※この作品はR-18です。

津川素子が通い詰める理由。   作:扇町グロシア

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毎度ご愛顧ありがとうございます

 何処まで行っても、客とサービス業。それはわかった上で、の事だ。

 私がどんなに愛を囁こうが金を使おうが、単に「上客」でしかない。ヤる事はヤってるのに、友達未満なのだ。悲しいことに。まぁ関係性はどうあれ、楽しいし気持ち良いのは確かなんだから構わないんだけどね。でも、何処かでふと思ってしまう。思いは通じる筈だ、と。願いが素直に通じた事なんて、今まで生きてきて一度も無かったのに。

 

 再びの店外デート、今回も特に行き先を決めないお散歩デート。あぁ、これがプライベートだったら良いのに。…とは言うまい。一緒に出掛けられるだけで良いじゃない。深く期待しないのが、人生を楽しく生きるコツだ。

 せっかくなんだし恋人繋ぎで街を歩くと、色んな視線が突き刺さる。そこから湧くのは、優越感だったり居心地の悪さだったり。恋愛って、こういうので良いんだよ。苦労も我慢も好きじゃないしさ。…いやまぁ我慢と苦労せざるを得ない身体なんだけど。この間と同じく、ふたなりである以上不意の勃起が付きまとうのだ。ああ全く、なんて因果な身体だろうか。とはいえ、だからこそ楽しめているんだけど。

 せっかくの楽しい時間に堂々巡りも空しいので、強引に意識の向きを変更する。長い付き合いだもの、自分の操縦法はそこそこ心得ているさ。

 朝の情報番組でよく見るスイーツショップをグルッと一回りして、気になっていた映画を観に行って。時間はまだまだある…とも言えないけど急ぐ必要も無い。さて、次は何をしようかと考えながら歩いていると、不意に鈴花さんの脚が止まった。一緒に立ち止まると、鈴花さんはバツが悪そうにしながら震えるスマホの画面に目を落としたまま固まっている。…ああそうか、「仕事中」だからか。

「あ、構わないわよ。何か急ぎかもしれないし」

「…すいません、じゃあちょっとだけ…」

 いそいそと通話操作をする背中を見ていると、やっぱり寂しい気がしてきた。プライベートだったらこんな風にしないんだろうな、とまた余計なことを考えそうになってしまう。悪い癖だ。

「ごめんなさい、今お仕……いえそうじゃなくてね。…時間というかその……はい?えーと…今……の駅側ですけど…え?」

 切れ切れに聞こえてくる言葉をなるべく聞かないようにしたいけれど、生憎と耳は良い方だ。随分と親密そうで羨ましい。私だってまだTel番も貰ってないのに。彼氏さんとかだったらイヤダナーガックリキチャウナー、嫉妬シチャウゾー。

 腹の中で毒づきながら待っていると、カクンと首を落としたままに鈴花さんが力なくスマホを仕舞うのが見えた。どうやら終わったらしい。気を遣わせたんだろうかなんだろうか。

「あの、お姉さん。なんか…来たいそうです。というか、来てるそうです」

「…いやその、急に」

 何を言うんですか、と言いかけて今度は私が固まる。目の前に駆け寄って来た、見覚えのある顔のせいで。

「鈴ちゃんにお姉さん、お久しぶりです~」

 甘ったるいギャル口調、日焼けした肌。綺麗な金髪。忘れもしない、私の脱童貞相手。

 マキアちゃんが、そこにいた。

 

 何処をどうやったらそうなったのか分からないまま、気が付くと三人でラブホにチェックインしてしまっていた私達。ホントに何が起こったのかサッパリ分からない。

 とりあえずマキアちゃんは偶々休みで、暇だからウロついていた所鈴花さんを見つけ電話しながら後を着けていたというのは本人から聞けたのだけれど。仕事中の元同僚をこうやって誘う気持ちに関しては全くわからない。ついでに、この二人が仲良いと言うのも今知ったのだが。

「私ぃ、今の店では『ナナミ』って名前なんですよ~」

 本名は篠河ハズキって言うんですけどね~、と新しい御名刺を頂いて名刺入れに仕舞う私。身に付いた習慣が憎い。マキアちゃんことナナミちゃんことハズキちゃんを加えてあれこれお喋りし続け、あれこれ買い込んでラブホ女子会と洒落こむ事となって。頭の処理が追い付かないままカンパイしてしまったせいで、更にあれこれ曖昧なままズルズル雪崩れ込んだ訳である。何の説明にもならないし実際自分さえ何が起こっているのか把握出来ていないけれども。

 とりあえず、だ。ベッドの上に胡座をかいたまま(はしたない)ビールを煽りながら

「あのさ、何で二人揃って私を「お姉さん」って呼ぶわけ? 名前で呼んでほしーなー」

 酒のせいで柄が悪くなっているんだ、と心の中で言い訳しながら一つ聞いてみる。別に良いんだけどね、私只の客だし。どうせ歳上だし。おばさんだし。

「? えーとあの、まだお名前頂いてません…よね?確か…」

「お~な~じ~く~」

 あれ、そうだったかな。半年も通っておいて一度も名乗ってなかったか。…考えてみればそうかもしれない。相手の名前さえ分かってればいいや、と思っていたんだろう私。

「では改めて。津川素子、と申しますお見知りおきを」

「篠河ハズキです、源氏名はナナミです~。前はマキアでしたぁ~」

「あー…鈴花です」

 ラブホ特有の大きなベッドの上で、女三人名乗り合いながら頭を下げ合う。なんだこれ。なんだこれ、なんか楽しい。箸が転がっても可笑しい年頃なんて、とっくに過ぎた筈だけど。バカみたいな事してるな、と思うと楽しいけど多少はずい。まるで昔からの友達同士のように三人、照れ隠しに声を上げて笑い合う。

 セイシュンしてんじゃねぇよ私、幾つだよ私。こんなもん付けてる癖に、女子会エンジョイしてんなよ私。心の奥でセルフ突っ込みを受けながらも、酒が回ってダメになってきた私の頭にそんなもんが通じる筈がない。あぁもう三十路だしふたなってるよ、悪いかよ実際。

「せっかくラブホ来たんじゃー、ヤらせろー!!」

 照れ隠しの勢い任せで理性の箍を蹴り飛ばし、そのまま鈴花さんにキスしながら押し倒しにかかる私。もういいや、考えるのめんどい。唇の感触の心地好さ、それだけでいい。…と思ってたらば。

「参戦しちゃいますよ~」

 元マキアちゃんが私の後ろに回り込み、ショーツをずらしながら舌を這わせ始める。プチュプチュと音を立てながら、おまんこもおちんちんも別なくマキアちゃんの舌先で濡らされていくのが分かる。前はあんまり積極的じゃなかったけど新しい店で心を入れ替えたんだろうか、正直ムズ痒い感じだけど興奮するのは確かだ。

 と、鈴花さんの身体もビクンっと跳ね上がる。私のおちんちんに伝わるのが指先の愛撫になっている事から察するに、そっちへと口撃を集中させたんだろう。何とも貪欲な事だ、と言うか羨ましい。

 上下のキス攻めはどうやらお気に召したらしく、普段よりも早いペースで矯声が漏れ始める。鈴花さんの滴る蜜を指先に絡め、糸を引くままに自分の中へと導いてみる。おちんちんの下に隠れたままのおまんこも発情しきり、閉じきれないまま物欲しげに震えているのがわかる。でもごめん、私はそっちより、こっちが使いたいんだ。

 仰向けになった鈴花さんの顔の上に、唾液と先走りでぬるつくおちんちんをかざす。なにも言わずとも、まるで心が通じたように舌先が幹を舐め始める。丹念に丹念に、まるでアイスを舐めるように美味しそうな顔。愛があるから、と思いたいけどね。そこにマキアちゃんも加わり、二人が競うようにおちんちんを味わっていく。こんな3Pをする日が来るとは思わなかった。ふたなってなければあり得ない光景に、身体の奥から波が上がっていく。

「あぁ…っ、出る…よっ」

「はぁい、どうぞ~」

 大きく開けられたマキアちゃんのお口へとおちんちんを向け、精液を注ぎ込む。毎回思うが一体何処でどうやって造られているのか、ドクドクと大量の白濁液が溢れて止まらない。あっという間にマキアちゃんの口は白く染まり、そしてその唇は鈴花さんの唇へと襲いかかる。

 一瞬驚いた顔になった鈴花さんもそれを受け入れ、私の眼前で精液まみれのディープキスが繰り広げられる。唇と唇の隙間から私の精液を溢しながら、まるで恋人同士のように濃厚な唇愛撫。

 うらやましい。うらやましいが、けしからん。ぬらぬらとむつみ合う唇の間におちんちんをねじ込んで、抗議の意を示してやる。二人で盛り上がるじゃないよ、客をほっといてあんたらは。しかし抗議はどうにも通じず、二人は嬉しそうにしゃぶりつくばかり。まったくもう。

 

 改めておちんちんを振り上げ、四つん這いになった鈴花さんのお尻へと向けてあげる。ふるふると白いお尻が揺れるのは誠に卑猥で美しい。そう言えばこういう風にバックで入れるのは初めてだ、入れられた事はあるけど。

「じゃぁ、入れるね…」

「はい、そのまま…来てください…」

 腰に手を当てて支えながら、ゆっくりとおまんこへと侵入していく。勝手知ったる人の中、だが姿勢が違うと感じ方も違う。正常位か騎乗位が多くて、あとは殆どしてないし。四十八手とか挑戦してみようかな、また今度に。

 と、いつの間にかマキアちゃんが私たちの下に入り込んでいる事に気づく。そこからだと、繋がってる部分が丸見えになっている筈だ。恥ずかしいけれど、それもなかなか良い。見せ付けるようにわざと激しく抜き差ししてやると、マキアちゃんが嬉しそうに笑い声を上げる。

「素子お姉さんのおちんちん、スゴい元気ですね~♪」

 じゃあもっと元気な所を見せてあげましょう、思う存分ね。

 ぱちゅんぱちゅんと叩きつけながら、頭の奥でカウントダウンを開始する。お腹の奥から流れてくる衝動を、そのまま最短距離で外へと繋げるイメージ。快感がそのまま奔流となるように、頭の中をそれ一色で塗り潰していく。

 そして、やって来る。決壊が。

「あ、おちんちん脈打ってますよ~。おまんこから吹き出して、とってもエッチです~」

 実況されながら膣内へと精液を送り込み、ガクガクと痙攣する腰を力付くで征しそのままピストンを続行していく私。頭の中で雄スイッチが入る音がする。まだまだ、まだまだ出したい。蹂躙したい。元栓が壊れたように垂れ流される精液は結合部から溢れ、マキアちゃんの喉を潤していく。そしてその舌が、動きを止めないおちんちんが、私の精液タンクとなりつつある鈴花さんのおまんこが、卑猥な音を奏でていくのが幻想のように美しく感じる。

 不馴れなせいでバックからの突き上げがしっくり来なくなり、正常位にしてみた頃には普段あまり大きな声を上げてくれない鈴花さんも、理性を失いつつあるような高い声を漏らし始めていた。当然私の理性はもうとっくに失われているし、マキアちゃんもマキアちゃんで大量精飲でテンションがおかしくなったのか鈴花さんの顔に股がっておまんこを擦り付けている。

 狂った三人、狂ったセックス。あぁそうだ、細かいことなんかいらないんだ。こ(・)れ(・)は(・)、(・)ひ(・)た(・)す(・)ら(・)気(・)持(・)ち(・)良(・)い(・)。

 マキアちゃんとキスしながらも、鈴花さんへの射精とピストンが止まない。このまま死んでしまえたら、どんなに幸福だろうか。何十回目かの射精の末、膨れ上がったお腹の上に倒れこみながら意識を失う直前ふとそう思った。

 

 結局、その後はよく覚えていない。夢見心地で店へ戻り、倒れ込んで気がつくと私はふたなりでは無くなっていた。最近、どうも戻った時の喪失感が大きくなっている気がする。生まれた時からふたなりだったような感じさえする。

 店を出ると、マキアちゃんが私を待っていてくれた。そう言えば今回マキアちゃんには一度も中出ししてないな、拗ねてるのかな、と一応微笑みかけてみる。

 が、マキアちゃんから帰って来たのは小さな一言だった。

「素子お姉さん、あんまり…通い詰めちゃダメですよ?」

 ? 何を、言っているのだろう。まぁ風俗通いで身上潰したくはないけど…。

「何でも、です。依存するとロクな事起きませんよ」

 いつもと違う口調、そして立ち去る後ろ姿。…どういうことだろうか。

 

 私がそれを知るのは、少し後の事。いつだって、そうだ。私はいつだって、そうだから。

 

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