ごめんね、ほんとにごめんね、。あのね、もうホームルームの時間なんだよね、。だから一旦席に座ってもらっていいかな、?」
俺たちのクラスの担任である山田先生が涙目で3人を見つめていた。
「「「す、すみません。」」」
流石に3人は謝った。
凰鈴音の恰好は自分の性癖です。ブレザーブルマ、、いいと思います。
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作者の好きでいいと思う。