ハイキングコースを歩きながら、俺達は学校での面白い出来事や、幼少期の思い出などで盛り上がった。特にセシリア・オルコットさんや凰鈴音の過去は原作と全く違うものだった。セシリア・オルコットさんのご両親はピンピンしてらっしゃるし、凰鈴音のご両親も離婚なんかせずに今も夫婦仲良く中華料理店を営んでいるらしい。優しい世界で何よりです。
「それでね、酔っぱらったお父さんがお母さんを抱きしめちゃって、さらにはキスもしちゃってね!お母さん、顔真っ赤になってたわ!もうおかしくって!」
「ふふ、仲がよろしくて何よりですわ♪」
「そうだな、やはり両親の中が良いと娘としても安心できるな。これで姉も揃ってくれるといいのだが、、全く今何をしているのやら、、。」
三人娘は仲睦まじく身内の話で盛り上がっている。俺はそれをニコニコしながら眺めていた。、、、え?お前は参加しないのかって?それが出来たら陰キャしてないんだよ、、笑えよ、この過去に縛られている敗北者を!このままだとまた前世の二の舞になるぞとかうるせえぞ。いや、俺はこの遠足で陽キャのように楽しむって決めたんだ!やってやらあ!
「せ、セシリアさんの両親はなにやっれるんら、」
うあああ噛んだ。思わず顔が火のように赤くなってしまう。終わった、これで俺は昼食の時間、一人寂しく弁当に向き合うことに、、。
「そうですわね、私の両親は色々な事業を展開していますが、最近は主に貿易に力を入れていますわね。」
「る?」
なんとセシリアさんは俺の失態を気にすることなく普通に返答してくれた。思わず目が点になる。
「何よ一夏、普通に話しかけてくるじゃない!ずっと黙ったままだったからてっきり会話するのが嫌だと思っていたわ!」
「ああ、中学の頃の遠足の時とまるで違うから心配したぞ。話しかけてきてくれて何よりだ。」
凰鈴音も箒も俺に普通に接してくれている。そのことが俺にとって、とてもありがたかった。
(ああ、俺は本当に良い友人に巡り合えたな、、。)
それから俺は彼女たちと一緒に会話を楽しみながらコースを進んでいった。ちなみに箒あから聞いたが、なんと俺の両親は実在していて、今は海外で働いているらしい。いつか会えるだろうか。俺、ワクワクすっぞ。
数十分後、問題なく集合場所の広場に集まった俺達一年は織斑先生から2時間の休憩を言い渡され、それぞれ思い思いの場所へと向かっていった。
「俺たちもどこか弁当食べれそうな場所に行くか?」
「一夏様。差し出がましいようですが、移動されるなら早めになされたほうがよろしいかと。」
「え?」
チェルシー・ブランケットさんの言葉に頭に疑問符を浮かべると、まるでちくとくと肌をつつくような視線を感じた。まさかと思いその視線の方に顔を向けると、毎度おなじみ男子のクラスメイト達が目から血の涙を流さん勢いで俺たち、、いや、俺の方を睨みつけていた。全員班を決めるときに箒たちに軽くあしらわれた奴らだ。いいかげんこの視線にも慣れてきた自分は深いため息を吐く。こいつらは休み時間に俺が箒たちと話しているだけでもこんな嫉妬の感情をぶつけてくるのだ。目で。
「はぁ~。ホントやになっちゃうわよね。」
「レディに不躾な視線を送るぐらいなら自分を磨きなさいと言いたくなりますわ。」
凰鈴音もセシリア・オルコットさんもウンザリした様子だった。学校で常日頃から男子の欲望溢れる視線に晒されていたら、文句の一つも言いたくなるだろう。箒も口に出さないが口がへの文字に曲がっていた。
(これじゃあ安心して箒たちが弁当を食べられないな、、皆に負担はかけるけど駆け足であいつら振り切ればゆっくり身内だけで弁当を食べられるな、、。)
そう思い俺は不本意ながらも箒たちに平穏をかけたややフルマラソンを提案しようと思ったのだが、どうやら俺は長考しすぎてしまったらしい。例の男子達が俺たちを取り囲んでいた、、お前ら悪の組織の戦闘員か。
「セシリアたんたち、おでと一緒に弁当食べよう!」
「だからお前なんか相手にされねえって!み、みんな、俺とい、一緒に弁当食べない?もちろん織斑以外で!」
「全く、君たちの浅はかさにはほとほと呆れるよ。レディたち。そこの木陰で僕と一緒にランチにしよう。君たちの弁当を是非とも味合わせてくれ。」
男子たちの欲望溢れる発言に、だんだんと箒たち女性陣の目が座っていった。こうしている間にも今にも爆発しそうだ。特にチェルシー・ブランケットさんが。まあ、敬愛する主人がこんな奴らにナンパされていたらムカつくのも分かる。俺がハラハラしていると、事件が起きた。
「さあ、セシリアたん。一緒に行こう!」
「きゃっ、、!」
パワータイプみたいな口調の男子がセシリア・オルコットさんに手を伸ばした。彼女の怯えた顔を見た途端、自然と俺の体は動いていた。気が付いた時には俺はパワータイプ男子の前に立ちふさがっていた。
「おい、そこまでにしとけよ。」
パワータイプ男子の延ばされた腕を掴んだ途端に俺の口からそんなキザなセリフが何故か口から飛び出してきた。腕をつかまれた男子が驚愕に目を見開く。周りの男子たちもぽかんと口を開けていた。
「は、放せ!」
パワータイプ男子が乱暴に腕を振るってきたので手を離す。引っ張られたら危ないからな。パワー君はまだ諦めてないと目で語っていたので、セシリア・オルコットさんの前に手を伸ばして後ろに下がらせる。
「お前ぇ、何すんだよ!」
「俺の友達に手を出そうとしたんだ。当然だろ。」
「ぐぎぎ、、。」
言っておくと今の俺は見た感じヒロインのピンチをクールに助けるラノベ主人公だが、内心は心臓がバクンバクンのドッキドキだ。正直足をガクガクさせて、「ふぇぇ、、」と言いたいぐらいだ。あ、ヤバい。なんか吐き気が襲ってきた。
「お前、ズルいんだよ!一人だけセシリアたん達と仲良くなって!」
「そうだぞ!お前なんか爆発してしまえ!このリア充が!」
「全く身の程をわきまえてないな君は。君には彼女たちは相応しくない。即刻離れたまえ。」
次々に好き勝手言ってきやがる。だけど、前世の俺は間違いなくあっち側だったと思うと、感じていた吐き気がさらに酷くなった。あれ、目から汗が、。
「お前たちいい加減にしろ!一夏に迷惑をかけるな!」
「箒たんたちは織斑の野郎に騙されているんだ!」
「安心してほしい。この僕が君たちを救ってあげるよ。」
「この、いい加減に、、」
俺たちが一食触発の雰囲気になっている時だった。
「そこまでだ。」
「な、あなたは、、!」
何事かと集まった野次馬をかき分けて表れたのは、我が一年の学年主任、織斑千冬先生だった。
例のカジノの小説ですが、書き続けるか迷っています、、。カジノを上手く書ききる自信がない、、。
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