因習村でハブられたので、美少女全員嫁にする 作:CloudWagon
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伊那穂村の東側。月と日が昇る山間に神社がある。その神社から長い階段を下った先。鳥居の向こう側。狐の狛犬? の先。参道の左側に居を構えるのがこの村の診療所にして薬局。高校卒業後に
銀木薬局は瓦屋根の二階建てで、一階正面のエリアは薬局で、一階奥のエリアは調薬室と資料庫があり、さらに奥に進むと客間と縁側に続いている。風呂場やお手洗いもこのエリアに集中していて、夏場に泊まりに来たときはこの居間周辺のエリアでお世話になった。薬局正面入り口の向かって左横に通用口があり、ここから直接二階に昇る階段があるが、調薬室の奥にも階段がある。
縁側の正面には、洗濯物を干すためのエリアや、井戸、家庭菜園と呼ぶには仰々しい畑とあり、ずいぶん長閑な光景だと思ったのを覚えている。
冬先輩と雪の私室。それと書斎は二階にあって、二階にもトイレがある。一階は洋式と和式が両方あり、二階は洋式のみ、なんて細かい話も覚えている当たり、俺も大概だ。
夜の銀木薬局は、灯りが消えていて静かだ。二階は電気が灯っているが、どこに灯っているかまではよくわからない。
「ついに、か」
鳥居に続く階段の前に、丸山先輩の車が停車している。赤のレンジローバーはそれはもう目立つので、丸山先輩が何故か所持しているマイクロバスでやってきた。丸山先輩と、それからなにかあったときのための補助要員として、榎木が待機。俺と雪を先頭に、俺たちが入って五分程度で他の三人が侵入するという手筈だ。雪が出発の直前、紅葉たちに話していた言葉を、思い出す。
『いいですか、一階の奥、黒い扉の部屋には近づかないで下さい』
『黒い扉ぁ? あやしいのにだめなのぉ、雪ちゃん』
『はい。見えている神社への階段は、表の神社に繋がっていて、そこに
『ほへぇ』
……なんてことがあった。裏の本殿には浄階庵主しか入れず、雪は行ったことはないそうだ。
作戦としては、俺がまずプランAで説得を試みる。その間に紅葉たちが侵入。次にプランBに移行するようだったら、雪と協力して結婚報告。行動予想としては、ここで冬先輩が動揺程度はしてくれるだろうから、雪とイチャつきながら様子を見る。焦れて雪に退出を迫ったら、雪はお茶を入れてくると言って退出。雪は紅葉と青葉とやえのが発見してきてくれるだろう薬をお茶に混入し、俺がどうにか飲ませれば、あとは俺がどうにかする。
穴だらけの計画だが、穏便に事を運ぶにはこれしかない。本当に、単純に、俺が陵辱をしたくないなんて我が儘で……けれどみんな、俺に賛同してくれた。妙なへまはできない。
「なぁ雪、どのくらい動揺してくれると思う? 結婚報告」
「姉様は超人ですからね。動揺すらしないことも、想定して下さい」
「あー、まぁそういうこともあるか。そういや合図はどうする? モールス信号ならふわっとわかるが」
「ふふ、私がわかりませんのでダメですよ、
「そりゃあそうか」
初恋の人が通信とか流通とか、それ関連の勉強をしていて、そのうちの一つにモールス信号があった。なんか秘密の合い言葉みたいでどきどきして覚えたんだが……雪には当然のように却下された。まぁ、臨機応変でいこう。やけに気配に鋭くなったからだいたいわかるしな。
「
「なんだ? 雪」
「これを」
渡されたのは、一粒の丸薬だった。俺はそれを、黒いワイシャツの胸ポケットに入れる。俺の服装は黒のスラックスまで昼間と一緒で、全員、昼間と同じ格好だ。やえのだけは、汚れたからというのもあるが、動きやすいように昨晩の洋装、青いワンピースに着替えていた。
「困ったら、ですよ」
「うん、わかった。ありがとう」
二人で並んで、住人用の通用口から薬局に入る。この時間は書斎にいるというので、雪と並んで歩く。雪もまた、昼間同様、黒のハイウェストミニスカートにレースの白いワイシャツ、白いニーソックス姿だ。
通用口には玄関と階段、調薬室への扉がある。俺たちは鍵を開けたまま通用口から二階へ昇り、のちの紅葉たちがここから調薬室に入り、家捜しをする。
「ドキドキしてきたな」
「ふふ、そうですね、兄様」
板張りの階段を登り、踊り場で右に曲がってさらに登る。きしきしと床板が鳴る音でさえ、今は少し煩わしい。登り切ると、裸電球に彩られた廊下が見える。壁も床も天井板張りで木造建築の味を出しているが、存外綺麗だ。
左手は高い位置に磨りガラスが貼られていて、右手には木製の引き戸が見える。部屋割りは手前から倉庫、雪の私室、冬先輩私室、角に書斎。奥には洗面台とトイレがある他、調薬室の奥から登れる階段がある。倉庫に使っていた部屋は、銀木家のご両親が存命だったころの、夫婦の私室だったそうだ。
雪と並んで廊下を歩く。木の匂いと僅かに混じる薬の匂い。裸電球の揺れる明暗。軋むような家鳴り。春先、もう五月になろうというのに、虫が一匹も居ないは、オカルト由来なのだろうか。俺は書斎の前に立ち、雪に先頭を譲る。漆喰の扉は美しく、はめ込まれた樹木の模様の磨りガラスが上品だ。
「姉様。今、よろしいでしょうか」
『ええ、いいわよ』
冬先輩の声だ。聞いているだけで落ち着く、安心する声。耳に届いて、安らぎを覚える不思議な声。こういう声をなんていうんだったかな。ゆらぎがどうとかいう声質、と聞いたことがある。
雪が引き戸を左に引く。初めて入る、冬先輩の書斎だ。左手は磨りガラスの嵌められた壁に、資料を閲覧するための立って使う高めのテーブル。テーブルには、ちょっとした道具や筆なんかが置かれている、いわゆる作業台というやつだった。
右手には二重構造の本棚があり、古い木造建築にしては珍しく天井が三メートル近くある部屋の中、天井までぴったり届く本棚には、色んな本がびっしり詰まっている。
足下は板張りで、その先、入り口から正面。窓に向かって机が置かれ、机にはちょっとした資料が並べられている。引き出しがあるタイプの机で、その手前、シックな椅子に座る、白い背中が見えた。
「姉様」
「ええ。ふふ、こうして会うことになるなんて……運命とは、わからないものね」
椅子から白い背中が立ち上がる。そうして振り向いた姿は、いつも見てきた冬先輩の姿と、なんら変わっていなかった。若草色のロングスカートに白い長袖のワイシャツ。腰まで伸びた新雪の色の髪に、エメラルドグリーンの瞳。
細い眉、淡い色合いの唇。整った顔立ちに浮かぶ、優しく清楚な微笑み。身体、という視点で見ると、胸はCくらい。腰はくびれていて足は長く、お尻は小ぶりだ。身長は、俺の肩くらいだろうか。百六十センチ半ばくらい、だったと思う。抜けるように白い肌が、芸術品のような美貌を演出していた。
「冬先輩、俺、全部思い出したよ」
「そう、なのね」
形の良い眉を下げ、残念そうに頷く冬先輩。冬先輩はまず、雪に視線を向ける。雪は冬先輩の落ち着いた、穏やかな瞳に、僅かに肩を揺らした。俺が冬先輩に盲目だった頃は気が付かなかったが……これが、みんなの、雪の言っていた、人を人と思わぬ視線、なのだろう。確かにその瞳からは、感情の温度を感じない。
「雪」
「は、い」
「“柱”に情報を渡してしまったのね。正階の位を一時剥奪。謹慎を命じるわ」
淡々と、機械のように告げる冬先輩。知りたくない姿だった。だが、予想がついてきた姿でもあった。
「冬先輩。儀式って、久城って、なんなんですか?」
「……そうね。話さねば、ならないわね。儀式とは、正確には
「村を覆う、結界?」
新しい言葉が出てきた。だが、理解はできる。この村の孕月の儀だかなんだかを維持するためのモノ、ではあるんだろう。冬先輩は「そう」と頷いて、続ける。
「そう。常識を操り、外の人間の移住を防ぎ、村の中だけで完結する。そうしている限りこの村は、三狐神様の守りの下、飢えることも苦しむことなく存続する。常日頃であれば孕月の儀を通して生命流転の奇跡を捧げ、定期的に“負”を“正”に転化した結晶体、月零真珠を奉納するだけで、結界は保たれるわ。でも、九十九年に一度だけ、久城の一族より選定された、
冬先輩は語り、そして質問はないか、と俺に視線で語りかける。俺はそれにただ、堂々と頷いた。
「冬先輩――もう少しわかりやすくかみ砕いてくれ」
「あら。ふふ、もう、しょうがない子ね」
口元に手を当てて、優しげに笑う冬先輩。どうしようもなく好きだった、冬先輩の笑顔だ。だがやはり、それ以上に気になることがある。
声。言葉。表情。仕草。どれをとっても、雪の時とは打って変わって俺にだけバカ甘な冬先輩。これじゃ俺、普通じゃ気づけねーよなんなんだ。
「三狐神様は外の悪いモノから村を守護するのに結界を張っているの。普段は生理的欲求や繁殖に関わることの何割かを吸い取ったり、下剤みたいなもので不浄とストレスみたいな悪い感情を纏めて綺麗な真珠に変えて、三狐神様に捧げているの。妊娠出産を求める女性が妊娠できるように一時的に力を返すのが、孕月の儀。でも、生理現象やなんかは、妊娠を望まない人にも起こるでしょう? そういったみんなの力で、結界を支えているの。ここまではいいかしら?」
「……真珠を作るのに、身体に害はないのか?」
「ええ、身体の悪いモノを出しているからね」
本当にわかりやすく説明してくれた冬先輩に感謝をしつつ、これからも閉月の秘薬を便利に使えそうで安心した。待ってろよ、雪。
「それでも、定期的に大きな力を加えて、結界の軸を補填せねばならないの。それが、段階を踏んで大きく行われる三界供譲の儀、よ。本来ならば二十年前に久城浩希……あなたのお父様がそのお役目に選ばれるはずだったわ。三界供譲の儀とは、最初に名を奪い、自我の確立の柱を失わせ、次に欲求を奪い、睡眠や食事を取らなくても生きていけるようにし、最後に生殖機能以外の全てを停止させ、魂を有頂天と呼ばれる領域に進化させる。こうすることで、その肉体で孕んだ女の力は、また孕月の儀と月零真珠の奉納によって三狐神様の力となる。故に、必要な儀式なの」
名前を呼ばれない理由。俺が睡眠や食事を必要としなくなりつつあった理由。眠ることはできるが寝る必要はなく、一晩活動してたって翌日に影響はない。ということは俺は本来なら、とっくに自我も失って、人形のようになっていたってことか。
怒りはある。だが、俺はもう、怒りで誰かを陵辱したくない。今この場でできることは、冬先輩の優先順位が快楽に塗りつぶされるよう、懸命に頑張ることだけだ。でも、もし、話し合いで解決できるのなら。
「冬先輩。わかったよ。この村のために俺も最大限協力する。たくさん女を抱いて、孕むように手伝いもする。だからどうか、みんなに俺を無視させて、俺の精神が死んでいくような、そんな儀式だけやめにできないか? 俺も、妥協もする、努力もする、だから、お願いします。冬先輩」
まっすぐ頭を下げる。嫁を孕ませるくらい何百回やってもいい。今から雪とイチャラブセックスして野球チーム紅白戦ができるくらい孕ませてやってもいい。でも、嫁と嫁が好きな俺を、失いたくないんだ。
「ごめんなさい」
「な、んで」
「殴っても良い、陵辱されてもしょうがないことよ。でも、この村のために、不確定要素を呑み込むわけには行かないの。もしかしたら倉持くん、あなたの言うとおり、大丈夫かも知れない。でもね、あなたのお母様があなたのお父様の手を取って村から逃げたその日から、この村には余裕と容赦を得ることができなくなってしまったの。でもね、儀式の際、私と孕月の儀を迎えるときだけは、倉持くんに名前を返して貰えるよう、三狐神様と約束したわ。だから、完全に名前をなくしてしまう訳じゃないのよ」
頭を下げる冬先輩に、俺は拳を握りしめる。
ああ、そうか、そうだよな。ここまで来て、退くわけにはいかないよな。
よし、プランBだ。
「雪。あなたは倉持くんに絆されて、儀式の一部を解いてしまったのね」
「姉様、私は」
「気持ちは、痛いほどわかるわ。でも――」
「待ってくれ、冬先輩」
「――倉持くん? 雪を庇いたいのはわかるわ。でも、どうしようもないことなのよ」
思い出せ、倉持浩太。
俺はあの日、どんな態度で、どんな気持ちで、冬先輩に告白した?
細かいことは全部アドリブだ。アドリブなりに、全力を出そう。
息を吸い、息を吐く。緊張に手は震え、言葉を、しぼり出すように。
「違うんだ、冬先輩。実は今日の本題はそれじゃないんだ」
「え?」
「雪、こっちに」
俺は困惑して首を傾げる冬先輩の前で、雪の肩を抱く。雪は右手を頬に当てて、ぽっと顔を赤らめた。ノリノリすぎるな。
「もう、こうなったら最後までやりたいことをやるしかないだろ? だから俺、今日、冬先輩――いいや、お義姉さんに結婚報告に来たんだ」
「雪と、倉持くんが?」
「ああ。お義姉さんだろ? 雪に、俺が村になじめるように“兄様”って呼ぶように言ってくれたの。そのおかげで距離が近づいてさ。俺、雪のこと、好きになってたんだ。だから儀式の結実の日まで夫婦でいようって。だからお義姉さん! 妹さんを、俺に下さい!」
俺は頭を下げる。そして堂々と頭を上げて、雪の腰を抱いた。けっこう強めに引き寄せると、雪はわざとらしく「もう♡」と、冬先輩に聞こえるように呟いた。
冬先輩は驚きに目を見張り、それから、目を細め、優しく、穏やかそうに微笑む。やはりこの程度じゃ、だめだったか? そう思わせるほど、完璧な笑みだった。
「そう、そうなのね。なるほど」
冬先輩は微笑みを浮かべたまま、一歩後ろに下がり、足をもつれさせてスッ転んだ。大きな音が書斎に響く。板張りにケツを打ち付ける音だった。ついでに綿のパンツが丸見えだった。
「あいたっ!?」
「お、お義姉さん、大丈夫か?」
「え、ええ、だだっ、大丈夫よ? ただ、呼ばれ慣れてないから、いつものように名前で呼んでくれないかしら?」
冬先輩は生まれたての子鹿みたいな足で立ち上がると、ただそう告げる。俺はドン引きしたような演技をしつつ、頷いた。
「あ、ああ、わかったよ、冬義姉さん」
俺の言葉に、冬先輩はスッ転んだ。今度は横だった。綺麗なスライディングに、雪は小さく拍手を送っていた。
「はわっ、痛いっ!!」
「冬義姉さん?」
「せんぱい」
「は?」
「せんぱいで、おねがい」
「はぁ、まぁいいけど、病院行くか?」
冬先輩は首を横に振りながら、ふらふらと立ち上がる。
「【偽装解除】」
起き上がった頃には、目が金色に変わっていた。判断が早い。いや早すぎるぞ。
「雪、あなたのだ、だん、だんなしゃまとオハナシがあるから、お茶を淹れてきてくれる?」
「ええ、旦那様とお姉様を二人にするのですか……?」
「大丈夫だよ、いっておいで、俺の雪」
「はい♡ では」
冬先輩は、面影もないほど動揺していた。いつもどんな時もすらすら喋る冬先輩が、あんな風になるのは初めて見た。あとは俺がどうにか時間を稼いで、媚薬の到着を待てば言い。
「それで冬先輩、話って?」
「【記憶融縁】」
だから判断が早い! 額に青筋を浮かべた冬先輩は、情緒もへったくれもない速度で件の霊術をかけてきた。俺はそれに反応もできなかったが……雪の言葉どおり、最早俺には効果がないみたいだ。とはいえ、俺側にも打つ手はほとんどない。
……本当なら、媚薬の到着を待ちたかった。でもこうなったら、到着まで、俺にできることはほとんどない。だから俺は、頭を抱えてフラつき、片膝を突く演技をしながら脳内で必死に、冬先輩に謝った。
「うっ、なんだ、これは」
「ふ、ふふ、もうこれしかないの。ごめんなさい、倉持くん」
すまん。本当にすまん、冬先輩。
冬先輩はなにかを施そうと、俺の前まで近づいてくる。俺はそんな冬先輩の若草色のロングスカートの端を掴むと、一息にまくり上げた。
「綿パンツか。けっこう子供っぽいの履いてんのな、冬先輩」
「はぇっ!? なっ、はっ、美名子、まさか――むぐ!?」
か、の口の瞬間に、俺は素早く雪から貰った丸薬を口に含み、冬先輩の柔らかい唇を奪って飲ませる。あらゆる動揺が冬先輩から抵抗を奪い取り、冬先輩は丸薬を――丸薬バージョンの閉月の秘薬を飲み込んだ。
本当にすまない、冬先輩。雫落とし鑑賞会はもう少し手順を踏んでやるつもりだったんだが、いや、本当にすまない。責任は取る。
「うぁ、こ、この薬、まさか」
「姉様、戻りまし……これは?」
そしてそのとき、個人的には一歩遅く、湯飲みに氷の浮かぶ冷たいお茶を淹れた雪が戻ってきた。アツアツだと飲みにくいであろうという配慮が、冬先輩の運命を決めたのだ。
「雪、解月の秘薬を、ぅぁ、ここに!」
「はい、姉様!」
そうして雪は、素早くお茶を差し出した。
「解月、解毒薬か?! 冬先輩、それを渡せ!」
「ふふ、もう遅いわ、ごめんなさい、倉持くん。ごく、ごく、ごく」
俺が、“飲まれたら困る”という演技をすると、冬先輩は中身を確かめることもなく、慌てて飲み干した。冬先輩の飲みっぷりは見事だった。飲みやすいお茶だったのだろう。雪に目配せをすると、雪はこくんと頷いた。さーてあとは俺が元気に頑張るだけだ。
「ぅぅ、あ、あれ、ゆ、雪、ちゃんと調薬したモノよね?」
「わーごめんなさい姉様。うっかり間違えて
「それうっかり間違える手順じゃないわよね?! うっ、叫んだら、お腹が」
冬先輩は脂汗を掻いていた。下剤と媚薬と母乳誘発剤のトリプルコンボだ。相当強いのだろう。俺はそっとお手洗いに行こうとする冬先輩の前に、立ち塞がる。
「お、おねがい、倉持くん、なんでもしてあげるから、うぅぁっ、と、といれに」
「なんでもしてくれるのか?」
「え、ええ、だから」
「じゃ、雫落とし鑑賞会な?」
「えっ、や、いやよ、倉持くんに、見せるなんて、だめ、だめ、おねがい」
俺はもはや力も入らない様子の冬先輩を真正面から抱きしめて、スカートのホックを外す。
「パンツ、脱ぐのと、脱がずに月零真珠がパンツで詰まるのと、どっちがいい?」
「わぁ、素敵な提案です、兄様」
俺の提案に、冬先輩はぽろぽろと涙をこぼす。悲しくて泣いてるアレではなくて、生理的な涙だ。俺は一歩下がって冬先輩を見る。下半身パンツ一枚の冬先輩。白くて長くて美しい足。むちゃくちゃ好きだった人の下着姿は、とても興奮した。
「ぬ、ぬぐ、ぬぐから、せめて倉持くんは、そとにでて。す、好きな人に、雫落としを鑑賞されたくはないの。わかるでしょう? 雪」
「え? 雪はやらせてくれたぜ? 雫落とし鑑賞会」
「えっ」
「ぽっ」
人差し指同士を合わせて頬を染める雪を、冬先輩は化け物を見るような目で見ていた。その気の緩みが最後の堤防を破壊したのだろう。冬先輩はうめき声を上げながら、四つん這いの姿勢で倒れてしまう。
「いぎっ、やぁ!? ぬがせて、おねがい」
「しょうがないな。義理の弟になんてことさせるんだ。雪、せめて外に出ていてくれ」
「はい、兄様」
恭しく礼をして、ゆっくり退出する雪を、冬先輩は恨めしそうに見ていた。俺は力が入らず、立つこともままならない雪先輩を仰向けに転がすと、綿のパンツを引き抜く。白くて薄い陰毛と、ぴっちり閉じたまんこが美しい。
俺は冬先輩に手を貸して起き上がらせる。そのまま俺にもたれかかるように引っ張り上げると、冬先輩が俺を正面からだっこした形のまま、冬先輩の尻たぶを両手で掴んで立ち上がった。
「い、いやぁぁぁっ!? こんな格好、やめて、どうして、ぅぅぁっ」
「どうしてって、可愛いからつい」
「嘘よ! に、憎いからこんなひどいことするのでしょう?!」
「いや、可愛いから。ほんとは嫁にしたいくらい可愛いよ、冬先輩」
肉を押し広げるような音が聞こえる。月零真珠が肛門を広げて出てこようとしているのだろう。ひたすらスケベな音だ。ついでに光明も見えてきた。
「蛍みたいでかわいーね、せーんぱい」
「あぅぅっ、でちゃう、でちゃうからぁっ!」
「そうだな、出せてえらいよ。ご褒美にヨシヨシしてあげるな?」
「よし、よ、し? ――ぁぁぁぁっ!!?」
半ばまで出てきた月零真珠を、押し込むように手のひらを当てて、ボールペンの芯を動かすように肛門内で回す。すると冬先輩は、一度も触ったことがないまんこから愛液を噴き出した。
「やぁ、おねがい、やめて、およめさんになるからぁ」
「俺、俺の嫁には俺が一番になって欲しいんだよね。冬先輩は
「それ、は」
俺は沈み込むように、月零真珠を押した。冬先輩はなけなしの力で俺を抱きしめて、甘イキに耐えていた。震えながら俺を抱きしめる冬先輩の胸元は、じっとりと白く濡れている。母乳が出てくる、というのは本当みたいだ。
「いぎっ!? むり、むりなのぉ! おねがいやめてぇっ! 羞花の秘薬の、ぅぁっ、せいで、お尻が性感帯に開発されてしまうの! だからぁっ!」
「しょうがないな。指、離すよ」
「うぎっ!?」
空気の破裂するような音とともに、月零真珠が勢いよく発射される。床を打ち付ける音が響いて、美しく白銀に輝く月零真珠が、板張りの床に傷をつけた。あとで傷の横に月零真珠の直径と日付を書いておかないと。
冬先輩の身体から、くたりと力が抜ける。二つ目の月零真珠はまぁまぁ簡単に落ち、意外なことに三つ目もあった月零真珠もまた、屁のような音を立てて地面に転がる。
「たくさん出せて偉かったなぁ、冬先輩」
「み、みられ、見られて、あんな、音、う、うぁ、ぐす、ぅぅ」
俺にしがみついて泣きじゃくる冬先輩は、この上なく可愛い。首を振る度に白い髪が靡いて、涙で濡れた頬に張り付く。俺は冬先輩に衝撃がいかないようにゆっくり正座すると、膝の上に冬先輩を置いて、左手で腰を支えた。冬先輩の足は俺の背中側に回されているから、すごく密着している。
俺は右手で張り付いた髪を撫でるように冬先輩の後頭部に回すと、涙で濡れた彼女は俺の意図を察して目を閉じる。あんなひどいことをされてもキスを受け入れる彼女が可愛くて、俺は口づけをした。
「ちゅ、ぅ、ちゅむ♡ ちゅぅ」
「可愛いよ、冬先輩」
「ちぅ、ちゅー、ちゅ」
吸って、揉んで、舐めて、甘噛みして。唇を舌で割り開いて、唾液を丁寧に交換する。ああ、この人は本当に俺のことが好きなんだな。俺を愛してくれているんだな。甘い唾液が、俺に冬先輩の感情を伝えてくる。
俺を救ってくれた先輩。一緒に居るだけで、心臓がどきどきしてしんどくなるような、そんな、心の底から好きな冬先輩が、半裸で母乳と愛液を出しながら俺に縋っている。
俺は舌なめずりをすると、冬先輩のおっぱいを揉みながら、また、キスをする。
さて、それじゃあまぁ、じっくりゆっくりアドリブ説得でも、することにしようかね。