体育祭のプログラムも午前の部が終わり、俺たちは昼食を食べることにした。もちろんヒロインズと一緒にだ。これだけで体育祭の疲れが吹き飛ぶぜ。
「うおお、凄いな、箒!」
「ああ、朝早く起きて作ったんだ。みんなももし良かったら食べてくれ。」
「これが、伝説の運動会の弁当、、。まさかお目にかかれる日が来るとは、、!」
「そんな冒険映画じゃないんだから。」
箒が持ってきた弁当には、おにぎり、玉子焼き、ブロッコリー、タコさんウインナー、唐揚げなどが綺麗に詰められていた。やっぱりタコさんウインナーは欠かせないよな!
「ほ、ほら、一夏。あーん。」
顔を赤くしながら、箸でつまんだタコさんウインナーを持ってくる箒。ああ、こんな幸せなことがあるだろうか。
「んぐっ、、おお、美味い!!」
「ふふ、そうだろうそうだろう。何しろ私が作ったんだからな。」
「い、一夏!僕のも!」
お、今度はシャルか。卵、レタス、ハムが見事に調和したサンドイッチがとても美味しそうだ。差し出されたそれにかじりつき、ゆっくりと味わう。
「このサンドイッチ美味しいな!流石シャルだぜ!」
「え、えへへ、、それほどでも///」
「、、、一夏。次は卵焼きだ。バランス良く取らなければな。」
「むぐぅ!?ほ、箒、いきなりつっこむなよ!!」
むせたらどうするつもりだったんだよ、、いや、卵焼きは美味しいけど、、。
「一夏さん!わたくしも弁当を作ってきたんですの!!是非ご賞味くださいませ!!」
その瞬間、俺たちの空気がピシッと凍った。ギギギとブリキ人形みたいに音を立ててゆっくりと顔をセシリアのほうに向ける。
い、いや、まだ決まったわけではない。遠足の時からしばらくたったのだ。きっと劇的に料理の腕が成長を、、。
「今日はキチンを揚げてきましたの!元気がでるように辛目にしましたわ!!」
だが、そんな俺たちの希望は儚く砕け散った。バスケットから出てきたそれは、「あ、これゼッタイあかんやつや。」と一目でわかるような赤い色とオーラを持つ唐揚げだった。
「朝早く起きて作ったんですの!さあさあ一夏さん、お食べになって!」
「箒、鈴、、。」
「「、、、、、。」」
「シャル、ラウラ、、。」
「「、、、、、。」」
俺は目線で助けを求めるが、彼女たちから申し訳なさそうに目線をそらされた。ただ黙々とご飯を食べている。
俺は一途の望みをかけて、チェルシー・ブランケットさんに目線を向けた。あ、そらされた。
「一夏さん!午後からリレーなんですわよね?だったらお腹を満たすことは大事ですわ!」
「、、、、、。」
逃げたい、、この場から全力ダッシュで逃亡したいが、セシリアは俺の恋人だ。そんなことができるわけがない。
「一夏さん?」
曇りなき目でこちらを見つめるセシリア。俺は意を決すると、、唐揚げにガブリついた。
かっっっっっら!?!?!?
「ふぁあ、ふぉせんひゅうもはんはろう!」
「一夏さん、ちゃんと日本語で言ってくださらないと何言ってるか分かりませんわ。」
「誰のせいだと思ってるのよ誰の、、!」
俺の口が大分おヤバいことになっているが、それはそれとして体育祭は進む。綱引きでは奮戦したが、惜しくも白組の勝ちになってしまった。くそ、白組に肉体改造部部員がいなければ、、。
パン食い競争では、出場したラウラが転んでしまうというハプニングがあったが、なんと持ち直してそのまま一位になってしまった。流石特殊部隊隊長!、、、気になったんだが、なんでパンが食パンなんだ?
そんな風に勝ったり負けたりを繰り返し、点数は300対300。同点だった。
「いよいよだね!一夏!」
「おう!」
そして、最後の競技、100メートルリレーがいよいよ開催される。俺は気合いを入れるためにパンッと頬を叩く。そう、俺はこれからリレーに参加するのだ。しかもアンカーなんだぜ?まさか俺がこんな大役を任されるなんてな。
「一夏、全力を尽くすのだぞ。」
「無様な真似したら承知しないんだからね!」
「まあ、幻滅されないように頑張るさ。」
俺は彼女たちに手を振りながら指定の場所へといく。、、、なんか隣の白組の男子の視線が痛くないか?まあ十中八区俺が女の子と仲よくしているだからだろうけど。
「位置について!」
お、そろそろ始まるな。俺は深呼吸して心を落ち着かせる。
「よーい、、ドン!」
選手たちが一斉にスタートした。やや赤組がリードか。応援席の応援も気合が入っているな。
『赤組、一足先に第二走者にバトンを渡しました!白組頑張ってください!』
確かあの第二走者は陸上部所属だったはず。凄いスピードだな、、あ、もう第三走者にバトンを渡した。
『赤組、大幅にリードです!白組、まだ逆転の目はありますよ!頑張ってください!』
実況の人はそう言っているが、もはや大勢は決した。何しろ白組とは1走者分の差がある。勝ったな。
、、、だが、その慢心が良くなかったのかもしれない。
「ぐええええ!?」
『ああっと!?赤組の第三走者が転んでしまった!その隙に白組が追い抜く!第三走者にバトンが渡った!』
なんと赤組の第三走者が転倒してしまったのだ。その横を白組の第二走者が追い抜いて第三走者に繋ぐ。マジかよ、、こんなことあり得るのか!?
『第三走者早い早い!あっという間にアンカーにバトンが渡った!赤組大ピンチ!!』
そう、あれよあれよという間に白組のアンカーにバトンが渡ってしまったのだ。え、オワリオワリ!
「ご、ごめん、後は頼んだ!」
「お、おう!」
俺は第三走者からバトンを受け取り、走り出す。まずいな、、。
『赤組のアンカー、走り出した!だが白組のアンカーはゴールまであと少し!これは決まったか?』
白組のアンカーはずっと先だ。くそっ、、終わったか?
「一夏、、。」
「もう無理なのか!?白組がゴールしてしまうぞ!?」
一方応援席では、シャルが心配そうに手を組み、ラウラが地団駄を踏む。彼女たちにとって一夏が負けるなんてとても耐えがたいものだった。
「何よ、まだ白組はゴールしてないじゃない!一夏ならここから逆転してくれるわよ!」
「しかし、赤組とは大きな差が出来てしまいました。このままでは、、。」
セシリアの言う通り、白組はたった今アンカーにバトンが渡ったのに対して、赤組はまだ第三走者だ。ここから逆転は厳しいだろう。
「うろたえるな!」
赤組に敗戦ムードが漂う中、喝を入れるように大声を出したのは箒だった。
「一夏は諦めずにゴールに向けて走り続けている。私たちは私たちに出来ることをやるだけだ!」
「それは分かるけど、いきなり大声を出さないでよびっくりするじゃない!」
「ですが、箒さん。観客席にいる私たちに出来ることは、、。」
「何を言うか!応援席にいる私たちだからこそできることがあるだろう!」
「出来ること?」
「決まってる!」
箒は体操服に手をかけると、ぼろんっ!とおっぱいを露出させた。
「応援だ!」
「くそっ、、このままじゃ、、!」
俺は走りながら焦燥感に駆られていた。白組のアンカーはもうゴール寸前だ。終わったか、、?
、、ばれ。がんばれ!がんばれ!!
「ん?」
何やら声が聞こえたので、俺は思わず顔を向けた。その先には、、。
「「「「「がんばれ!がんばれ!!」」」」」
なんと、ヒロインズがおっぱいをさらけ出した姿で俺に声援を送っていた。しかもご丁寧にブルマを脱いでボトムレス姿になっている。
「な、、!?」
まさかこんな場面にまでエロCGを繰り出して来るとは、、ホント暇さえあればねじ込んでくるな!
「一夏!諦めるな!」
「頑張ってくださいまし!」
「男見せなさいよ!」
「一夏なら出来る!」
「限界を超えるんだああ!」
箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラが俺にエールを送ってくれている、、みんな。
「私たちも続くわよ!織斑くんを応援するの!」
「織斑くんならきっと逆転してくれるわ!」
「盛り上がってきたねー!」
更にはクラスの女子たちも次々と箒たちと同じ姿になって俺に熱い声をかける。
「そうだよな、、、こんなに期待されていたら、、答えないわけにはいかないよな!」
俺は気力を振り絞って足を力いっぱい動かす。まだ勝負はついていない、、限界を超えろ!
「うおおおおおおお!!」
早い、、!風を切るスピードがとんでもない、、まさか俺にこんなスピードが出せたなんて!
俺は白組のアンカーに肉薄する。彼は俺を信じられないような目で見ていた。そこが命取りだぜ!
「おおおおおお!」
その一瞬のスキを突いて、俺はゴールテープを切った。その瞬間、赤組から割れんばかりの歓声が轟いた。
『ゴオオオオオオオル!!なんと、、なんということでしょう!あの絶望的な状況から、仲間の声援を受けての大逆転勝利!!これが、、これが体育祭だああああ!!』
実況の興奮した声を俺はどこか夢うつつで聞いていた。勝ったのか、俺?
「一夏!」
「一夏さん!」
と、誰かが駆け寄ってくる気配。見るとあられのない格好をしたヒロインズだった。彼女たちは俺に駆け寄ると、力いっぱい抱きしめた。
「やったな一夏!」
「流石ですわ!」
「惚れ直したわ!」
「信じてたよ一夏!」
「流石私の嫁だな!」
満面の笑みで俺をもみくちゃにしてくるヒロインズ。うおお女の子の柔らかい部分が直に感じられるううう!?
しまいにはクラスメイトも駆け寄ってきて、わっしょいわっしょいされる俺。こんなそんなで、俺達の体育祭は終わったのだった。
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