あの時と、似たような空間に、俺は立っていた。
おそらくは、あの時と同じように周囲はどこかの空間。
そして、あの時の怪獣と同じだろう。
俺が降り立った場所。
「というよりも、なんで銀行なんだ?」
そうして、俺が歩いて行くと聞こえて来たのは水の音。
疑問と共に、ゆっくりと俺は足下を見る。
「っ」
見つめた先にあったのは、水ではなく真っ赤な血。
靴を簡単に汚す程の血の量。
「本当に何が起きているんだ?」
銀行という場所に関して、よく観察する。
銀行の文字を見る限りだと、日本である事は一目で理解出来るが。
「なんでここに血がって」
そうして、見つめた先には、頭を撃ち抜かれたと思われる男がいた。
見る限りでも、その男が何かを行おうとしていたのだろう。
何よりも。
「額に穴が空いている」
それは、日常の光景ならば決して見る事のない光景。
人が死んでいる。
一目で見れば、それが分かる程だった。
ゆっくりと視線を見つめれば、おそらくはこれを行った犯人はいた。
「・・・この子が、いや」
この場合は、この怪獣の本体と言うべきだろう。
同時にその先には、小さい女の子がいた。
その手には銃が握り絞めていた。
「私が、殺した。私が」
銃を握り絞め、俯いていた。
未だに幼い少女だろう。
この現場で、何が起きたのか。
それは分からない。
しかし、こんな小さい子が殺したのか。
疑問はあった。
けど、同時に周囲を見る。
「これは」
窓の外からはこちらを見る目だった。
『人殺し』『人殺し』『人殺し』
聞こえて来た声は、こちらを見ていた。
おそらくは、この少女に向けられているんだろう。
「私は、私は」
その視線に対して、俺はどうすれば良いのか分からない。
だけど、もしもこの恐怖が銃ならば。
自然と、俺はその銃を、少女から取る。
「えっ」
「正直にいえば、この状況はどう動けば良いのか分からない」
記憶もない。これから何をしたら良いのか。
流れるように戦っている。
けど、ここでやるべき事は。
「敵は、目の前にいるこいつらという事」
それと共に引き金を引く。
窓には穴が空く。
その穴からこちらを見つめる目は恐怖が見えた。
「たった1人の女の子を見捨てるのは、どうも無理そうだからな」
それと共に、俺は銃を捨てた。
にしても、これからどうしようか。
迷っていた。
けど、こちらを見ている少女がいる。
「どうする、ここにいるか?」
「・・・連れて行ってくれるの?」
「正直に言って、ここから出ても、どうにかなるか分からないけど、良いか?」
「・・・うん」
言葉と共に、俺は彼女を背中に抱える。
だけど、ここからどう脱出しようか。
すると、何やら俺達は、何か吹き飛ばされる感じがする。
それと共に、俺の背中にいる少女の呟きが聞こえる。
「アクセスコード、モーターギア」
聞こえた声と共に、俺はその空間から飛び出した。