因習村でハブられたので、美少女全員嫁にする 作:CloudWagon
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二〇二二年十二月二十四日。クリスマスは家族で過ごす、クリスマスイブは夫婦水入らずで過ごす。そんな家族のルールは、俺が初めて彼女が出来た年から始まって、その日もいつものように両親を見送った。
俺はそのとき、三番目の彼女にフラれたばっかりで、両親に「彼女にフラれたから俺も連れて行ってくれ」なんて恥ずかしくって言えず、彼女と過ごす体でいて。
――俺は今でも、その選択を後悔している。
交通事故だった。居眠り運転のトラックに突っ込まれて、運転していた乗用車がひっくり返って死んだ。病院に駆けつけたときにはとっくに息を引き取っていて、見た目を整えられた両親は、最後の最期まで……死んでも、手を繋いだままだったそうだ。
ありふれた日常が続くと思っていた。あっさり奪われるなんて、想像もしていなかった。慰謝料も保険金もいらないから、二人を返して欲しかった。そんな、叶わない思いを抱いて夜を過ごすのが、辛かった。
昔、中三の時、左肘を壊してバスケの全国大会への夢を絶たれてグレた俺を助けてくれた先生に、色んな手続きをお願いして、世話になりながらこの村に越してきて……最初は、孤独になることを極端に恐れていた。もう、一人になりたくなかった。失った日常を思って胸をかきむしる日々が――
熱の無い二人の寝室が。
並ぶことがなくなった揃いの食器が。
クローゼットにしまわれたままの衣服が。
玄関から消えてしまった革靴と、パンプスが。
もう、温かい声に迎えられることのない、火の消えた家が。
――辛くて、苦しくて、寂しかった。
だから、溶け込めるように努力した。友達を作って、誰からも嫌われないように立ち回って、日常の、同居してくれた家族代わりの人を大切にして、失わないように、奪われないように、毎日を必死で生きて。
『大丈夫。みんなを、好きにならなくても良いんだよ』
『私は倉持くんの先輩だからね。頼っても良い。弱音を吐いても良い』
『あなたが思うように振る舞って、やりたいことをやっていいんだよ』
『もしあなたが、悪いことをしたら、私たち先輩が叱ってあげるから』
『もう、苦しそうに笑わなくても良いんだよ、倉持くん』
そうして救われた。
ただの言葉だった。
それでも、救いだ。
初めての言葉だった。
だから俺は、冬先輩を好きになった。
恋ってのはハッピーなもんだと思っていた。
胸をかきむしりたくなるような気持ちも恋と呼ぶのだと知ったのは、初めてだった。
(だから天文部は、俺にとって、なにより大事な場所
流通の要。
町への林道を管理する
その跡取りであり、現在商店で丸山の後継者として働いているのが、他ならぬ丸山
(さて、どうしてるかね)
林道の中でも地盤の強い竹藪の一角。道の右に大きな川があり、左に大きな商店がある。都会のスーパーとは比べものにもならないサイズで、砂利の駐車場を備えた二階建ての木造建築。
駐車場や裏庭・二階含めてざっと百坪はある敷地に、食料品から家電に工具に盆栽に、なんでも揃っている。客入りはまぁ、週末にまとめ買いをする客しか来ないが、それでも潰れたりしないのは、丸山家が流通の要所として重要視されているから、らしい。
『だ・か・ら! 私は勝ち組ってわけよ!』
『勝ち組……って、彼氏とかはつくらねーの?』
『いい、私みたいなド陰キャはせいぜい実家を継いでニートをやるのが限界なの!』
『ええ、先輩だって可愛いじゃん。いい人見つかるって』
『ひ、ひぃっ、やめてっ! 陽キャパワーを私に当てないで! たすけて
『冬先輩をへんなことに巻き込むのはやめてくれねーか?』
『陽キャ退散! だいいち、元バスケ部なんて陽キャのスポーツじゃんか!』
『スポーツに陽キャも陰キャもあるか!!』
何度思い出しても愉快な先輩だ。本当に、憎たらしくなるくらい、面白おかしい先輩だった。目元を隠すほど長い黒髪と四角い眼鏡。背は高くもなく低くもなく、胸はたぶん大きめなんだが、いっつもひどい猫背で体型がよくわからない。
この村の女の標準装備で、小さな顔は柔らかく整っていた。本人は、ちょっと太めの眉がコンプレックスみたいだったけど。
村で唯一の自動ドアをくぐる。広々とした店内の左側は十坪くらいのスペースを使った食料品売り場。主に保存食や賞味期限の長いパッケージ商品が販売されている。正面はカウンターで、村内の広報誌なんかが置かれている。レジもあって、カウンターの裏には木棚と扉。扉の向こうには階段があって、二階の居住スペースに繋がっている。店内の右側はホームセンターみたいに色々なモノがごったに置かれている、一番広いスペースだ。
俺は先輩に挨拶するのだから、と、今日の格好は制服だ。群青のブレザーに赤いネクタイと白いシャツ。グレーのズボンに茶色のローファー。今日は資料があったら持って帰らないとならないから、大きめのリュックを背負って原チャリできた。
……制服を着ていた理由はそれだけじゃなくて、学校に立ち寄った、というのもある。ちょっと天文部に用があって、用事を済ませてから商店に来た。
「はいはーい、ちょっと待ってねー」
自動ドアをくぐるとチャイムのような音が響き、二階からずいぶんのんびりとした足音が響いてくる。平日の昼過ぎだっていうのに、寝ぼけ眼を擦りながら階段を降りてくる。
長い黒髪はあんまり梳かしていなくて、尻の高さまで伸び放題。黒いセーターとグレーのロングスカートの上から商店のエプロンをつけた姿。四角眼鏡の奥には意外とつぶらな一重まぶたがあって、髪の間から太い眉が見える。
「よう、久しぶり、せーんぱい」
「っ……だっ、だっだだっだれもいないかー」
「はは、演技下手すぎねぇか? 大丈夫かよ」
「ぅぅ……」
俺を無視してカウンター裏の丸椅子に腰掛けた丸山先輩に、詰め寄るようにカウンターに片肘を付く。俺の分の三食が用意されなかった動揺で駆け込んで、腹が減ったから食料品を買い求めて、お金を受け取って貰えなかったあの日以来だ。
「今日はさ、丸山先輩に感謝したくて来たんだ」
「?」
もちろん、一番の目的は儀式について知ることではあるが、家捜しの前に先輩に用事があったというのも事実だ。
「俺は昔ちょっとグレてた時期があってさ。髪染めてピアス開けて喧嘩して、ろくなもんじゃなかったよ。酒とタバコはつまんなくてすぐやめちまったけど、恩師にぶん殴られるまではヤンチャしててさ。それはそれでけっこう後悔してる。ダサいことやっちまったなってさ」
「……」
話が見えないのだろう。先輩はただじっと、俺の話に耳を傾けていた。中三の時、バスケ一辺倒だった自分の心が折れたとき、それはもうグレていた。それなりに熱心で、全国どころか世界だって夢見てたから。
「悪いことをしたら罰せられるのは当たり前だし、やっちゃならないことをしたら償わなきゃならない。自分の行動ってのは結局、自分に返ってくる。傷つけたら謝る。壊したら直す。盗んだら返す。当たり前のことだ。そういう価値観を両親と恩師から教わって生きてきた。なぁ、丸山先輩、わかるか?」
あの日。俺が盗んだのは、たった一個のおにぎりだった。カウンターにお金を叩きつけても受け取って貰えず。俺は、一個のおにぎりを盗んだ。たいしたことないじゃないかと言う人はいると思う。世界にはもっと悪いことをするやつが、たくさん居るって。
でも、俺の中で培って、納得して、呑み込んで、誰かにそれを教えられる人間になりたいと、教師でも警察官でもいい、そんな職に就きたいとすら思っていた。当たり前の常識で、当たり前の良識を、色んな人と共有したいとそう思っていた倫理観。
「あのとき盗んだ一個のおにぎりが、誰にも罰せられなかった罪が、俺に気が付かせてくれたのさ。――罪も罰もないんなら、復讐も報復も犯罪も、全部全部好き放題で良いんだなって。助かったよ、本当に。
「ぇ」
先輩は、俺が今までどうやって過ごしてきたのかなんて知らないだろう。笑顔で話しかける俺を、ただ呆然とみていた。カウンターの端には、埃が被った百円硬貨が一枚ある。本当なら、おつりを三十円貰ってレジに入るはずのお金だった。
右手を伸ばして、先輩の左のおっぱいを掴む。ふよふよとした揉み心地。さてはめんどくさがってブラジャーをつけなかったな? 乳首辺りを親指で擦ってやると、確かに突起を発見できた。
「ぇ……ひっ」
そうして先輩は、ようやく事態に気が付いたのだろう。なにをどう冗談めかしても、セクハラなんか一度もやったことはなかったからなぁ。
「さて、せっかくだし、先輩のことを色々知りたいな」
「ぁ……ぁ……ぅ」
「自分に無頓着な先輩が、如何に“食いで”があるかってこと、ちゃーんと骨の髄まで教えてやるからさ。自分たちで産んだモンスターの味、しっかり味わってくれよ?」
「ひっ」
顔面蒼白のところ悪いが、なにも性急にことを運びたいわけではない。俺はショルダーバッグから二〇〇mlの小さなペットボトルの水を取り出す。先輩の鼻を摘まんで息を止めさせると、さっさと全部呑ませた。
「むぐ?! ごく、ごく、ごく」
「全部飲めて偉いじゃん。じゃ、俺は捜し物があるからさ、その間、トイレでゆっくりしててよ」
「ま、まさか……~~ッ!?」
席を立って二階に走る先輩を見送る。あの人、口に怪しい液体与えられたら吐き出しかねないからな。あえてしょーもない身の上話を聞かせて混乱させる必要があったんだ。
実際、犯罪行為を躊躇わなくなった点については、感謝も憎悪も抱いてない。もう
――ひととおり確認したところ、さすが流通の要所にして老舗というべきか、解読しなきゃ読めないような古文書と、村の風習について書かれた冊子を見つけ出した。古文書は解読に手間が掛かりそうだが、今度三枝一家の味見をしつつ、喫茶店でゆっくりやろう。
そして肝心の先輩だが、あのひとよほどため込んでいたのか、一向にトイレから出てこない。家捜し中にトイレの前を通りかかったら、地獄の底から響いてるんじゃないかってくらいのうめき声が聞こえたくらいだ。しょうがなく、カウンター下に積まれている先輩の“趣味”の本を読んでいたのだが……。
『狂気の淫習 ~村のしきたりで緊縛レイプ~』
『強姦愛 ~好きだったんです、先輩~』
『愛があるなら緊縛レイプしてもいいよね!』
『落ちる雫は痛みか愛か』
『大切な後輩にむちゃくちゃレイプされた件』
『もう、彼しか愛せない 後輩に緊縛レイプ中毒にさせられた私』
大きくため息を吐く。本を戻して見なかったことにしつつ、純愛イチャイチャエッチでもしないと先輩をぎゃふんと言わせられない現実に、頭を抱えてうずくまった。なんなの。焔☆ベル先生の著作混じってない? 混じってるわ。おいおいファンかよ。朗読会に招待しなきゃな。
ちょっと盗難の八つ当たりも込めてハチャメチャにしようと思ってたんだが、これじゃあタダの強姦“プレイ”になっちまう。俺はどうしたらいいんだ。教えてくれ、山田。
そう考えていると、唐突に、思い出したくもなかった先輩との会話を思い出す。
『うわぁんっ! 私みたいな根暗我が儘ド陰キャ、処女のまま一生終わるんだ!』
『先輩、脈絡って知ってるか? あとそれセクハラだから反省してください』
『うるさい! 褒めろ後輩! 後輩ってよしよしイチャイチャしてくれるんじゃないのか!?』
『はいはい、自分の欠点わかってて偉いじゃん。顔の造型は良いんだからそっちで頑張ったら良いんじゃねぇの?』
『ハッ……ま、まさか倉持おまえ、私を陽キャの毒牙に?! ごく』
『生唾呑み込むのやめてくれるか? ……先輩、知ってんだろ? 俺、冬先輩が好きなんだよ。他に目移りしたりしねーの。ま、ライバルも多そうだけどさ』
『ええー、陽キャ特有の女引っかけ術でどうにでもなるでしょ……』
『陰キャの妄想術じゃねーか、巻き込むな。そんなにお望みなら処女喪失させるぞ? あん?』
『え、えへへ、い、いいの?』
『ごめんなさい。俺が悪かったんで、許してください』
『謝るほどのこと?!』
そうだ、あの人は俺のことを「我が儘言っても大丈夫な後輩」くらいに思っていて、逆セクハラも辞さないような人間だった。
いやしかし、穂村のときもそうだったが、実体験してみると意外とキツかったりするもんだ。先輩は今まさにプレイ用の薬を盛られて苦しんでいるわけだし、ちょっと一回徹底的にやってみよう。
(あ、てことは、手加減もしなくていいな)
泣いても嫌がっても、全部プレイだと思って受け止めてやろう。この際それが演技かどうかは、考慮しないがね。
「うぅぅ~、つらすぎる。ひどいめにあった」
「お。お帰り、先輩」
「っ」
俺は早々にズボンもパンツも脱ぎ捨てて、カウンターの
俺は先輩の生ッ白い手を掴むと、ちんこを握らせる。先輩は緊張から手汗をかいていて、それが良い潤滑液になった。両手で下から掬うように、俺のアシストでちんこをしごく先輩。性的対象に見てなかった陰キャ先輩の手コキという状況は、俺をあっという間に勃起させた。
「ひっ、ぅぅ」
俺はカウンターに置いてあった定規を手に取ると、先輩に見せつけるようにちんこに当てる。以前まではフル勃起で十五センチだったのだが、この村で色んな女とヤるようになって、どんどん成長していき、今や二十センチだ。それを先輩に見せた後、定規を先輩の腹に当てた。
「んー、ま、入るだろ」
「ぇ、む、むり、こ、こんな」
……さっきまで先輩が読んでた焔☆ベル先生の官能小説『強姦愛 ~好きだったんです、先輩~』によると、後輩クンのサイズは五十センチとかどえらいことが書いてあったと思うんだが、その半分以下と思うと余裕じゃないか???
だめだ、思考がギャグになる。今度焔☆ベル先生には、ご自身の書いたプレイ内用を朗読しながら実践させてあげなければ。
「じゃ、始めようか? せーんぱい」
「ひっ」
怯える先輩が生唾を呑み込んだことに関しては……まぁ、恐怖だと思うことにしておこう。