色んな意味で
あんな獣のようにセックスしたのは初めてだったし、加減が効くような状態でもなかったし。とは言え、時間が経って頭が冷えてくると反省の念も湧いてくる。
…いや、猛省しろ私。ああも自分勝手に相手を「穴」扱いして膣内射精を繰り返して、まったく欲望に素直過ぎる。そう思いながらも「あれもこれも、ふたなり化のせいだ。狂暴なおちんちんのせいだ」とも考えてしまう。
まあ、いいか。考えても仕方がない。目下の大きな問題は、
向こうとしてはお仕事なわけで、他にもお客はいるわけで。いない時にこっちが誰か別の娘と遊ぼうが、別に気にする事ではない筈……なんだけれども。初めてふたなり化したあの日、おちんちんの快感を教えてくれた鈴花さんを裏切ってしまったようで、胸の奥にどうも痞が残る。好き勝手に膣内射精し倒した罪悪感よりも浮気を気にしている辺り、私も相当だ。
しかし気まずくたって、あそこへ行かないという選択肢は無い。
目を背けたって、気が重くなるばかりだ。
さて、今日はいてくれるといいけど。
「あら、お久しぶりです。先日は失礼しました」
「あー…いや、予約でもすりゃ良かったんだけどね」
久しぶりという程間が空いた気もしないけど、まぁ何だかそんな気分だ。
来たのは知ってるって事は、マキアちゃんと…致したのも知ってるんだろうな。自分の浮気沙汰なんて経験無いし、応対の仕方もまぁ分からない。とりあえず、嘘さえ言わなけりゃ大丈夫だろうか。しかしどうもお尻の座りが悪い。一言二言が致命傷になりそうで、話も進まない。こういうのが一番悪いんだろうけど。言い訳の一つもすれば、こっちは楽になれるかも。…それが出来れば苦労はしないんだけどさ。
「マキアさん、基本面倒くさがりなんですよね。脚拡げてればそれで済むから、ってお客のお姉さんとすぐ本番しちゃうんです」
「いぇ、あ、そう…なんだ……」
…剛速ド直球が飛んできた。なに、デッドボール狙いなのかな。もしかして怒ってる?
しかし「面倒だから」って。でも考えてみたら、マキアちゃん殆ど何もしてくれてない。こういう仕事だと、珍しく無いタイプなんだろうか。
「あーあ、私がお姉さんの童貞貰いたかったのになー」
「ご、ごめん…なさ……」
悪戯っぽく笑いながらの言葉に、それと知りながらも本気で謝ろうとする私の唇を、鈴花さんの指先が制する。指は唇の間に入り込み、まるで掻き分けるように内側の粘膜をねぶっていく。身体の内側にかかる、柔らかな刺激が心地いい。ただの口内愛撫、それなのに頭の奥が痺れていくのが分かる。
ズルいなぁ、まったくズルい。こういう仕事だと、人たらしになるんだろうか。
引き抜かれた指先を追いかけるように舌を伸ばすと、鈴花さんの唇に出迎えられる。暖かなキス、触れあう舌と舌。おちんちんが隆起するのと同じく、その下…私のおまんこも柔らかい快感に反応していく。二つの存在を同時に感じるのは、考えてみれば不思議な話だ。
左手がおちんちんの棹を捕らえると同時に、右手の指先が膣口を薄くノックしながら爪の先で弄ぶ。こちらもお返ししたいけど、二重の快感に身悶えしながらでは上手く動けない。弱点をまさぐられ、ただ声を漏らしながら腰をくねらせるばかり。呆気ない程に早く、決壊の時が訪れる。
ガクンガクンと身体が震え、おちんちんは粘ついた白い飛沫を噴き上げおまんこからは濁った汁がこぼれ落ちていく。何もかも知り尽くされているような愛撫には、逆らう術がない。
脱力し横たわる私の股に顔を埋め、鈴花さんの唇がおちんちんの先端にキスしたかと思うと――
「あっは、あぁぁあ…あーっ!!」
猛烈な勢いで、中に残った粘液を吸出し始める。萎える暇さえ与えられないままおちんちんが硬度を取り戻し、一気に角度を上げていく。更に鈴花さんが取り出した、何か小さいボールのようなものが私のおまんこに押し当てられた。一瞬感じた異物感は、遅れてやって来た振動によって掻き消される。オナニー用のローター、しかも入り口辺りを重点的に攻めるタイプだ。ただでさえ弱い部分が無慈悲な攻撃に晒され、悲鳴のように声を上げてしまう。
そして、屹立するおちんちんを跨ぐように、鈴花さんが私にのしかかる。
「浮気しちゃうワルーいおちんちんは、食べちゃいますからね~…」
あ、やっぱり怒ってる。
腰砕けになった私のおちんちんは、降下してくるおまんこにズブズブと呑み込まれていく。動く事さえ出来ないまま、騎乗位で
一瞬さえ、我慢が効かない。即座におちんちんが脈動し、白い毒液をビュルビュルと吐き出し始める。
「出る、出てるの、もう…出て…!!」
こらえが効かないまま精液が迸り、膣内を白く染め上げていくイメージ。
しかし鈴花さんの腰は動きを止めず、そのままピストンが終わらない。敏感になった粘膜が快感に喘ぎ、再び奔流を放つも休止が許されないままパンパンと肉音がリスタート。目の奥は稲妻のように瞬き、血液全てが精液になって流れ出ていく感覚。このまま、搾り殺されるんじゃないかとさえ思う。
「ごめ…なさ…、もぅ…無理……!」
「まだまだ、いーっぱい気持ち良くしてあげますからねー」
グチュリ、と淫音が加速する。スクワットのように上下に揺すられたかと思えば、根本まで入ったまま前後左右に高速グラインド。出続ける精液が潤滑油になり、粘つきながら激しく攻め立てられる。持ち主の気持ちなど考えないおちんちんが祝砲を上げて喜びを表現してくるが、こっちはもう限界に近い。腰も腹筋も、そして脳も悲鳴を上げ続けている。
そこから何度謝って何度射精したか、数えきれない。
ようやく「解放」されたのは、意識を失う寸前だった。さすがに鈴花さんもバテかけていたが、それでもおまんこはピッタリと閉じあわされたまま。引き抜く瞬間に僅かだけ溢れたものの、殆どの精液は鈴花さんの中に残っている。妊婦のように膨れ上がったお腹が、その証拠。…どんだけ出したんだろう私。というか、大丈夫なんだろうか色々。このまま妊娠とかしちゃったら、やっぱり責任問題なんだろうな。
「うふふ、大丈夫ですよ。ふたなり化は一時的ですから、赤ちゃんなんか出来ないんですよ」
…どうやらお見通しだったようだ。まぁ、そんな大きなリスクがあれば生中出しなんか許さないよね…。
どちらからでもなくもう一度、静かにキスを交わす。がっつく獣のようなキスではなく、愛を確かめあうような短いキス。まるで恋人同士の…キス。
いかん、やっぱりこれはいかん。ふたなり化のせいじゃない、これは私のせい。
恋で始まる関係もあれば、身体で始まる恋もある。いつか聞いたそんな言葉が、頭の中でリフレインしていく。お仕事でシてくれてる人に惚れるなんて、どうにも私らしくはないんだけど。
「今度は、お仕事無しで逢いたいな…なんて」
「あら、光栄です。でもそれはまた今度、ね?」
渾身の誘い言葉は社交辞令に撃ち落とされ、そのままお金を払う段取りへ。うーん、上手く行かない。と言うかそもそも、ここ意外ではふたなり化出来ないわけだから……。
まぁ、いいか。
今度と言うなら、今度にしよう。時間は幾らでもあるんだろうし。
「…また来るわ。別の店に行ったりしないでね?」
「ええ、私は他所へ行く気ありませんし」
…うん、口説く時間は十分ありそうだ。フル回転で、どうにか口説き落とせるように頑張ろう。
はて、私は一体何を考えて最初にここへ来たんだっけ。恋をしたかったんだっけ?
いいや、明日考えよう。その日帰路に付く足取りは、今までになく軽かった。