「ここは、学校の校舎なんでしょうか?」
「分からない、けど」
俺は、そうしながら、周囲を見る。
先程まで、俺達が住んでいた街は、既になかった。
周辺は、山だけしかなかった。
都会とは程遠い田舎。
いや、それとも違った。
「まるで、ここ以外、何もないような不気味さだ」
そんな事を、ふと呟いてしまう。
「先輩」
俺の言葉に、恐怖を感じたように新条さんは見つめる。
「とにかく、しばらくは休める場所で休むしかない。最も」
それは、目の前にある古い校舎しかない。
それでも、何もないよりはマシか。
「入るか」
俺はそう呟きながら、新条さんと共に旧校舎の中に向かうのだった。
中では人の気配が全くなかった。
それどころか、生活の跡すら残っていなかった。
まるで廃墟のような建物であったのだ。
それでも、俺達は廊下を進む。
そのまま、使われていない教室を見つける。
幸いにも鍵はかかっておらず中に入る事が出来た。「ここまで、来るのにいろいろあったな」
俺は思わず呟いてしまう。
「先輩?」
新条さんは不思議そうに俺を見る。
「いや、なんでもないよ」
そんな新条さんに俺はそう答える。
(それにしても、ここは一体)
そう思いながらも俺は周囲を見渡す。
やはり、誰もいないようだ。
しかし、それでも何かがあるかもしれない。
そう考えて、俺達は探索を始める事にした。
「先輩、あれ」
新条さんが指差したのは一つの教室だった。
その教室は、まるで何かを保管しているような部屋だった。
「入ってみるか?」
俺の言葉に新条さんは頷いたので、俺達はその部屋に入る事にした。
部屋の中は薄暗く、よく見えないが、それでも何かあるような気がする。
「これは」「パソコン?」俺と新条さんは部屋の中にあった物に驚愕する。
それは確かにパソコンであった。
しかし、問題はその数であった。
まるで、学校にある全てのパソコンがここにあるかと思う程に大量に置かれていた。
しかも、どれも電源が入っているのか、画面には様々な数字や文字などが表示されていた。
「何なんだ、これは……」
俺は困惑しながら呟く。
だが、そんな俺に対して新条さんは冷静に答える。
「分からないけど、とりあえず、触ってみます?」
「あぁ、そうだな」
俺達はすぐにパソコンを調べる事にしたのだ。
すると、画面に表示されたのは地図。
そこには、この学校以外の場所は何もないように表示されている。
けど。
「あの、先輩、これって」
「んっ?」
気になって、見てみると、そこには空白の場所。
それは、パズルのピースのように、空白だ。
「なんでしょうか?」
「分からない、けど」
何も分からないこの状況を打開する為に、向かう必要があるかもしれない。
「先輩」
「とりあえず、行く必要はあるけど」
既に日が落ちかけていた。
「今日は、休むしかないな」
夜の中で、森を歩くのは危険だ。
それなら、明日の早朝に行動する事にしよう。