長くなりましたが、お待たせしました。投稿です。
「ふんふんふふーん♪」
セシリアが陽気に鼻歌を歌ってらっしゃる。俺と手をつないで。
「ぐぬぬ、セシリアめ、。」
「あそこでチョキを出していれば、、。」
「じゃんけんでここまで残念な思いをしたのは初めてですね、、。」
手を見つめながら悔しそうに歩くヒロインズたち。一応時間がくれば交代で手をつなぐことにはなっているのだが。
「ところで一夏さん。私たちは何処に向かっていますの?」
「あ、ああ。うちの近所のカフェに行こうと思ってな、そこのショートケーキが絶品なんだ、、。」
「まあ、それは楽しみですわね!早く行きたいですわ!」
どうやらセシリアは喜んでくれたようだが、俺は冷や汗が止まらなかった。
俺は今、とても危機が危ない事態になっている。何故かと言うと俺が昨日熟考の末に練ったデートプランと言うのが、近所の商店街のカフェを数件利用しようという、端的に言うとカフェ巡りのデートだったのだ。これを思いついた時には、コーヒーを飲みながらの恋人たちとの甘い時間を妄想して小躍りしたものだ。
だが、俺の額にはじっとりと汗が浮かび、背中を冷たい滴が伝っていた。完璧なデートプランを思い描いていたはずなのに、その青写真が今、音を立てて崩れ始めている。俺はばくばくと波打つ心臓の鼓動を感じながら、恋人達に視線を向けた。
「セシリアの下着ってオーダーメイドってズルくない?流石に太刀打ちできないんだけど。」
「ふふ、英国貴族は恋には労力を惜しまないものですわ!」
「何、チェルシーさんの下着はオーダーメイドではないのか?高級感が醸し出されているが。」
「はい。私のもそれなりの高級品ではありますが、流石に主人と同じというわけにもいかないので。」
そう、恋人3人とメイドさんは絶賛下着姿なのだ。これ大丈夫?今向かっている一件目のカフェはテレビでも紹介された結構有名なところなんだけど、そんな店に下着姿の箒達が入ってきたら「アウトォォ!」じゃない?
「どうしましたか一夏様?何やら汗をかいているようですが。」
「い、いえ、大丈夫ですよチェルシーさん、。」
「そうですか。具合が悪いようでしたらいつでもお申し付けくださいね。」
「あ、ありがとうございます、、。」
冷や汗をかいているのはあなたたちがストリップ状態だからですよなんて口が裂けても言えない。
(ど、どうする。この状況。どうすればいい、、?)
『○○さん。そんなに一人で悩まなくても誰かに聞けばいいではないですか。この世界のことを何回か教えてもらったでしょ?』
俺の脳内に流れてきた言葉にぴしゃごーんと雷に打たれたような感覚に襲われた。そうだ、俺には頼れる幼馴染がいるではないか!
「箒、ちょっといいか!?」
「ど、どうしたんだ一夏!?」
「い、一夏さん!?」
一回セシリアの手を離し、箒の肩をつかむとぐいっとこちらに引き寄せる。「ひゃん」と悲鳴が聞こえたが、とりあえず気にしない。
「今、カフェに向かおうとしているんだが、女性が下着姿でも大丈夫なのか?そこんところどうなんだ?」
「な、何を変なことを聞くんだ。別に下着姿でカフェに入るのはおかしくないだろう?」
「るぅ、、。」
思わず変な声が出てしまったがとりあえず確認はとれた。まあうすうす分かっていたがこの世界では下着姿でカフェを利用するのは問題はないらしい。流石エロCGの世界なんだぜ。
「一夏さん!いつまで箒さんの肩を抱いていますの!?」
「あ、悪い箒。力強くなかったか?」
「あ、ああ大丈夫だ。その、一夏、もうちょっとだけ傍にいさ、、。」
「さあさあ、一夏さん、早く行きましょう♪どんなところに連れていってくれるか楽しみですわ♪」
と、今度はセシリアが俺の傍に寄ってきた。おおお、下着姿の金髪碧眼美少女が俺のすぐ隣に!
「お、おいセシリア、くっつきすぎだぞ!」
「そうよ!抜け駆け禁止よ!」
「お嬢様。お戯れが過ぎるかと。」
「えー、まだ時間ではないですわよ?」
まさか俺が美少女たちに取り合われる日が来るとはな、、人生わからないものだ。一回終わったけど。
しばらくヒロインズの言い合いを聞きながら歩いていると、目的のカフェについた。ベージュ色の壁とこげ茶色の屋根がいかにもモダンな外見だった、、え、俺これからこのカフェを下着姿の少女たちと利用するの?噓だろ?
「どうしたの一夏?入らないの?」
鈴が俺の顔を覗き込んでくる。その瞳には一点の曇りもない。今の自分たちがカフェを利用することになんの戸惑いもないようだった。さらにはほかのヒロインズも同じような視線を俺に浴びせてきた。
(ええい、ままよ!!)
俺は意を決してドアを開けた。カランカランとドアベルの音が俺の緊張した脳に染み渡った。
カフェの店内は上品なクラシックのBGMが流れており、艶やかな木造のテーブルやイスが置かれている、いわゆるシックな内装だった。
「ほう、なんだか落ち着く雰囲気だな。」
「祖国のカフェを思い出しますわね。」
「一夏、なかなかいいチョイスじゃない!」
どうやら俺の恋人たちはカフェの雰囲気が気に入ってくれたらしい。鈴にいたってはバシバシと俺の背中を叩いてくる。気のいいおっちゃんかお前は。
「いらっしゃいませ。5名様ですか?」
「は、はい。」
白と黒の制服を着た店員さんが声をかけてきた。今のメンツは俺以外、全員あられのない下着姿の少女たち。俺たちの明日はどっちだ!
「かしこまりました!窓際の席へどうぞ!」
「る?」
「あの、どうかなさいましたか?」
「あ、いや、なんでもありません。気にしないでください、。」
店員さんはまるでなんともないように俺たちを席に案内した。マジで!?どう考えてもフォーマルな恰好じゃない痴女が4人いるんですけど、、いや、もしかしてこの世界じゃ特に問題じゃないのか?
「どうしたの一夏、ボーっと突っ立ってないで早く行きましょうよ!あたし、喉が渇いてきたわ。」
鈴が一足先に席へと向かう。ヒロインズも食べたいスイーツについて和気あいあいと話しながら後に続く。いや、服着たほうがいいのでは、、?
「どうしましたか一夏様?席へ行かないのですか?」
「あ、はい。今行きます。」
下着姿のメイドさんに心を乱されながら俺は鈴たちを追った。
「ねえねえ一夏!このレモンパイ美味しいわよ!クリームの甘みとレモンの酸っぱさが絶品!」
「一夏さん!このショートケーキも美味ですわよ!祖国のショートケーキにも負けていませんわ!」
「お、落ち着けよ二人共。」
俺は今、鈴とセシリアに挟まれながらコーヒーを飲んでいた。下着姿の美少女に左右を固められて俺の平常心は怪獣を倒したウル〇ラマンのごとく何処かに行ってしまった。いや、2人が服を着ていたとしても落ち着かないと思うけど。
ゴゴゴ、、、
俺の向かい側に座った箒が圧のある笑顔をこちらに向けている。ああ、コーヒーカップがガタガタと揺れてらっしゃる。それに比べてチェルシーさんはすまし顔を浮かべて、、、いや、ジト目を向けている。
ちなみに今の席順はヒロインズの厳正な勝負によってなんとか無事に決められた。その時の様子は俺の精神の安静のために割愛させていただく。
「一夏!聞いているの!?」
「一夏さん!聞いていますの!?」
「キ、キイテイマスヨー、。」
くそう、二人の女子を相手にするのはこんなにも大変だったなんて、、爆発しろなんて言ってごめんよ織斑一夏、、。
「ほら、一夏。あーん!」
「お、おっ、!?」
鈴のあーんに反射的に体を向けた俺はピシリと固まった。何故なら俺の目に映ったのは、ピンク色の下着を身につけた美少女だったからだ。
「?どうしたのよ一夏?ほら、あーん。」
ああ、こんなにも魅力的な少女が俺の恋人だなんて、、ああ、自分の幸運が幸運だ(?)。ありがとうガイちゃん、ありがとう転生、、
「ていっ!」
「いたっ!?」
鈴のチョップで俺は我に返った。やべえ、あまりにも魅力を振りまいているから我を忘れていたぜ。
「まったく、すぐに変になるんだから。ほら、あーん。」
「むぐっ、。」
口に一切れのレモンパイを突っ込まれてた瞬間、俺の口の中にさわやかなレモンと甘いクリームの味が口いっぱいに広がった。うん、これは確かに美味い。
「どう、一夏?」
「美味い、、さすがは有名店だな。」
「ふふ、良かった。」
にかっと笑う鈴。この彼女も明るい感じで可愛いな。
「い、一夏さん!あーん!」
「お、っ!?」
向き合った瞬間、再びピシリと固まる俺。グラマラスな体型+高級感溢れる青い下着姿+文句なしの美少女お嬢様というスリーセブンを見せつけられたら誰だってそうなるだろう。ああ、ここがオケアノスか、、。
「もう、じれったいですわ!」
「むぐっ!?」
口の中に苺のショートケーキを一口突っ込まれる。苺の甘酸っぱさとまろやかなクリームの甘さ、ふわふわとした食感のスポンジが俺の情緒不安定な心を癒してくれる。
「ど、どうですの一夏さん?」
「美味い、、これまで食べたケーキの中で一番だ、。」
「そうですわよね!わたくし鼻が高いですわ!」
「いや、あんたは作ってないじゃない、、。」
そうだろうな。仮にセシリアが作ったら絶対クトゥルフになるし。
「い、一夏!この抹茶ケーキもどうだ!」
「一夏様。私のシフォンケーキもどうぞ。」
「い、一夏!もう一口どう!?」
「一夏さん!わたくしのも!」
「お、落ち着けよみんな。一人ずつな、一人ずつ。」
と、こんな感じで俺たちは騒がしくも楽しいひと時を過ごしたのだった。
一件目のカフェを出た後も数件のカフェを回ったり、服屋や小物屋でショッピングをしたりとしている内に日が暮れてきたので解散という形になった。ヒロインズはごねたが暗くなってきたら危ないからな。人を惹きつける美少女なら尚更だ。
「き、今日は楽しかったぞ一夏//」
「久しぶりに気兼ねなく楽しめましたわ。」
「今日はお嬢様たちを満足させていただきありがとうございました。もちろん、私も楽しかったです♪」
「ま、また今日みたいにデートしてくれる?」
「もちろん、俺でよかったら喜んで。」
俺たちは夕日が沈む商店街の入り口でデートの余韻に浸っていた。ちなみにヒロインズは今は全員服を着ている。昼間ならともかく夜になったら寒いものな。
「では私たちはこのあたりで。車を待たせておりますので。」
「では、みなさんごきげんよう。今日は楽しかったですわ。」
チェルシーさんを伴ってセシリアが去っていく。凄いな、まるでモデルのような足取りだ。流石貴族令嬢。
「一夏。私もこの辺で。また学園でな。」
「じゃあね一夏!」
「あ、待ってくれ二人共。」
「「?」」
「もしよければなんだけど二人共家まで送らせてもらえないか?ほ、ほら、暗くなってきたし、、。」
俺の提案に幼馴染ズは目をパチクリさせる。心なしか頬が赤い。
「い、いいのか一夏?変えるのが遅くなってしまうぞ?」
「どうせ姉は家にまだいないから大丈夫だよ。それに女の子を一人で帰らせるわけにはいかないし。」
この辺りは特別治安が悪いわけではないが、やはり万が一というのもある。もし二人に何かあったら、俺は、、それこそ一生後悔するだろう。箒はふっと笑うと俺の傍へと寄った。
「そうだな。正直夜道を帰るのは心細かったところだ。よろしく頼むぞ一夏。」
「男あげたわね一夏!見直したわ!」
「だから痛いって鈴!」
いちいち背中叩いてくるなよ鈴!おっちゃんかお前は!
「じゃあ本格的に暗くなってきたし帰るか!」
「「「「ああ(はい)(ええ!)」」」」
俺たち五人は家路へと向かった、、、、、5人?
「ってセシリア!?チェルシーさん!?」
「なんであんたたちがいるのよ!?さっき帰ったじゃない!?」
そう、いつの間にか俺たちの傍に一足先に帰ったはずの英国令嬢とメイドさんが出現していたのだ。あまりにも自然にとけこんでいたから一瞬気付かなかったぜ、。
「ふふ、恋人のエスコート、、これを見逃すセシリア・オルコットではありませんわ!」
「そういう訳ですのでよろしくお願いしますね一夏様♪」
「いやいや、車待たせているんじゃないですか!?」
「大丈夫です。一足先に帰らせましたので♪」
「ええ、、。」
思わず運転手さんに同情しているとセシリアが俺の腕を取り、カップルみたいに腕を絡ませた。
「それでは行きましょう一夏さん♪」
「おいセシリア!また抜け駆けを!」
「あんた、いい加減にしなさいよ!?」
「お嬢様、ここはじゃんけんを。」
「だから落ち着けってみんな!」
星が瞬く夜空の下で、俺たちはわいわいと騒ぎながら改めて家路に向かったのだった。
報告なのですが、最近新たに小説を投稿しました。「にじさんじのタレントがRPGのキャラクターになる。」をコンセプトに執筆していきます。
なんとかエタらずに完結させたいなと思います。もちろん「転生インフィニット・ストラトス学園」も完結させますよ!
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