黒歴史2週目となった自己紹介を終えた後、俺は真っ白に燃え尽きて椅子に座り込んでいた。再び高校デビューに失敗したのだから仕方のないことだった。
(もう終わりだ、、、二度目の高校生活も非リア充として過ごす羽目に、、)
「、、か!一夏!」
「んあ!?」
「いつまで呆けているんだ。もうとっくにホームルームは終わったぞ。いい加減その絶望顔をやめろ。」
いきなり名前を呼ばれて過剰気味に反応すると俺の幼馴染である篠ノ之箒が俺の顔を覗き込んでいた。いきなり和風美人の顔が目の前に飛び込んできて、俺はついドキマギしてしまった。
「え、?もうホームルーム終わったの!?」
「覚えてないのか?一夏お前、あれからずっと呆然とした顔で固まってたんだぞ。クラスメイトが引いた様子でお前を見つめてたじゃないか。」
「、、、ぐああああ!!」
覚悟はしていたがクラスメイトに高校デビューの敗者認定され、俺は頭を抱えたままうねり声を出すしかなかった。
「まったく情けない。一度の失敗でそんなにくよくよするな。日本男子だろ!」
「いやくよくよしたくもなるわ!高校デビューという人生を左右する大戦に負けたんだぞ!」
「大げさなやつだな。高校デビューに失敗したぐらいで人生が決まるなんてありえないだろう。」
「いやいや、おまえなぁ、、。」
「そ、それにクラスで浮くぐらい気にするな。お前には、わ、私がいるだろう、、。」
「え、、。」
顔を若干赤くしながらそう言ってきた篠ノ之箒に俺はぽかんと口を開いた。
「つ、つまり、お前は友達になってくれるのか、、?俺と?」
「友達も何も私達は幼馴染だ。も、もう友達以上の関係と言っていいだろう。」
衝撃的な発言に瞬思考停止したが次第に頭が言葉を理解していき、完全に理解すると俺の頭の中でファンファーレが鳴り響いた。つまり、つまり、俺に高校生活で始めての友達が出来たのだ!しかもこんな美少女の幼馴染(後付け)の!
「ど、どうしたんだそんなに興奮して、、おい、待て!私の腰に手を回して踊るな!クラスメイトが見ているだろう!?」
篠ノ之箒が何か言っている気がしたが俺の耳には届かなかった。今はただこの喜びの感情に身を委ねてみたかった。
「や、やめろ!、い、いや、そこまでやめてほしい訳ではないが、、こんな公共の場で踊るなぁ!」
しばらくして気がつくと、何があったんだといわんばかりのクラスメイトの視線が突き刺さり、篠ノ之箒は荒い息を上げながらこちらを睨みつけていた。
「一夏、何か言うことがあるよな(怒り)。」
「申し訳ございません。」
俺が土下座して篠ノ之箒に誠心誠意謝っている時だった。
「あはは、相変わらずぶっ飛んでるわね、一夏!」
そんな笑い声と共に俺を呼ぶ声が聞こえた。俺が思わず振り返ると栗色の髪をツインテールにした小柄な女子生徒が勝気な目でこちらを見つめていた。
「ちょっと、入学して浮かれるのは分かりますが突飛な行動は謹んで頂ける?ここは神聖な学び舎ですのよ?」
さらに縦ロールに整えた金髪に碧眼といったいかにも貴族令嬢といった風貌の女子生徒が釣り目でこちらを睨みつけていた。
そう、彼女達は「インフィニット・ストラトス」のヒロイン達である鳳 鈴音(ファン インリン)と、セシリア・オルコットだった。
(マジかよ、、原作1巻の3大ヒロインが勢揃いじゃねえか、、!)
俺が感動していると、鳳鈴音が話しかけてきた。
「久しぶりね一夏!中学2年の時以来だから1年ぶりかしら。ほんと変わってないわね!」
「お、おう、そうだな。」
「何よよそよそしいわね。せっかくの幼馴染との再会なんだからもっと喜びなさいよ!」
(そんなこと言われてもあなたと会うのはこれがはじめてなのですが、、)
俺がそんなことを思っているとそばにいた篠ノ之箒が不思議そうにこちらを見てきた。
「久しいな、鳳鈴音。まさか中国から帰ってきていたとはな。」
「あら、篠ノ之箒じゃない。相変わらず一夏の正妻を気取っているの?」
「正妻も何も一夏との付き合いはお前よりも長い。私が一夏の一番なのは揺るぎない事実だ。」
「へぇ、大した自信じゃない。一夏が正妻に選ぶのはどっちになるのか楽しみね♪」
篠ノ之箒と鳳鈴音が何故かバチバチと火花を散らし始めた。正妻がどうとか言ってるがそもそも俺は二人とは今日会ったばかりだ。げんなりとした俺はふとセシリア・オルコットと目が合った。
「?なんですの?」
しかしまるで彫刻のように整った顔立ちだ。原作のイラストでも美少女だったがリアル(?)で会ってみると魅力が五割増しになったような気がする。
「お、織斑一夏さん。そんなに私の顔をまじまじと見ないでくださいませ!」
「あ、す、すまない!」
俺は彼女の顔をついまじまじと見てしまったようだ。慌てて謝罪する。
「あなた、よく見るとけっこうかっこ、、じゃなくて!殿方がレディの顔を凝視するのは感心しませんわよ!」
「ほんとごめん!セシリアさんの顔があまりにも綺麗で、、。」
「え、、き、綺麗ですの?」
「あ、ああ、つい見とれてしまうぐらいには、、。」
俺がそう言うとセシリア・オルコットは優雅な笑みを浮かべた。
「ふふ、そう思うのなら顔を見つめるぐらいは許しましょう。下々のものの無礼を許すのも貴族の務めですわ。」
「おお、良かった。」
俺が安堵しているとセシリア・オルコットのすぐそばにいた女性が気づいた。先ほどから衝撃的なことが多過ぎて気づかなかったのだ。
「えーと、あなたは、、」
「ごめんなさい、ご挨拶が遅れました。わたくしセシリア・オルコット様のメイドをしております、チェルシー・ブランケットと申します。」
メイドさん、、チェルシー・ブランケットはそう言うと優雅に一礼した。
最近、自分は「つまらない病」を発症しています。辛いです。
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