するとどうだろう。口の中に大嫌いな味が広がってくる。でも驚いたことに、アリスの大嫌いな薬はアリスの大嫌いな味がしなかった。イチジクのジャムのような甘い味かと思えば、マーマレードのような甘酸っぱい味、メイプルシロップのような上品な味と、次から次へと味がアリス好みの味へと変化していくのだ。
そうして舌の上を流れていく薬がバタートーストのような味に変わったところで、アリスはようやく薬の瓶を離す。これ以上飲んだらネズミのように小さくなってしまうだろうと思ったのだろう。
変化はすぐに現れた。アリスは自分の身体がムズムズするような感覚に襲われた。きっとこのまま身体がひゅんと小さくなってしまうのだろうとアリスは思っていたのだが、そう都合よくはなかった。ムズムズしてきたのは身体の全部ではなく、ほんの一部分だけだった。
アリスの足と足の付け根。身体の中心で、股の真ん中。アリスにとって、おしっこする場所がある辺りだろうか。そこだけが何故だか無性にムズムズしていた。変な薬を飲んだせいでお腹を壊したのだろうか、とアリスは不思議に思ったが、そのムズムズの原因はすぐさまハッキリした。
慌ててパンツをずりおろすと、アリスの足と足の付け根、股の真ん中には普段アリスがおしっこするときにだって見たことのないものがあった。しかしそれでもさすがのアリスもそれがなんであるかくらいは知っていた。
「これって……、えぇ?」
それは男の子だったら誰でもついているであろう、おちんちんだった。
アリスは女の子である。しかし、あろうことかそのおちんちんはアリスからにょきにょきと生えていて、あろうことか見る見るうちに大きくなっていて、あろうことかスカートのすそをめくりあげるくらいまでピンと勃ってしまっていた。
すぐにアリスも気づいただろう。薬を逆さまに飲んだところで効き目が逆さまになんてならないということを。そして、大きくなる薬はアリスの身体ではなく、おちんちんを大きくする薬だったということを。
まるで男の子のよう。でもやっぱりアリスは女の子。ただおちんちんが生えちゃっただけの女の子。
アリスの小さな指先よりもずっと大きく、アリスの小さな拳よりも小さいくらいのおちんちん。ハッとしてアリスは鍵穴のついた扉の方に向き直った。気づくのはとても早かった。
ひょっとして、とアリスは両手の指先でスカートのすそを持ち上げて、ピンと勃ったおちんちんをそのままにトトトとちょこちょこ走りで扉の元へと向かう。
何もかもがピッタリだった。鍵穴はアリスのおちんちんと同じくらいの大きさで、鍵穴の位置も丁度ぴったりアリスのおちんちんの高さにあった。そうだ、きっとそうだ、とアリスは喜んだ。部屋中を探して見つからなかった鍵がそこにあったのだ。きっとこれで扉が開けることだろう。
「……んしょ」
そうと決まったらこうするしかない、とアリスは壁に手を当て、扉の鍵穴に自分の持っているその鍵を差し込んでいった。やはり鍵穴はぴったりとアリスのおちんちんの大きさに合っており、ズズズとスムーズに入り込んでいく。
「ふわぁ……、なに?」
奥に奥にと入るにつれてアリスの背中がのけぞり、ピクンピクンと震える。アリスのおちんちんはアリスが思っていたよりもずっと感じやすかったようで、それがピッタリの大きさの穴の中に挿入れられているのだ。スムーズとはいえ、おちんちん全体をきゅうーっと握られるような感覚だった。
「おちんちんが……ぅぁ……」
アリスのおちんちんは鍵なのだから最後まで入れなければならない。腰が引けつつあったアリスだが、意を決して腰を扉に押し付けるようにぐいぐいと動かす。
ところがここでちょっとした誤算があった。鍵穴はアリスのおちんちんにぴったりの大きさではあったが、肝心の鍵穴は扉のドアノブの下についていた。最後まで、根元まで入れるとなるとどうしてもドアノブがアリスのお腹で引っかかってしまうのだ。
きっとあともう少し入れば鍵が開くのに、あともう少しのところでおちんちんが止まってしまう。あともう少し、あともう少しとアリスが身体を左右に振ってみたり、腰を前後に動かし始める。
「うぅ……んん、ひぅ……、こ、こすれるぅ……、は、はいってよぉ……早くはいってぇ……」
鍵穴いっぱいにこすられるおちんちんから来る背筋がブルブル震えるような感覚にビクビクと反応しながらも、アリスはグリグリと腰を押し付けて鍵を入れるのに一生懸命になっていた。
カチリ。
ようやくして鍵の開く音が聞こえた。
よし、後はドアノブを回すだけだ。アリスがそう思ったのもつかの間、また少し誤算があった。無理にドアノブにお腹を押し付けてしまっていたからドアノブはアリスのお腹と扉に挟まれて回せなくなっていた。ドアノブを回すには鍵穴からおちんちんを引き抜かなければならない。
「ぅん……! んっ……! んあ……! 抜けて! 抜けてぇ!」
抜こうとするも鍵穴とピッタリのアリスのおちんちんは無理やり奥に差し込まれてピッタリとハマりこんでしまっていた。アリスが腰を引いているのになかなか抜けない。そしてこうしている間にもアリスのおちんちんは鍵穴の中でこすれてこすれてアリスを刺激し続ける。
抜けないまま右へ左へ無理な体勢で腰を引こうとするものだから、余計に体重が掛かる。余計に刺激されていく。グリグリ、ズリズリと、必要以上にアリスのおちんちんは穴の中で擦られて、その度にアリスは声を漏らす。
ズ、ズズ。ズズズ。ようやくして抜け掛かってきたが、当のアリスは限界が近かった。
「あと……、もう、すこ、……しっ!」
焦ったアリスが体をひねった。それが間違いだった。アリスのおちんちんは鍵穴から抜けられたが、勢いがあまってズリリッとこすられたおちんちんの刺激に耐え切れず、アリスはとうとう限界を超えてしまったのだ。
「ぁぁ……っ?! な、にこ、れ……、なんかキちゃ……」
ビタンッ。勢いのまま、アリスの身体が背中から床に倒れる。
それと同時に、アリスのおちんちんの先から熱いソレが噴き出す。
ビュル、ビュルルとその勢いはまるで噴水のように止まることがなく、一方のアリスはその突き抜けるような未知の感覚に抗うこともできず、ただ放心するしかなかった。
ホールの床がアリスの出したソレでびちゃびちゃになる頃にようやくアリスは気がついた。
どれだけ長いこと放心していたのかは分からないが、へなへなと力なく立ち上がり、生まれたての小鹿のように足を震わせながら、今起こったことを反芻するように吐息をふうふうと漏らす。
「開いた……おちんちん、もう……いらない……」
扉の鍵が開いたこと。そして鍵だったおちんちんはもう要らないということ。それだけがようやく理解できた。そして、よれよれとしたおぼつかない足でアリスは、ホールの中央にあったテーブルに戻ろうとする。
あれだけ鍵穴の中で擦られたアリスのおちんちんは驚くほど敏感になっており、ちょっとスカートの裾に触れただけでまた軽くビクンビクと震わせてはピチャッ、ピュッピュッと何度も何度も数滴ほどこぼしてしまう。
歩くだけなら十何歩ともない距離のテーブルに辿りつき、そこでアリスは力尽きるようにテーブルに向かって突っ伏す。
テーブルに置いてあった薬を飲んだからおちんちんが生えてしまったのだから、テーブルにある薬をどうにかすればおちんちんが消えるだろうと思った。