次の目的地へと向かった。
その場所は、これまでのようにどこか近代的な場所である事は分かる。
「それにしても、こうして見ると、本当に無茶苦茶よね、まるで別々の場所をつなぎ合わせたような感じで」
シノンは、そう、この場所の感想を呟く。
それに関しては、その場にいた全員が同じ事を言える。
「アカネと最初に出会ったあの街も、本当に俺達の街だったのか、今では分からないからな」
「なんだって、いきなりここに落とされたからね」
この場所に来る経緯を思い出して見ると、俺達が住んでいたと思っていたあそこも、本当の街だったか分からない。
「それを言えば、この街もそうよね」
そう、言いながら、その近代的な街の風景を見る。
それは、俺達がいた現代を思わせる街でも、シノンがいた荒廃した街でもない。
SFなどで見られるようなビルが建ち並び、中には電灯と思しき光がいくつも光っている。
そして、その奥には大きなドームがある。
「とりあえず、少し探ってみようか」
「あぁ、そうだな」
そうして、俺達は、すぐに街を探索する。しかし、あまり芳しくない状況だった。
街を歩く人々を見つけても、まるで俺達の事は眼中に無いようで、こちらを見る事はない。
「……なんというか、初めて人間がいたと思ったけど」
「なんというか、まるで生気がないよね」
道中の人達は、まるでゲームの中に出てくるNPCのような、そんな印象だ。
それが、この街全体の雰囲気に合っているのが、この異質さを醸し出している。
そう考えている時だった。
「……あれ?」
気づくと、周囲には、アカネ達がいない。
何時の間にか、はぐれてしまっていた。
注意深く周囲を見るが、アカネの姿は見えない。
その代わりと言っては何だが、眼前に一人の少女がいた。
「おっ、やっほぉ」
聞こえて来た声。
それと共に、俺は目を見開く。
「お前は」
そこに立っていたのは、アカネだった。
だけど、そこにいたのは俺が知っている銀髪のアカネではない。
怪獣を生み出したと思われ、これまでの黒幕だと思われる人物。
「黒いアカネ」
俺は、思わず呟く。
「黒いって、まぁ、確かに」
俺の言葉に、アカネは、むしろ愉快そうに笑う。
「まぁまぁ、ヒーロー君もゆっくりと話さない?」
「なんで」
俺は、そうアカネに聞く。
「ふふっ、だって、君も私から色々と聞きたい事が有るでしょう?」
「……それは」
確かに、俺は黒いアカネに色々と聞きたい事がある。
この世界の事も、怪獣の事も、
それを全てを知っているのは、黒いアカネから。
「分かった」
その言葉と共に、俺は黒いアカネの誘いを受ける事にした。