リーリエの1件もあり、俺達の次の動きは決まった。
「また、同じく、空白の場所にある地図を埋める。そうしていけば、何か分かるかもしれないよね」
アカネはそう呟きながら、先日、解放された港の事を思い出す。
「けど、やっぱり、また出てくるんでしょうか、怪獣は」
それは、リーリエを閉じ込めていた存在。
怪獣は、まるでリーリエのトラウマを糧にして存在しているようであり、実際に囚われていた時のリーリエの様子は、母親に見捨てられてしまった。
そんなトラウマを刺激されたように思えた。
リーリエ自身は、その時の事は覚えていないと口にする。
実際に怪獣になっている間のリーリエは、自分の記憶が曖昧になっているという事を口にしていた。
「実際に、俺達も分からない事が多いからな」
「もう1人の私の事を含めて」
「……それを知る為にも」
未だに向かった事のない場所へと、俺達はそのまま向かう事にした。
だけど。
「うわぁ、ここって」
「ある意味、とんでもない場所だな」
俺達は周囲を見渡す。
荒れ果てた遠い未来の地球。
そう思わせる程の荒廃した町並みが、そこには広がっていた。空は赤く染まり、建物の多くは倒壊し、植物は枯れて、地面すらもひび割れ、まるで地獄のような世界。
そして何より。
その荒廃した世界を闊歩しているのは、生物が存在している気配は何もない。
まさしく、生き物の存在しない街。
「本当に何か、生き物が存在している気配が無いね」
「あぁ。でも、この風景。なんか、見覚えがあるような気がするんだけど」
アカネの言葉に俺は少し考え込む。
荒廃した街並みに覚えはある。
だけど、何処かが思い出せない。
「まぁ、とりあえず、行こうぜ」
「うん。私も、この場所は気になるよ」
「ですね。何か、この場所だけ、他と違っている感じがしますし」
リーリエアカネはそう言いながら、先に進む。
そんな2人を追いかけるように、俺達も進んでいく。
荒廃した道を進んでいく。すると、何かの影を見つける。
「おい、あれは?」
俺が指さす方向に目を向けると、そこには。
巨大な化け物がいた。
「おいおい、何だありゃ!?」
その言葉と共に見つめた先。
そこに立っていたのは、銃の塊。
そう言って良い存在がいた。
顔も、腕も尻尾も。
その全てが銃となっている竜が、そこにいた。
その姿を見て俺は、異形の竜の正体をすぐさま理解をした。
「怪獣」
「また、現れたのか」
『怪獣』は、俺達を見つけるとゆっくりと歩み始める。
それを見て、俺達は自然と拳を握り。
「ねぇ」
アカネが俺に声をかけてくる。
「1つ、考えたんだけど」
「奇遇だな。俺もだ」
互いに頷き合いながら、俺は確認するように口を開く。
「いいか?」
「うん、大丈夫」
2人で確認を取る。
今、この場で改めて、頷く必要はない。
だけど、無言で互いを見つめ合う。
それで、十分。
そして、頷き合い。
「行ってくる」「うん」「気をつけて」
その言葉を合図に、俺は走り出す。
「アクセスフラッシュ!」
それと共に、俺は再び、グリッドマン・アルターに変身する。