「へぇ、結構、面白いメニューが色々とあるんだねぇ」
そう、黒いアカネは、店のメニューを見ながら笑みを浮かべる。
それだけならば、普通の光景かもしれない。
けど、奴は、俺達の知らない何かを知っている。
「それで、君が聞きたいのは何かなぁ?」
笑みを浮かべている黒いアカネは、間違いなく俺の知っている黒いアカネだろう。
だけど、どこか不気味な感じがする。
「……お前は、なんで怪獣を生み出すんだ」
だから、素直に聞いた。
その答えは。
「好きだから」
「っ」
そう、まるで何もないように答える。
「怪獣を見るのも好きだけど、作るのも好きなんだよねぇ、だから私は怪獣を作る。ただそれだけだよ」
「……それだけ」
俺は、呆然とする。
だって、そんなので人を殺し、街を壊すのか。
「そう、だって私にとっての怪獣って、そういうモノでしょ? だから怪獣がいれば、きっと面白いと思うのよねぇ」
「面白いって、それじゃ、怪獣の中に取り込んでいる彼女達は」
そう、言うと黒いアカネは言う。
「君ってさ、フィギュアを作る時に必要な事って、知っている?」
「なんだよ、いきなり」
「骨組みだよ、そこをしっかりとしていないといけないの」
それと共に、何時の間にか、そこには針金によって出来た何かがあった。
「この骨組みにね、粘土を付けて、カッターナイフでゆっくりとデザインをすれば」
そうして、出来上がったのは、まるで亀を思わせる怪獣。
「まさか」
それと共に黒いアカネは頷く。
「彼女達はね、怪獣を作る時の基盤なんだよ。あぁ、安心して、ちゃんと生きてはいるから」
「そんな、そんな理由で」
黒いアカネの言葉に、俺達は震える。
だって、そんな理由で。
「ふふっ、でも、これで分かったでしょ?」
黒いアカネは言う。
「私はね、ただ、怪獣が暴れる所を見たい。けど戦っている所も見たい。だからね」
その言葉を最後に、俺は後ろから何かが近づく気配を感じて振り向いた。
「っ」
巨大な亀の怪獣がそこにおり、俺は驚く。
「さっき、造り出した怪獣がっ」
そうしている間に、黒いアカネは。
「君の戦い、楽しみにしておくねぇ」
その言葉を最後に、そこから姿を消した。
そして、亀の怪獣は俺に迫り、俺はその怪獣に向かって走った。
「アクセスフラッシュ!」
それと共に、俺は構える。
そのまま、俺はグリッドマン・アルターへと変身する。
すぐに振り返って、見つめた先には、既に黒いアカネの姿はなかった。
次に何時会えるか分からない。
それでも、この場で目の前にいる怪獣を倒さなければ、次に進む事は出来ない。