放課後、俺たちは先日箒と来た駅前のモールに訪れていた。確かここのモールにはアウトドアの専門店があったはずだ。遠足の準備にはぴったりだろう。
「ねえ、確かここのブティックに新しい服が出たんだって!ちょっと見に行きましょうよ!」
「あのですわね鈴さん。私たちは遠足の準備のためにここに来たんですのよ?そうやって寄り道していたら日が暮れてしまいますわ。」
「うっ、それはそうだけど、少しぐらいいいじゃない!」
「では、まずはアウトドア用品店で買い物を済ませて、その後時間が余ったら服を見に行くということでいいのではないでしょうか。」
「決まりね!そうと決まったらさっさと行くわよ!」
凰鈴音はピューと移動していった。、、あいつ、店の場所分かっているのだろうか?
「全く、あいつは相変わらずせっかちだな、、。」
「?箒は凰鈴音の事、昔から知ってたのか?」
「何を言っている?私と凰鈴音は小中と共に同じ学校だっただろう?中学の頃は3人でよく集まっていたではないか。」
「そうなのか!?」
「なんでお前は覚えていないんだ、、。記憶喪失にでもなっているのか?」
いや、ある意味記憶喪失みたいなものだけど、説明が難しい、、。そうか、中学の頃は箒も同じ学校だったのか、3人でどうつるんでいたんだろう、、ん?三人?
「なあ、箒?五反田弾は一緒じゃなかったのか?同じ学校だっただろう?」
「ごたんだだん?誰だそれは?」
「、、え?いないのか!?」
「あ、ああ。私たちの中学にはそんな名前の男子はいなかったはずだ。」
マジか。どうやらこの世界には五反田弾は存在しないらしい。「インフィニット・ストラトス」ファンとして会ってみたかったのだが。
「一夏、なんでそんな名前も知らない男子の事を聞くんだ?本当に大丈夫か?」
「いや、原作ファンとしてここは聞いておかなくてはと思って、、。」
「原作ファン?」
「あ、いや、何でもない。」
俺ちょくちょくボロがでるよな、、。しょうがないじゃないか。本当にファンなんだから。
「お二人ともそろそろ移動されたほうがよろしいかと。凰鈴音様がかなり先に行ってしまわれました。」
「そうですわ。過去の思い出に浸るのも結構ですけれど、いつまでもそうやっていたら夜になってしまいますわ。」
「そ、そうか。行こうぜ箒。」
「そ、そうだな一夏。」
俺たちはアウトドア用品店の場所を知るためにモールの案内板へと向かった。凰鈴音はおそらくちゃんと案内板で店の場所を確認したのだろう。多分、きっと。
アウトドア用品店は全体的にカジュアルな内装で、リュックやテント、ランプなどのキャンプ用品が所狭しと並んでいた。俺たちは各自みたい商品の所に行くことになり、1時間後にレジ前に集合することを決め、解散した。俺は特に買うものを決めてなかったため、適当にぶらぶらと店を見ることにした。生まれてこの方アウトドア(プライベート)に縁がなかった俺は見るもの全てが新鮮で、まるで子供のようにあっちこっちに動いた。
(そういえば俺の家にリュックとかあるのか?あんまり家を見回ったわけじゃないから分からないけど、、。)
俺には憑依するまで織斑一夏がどんな生活をしていたか知らない。けど中学に遠足に行っていたと言っていたし、リュックは持っていたのだろう。きっと。
(その辺を箒に聞いてみるか、、。そう言えば弁当箱を見るって言ってたな、。)
俺は弁当箱のコーナーにいるであろう箒の方へと向かった。
弁当箱のコーナーは冒険心をくすぐる雰囲気に包まれていた。棚には、コンパクトに折りたたみができるシリコン製の弁当箱や、断熱材が組み込まれたステンレス製の保温弁当箱、そして頑丈なハードケースに守られたハイキング向けのモデルが揃っている。それらを見ていると思わず涎が出てきそうだった。しばらく色々な弁当箱を見ていた俺だったが、重箱のように大きい弁当箱を手に難しい顔をしている箒を発見した。
「よ、箒。」
「一夏か。自分の買い物はいいのか?」
「そのことなんだけど、俺、自分がどんなアウトドア用品をもっていたか知らなくてさ、、教えて下さい!」
俺が手を合わせて頼むと箒はジト目でこちらを見つめた。
「なんで自分のことなのに知らないんだ、、いや、今更か。確かリュックは中学一年の頃の遠足の時に買ったばかりだな、そろそろ新調した方がいい。水筒やタオルは問題ない。弁当は私が作るしな!」
「お、おう。」
最後の方でドヤ顔を決めた箒に困惑しながらもとりあえず俺はリュックを買うことに決めた。
「ありがとな箒。じゃあ早速リュック売り場に行くわ!」
「待て、私も同行しよう。」
「え?いいのか?なんかまだ弁当箱を選んでいるような感じだったけど。」
「いや、弁当箱はこれに決まった。私が悩んでいたのは、どんなおかずだったら弁当が見栄えよくなるかだ。まあそれは後で考えるとしよう。」
箒が手に持ったカゴに弁当箱を入れると、俺たちはリュック売場に向かった。
アウトドア用品店のリュックコーナーは、探検や冒険に出る準備をしているような活気に満ちている。壁一面に大小様々なリュックが並べられ、色合いはアースカラーを中心に、カーキやオリーブグリーン、深いブルー、さらにはアウトドアらしい鮮やかなオレンジやレッドも目立つ。色とりどりのリュックに目を奪われ、俺はキョロキョロと辺りを見渡した。
(凄いな、、最近のリュックはこんなにも進化しているのか、、。)
たくさんのポケットが付けられたリュックや、登山用だとポップに書いてある。大きめのリュックを見て俺は技術の進歩を感じた。
「あ、一夏!」
声をかけられたので振り向くと凰鈴音がピンク色のリュックを手に笑顔でこちらに駆け寄ってきた。
「見て見て、このリュック可愛くない?私にぴったりだと思うの!」
「確かに。その色なら似合うと思うぜ。」
凰鈴音が持ってきたリュックはスタイリッシュながらも女性的なデザインで凰鈴音に似合いそうだった。さらにはカラーが原作の凰鈴音の専用機、「甲龍(こうりゅう)」と同じなのだから尚更だろう。
「えへへ、どう?一夏。似合っている?」
「お、おう。可愛い。ホントに可愛いぞ凰鈴音。」
リュックを背負いクルリと一回転した凰鈴音の姿はおもわず微笑むほど可憐だった。リュックを背負ったブレザーブルマ姿のJKなので、セクシー面でもグーだった。
「そう言えば箒は自分の買い物はいいの?弁当箱を見てたんでしょ?」
「ああ、もう既に弁当箱は買ってある。当日はそうご期待というわけだ。」
「、、私にも残しておいてよね?」
「無論だ。私もそこまで鬼ではない。」
「?」
訳が分からずに俺が首をかしげているとスマホのアラームがなった。確か集合の10分前になるように設定していたはずだ。
「そろそろ時間じゃないか?」
「そうだな、もうレジに向かうとしよう。凰鈴音も買い物は大丈夫か?」
「ええ、一夏がほめてくれたこのリュックにするわ♪」
俺たち3人はいそいそとレジに向かった。
「なんだってんだこれは、、?」
俺は呆然と呟いた。後ろの二人も啞然と目の前の光景を見つめている。
「ではこれら全てカードでお願い致しますわ。」
「はい!ありがとうございますオルコット様!」
俺たちの前でセシリア・オルコットが沢山の商品の山の前でお会計を済ませている。リュックや弁当箱はもちろん、なんと高級テント一式や高級寝袋マットなどといった俺たち庶民が手を出せないような高級品まで積まれている。まるでちぎれんばかりに店員さんが腰を振っている。
「ちょいちょいセシリア、なんでこんなに買っちゃっているのよ!こんなにたくさん、遠足で使わないじゃない!」
「それはですわね鈴さん。わたくしこういった店にくるのは初めてですのよ。色々と気になる商品を購入するのは当然のことではなくて?」
「、、、、。」
凰鈴音は空いた口を閉じれなかった。それはそうだろう。
「あ、店員さん。先ほど目にした新商品の広告、とても興味深かったですわ。それも購入してもよろしくて?」
「はい!よろこんでぇー!!」
「、、、、。」
さすがヒロインはやることが違う。そう思わずにはいられなかった。
エロのない話が続いています。申し訳ない、、。
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